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高校・理数科教育(物理・数学)の '科学技術離れ' の実態と授業実践検討(その1)-無限観・原子観のアンケート調査報告を中心に-

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(1)Title. 高校・理数科教育(物理・数学)の '科学技術離れ' の実態と授業実践検 討(その1)-無限観・原子観のアンケート調査報告を中心に-. Author(s). 小形, 秀雄; 酒井, 源樹; 倉賀野, 志郎. Citation. 僻地教育研究, 50: 105-118. Issue Date. 1996-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1543. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである. Hokkaido University of Education.

(2) No.50. 1996.3. 高校・理数科教育(物理・数学)の“科学技術離れ”の 実態と授業実践検討(その1) 一無限観・原子観のアンケート調査報告を中心に_ 小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志郎(北海道教育大学釧路校) ResearChforScience&MathematicsEducationinHighSchool. −ConceptualUnderstandingofHigh−SchooIStudents onNature&Mathematics− HideoOGAm,MotokiSAKAIandShirou KuRAGANO. によって自然における人類に占める地位を認識する 【1]自然耽の形成に着目する. ことで新しい人生観と価値観が求められている時代. (1)今,「若者の科学書支術離れ」(1994年慶 一科学接. である」のに対して.現在の科学教育は.「自然綬. 術白書J)が話髄となっている。. を無視した“実学知識”偏重となっている」ことを. “科学技術離れ”の実態については.平成5年度. 指摘している。また「日本の教育のもう一つの大き. r科学技術白書J(著者と科学技術:科学根術庁. な欠陥は,個別知識詰め込みと共に,各教科分断の. 絹:1994年1月)や,例えば一理工教育を問うJ(l). “縦割り教科’’にある」ことでもあり.「教師はも科. で.その一端が触れられている。. 学とは何かを.また自然科学の方法と理論に自然椀 を反映させていることなどを持まえたうえで理科教. また.日本物理数青学会等が「理科教育の再生を. 育を行うべき」で「自然械を適してロマンのある科. 訴える」という「異例の声明」を出し.「国民的寮 費としての科学教育の充実」や.「科学を正しく理. 学教育と.その上で科学的自然観に基づく人生概の. 解し.躍れた判断力を持った小中敷貝の要請につい. 形成が望まれる」(3〉。. ててこ入れを求めて」いる(1994年4月)。 しかし.我々は,安易に“高さ”だけを追求して. (2)自然観・数学観に着目する背景. 自然観にこだわる同塵意識の背景には次のような. も.“裾野”を大きくしなければ“高い山”はでき ないと考える。●一裾野”を考えずに“高さ”だけを. 考えがある。. 追求すると脆弱で簡単に倒れてしまうものになって. ①“知識・理解’’対‘■関心・意欲’t という対立図式. しまう。r科学はやっばりおもしろい:育休み中学. には同線がある。 形式的知識(暗記知識)に対する反省とはなって. 生科学実験室J(2)として捷示する実験の開発を奨め. る動きもあるが,他方において,●▲自然観・数学観’’. いるが.知識・理解の形式的把握に基づく.関心・. が高校までの物理・数学教育に直接的に課題とはな. 意欲の付け足しである。知識から“知を織り成す”. っていないが,見方・考え方としての“自然観’’の. という‘■行為”へという発想が必要である。. 形成が必要であると考える。. ②また,知識・理解そのものの常に戻って考察すべ. 各々の専門分野が細かく分かれているが故に全体. きである。. 知識・理解の内的な考察に基づいて関心・意欲と. やずっと先のことを見通すことを,ちょっと離れた 視点からみることが必要ではないかと考え,自然. つながっていくものである。対立図式では,■●知. 観・数学観そのものの開拓しうる基礎をアンケート. 識・理解”は静態的にしか把掘されていないのでは. として調査することとした。. ないだろうか。形式的・静態的知識として,自然條. 自然を把握する学力が形成されているわけではな. 自然観等の教育の必要性は.例えば菅野礼司氏も. い。形式的知識,法則暗記的知識は受験テスト後は. 「自然科学の成果の上に科学的自然観を築き.それ −−105−.

(3) 小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志郎. 剥落していく。. ることを調査の基本的視点とした。. ③静態的知識・理解を脱却するためには,足し算と. 今回は高校に限定して,都市部においては釧路湖. しての関心・意欲ではなく,自然條・自然観を認識. 陵高校を,都市部以外からは白糠高校を選定して調. 論として把握すべきで,自然観・世界観等の認識論. 査を行った。白糠高校では.高校1年から3年まで. 的意味が検討される必要がある。. 総数343名にアンケート調査を行ったがl,今回は,. この「自然観」の形成を次のような位置づけで考. その前段部分として都市部の高校に関する調査結果 を報告しておく。. えている。. 既存の体系性の理解の範囲内においては,新しい. 調査分野は,数学については.数学観として無限. 科学を創出することはできない。誤謬を恐れること. 論を,また物理分野については物理観・自然観とし. なく,実践の科学的処理方法の意義を踏まえつつ,. て原子論を選定した。 事前のテーマ選定段階では意識したわけではない. 大胆に自然の観念的把握を行うべきであると考え る。科学は,まさに創造的な,観念的把握をテコと. が,結果として自然観・数学観として扱ったテーマ. して前進すると考えるからである。しかし.科学的. はギリシャ自然哲学で根われている分野と重なって. な,過去の科学の成果に基づく自然條も学ぶ必要が. おり,自然哲学が現代にも通じる課題であることを. ある。既存の見方・考え方を踏まえず,主観的に提. 再認した。. 起しても,「科学」を構築することはできない。條. 今回の調査にみられる回答を“誤謬”としてとら. と観は両輪のごとく相互に発展する形で理解してい. え,否定的に考察するものではなく.自然観・数学. く必要があると考えている。. 観の裾野の広さを確認しつつ,それを自然條・数学. それぞれに対応させると,次のような「自然観」. 像を構成し直して行く“教育’● という視点からの科. を考察する位相が考えられる。. 学技術離れの課屠への接近視角を問うこととする。. (》体系的自然條としての自然に対する見方・考え. この調査に引き続く課題は.調査の後半部分の整理. 方:解釈コードとしての自然観. を行い,授業実絨検討へと進むぺきものであると考. 田中一氏によれば.知識は休系性を有しているが. えるが,それに向けての諸課頼を整理する範囲にと. 故に,個々の事実が位置付けられる。ここでは.統. どめておく。. 一的自然像(例えば歴史性・累(階)層性・系列). 数学観として無限に関する部分は小形が,自然観. としての自然観が位置づけられる(4)。菅野礼司氏. として原子論に関する部分は酒井と倉賀野が担当し. は「自然観とは一つの民族.あるいは一つの文化圏. ている。. の人間が自然認識の程度に応じて描く自然條に基づ いて自然の仕組みや自然の原理を理解する態度・観 【2】無限についてのアンケート調査結果). 点である。例えば,科学的自然條はその時代の科学 的知識に基づいて描かれた自然の描憺であり.科学. (0)数学の領域でも,「無限」はきわめて重要な概念. 的自然観は,すなわち自然哲学である」としている(5)。. である。高校3年生に微分積分を教える時など,無. ②休系性の延長(論理的.歴史的頬推・予測):ヱ. 限という言葉を頻繁に使うし.限りなく近づく,無. 測フ「ドとしての自然観. 限大にとばすなど多様な形で使用されている。. 事実関係は現段階では不明だが,論理的・歴史的. しかし,高校数学の中には.基礎的な無限概念の. には予測しうる。“予測”は,内在的な認識論を仮. 教材はなく,数学観にかかわる無限の教材化を課埋. 設している。教材を具体例では“なぜ’’としての開. とすることを考えている。理数科の生徒に.. いとして現れるであろう(h)。. 1=0.999…を無限等比級数の公式を用いて説明した. ③体系性・歴史性の自然の観念的把握に基づく自然. り,本からの説明をプリントし配布しても完全には. の実現:婁践コードとしての自然観も考えている. 納得してもらえなかったことがある。また,以前に. が,ここでは割愛する。. は彪は小数では無限につづくのに.長さでは切れ. (3)調査にあたっての基本的視点. “理科離れ’’現象の実態を調査するという視点と. 1白糠高校の藤原美実氏をはじめ諸先生にはアンケート. は異なり.“自然観・数学観’●の基礎が存在してい. に協力していただいた。記して感謝としたい。 ー106∼.

(4) No.50. 高校・理数科教育(物理・数学)の“科学技術離れ’’の実態と授業案鍼検討(その1). 1996.3. ているのはなぜかという質問を受け苦労したことも. 表l:[質問M−1:「無限」で連想する青葉】の集計. ある。これらの素朴な疑問を受け止めての教材はな. 連想事例 1年生 2年生 3年生 全 体. いのである。. [数学的なもの〕. 今回は,その教材化の予備的段階として,現実に. 数. 26. 22. 14 62(26.3). 今の高校生が.この無限をどう思っているのか.ど. 円周率. 15. 14. 12 41(17.4) 9 24(10.2). う感じているのかを知ることが,教材を作るための. 星の数. 5. 10. 原点ではないかと思い.調査することにした。なお. メビウスの輪. 4. 7. 仲田紀夫氏が『無限の不思議J(講談社ブルーバッ. 直線. 7. クス,1992)で無限に関する大学生のアンケートを. 生物の数. 3. 記載している。. 無限大. 調査方法. 無限級数. 1年生78名(理数科37名.1年普通科41名) 2年生77名(理数科38名,2年普通科39名) 3年生別名(理数科37名、3年普通科44名) 合計 236名. 調査時間 数学の授業中の20分. 2 10(4.2) 5 5. 7(3.0) 6(2.5) 6(2、5). 2. 3(1.3). 微積分. 2. 3(1.3). 空間の点. 2. 3(1.3). 3.14…. 3. 3(1.3). 無理数. 2. 3(1.3). [宇宙論的]. 平成7年(1995)7月10日 質問M−1−M・4 平成7年(1995)7月17日 質問M−5−M−10. 2 5. 2. 3. 数学. 調査実施日. 2 10(4.2). 0.333・‥,1/3. ノラ. 対象生徒 北海道釧路湖陵高等学校. 7 18(7.6). 2(0.8). 2. 91% 空間・地平 線. [物理・生物的]. (1)アンケート調査結果. 生命・エン. (a)【半間M−1]. ジン. [未来・予測的〕. 「無限」という言葉から連想するものを述べて. 来・想像力. 下さい。(いくつでも). ・永遠. 回答事例を表1に示した。以下、表中で数字は回. 〔文学的]. 29%. 答人数であり,()内はそのパーセンテージであ. 学問・愛情 ・希望・心. る。 各学年とも数学的なものでは「数」が第1位であ. [美的]. 12%. 5%. 6% 音楽・音. った。しかし.その人数は1,2、3年と学年が上 がるにつれて減少している。第2位は円周率である。 これについても学年が上がるにつれて,若干ではあ. を上げていた。第2位は1年生では「物理・生物的. るが減少傾向である。これに対して2,3年生では,. なもの」であるが.2.3年生では「未来・予測的. 無限大,無限級数,極限,無理数など無限に関係す. なもの」であった。また「文学的なもの」,「物理・. る言葉が多くなっている。これは.1つには微分積. 生物的なもの」では学年が上がるにつれて若干では. 分を学習することによって,無限という言葉の入っ. あるが減少傾向であった。これについては,上級学. た教材に接しているからだと思われる。2つめには. 年になるにつれて,数学的なものを連想するのが強. 特に理数科の生徒に見られるのだが.理科系に興味. くなるためと思われる。. をもっている生徒が広くオリジナルな勉強をしてい. 各学年を通し,その他を含めて多種多様なものが. るためと思われる。. あげられたが,「宇宙」を上げる生徒が各学年60名. 日常・社会的なものでは「宇宙論的なもの」が第. 前緩いるなど「宇宙論的なもの」を連想するのが一. 1位であった。各学年90%以上の生徒が上げてい. 番多いことがわかった。. る。特に3年生では全員が何らかの宇宙論的なもの ー107−.

(5) 小形 秀堆・酒井 源椒・倉賀野志郎 表2:【f間M−3:「兼隈」のイメージ】の■計. (b)【半間M−2】. イメージ事例 1年生 2年生 3年生 全 体. 「無限」ということを図に現してみて下さい。. 大きい/広い/. 15. 19. 14. 13. 17. 14. 11. 18. 田 13 37(15.叫. (いくつでも). 長い. 回答例を類別すると発散型,収束型,循環型にく. 限りなく続いて. くられよう。代表的な例を図lにまとめた。他に直. いく. 線・放物線・双曲線等のグラフを書いたものが見う. 終わりがない. けられた。. 果てしない世界. 9. 16. 其っ白/実っ黒. 5. 4. 4. 3. 3. 6. 各学年とも発散型と循環型が非常に多い。2・3 年生では収束型が描かれているが.1年生ではまっ. /時間. たく見られなかった。1年生の7月時点では収束す. 限りなく広がっ. るという概念が身に付いていないのかも知れない。. ていく. 曲線や直線を使い連続的な図を現しているのが多い. 未知/神秘. 2. 4. 6. 恐怖感. 2. 3. 2. 7(2.8). 気が遠くなりそう. 3. が,中には点集合型で量的に多いことから図に現し ているのが各学年でみられた。この量的無限観はボ ルツアーノのー無限の逆説」(7)の中でもみられる ことである。また,連想するもので一番多かった宇 宙を図に描くのが難しいため,限りなく続くものが. 7(2.8). 希望. 2. 6(2.4). 放えきれない. 2. 2. 4(1.の. 不可能と可能. 2 3. 3(1.2). はかりしれない. 多くなったと思われる。 団l. 発散型. 3. 4. 3(l.2). 想惟できない. 3. 3(1.2). 限りなく0に近. 2. 2(0.8). 2. 2(1.6). づく 何もない. 収束型. [政事は回答人数,()内は%]. 各学年第1位は「継続・限りない」ものであった。. 1.3年生では50%前後.2年生では60%以上の 生徒が挙げている。その中でも「限りなく続いてい く」と「どこまでいっても終わりがない」が圧倒的 に多かった。続いて「大きい・広い」で30∼40%,. また2,3年生では「文学・抽象的」が30%以上 であった。「収束・発散」については各学年とも低 かった。. 点集合型. 数の多い上位層は各学年同じ傾向であった。収 束・発散が低かった理由については,無限のイメー. 克. ジと聞かれた時に数学的よりも日常的なものを考え てしまうものと思われる。特に3年生などは微分積 分の極限の範囲を学習しているから「大きくなって いく」「ある値に近づく」などというイメージをも っているはずである。中にはおもしろく抽象的なも. (℃)【半間M−3】. のもあった。光や原子の軌道は物理的無限綬を意味. 「無限」に対してどのようなイメージをもつか。. していると思われる。それにしても,各学年実に多. (いくつでも). 種多様なイメージがあげられた。数学的なものから. 回答イメージ例を表2に示した。. 人間の生き方及び心など想條を絶する多さであっ −108−.

(6) 高校・理数科教育(物理・牧草)の●l科学技術離れ●●の実態と授業案殿検討(その1). No・勤. た。高校生にとって無限のイメージは数学的なもの. 1沖6.3. しれない.はんとに小さな物なのだろう。. より数学以外のイメージを数多く抱くことがはっき. (3年). りした。一人ひとりが自分自身の個性あるイメージ. [数学的]. ・0は無限個掛けても0である。. をもつことは大変重要なことである。それと同時に. ・lim(2ズ+蝕)はプラスの無限大にいく。. 数学的無限観及びそれ以外の無限観の一般的な整理. ・1imとは∫を無限大にとばすことである。. が必要であると思われる。. ・微分積分の無限数列は苦手だ。 【数学的以外】. (d)【半間M−4】. ・無限大にも大小がある。 ・無限の限界について考えることそれ自体が無限だろ. 「無限」という言葉をもちいて短文を作って下. う。. さい。. ・無限という概念を作った人何の想推力が無限なのであ る。. 広い,続く.宇宙など連想するものを使用しての 文やイメージするものから作っているものが多かっ た。数学的.文学的,疑問型,未来継続型など多彩. しっかりした無限概念をもつことによって,論理. なものが作られた。3年生では,「0は無限個掛け. のしっかりした文が作られる。したがって.違った. ても0」など数学的なものがl.2年生より多かっ. 種類の文を作れば,その種類分の無限概念を持って. た。これは3年間の経験と微分積分を学習している. いることになると思われる。. ことが理由と思われる。. (e)【半間M・5】. 作文例を以下に示す。. 集計結果を表3に示した。 (作文例). これは3年生の微分積分の無限級数のところで,. (1年). でてくる例題である。よって3年生ではできて当た. [数学的】なし. り前である。が、普通科では半数以上が$OS以外と. [数学的以外]. 答えている。生徒にとっては.授業の時は式の成立. ・宇宙の一番はじまで行って、無限の先にあるものを見. によって証明されても.実際には納得できなかった. たい。. ・人は無限の限界を知ることはできないのでしょうか。 ・無限とは一体何なのだろう、はたして日で見えるのか. 兼3:【井間M・5:1・0.部将‥・=】の■針. それとも見えない四次元の世界のものなのか。 (2年). 回 答 〔数学的]. 1年生 2年生 3年生 全 体. ・円周率は無限につづく。. 0.(X沿…l. 【数学的以外]. ・無限とはとても興味のあることだが,恐ろしい.どこ まで行ってもきりがない,目標がないということがこ. 13 13. 15 17. 0. 8 8 14. 0.(X粕…. 6. 0.111…. 7. 芸0. 4. 1/10(抑…. 1 2. ・我々の秘める能力とは如何なる手段を用いても.我々 が認知でき得る範囲を越えている。すなわちそれは無. 0.1. 限なのであり.そこに未来への希望を感じることが更 に無限を深めることになるであろう。 ・沢山物があって,人がいて.生き物がいて,長い間に. 3 18. 79(32.1). 20 13 63(25.6). 2 10. 5. 4 7. 7. わい。. 理 普 理 普 理 普. 34(13.8) 2 1. 17(6.9). 31 5(2.0) 3(1.2). 2. 開りなく0. 2. 3(1.2). 10. 2. 2(0.8). 地球で繰り返されてきた物が,大きな,きりがない.. 解なし. 広がっていく宇宙のなかで考えるとすごく小さなこと. [普:普通科,環:矧酎斗 数字は回答人政,()内は%〕. だと思う。無限の中の流れの中のたった′小さな点かも. −10針−. 2(仇8).

(7) 小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志邸 表4:【半間M−6:$=1・1+1・1+1…】の先計. ということかもしれない。事実.3年生理教科でい ろいろな本からこの説明の部分をコピーし配布した. 回 答. がどうも完全には納得してもらえなかった。ただし.. 次のような説明には一応認めた感じであった。. 1年生 2年生 3年生. 26 33 17 13 12 18 119(‘は.4). 0. 5. 0.999・‥(ガ個続いていると考える)。ここでガを無 限大にもっていった時の極限値が1である。結果と. 1/2. 5. して憶えたとしても,…の先のイメージはつかめて. 0か1. 3. いないのかも知れない。. 全て正しい. 1,2年生については,0.(珊‥・1と答える生徒が. 全 体. 理 普 理 普 理 普 6. 4. 6. 1 9. 31(12.6). 8 7 14 5 39(15.の 口 7 5 16(6.5). 3 2 3. 9(3.乃. 全て間違い. 1 2 2 3. 9(3.7). どれともい. 4. 4(1.6). 一番多かった。それ以外もほとんど0に近い値を答と. えない. していた。このことから.計算においては無限を大き. 解なし. な,または小さな有限と考えるということである。. 【普:普通科,理:理数科 数字は回答人乳()内は%〕. 11. 2(0.8). 喪6:【半間M・8:整数と自然数の個数】の♯計. また.理数科と普通科の違いでは3年生において. 理数科の方が0と答える生徒が多い。これはやはり. 回 答. 理数系に興味、関心を持っている生徒が多いためと. 思われる。1,2年生については特に大きな違いは. 同 じ. なく同じ傾向であった。. 違 う. 1年生 2年生 3年生 2. 6. 34 34. 7. 7. 27 31. 7. 9. 37(15.0). 27 33. 186(75.q. [普:普通科,理:理数科 数字は回答人数.()内は%] (り【半間M−6】. 5壬1−1+1−1+1・…. 公比を−1として求めたと思われる。注目すべきこと. 5=(1−1)+(1−1)+(1・1)・‥. は各学年.最後が+1なら1.最後が−1なら0と答え. =0+0+0. る生徒が数人いたことである。これなどは.無限と. =0 査泣虫. いっても,大きな有限と考えているように思えてな. 5≡茸1−(1−1+1・1+1一・‥). らない。. 右辺の()内は0なので上式は. やはり生徒にとっては,無限に続くといっても,. 5=1−0. 遠くのどこかで止まるものと捉えているのかもしれ. −1 査速1. ない。. 5=1一(1−1+1−1+1−…). 右辺の内は5と等しいので上式は. (g)【#間M−7]. S王1−S. 偶数と自然数の個数は同じか。. 25ヨ【1. Sl/2 盈追出Z. 集計結果を表5に示す。. どれが正しいと思うか[二]. 集計結果は表4である。. (h)【半間M・8】. これはポルツァーノの著書ー無限の逆説』の中に 整数と自然数の個数は同じか。. でてくる開襟である。各学年理数科.普通科共に0 と答える生徒が圧倒的であった。これは(1−1)が無. 集計結果を表6に示した。. 限に続くと考えたのであり,(1−1)+1の形で無限に. このZつの質問は対応させることによって、個数. 続くと考えたのが答lであると予想できる。. は同じと考えるカントールの無限観に関するもので. 3年生理数科では1/2と答えた生徒が14名と多. ある。各学年,適うと答える生徒がかなり多かった。. かった。これは無限等比級数の和の公式を利用し.. カントール自身も.当時この無限観を認めない数学 −110−.

(8) 高校・理数科教育(物理・数学)の“科学技術離れ●tの実態と授業実損検討(そのl). No・馳. 表5:【半間M・7:偶数と自然数の㈲即の▲計 回 答. 1年生 2年生 3年生 理 普 理 普 理 普. 全 体. 理. 由. 同 じ 8 10 10 11 8 10 57(23.2) ・どちらも無限(l・2・3年) ・数は無限にある(2年) ・終点がきまらない(2年) ・偶数は自然数に2をかけたものだから自然数と同じ(2・3年). 適 う 25 30 24 27 27 34 167(67.9) ・自然数の方が多い(1・2・3年) ・どちらとも言えない(無限に概く)(2年). ・6まで考えると偶数3個自然政6個(3年) ・個数は無限にあるので救えられない(2・3年). ・増加の速度が自然数は偶数の2倍だから時間を伴って考えれば 適うともいえる(3年) ・偶数は負を含むから多い(1年). ・もし故に限りがあったら適う,限りがなかったら同じ(1年) ・1−10までの偶数は5個.自然数は10(2年) ・一定の救までなら自然数の方が多い(2年) ・図からみて適う(3年). 〔普:普通科,理:理数科数字は回答人牧,()内は%] 表7:【賞間M・9:線分Aβ上の点と影A一β’上の点の個数】の▲計 理. 回 答 1年生 2年生 3年生 全 体. 由. 等しい 19 22 25 26 30 33 155(63.0) ・図からみると(2年) ・A■β−はAβを拡大したものだから点の敢は等しい(3年) ・影だから大きさは適っても点の個数は等しい(1・2・3年) ・線分上の点の救は限りがないと思う(2年) ・線分ABを通るすべてがA●β一上にくる(2年). 適う 17 17 12 13 6 10 75(30.5) ・点の大きさが違うと同じにもなるが同じサイズで考えると適う (2年). ・ある長さに一定の点の赦しか入らないのだとしたら.長い方に たくさんある(2・3年) ・Aβ上とA一β◆上の点の個致が同じならA●β’はすきまができ てしまう(3年). ・線は点の集まりだから長さが適えば点の個数も適う(1・2年) ・全ては原子から成り立っている(2年) ・長さが適うから(3年) ・A●β■上の点の方が多くみえる(3年). 【普:普通科∴環:理数科敵手は回答人数,()内は%〕. 者が多く.苦労していたようだが.現在の高校生も. を意識しているとは思えない。しかし,偶数は自然. 受け入れないようである。2劉弱の生徒が同じと答. 数を2倍にすれば同じという理由はカントールの対. えている。その理由をみると,どちらも無限だから. 応させるというイメージに近いと思う。. と言っている。. つまり,かならずしも対応すること. 適うの理由は自然数の個数のほうが多いである。こ ー111−. 1鮒6.3.

(9) 小形 秀堆・酒井 源樹・倉賀野志郎. れは量的にみているものと思える。ボルツァーノは無. [普通科1年]. ・1.4142…とはどんどん小さくなっていくので,数字の. 限綬を重職念で捉えているが∴量的にみれば適うとい. 上ではずっと続くけど長さは切れている。. うのも妥当性があり,一般的なのかもしれない。. ・膏という致はずっと続くけれど長さで表すときはど. いずれにしても.数学的に認知されているカント. こかで切って考える。. ールの無限観を高校生に教える必要があると思う。. ・途中でむりやり切った長さなので数では続かせられる. また,各学年及び理数科と普通科には大きな違い. けど長さでは続かせられない。. はなく同じ傾向であった。. ・続いているんだけど.あまりにも単位が小さくて見え. (i)【賞間M一朝. ・長さでもずっと続くけど,それは電子顕微鏡の世界の. ないだけ。. 話だからRでみえる世界では切れているようにみえ 線分Aβ上の点の個数と彰A’β\上の点の個数は. る。 ・本当は長さがずっと続くのだが,人間にはこまかい所. 等しいか。. まで書けないから右にある絵は限りなくノラに近いも. 集計及び回答理由を表7にまとめた。. のであってノラではない。. 等しいが半数以上である。前間とは違った結果で. [理数科2年]. ある。前岡は離散的な個数で.この場合は連続的な. ・いくら続いたところで微々たる数字なので長さとして. ものである。つまり.カントールの無限観について,. 表すには限界があるし,表したところでノラとして考. 離散的なものは受け入れないが∴連続的で範囲が有. えるために必要ないから長さは切っているゥ. ・1.414<1.4142…<1.415だから切れている。. 限であれば受け入れるという感じである。. ・実はこまかく続けたいが,人間や機械では限度があっ. 違うの理由については.長さが適えば個数も違う. て書けない。. である。これは点の大きさを同じと考え.量的な概. ・続いていく致があまりにも小さすぎるので日には長さ. 念で答えている。つまり.ボルツァーノの無限概念. は切れているように感じる。. に近い見方であると思える。. ・理論的に考えると永遠に続くが,ものすごく小さい故. この質問の場合,たしかに質問用紙の図から対応. 字なので,そこまで図で表すことはたぷん不可能。. ということを認識するのかもしれない。図がかなり. [普通科2年]. 影響を与えていると思われる。. ・1.4142…<ノ喜だから切れている。. また,3年生で「等しい」が1,2年生より若干. ・1.4ぐらいまでは定規で書けるけど,1.4以下の数字の. 多かった程度で.各学年.理数科と普通科に大きな. 長さを書くのはけっこう無理だし.そんなに長さがか. 違いはなかった。. わるわけじゃないから適当なところの長さで区切って いるからJ喜という長さは切れている。 ・長さはずっと続かないと思う。ノラというのはその長. (j)【半間M−10]. さを表している数字だから長さでもずっと続いたらノラ. という致はでてこない。. 招壬1.4142…であるが長さでは切れている。長. ・実際には続いている。. さでもずっと続くのではないか?. ・図に書くと目に見える範囲で書き表される。. 自分の考えでうまく説明して下さい。. [理数科3年]. ・膏<l.42だから切れている。. 説明例を以下に示す。. ・長さは元々から存在する区間であるハ それにノラを記. 号づけたものだから乃は続くが長さが続くことはな い。. (回答例). ・ノラはl.4142…と無限に続くがそれはあくまでも.この. [理数科1年]. ・1.4<ノラ<1.5だから切れる. 長さの中で無限に続くだけだから長さがずっと続くわ. ・小数点以下の値はほとんどなきに等しい。. けではない。. ・実は切れているように見えるだけで.実際には無限に. ・J乏というものは散で表すとずっと続くが,長さに表. 続いている。. すと切れるという牧である。. ・.‥の続きが数字の上でずっとあっても図には書き表せ. ・日では見えないくらい短くなるので止まって見える。. ないんだと思う。. ・説明は不可能です。 ー112−.

(10) 高校・理数科教育(物理・牧草)の■●科学指術離れ’’の実態と授業案粧検討(そのl). No・帥. l鱒6.3. ・長さはずっと続くが定規ではかりきれないほど小さい。 が,調査は数学観も調査した小形が行った。 ・「計算的なこと」「図形的なこと」と2つに切り離し. 構想段階では.宇宙挟も含めて設問を考えていた. て考える。. のだが.調査時間の関係もあり.今回は原子に関す. ・乃の長さは書くことができるが.歓としての乃はさ. るイメージ.自然観を歴史的/構造的側面に着目し. だまっていない。. て行った。. [普通椚3年】. 調査方法. ・招<l.4143なので切れている。. 対象生徒 北海道釧路湖陵高等学校. ・ある値に近づいていっているだけなので長さは続かな. 1年生 40名 2年生 39名 3年生 42名 合 計 121名. い。. ・招は2発して2の長さになるのであって,長さがずっ と続く無限だとすると無限を2乗して2にはならない から長さは有限だと思う。 ・円周は2汀rと一般的に表せる。円周は長さのため,. 調査時間 数学の授業時間の20分. 打という無限小故にも長さがある証明となる。よって,. 調査実施 平成7年(1995)11月質問G・1∼G6. J喜も長さがある。 ・Jラは数字ではずっと書くことができるが.線で書く といずれ人間の視覚ではとらえることができなくな. (1)アンケート調査結果. る。実は右の図もずっと続いているが,人間の日では. (a)【矧問&1】. それをとらえることができないので切れているように. ●●原子’’という言牽から何を連想しますか。い. 見える。. くつでもよいですから,連想する青葉を書い. てください。. 結果は各学年ともだいたい同じであった。大きく わけて3つの説明にしぼられる。. 集計結果が表8である。禎数の言葉を回答させた ので.重なる部分もあるが,一番最初イメージした. 1.4<招<1.5に代表されるように,はきみうち の原理から「切れている.切っている」ということ. ものに限定して整理してみた。以下,表中で数字は 回答人数であり,()内はそのパーセンテージで. である。2つめは若干の説明の適いはあるが.「続 いているが.切れているように見える」である。3. 表8:【f憫G−1:−原子【で連想する青葉】の回答例. つめは.長さは元々から存在する区間である。それ. 連想事例 1年生 2年生 3年生 全 体. に招を記号づけたものだから招は続くが長さが続. 小さい/微/ト. くことはないという説明から「長さと数は別」であ. 15. 3. 田 29(24.0). 化学/物理. 4. 4. 7 15(12.4). る。他に3年生では.有限である理由を2乗したら. 原子力発電所. 2. 6. 7. 2になることや円周は2汀ーで無限小数汀があっても. /原子炉 4. 5. 2. 8. 3. 2. 4. 3. 9(7.4). 3. 2. 2. 7(5.8). 物質/原子量等. 2. 2. 2. 6(5.0). 鉄腕アトム. 4. 円周という長さがあることから背理法で証明してい. 原子壌弾/幕壌. るものがあった。これなどは3年生の経験と知識の. /中性子喋弾. 賜物だと思われる。. /広島・長崎 原子力. 高校生にとっては,頻繁に使用しているこの招 にこのようなさまぎまな思いをもっていることがわ. 元素/アトム. かった。今後はその思いを大t別こしながら,どう貴. /分子/電子. 実を敢えていけばよいかが課題だと思われる。. 物質のもと/物 質の最小単位. 【3】原子論についてのアンケート臍査報告. 人の名前. (0)白糠高校と釧路湖陵高校と,合わせて464名のア. 球/粒子. ンケート調査を行った。ここでは湖陵高校に限定し. 5(4.1) 4. 2. 5(4.1) 3(2.5). 〔数字は回答人数.()内は5%]. ている。理科の先生方にお願いしてもよかったのだ. −−113−−.

(11) ′小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志郎 表9:【賞間G−2:内部イメージ】の回答. 回答事例. 1年生 2年生 3年生 全 体. 教科書に搭載してあ. 8. 23. るような電子配置図 (図2−1). つlつlゼきれ、、一ひ芳一. 点もしくは丸い球の イメージ. 7. 9. ロ. 3. 3. ロ. (図2・2). −その集合体の図版 (図2−3). 原子の内部にかかわ. ロ. 4. るイメージ (図2−4,5,−6) [図版なし]. 9. 6. 4. ・丸くて小さい粒子 ・陽子や電子がはい. 2. 2. っている球. はないだろう。 (b)[半間G−2】. 私たちの体や石ころも“原子”からできてい ます。“原子”っていったいどんなものだと思. いますか。図でも言葉でも良いですから小さ. ,l′ ●■ い◆●:ノ.・ ■. 「.三烹. い粒子と思われる“原子”(陽子や電子)の内 部も合わせてイメージを書いてください。. ・トー‘■tr・1い. ゞ −J ̄う否ゝJ…−・′、、. 今朝ニ,一こ■−′ふ 11住・し■.. 代表的なイメージを図2として示す。 図でイメージを書いてもらった圧倒的多数は, “教科書に掲載してあるような電子配置図’’で39%. がこれにあたる。とりわけ3年の方が多く1・2年. ある。. の倍以上になっている。l‘原子の内部も合わせてイ. 一番最初にイメージした内容としては,“小さい”. メージ”を書くとすればこうならぎるを得ないのか. というイメージが多く24%となっている。学年上 では1・3年が多く,2年では原子力が一番となっ. もしれない。. また点や丸,その集合体として善かれているもの. ている。3年では“物理・化学●’(17%)が多くな り.教科内容の学年進行を反映しているのであろう。. も多く.23%になるが,逆に3年では少なくなる。. また,“物質のもと’●(5%)は意外と少なく“原. 単純な表記法ではすまなくなると考えられているの であろう。しかし1・2年では差はみられない。. 子力発電所’’・“原子爆弾”が多く.この項目は合わ. また.固までは善かれていないが,“丸くて小さ. せると25%ともなる。3年では“広島・長崎”とい う回答もあった。究極のもとということよりも.. い粒子”とそれに頬することを回答したものも. “原子”からイメージされるものは新聞等でも話題. 26%となっている。点や丸や電子配置図が原子の. となっていることの方が印象が強いのであろう。. 圧倒的多数のイメージなのであろう。 ごく少数ではあるが,原子の内部にかかわるイメ. たまたま原子という名前があったのか,“はらこ” という回答も出されている。 少し,予想外だったのが“未知”・“むずかしい”. ージを回答したものもある。例は少ないのだが.. “宇宙’● というもので.必ずしも連想しうるもので. なイメージでの構想は教科書が進行するにつれて少. 2・3年よりは1年の方が多く見受けられた。自由. 一114−−.

(12) 高校・理数科教育(物理・数学)の“科学撒術離れ●’の実態と授業実働検討(その1). No・50. 力が強くてこわれにくいので,最小だと思ってしま. 表10:【質問G・3:分割可能性】のよ計. う’’にすぎず,●●物質の究極みたいなものはあると. 回答項目 1年生 2年生 3年生 全 体 無限分割可能 −の考えに近い. 最小単位あり −の考えに近い. 2. 17. 思うが,現段階ではどちらも矛盾がある’Iとして.. 10 38(31.4). 17. 3. 22. 6(5.0). 23 62(51.2). 2. “さらに分割できるが無限ではない’●として今後の. 認識の深化をとらえた回答もあった。また.“無限. 4(3.3). に分割できるのとそうでないものがある’●として究 極の粒子段階に到達していると思われるものと,ま だ分割可能だと思われるものとは区分して把握すべ きであるとの回答もあった。. なくなるようである。堅いパチンコ玉のような原子. のイメージとは異なり.その形が維持されるために は,その内部構造があるに適いないという発想は重. (d)【質問G−4】. 要であると考えている。 ●‘原子”って.いつできたのでしょうか。宇宙. その他では,“その中にはえたいの知れない生き. の始まりからあったと思いますか。. 物が?”とか.“何でもくっつけてしまう不思謙なも の’●という“目には見えないが大切な働きをしてく. (設問の意図が分かりにくく,圧倒的多数は“あっ. れる”が“未知な世界”という“人間の能力を超え. たと思う’’となっているが,宇宙と無関係に宇宙の. た宇宙的な存在’’という考えも少数ながらある。. 始まりからあったという考えと.それと同時にでき たともとれる回答が含まれている。“思う”だけで は判断できない回答が含まれていることになる。そ. (C)【半間G−3]. れが明示されていものについては項目を分けてい ▲●原子”は. る。). ①さらに分別していくと無限にできる, ②これ以上分割できない単位がある という考えがありました。 あなたは,どちらの考え方に近いですか。. (理由例). ③その他の場合も書いてください。. 【思う】. 回答を表10に集計した。. ・常子があったから宇宙はできた。. 今までのアンケートとは異なり,考え方はきれい. ・当たり前です。原子はなくてはならない。 ・宇宙という空間自体が原子でできている。. に二分されている。近いという考えも合わせると. ・ないと始まちないでしょう。. “無限分割可能’’は1年では49%.2年では33%,. ・思うというよりないのが想便できない。. 3年では39%で,全体では39%となる。1年では 半数近くもあったイメージが ,2・3年になると少. [始まる前からもあった]. ・宇宙ができるずっと前からあった。. なくなるようである。他方“最小単位あり”は1年. ・宇宙の始まるずっと前からもあった。. では49%.2年では64%.3年では62%.全体で. [思わない]. ・分裂する原子のようなものがあった?。. は58%となる。最小単位あり.逆に多くなるわけ. ・ビックバン以前からあった。. である。. [宇宙が始まった時にできた(創造された)]. “無限分割可能”に対して“人間が聯手に作れば. ・宇宙と一緒にできた。. どんな単位もできる”という趣旨の回答があったが,. ・無の次にできたもの。. 自然そのものの構造として理解されない傾向がわず. ・宇宙ができたころ,同時に原子もできた。. かだかあるようである。原子の起源を闘う次の項目. ・ビックバンより少しあとのこと。. に対しても,“原子”という概念が形成された段階. 【宇宙の始まりにはなかった(それ以降にできた)〕. という回答があったが,これも同様に理解すること. ・ある程度.冷えてから。. ができるであろう。. ・宇宙に物質というものが存在するようになってから。 ・地球ができたころ。. また少数ではあるがその他として.●l最小は結合 岬115−. 1!粉6.3.

(13) 小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志郎. していないことが分かる。. 【その他]. また.今回は原子故に着目してのアンケートなの. ・ニつの説がある ・原子という“概念…ができた時. で宇宙観については触れていないが.●‘原子から宇. ・宇宙の始まりがあったかどうかもナゾです. 宙が誕生したのかもしれない”とか“宇宙にはじま. ・原子から宇宙が嘉廷生したのかもしれない. りも終わりもない”という考えも示されており,別. ・宇宙にはじまりも終わりもない. に考察する必要があるだろう。. (e)【質問G−5】. 回答数を表11に集計し,そう回答した理由の例 を拾い上げた。. 例えば.酸素の●■原子’● と,炭素の“原子い とでは,化学反応でも働きが遠いますね。この 働きの遠い原因はどこに.あるいは何にあると. 宇宙ができる前に,その素材としてニュートンが 考えたように時間や空間がそれ以前からあったと同. じように原子があったという考え(ア)と,それと 同時にできたという考え(イ).それよりもさらに. 思いますか。 集計結果を表12にまとめる。. 遅れてできたという考え(ウ)の3つがあることが. ●一原子の構造の適い等”や“電子や陽子の数の適. 予想される。. い”に昔日する回答は1年では58%,2年では 41%,3年では70%で,全体では58%となる。学. アンケート上の不備で,“思う”という回答には.. 前の二つの意味が混在しているが,回答の多くのイ メージは,例にも善かれてあるように“原子があっ たから宇宙はできた’’とか■‘当たり前です。原子は なくてはならない”,“宇宙という空間自体が原子で. 年進行とともに増加するというようにはなっていな いが,3年段階では高率になっている。. 他方,原子そのものの賀が性質や遺伝子と同じよ うに異なるという考えが根強く存在していることが. できていないと始まらないでしょう”という宇宙以. 分かる。“原子そのものの質が異なる”は1年では 29%.2年では55%,3年では19%で.全体でも 33%となる。この考えは一概には排除しえないだ ろう。化学反応での働きの相違は構造等に基づいて. 前からあったという考え(ア)に近いと思われる。 ここでは“思う’− を(ア)として整理すると. (ア)の考えは1年では71%が,2年では79%が, 3年では80%にも達することとなる。全休では 77%となる。必ずしも,この数字全部が宇宙創成 以前から原子があったとする考えばかりではないと. 表12:[半間G−5:化学的性質のちがいの由来】の集計. 思われるが,高いことは間違いないだろう。. 全 体. 回答内容. 他方(イ)の考えは全体でも12%程で.(ウ)の 考えは7%しかないこととなる。原子が宇宙の始ま り以降にできたとする現代の考え方はほとんど浸透. 性質の違い. 7. 3. 17(14.0). 電子放. 2. 4. 9(7.4). 1. 4. 6(5.0). 4. 3. 13(10.7). 11. 22(18.2). 電子配置▲価電子 別なものだから違う (種類,物質が). 表11:【ず問G−4:原子の起源】の回答. 回答事例 思う 始まる前からも. 構造の遠い. 1年生 2年生 3年生 全 体 22. 24. (陽子数・電子致). 29 75(62.0). がある. 4. 4. (その他の回答)−ちがいの原因一. あった 思わない. 2. 2. 宇宙が始まった時に. 5. 3. 4(3.3). 状態/質量/形/原子の中のものの数/遺伝子/くっつ き具合/本来はおなじものが物質になっていくときに. 5. つくらゎた 宇宙の始まりにはな. 原子そのものに遠い. 働きが変化した/まわりを回っているもの(1年生) 4. 3. 口. 原子の組み合わせ/原子の形/人間が勝手に分類(2年生). かった(それ以降に. 原子半径/環境/原子の並び方/中心にあるものか周り を回っているもの/引きつける力の強弱(3年生). できた). ー116−. 10(8.3).

(14) 高校・理数科教育(物理・枚挙)の…科学柁術離れ…の実態と授業案錯傾劇(そのl). No.馳. 説明できるが∴電荷等の質は構造には遭元しえない. 1卵6.3. 表13:【ギ憫G−6:元素の転換】の回答. 質として現段階では把揺されている。元素の質の把. 回答内容. 全 体. 握に対する認識段階とするならば,●■適うものは適. できると思う. う’● としかいいようがない見方も当然のことながら. (その理由). あるわけである。. 構成を組み替えれば/原子をこわせるようになれば/. 今回の回答では,その性質を“遺伝子’●に例えた. 29(24.0). 原子にも遺伝子らしきものを発見すれば(1年生). ものが出されている。これは次の項目でも現れてい. 原子の中を組み変える柁術があれば/分別していき再. る。. び組ふ立てる(2年生). バラバラにして組み立てる/ものすごいエネルギーを. また,●●原子ができた時の環境の適い’− として. 与えて水素・原子をくっつける(3年生). ●‘もとは同じだったが.いろいろなものになってい. できない. く時に働きが変化していっだ’という−一環境の速い’●. 77(63.6). (その理由). をあげているものが目立っている。原子の“履歴’●. 別のものだから/すごい多量のエネルギーが必要とな. が質としてとらえられているわけである。. る/水素は気体で,金は固体のように適う(1年生) 性質が違う/原子は分別できない/原子は変化しなさ. (f)【質問G−6】. そう/金の価値がなくなる(2年生). 原子は固有の特徴をもっている/水素をいくら集めて. 水素の ●●原子”から金などのような ●‘原子●●. も水素にしかならない/陽子数も頒作しなければい. をつくることはできないでしょうか?. けない/原子の中の構造は変えることはできない/. そのように考える理由も合わせて書いてく. 原子自体が小さすぎる(3年生). ださい。. その他. レプリカならできる. 回答をその理由とともに表13に示す。 回答は“できる”と‘‘できない”とに区分される. が.前者は1年では27%.2年では23%.3年で は30%で.全体でも27%で学年による差異はほと んど見られない。後者は1年では70%,2年では 74%,3年では70%でこちらも学年による差異は. 安定的である可能性は分からないが)として存在す. 見られない。前の段間では.原子の質が3年段階に. 握は.個々の段階において存在している。. おいては構造や電子の数等で説明しうるとしている. る。同様に“大人の科学”も存在している。また, 科学者の“科学観’’も存在している。独断的・類推 的延長に基づく“こうであろう”という ●‘自然”把. ‘●children’sscience’’として,わぎわざ科学教. にもかかわらず.つくりかえることとなると.全く. 育において子どもの認識過程に着目せぎるを得ない. 異質なものとして把握されていることが分かる。. ことに驚きを焙じている。法則の押し付け的“理科. つくりかえるためには.莫大なエネルギーが必要. 教育●●がいかに学校教育において横行しているかを. となり.理論的に可能であるとしても現実的には不. 示しているのであろう。事実.理科は“暗記物−’だ. 可能という見方もありうるだろうが,できないこと. という評価を受けているし.また.1‘正答主兼’●が. の理由のほとんどは.質そのものの相違に基づくも. 横行している。. のが多くあげられている。. 子どもは、子どもなりの認識段階に対応する「世 界傾」を“構成’●する。大人・科学者といえども. 認識レベルに差異はあろうが.世界像を主体的に構. 【4】今後の課題:あえて観念に着目しての教材. 成することには本質的な速いはない。誤謬は.個々. 構成を考える。. の認識段階に対応する「世界條」を,その認識レベ ルに対応する‘■事実”・“概念”等にもとづいて,. “自然の観念的把握−● は個々の認識段階に応じて. 存在している。例えば「構成主義」における“子供. “構成”するのであり.そのレベルの範囲内におい. の科学(Children’sscience)l’は,その一つの位相. て世界を構成する以上,間違える可能性があるのは. である川)。子供なりの自然についての見方・考え. 一般的である。誤謬することが間遠いではなくて,. 方、自然観に基づく自然傾は“体系性”(一貫的で,. 大胆に予測・類推し.延長において世界を把握しよ ー117−−.

(15) 小形 秀雄・酒井 源樹・倉賀野志郎. うとし,それ故に間違えることを是正しうるかどう. (4)田中 −.「科学教育と世界観の教育」『講座. かかが,科学の重要な要素である。. 現代教育学の理論2:民主教育の課躇』青木書店. 子どものイメージする誤謬とも思える‘‘科学”に. 1982年. 着目することは.当然のことながら重要であると考. (5)菅野礼司.『科学と自然観』∴東方出版.1995. える。これを配慮しない教育は押し付けでしかない。. 年,p.237. しかし,大人・自分の科学條・科学観を“正しい”. (6)大田 尭.“教育のとらえ直し”『子育て・社. ものとしての前授から,低いレベルである子どもの. 会・文化』岩減書店1993年. 認識を考察するという考えが入りこんでいないだろ. (7)ベルナルト・ボルツアーノ,『無限の逆説』(藤 田伊吉訳).みすず書房.1978年. うか?. ◆‘children’s science”を“鏡’’として,大人の. (8). 『構成主義』については.次のような参考文献. ▲‘細ったつもりでいる”科学への問い直しとして考. がある。. えるならば.子ども観も,教育観,教材構成も変更. *R.オズポーン 他,『子とも達はいかに科学理. 査でも“無限”についてさまぎまな形態や考えが存. 論を構成するか:Learingin Science(The ImplicationofChildren’sscience)』,東洋館,. 在していることが分かり,この高校生の無限観の実. 1988年. が迫られるだろう。“原子観’’のみならず,この調. 態をもとに.高校数学としての無限概念を中心とし. *R.ドライヴァー 他,『子ども達の自然理解と. た教材を作成することも課題としている。これは受. 理科授業:Children’sIdeasinScienceA.■東洋. 験数学になりがちな現状において,答えのみに着目. 館,1993年. して簡単にやり過ごしてしまっている“不思議さ”. *S.M.グリル 他.訂理科学習の心理学:The PsychologyofLearing Science』,東洋館.. をあえて際立たせて,直接的な計算能力の獲得には つながらないが,数学観とも言える無限観に迫る教. 1993年. 材の構成という課題となる。 小形 秀雄(北海道教育大学釧路校 大学院/学校教育専攻). (注). (1)産経新聞社会部,『理工教育を問う:テクノ立. 酒井 源樹(北海道教育大学釧路校. 国が危うい』,新潮社,1995年. /物理学). (2)有馬朗人他.『科学はやっばりおもしろい:育. 倉賀野志郎(北海道教育大学釧路校. 休み中学生科学実一験室』,丸善,1995年. /教育内容・方法). けケ菅野礼司,「科学教育に望むもの」,『日本の科 学者』.水曜杜.1995年11月号. 岬118}.

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参照

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