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[講演要旨] 能登半島北西部の隆起生物遺骸群集に記録された最近1000 年間の地震履歴

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Academic year: 2021

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(1)歴史地震 第 24 号(2009) 167 頁. [講演要旨] 能登半島北西部の隆起生物遺骸群集に記録された 最近 1000 年間の地震履歴 宍倉正展(産業技術総合研究所・活断層研究センター) 越後智雄(地域地盤環境研究所) 行谷佑一(産業技術総合研究所・活断層研究センター) 2007 年能登半島地震(M6.9)の震源域およ び周辺の沿岸において過去 1000 年間に 3 回の 離水イベントが生じていたことが生物遺骸群集 の分析から明らかになった. 2007 年の地震では沿岸域において隆起,沈 降を伴い,潮間帯付近に生息する固着生物が 離水・沈水している様子が観察された.地震直 後に各機関が行った海岸調査による生物遺骸 の高度分布の測定結果は,国土地理院による 測地の結果と調和的であった.我々は特に中潮 位 の 指 標 で あ る ヤ ッ コ カ ン ザ シ ( Pomatoleios Kraussii)に注目し,2007 年 4 月と 10 月に調査 を行った結果, 2007 年地震より前に隆起,離 水した化石ヤッコカンザシを 10 地点で発見した. それらは 3 つのレベルに区分でき,高位,中位, 低位と呼ぶ.すなわち過去に少なくとも 3 回の離 水イベントが起きていたと考えられる.以下にそ れぞれのレベルの群集を離水させたイベントに ついて解釈を述べる.. 年)に能登半島南西部に被害をもたらした地震 (M6.4)が候補として挙げられる. 非地震性の相対的海面低下 中位群集は AD1440∼1650 の 14C 年代を示し, 低位群集より 20∼30 cm 高く(標高 45∼90 cm), 低位群集に対してほぼ平行に分布するように見 える.これは中位群集の離水において,相対的 海面が本地域でほぼ一様に下がったことを意味 する.このような変動のパターンは,2007 年地震 のような地震性の隆起では説明が難しい.非地 震性の広域変動やユースタティックな海面低下 が可能性として挙げられる.. 2007 年地震の 1 回前の活動 高位群集は輪島市関野鼻の 1 点のみしか見 つかっていないが,この地点は 2007 年地震で 最も大きく隆起(約 50 cm)した地域でもある.14C 年代は AD1030-1225 で,標高 160 cm にあり, 同じレベルに離水波食棚や離水ノッチといった 1892 年地震?による隆起 間欠的な隆起によって離水したことを窺わせる 低位群集は,2007 年地震の隆起域よりも南 地形を伴う.したがって高位群集の離水が地震 側でよく発達しており,標高 50 cm 以下に分布 性の隆起によってもたらされた可能性が高い. 14 する.この群集から得られた 7 試料の C 年代は, 変動量は中位群集との比高から,50 cm 程度と 見積もられ,2007 年地震と同等である.これらの AD1540∼1950 の範囲内にあり,特に群集表面 観察事実から,高位群集の離水イベントは 2007 の年代(AD 1830-1950)が離水のタイミングを示 年地震の 1 回前の活動を示す可能性が高く,お すと考えられる.離水における変動量は,2007 よそ 1000 年程度の間隔で再来したことになる. 年の離水群集や現成の群集との比高から見積 本地域の更新世段丘の高度と年代から推定さ もられ,南ほど大きく(最大約 40cm),北へ傾動 れる平均変位速度や地震後に行われた海域の するようなパターンが推定される.これは断層運 音波探査によって明らかになった断層の変位か 動などによる局所的な地殻変動を示唆する.低 らも,およそ 1000 年程度の再来間隔が推定され 位群集が地震性の隆起に由来して離水してい る. たとすれば,年代からみて 1892 年(明治二十五. - 167 -.

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