日本福祉大学社会福祉学部 『日本福祉大学社会福祉論集』第 142 号 2020 年 3 月 要 旨 筆者は 2015 年より音楽療法の一手法であるミュージック・ケアの調査研究を行なっ ている.論文「ミュージック・ケアのフィールドワークから考える音楽療法の意義」 (2018)ではミュージック・ケアにおける価値観を,論文「ミュージック・ケアの事例 から考える音楽療法における「たのしさ」の意味」(2019)ではミュージック・ケアの 特徴を対象者側から明らかにすることを試みた. これらを踏まえ,本論文ではミュージック・ケアにおける学びに着目する.ミュー ジック・ケアの創始者である宮本啓子氏は,「教科書」の存在により「ケアのあり様」 がおろそかになるとして「口伝」を重視しているが,「教科書」による学びと「口伝」 による学びの乖離に着目することで音楽療法の本質に迫ることができると考えられる. そこで,宮本氏へのインタビューおよびセッション分析に加え,ある実践者によるセッ ション記録の分析を行ない,「ケアのあり様」の具体化を試みる. キーワード:ミュージック・ケア,加賀谷式音楽療法,集団音楽療法,音楽療法,口伝
ミュージック・ケアにおける学びから考える音楽療法の本質 ―「教科書」と「口伝」のあいだ―
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