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電子ジャーナルへの複写依頼対応状況

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Academic year: 2021

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(1)A42. 電子ジャーナルへの複写依頼対応状況 ○宇野彰男、伊藤茂樹 北里大学医学図書館 〒228-8555. 神奈川県相模原市北里1-15-1. Tel: 042-778-8742. FAX: 042-778-9236. E-mail: [email protected]. The present situation of the use of electronic journals for interlibrary loan in JMLA libraries. UNO Akio, ITO Shigeki Kitasato University Medical Library 1-15-1, Kitasato, Sagamihara-shi, Kanagawa 228-8555 Japan Phone: +81-42-778-8742. Fax: +81-42-778-9236. E-mail: [email protected]. 【発表概要】 電子ジャーナルの利用が一般化するに伴い、冊子体が存在せず電子ジャーナルのみの雑誌や、コンテン ツの一部は電子ジャーナルでしか利用できない雑誌も増えてきた。こうした状況に対し、図書館の対応は まだ十分とはいえない。冊子体に対する相互貸借は定着しているが、電子ジャーナルに対する相互貸借を 受け入れている図書館は少ない。国立情報学研究所の総合目録データベースであるNACSIS-CATには電 子ジャーナルの所蔵も登録できるようになっているが、現状では登録している図書館も多くはなく、電子 ジャーナルに関しては自館で利用可能なもの以外を入手することは難しい。その背景には電子ジャーナル のライセンスのわかりにくさがあると思われる。関東地区の医学図書館でおこなったアンケートをもとに こうした実情を報告する。. 【キーワード】 電子ジャーナル、相互貸借、図書館サービス、総合目録、著作権. 1.はじめに. イトル数が、電子ジャーナルで利用できるようにな. 電子ジャーナルの利用が一般化するようになっ. ってきた。また電子ジャーナルの導入に伴い、冊子. たのはここ数年のことであり、日本医学図書館協会. 体の方は中止してしまった図書館も見受けられる。. ではコンソーシアムを積極的に導入してきている。. 現在ではまだ旧来の冊子体を望む利用者も多く見. その結果、現在では相当数の加盟館がコンソーシア. かけられるが、冊子体から電子ジャーナルへの流れ. ムに加入し、多いところでは2,000タイトル以上の. は今後避けざるを得ない状況となっていくであろ. 電子ジャーナルが利用できるようになり、これまで. う。. の冊子体の購読タイトル数よりもはるかに多いタ. − 57 −. 旧来の冊子体では、自館で所蔵していないタイト. 第40回情報科学技術研究集会予稿集.

(2) A42 1. 電子ジャーナルの相互貸借実施の有無、条件. ルの論文については、相互貸借の制度を利用し、他 館から複写を入手することが可能であり、近年雑誌. 付きで実施の場合はその内容。. 価格の高騰により、大量の購読雑誌を中止せざるを. 2. 実施していない場合はその理由. 得なくなっている図書館にとっては、相互貸借は不. 3. 将来の実施の予定. 可欠のものになっている。. 4. NACSIS-CATへの所蔵登録の有無 5. 登録しない場合はその理由. こうした重要な相互貸借のシステムであるが、電. 6. その他自由記入. 子ジャーナルの相互貸借についてはまだ一般化し ているとはいえない。しかしながら、最近では多く の雑誌が投稿された論文の掲載が決定すると、まず 原稿段階で電子ジャーナルとして発表することが. 上記内容のメールを送付し、回答もメールでお願 いした。. 多くなってきた。これにより実際に雑誌として発行. 送付から回答期限まで10日間を設定したのだが、. される何ヶ月も前に、その内容を知ることが可能に. 期限までに回答があったのは47館中27館のみであ. なってきた。また一部の論文は、冊子体には印刷さ. った。メールではその場で開いても、印刷して文書. れず、オンライン版のみという場合もある。この場. にしておかないと忘れ去られてしまうのかもしれ. 合も冊子体に目次のみは掲載されているのである. ない。またメーリングリストは担当者の個人宛のも. から、その論文を利用したい場合は、電子ジャーナ. のが多く、担当者が代わると伝わっていない場合も. ルの利用が必須となる。. あったようである。. 自館でその電子ジャーナルが利用できない利用. 2週間経過して回答のなかった館には、再度同じ. 者は、こうした論文は入手したくてもできないこと. 内容をファックスにして送付したが、こちらは即座. になる。こうしたことを考えれば、今後は冊子体の. に反応があり、さらに15館の回答を得ることがで. 相互貸借と同様に、電子ジャーナルの相互貸借も必. きた。総回答数は42であったが、1館は回答部分が. 要になってくると思われる。. 空白であり、有効回答数は41である。回収率は89%. これに対し現在電子ジャーナルの相互貸借に応. であった。. じてくれる図書館はほとんどないといってよい。そ. メーリングリストを利用することにより、大量に. の原因をさぐるため今回アンケート調査をおこな. 郵送し、返信用封筒と返信切手代を負担することに. ったので、その結果を報告する。. 較べれば、経費もかからず手軽ではあるが、郵送に 較べればメール単体では回収率がよくないのでは. 2.方法. と思われた。. アンケート対象としたのは、日本医学図書館協会 加盟館114館のうち、関東地区に所属する図書館47. また複雑で手間のかかる回答にはメールは向い ていないと思われる。. 館である。関東地区には日本の医学図書館を代表す る図書館が多く、医学部、歯学部、研究所、病院図. 3.結果. 書室など館種のバラエティもあり、サンプルとして. 有効回答数41館のうち、電子ジャーナルの相互. は適当であると考えられた。また関東地区会にはそ. 貸借をおこなっていると答えたのは3館のみであっ. れぞれの図書館宛の連絡用メーリングリストがあ. た。この数は予想よりも少なかったが、条件付きな. り、これを利用することにより最小の手間により迅. ら対応すると答えた館が11館であり、約1/3の図書. 速にアンケートを回収できるメリットがあると考. 館が何らかの形で対応していると考えていいであ. えられた。. ろう。全く実施していないと答えたのは27館であ. アンケートの内容は記入の手間を省き即座に回. った。非実施率は66%である。 (表1). 答がもらえるように、最低限の項目に限定した。 アンケート項目は下記の通りである。 第40回情報科学技術研究集会予稿集. − 58 −.

(3) A42 表1 電子ジャーナルの相互貸借を実施しているか. 8館であり、20%にしか過ぎない。 (表2). 実施している. 3. 一部のみ実施. 11. 実施していない. 27. 登録している. 5. 有効回答数. 41. 一部のみ登録. 3. 表2 NACSIS-CATへの所蔵登録. 登録していない 一部のみの実施というところは、依頼された文献. 2. 記入無し. が下記の場合のみ対応すると言うところである。. 有効回答数. 1) 冊子体に収録されない電子ジャーナルのみの論文. 27. 41. 登録しない理由としては1)契約上の問題、2)Web. 2) 冊子体発行前の論文. のアクセスが保証されない、3)電子ジャーナルの購. 3) 冊子体未着のもの. 読が確証できない、4)その他として、電子ジャーナ. 4) 契約上問題のないもの. ルのみの購読ではないので冊子の登録のみでよい 等の意見があった。. 実施していない理由としては契約上の問題とし ているのが11館あり、通常の相互貸借の処理とは異. 4.考察. なり手間がかかるからとしたところが5館あった。. 以上のように、現状ではまだ各館とも電子ジャー. またその他として1)電子ジャーナルをとっている. ナルの相互貸借利用については慎重であり、その原. 数が少ない、2)まだ準備ができていない等があった。. 因の一つとして電子ジャーナルの利用契約のわか. 国立情報学研究所では平成12年より総合目録デ. りにくさがあるようである。. ータベースに電子ジャーナルの書誌と所蔵を登録. 日本医学図書館協会でコンソーシアムを導入す. できるようにコーディングマニュアルを改訂し、各. る場合、相互貸借の利用の可否の項目があり、ほと. 館が電子ジャーナルの所蔵を登録するように呼び. んどの場合はプリントアウトしたものを郵送また. かけてきた。またScienceDirect等の利用数の多い. はファックスで送付することを認めている。ただし. 電子ジャーナル書誌をあらかじめ作成し、便宜を図. Elsevier社のScienceDirectの場合は契約書には相. ってきている。. 互貸借に利用はできるが、「利用できることを広告. 電子ジャーナルの所蔵を登録する際に相互貸借. したりしてはならない」という項目が入っている。. が可能な場合はCPYNTフィールドに「ILL可」と. 厳密に解釈すればNACSIS-CATに「ILL可」と記入. 記入するようにとなっているが、所蔵登録自体には. してはいけないということになる。また一部の学会. ILLの可否は問わないことになっている。ただし一. 誌などでは明確に相互貸借は認められないとして. 般によく利用されているWebcatでは、最近改訂さ. いるものもある。どの電子ジャーナルが相互貸借に. れるまでは電子ジャーナル書誌と通常の冊子体書. 利用でき、どれが利用できないのかが明確でなけれ. 誌が別個に同じように表示され、その区別がわかり. ば、各館は安心して相互貸借に利用できないことに. にくい欠点もあった。またWebcatでは「ILL可」. なる。. の表示はなされていない。こうしたことからまだ. ただいつまでもこれにこだわっていては、将来ほ. NACSIS-CATへの電子ジャーナルの登録は進んで. とんどが電子ジャーナル化された場合相互貸借が. いないようである。. 成り立たなくなってしまうおそれもある。. 今回の調査でも登録している図書館はわずかに5. アメリカではどの電子ジャーナルが相互貸借に. 館であり、契約上問題のないものを一部のみ登録し. 利用できるか検索できるサイトが存在するようで. ているとしたところも3館だけである。あわせても. あり、MITの図書館では自館のホームページに出版. − 59 −. 第40回情報科学技術研究集会予稿集.

(4) A42 社ごとの相互貸借の可否を掲載している。 相互貸借制度は雑誌出版社にとっては歓迎せざ る制度ではあると思うが、学術論文流通の上では欠 くことのできない制度であるので、各館が安心して 相互貸借に利用できる方策を考えることも必要で あろう。 日本医学図書館協会のコンソーシアムでは、ほと んどが相互貸借の利用可となっているのは歓迎す べきである。ただし一部には相互貸借利用を認めな い出版社が存在するので、各館にとっては全面的に は踏み切れない理由になっているようである。. 参考Webサイト Licensing Digital Information http://www.library.yale.edu/ llicense/ILLproject.html. 第40回情報科学技術研究集会予稿集. − 60 −.

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参照

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