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小学校音楽科の授業づくりに関する研究 : 授業展開に着目した他教科との比較研究

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Academic year: 2021

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(1)小学校音楽科の授業づくりに関する研究   一授業展開に着目した他教科との比較研究一 教科・領域教育学専攻 芸術系(音楽)コース.    M10204C       中村 愛. 1.研究の動機と目的. の授業はできればもちたくない」といった学級.  平成20年3月に告示された小学校学習指導. 担任の声も現場で多く耳にしてきた。その主な. 要領が、2年間の移行期間を経て今年度4月よ. 要因として、教師自身のピアノや歌唱の技能へ. り施行されている。新学習指導要領には、旧学. の不安が挙げられるが、音楽の授業づくりの難. 習指導要領の基本理念である「生きる力」を踏. しさにもその一因があると考えられる。音楽科. 襲しつつ、それを単なるスローガンで終わらせ. はこれまで、r感性や情緒面に重きを置きすぎ. ないために、教育課程の枠組や教育内容、指導. て目標や評価の観点がやや曖昧だった」1)。こ. のあり方などについての改善と具体的な手立. の曖昧さが、学習の目的や習得すべき内容を不. てが示された。特に、今改訂においてr学力」. 明瞭にし、授業づくりを難しいものにしてきた. の3要素(「基礎的・基本的な知識・技能」「思. といえるのではないだろうか。この点が音楽科. 考力・判断力・表現力」「学習意欲」)が明確に. と他教科との大きな違いであり、筆者はこの違. されたことは重要なポイントである。いま、教. いに問題意識を感じている。音楽の授業の質的. 科教育には、r学力」の育成に向けた授業の質. 転換を図るた一めには、この違いに着目して音楽. 的転換が求められているのである。. 科のもつ曖昧さや不明瞭さの要因をさらに掘.  音楽科ももちろん例外ではない。音楽科はこ. り下げて追究しながら、課題を明確にしていく. れまで、芸術教育か情操教育かの論議の中で、. ことが必要と考える。. 「技能主義」「心情重視」などその指導観も大.  本研究では、音楽科と他教科の授業展開を比. きく揺れてきた。しかし、そのような二項対立. 較しながら、音楽科の授業づくりについて考察. 的な考え方では授業の質的転換は望めない。こ. を行う。ここでの授業展開とは、授業の過程と、. れからは、音楽科においてどのように「学力」. その過程における子どもの学習活動や教師の. を育成するかを考える必要がある。その学びの. 働きかげのことを指す。本研究では、特に授業. 過程を通してr情操」を育む音楽科教育のあり. 過程の「導入・提示」段階(授業への導入と学. 方を追究していかなければならない。. 習課題提示の場面)に焦点を当てる。この段階.  筆者はこれまで、小学校の学校現場において. は、子どもの学習意欲を高めるうえで重要な役. 学級担任として全学年の担任と全教科の指導. 割を担っていると考えるためである。「学習活. を一通り経験してきた。さまざまな教科の中で. も筆者が特に授業づくりの難しさを感じてき たのが、他ならぬ音楽科である。また、「音楽. 一368一. 1)新山王政和r学習指導要領移行期に小中学校音楽科が直面 する課題と今後の授業研究の方向性に関する提案一現職教員. による音楽科授業研究会に参加してr愛知教育大学研究報 告第60輯,2011,p,1.

(2) 動と動機づけ」と「学習課題(めあて)と発間・.  第2章では、授業づくりにかかわる先行研究. 指示」に着目しながら、各教科の授業展開の分. について、その理論や方法論を考察した。これ. 析を行い、その比較を通して音楽科の課題を明. からの授業のあり方を考えるうえで重要とな. らかにする。その課題をもとに具体的な授業プ. る視点と授業づくりの基本的な理論や方法に. ランを作成し、音楽科の授業づくりについての. ついて取り上げ、その焦点化を図った。. 提案を行うことを目的とする。.  第3章では、各教科における授業の「導入・ 提示」段階について、教科書教師用指導書の展. 2.論文構成. 開案をもとに授業分析を行った。他教科との比. はじめに. 較を通して音楽科における課題を明らかにし、. 第1章 わが国における教育課程の変遷. 音楽科の授業プランを作成した。.  第1節 教育政策の変遷  第2節 小学校学習指導要領の変遷. 4.今後の課題.  第3節 小学校音楽科の変遷.  本研究では、他教科との比較を通して音楽科.  第4節 音楽科の課題. の授業づくりについて考察を行った。これまで. 第2章 授業づくり. そのような研究が深められてきたとはいえな.  第1節授業づくりにかかわるキーワード. い。音楽科の授業の質的転換が求められている.  第2節 授業の方法. いま、他教科の授業展開からヒントを得ること.  第3節 授業における教師の働きかけ. は授業改善の有効な手段の一つであると確信.  第4節 考察. している。それをもとに、「学力」と「情操」. 第3章 他教科との比較に見る音楽科の授. をバランスよく育む音楽科の授業づくりを考.    業展開. えなければならない。.  第1節 授業分析の概要.  本研究において、授業の「導入・提示」段階.  第2節 授業の「導入・提示」段階にお. に焦点を当てて考察を行い、授業プランを作成.     ける学習活動と動機づけ. した。しかし、実践による授業プランの検証に.  第3節 学習課題(めあて)と「発問・. は至っていない。今後は、現場での授業実践を.     指示」. 通して改善を行うとともに、新たな授業プラン.  第4節 音楽科授業プランの提案. の作成を進めながら、本研究を深めていきたい. おわりに. と考えている。さらに、授業のr導入・提示」 段階だけではなく、r展開」r終末」段階におけ. 3.研究の概要. る授業展開についても研究を広げていきたい。.  第1章では、わが国における小学校の教育課 程の変遷について述べた。現学習指導要領の理 念を理解し実現するためには、わが国の学校教. 育の変遷を把握することが必要であると考え たためである。. 一369一. 主任指導教員 竹内 俊一一一.

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参照

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