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ソフトウェア開発用プライベートクラウドにおける資源効率の改善事例

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 79 回全国大会. 2A-02. ソフトウェア開発用プライベートクラウドにおける 資源効率の改善事例 ○住田. 宏己†. 吉本. 安男†. 富士通(株)† 1. はじめに 近年は多くの企業でプライベートクラウドが 導入され、仮想化による IT 機器の資源効率の改 善と設備費用の削減が進められている。 仮想化 によって資源効率が改善されることは良く知ら れている。我々は仮想化された環境を前提にし た上で、資源効率をさらに改善できるよう、稼 働状況に基づいて資源の無駄遣いを削減する運 用 方 法 を 研 究 し 実 践 し て い る。提案している 『選択的 VM 片寄せ方式』[1]は、仮想化された プライベートクラウド環境において特にメモリ 資源の利用状況に着目し、メモリを占有したま まアイドル状態が長期間続いている VM(virtual machine)を業務用サーバから追い出すことで、 実メモリを有効に活用することを狙ったもので ある。本稿では『選択的 VM 片寄せ方式』の運用 をとおして得られた気づきと改善事例について 報告する。 2. 選択的 VM 片寄せ方式の概要 対象としているのは、社内の技術者にソフト ウェア開発環境を提供するプライベートクラウ ドシステムである。このシステムでは開発チー ムごとに必要な VM を必要な時点で利用者自身が 操作して配備できる。開発環境を手軽に展開で きるので利用者には重宝されているが、一方で 資源の無駄遣いを生じさせている。 開発チームが配備する VM は、チームの事情に 応じて運用時間を自由に設定できる。例えば平 日の業務開始時刻に自動的に起動し、深夜に自 動的に停止させるような運用である。利用者に とっては VM の起動・停止に煩わされることなく 開発業務に専念できるというメリットがある。 ところが実際の運用では、業務開始時刻に起動 された後、1日じゅう誰にも使われないまま深 夜に停止されるという VM が、かなりの割合で見 つかった。このような VM をアイドル VM と呼び、 アイドル VM 以外を利用中 VM と呼ぶことにする。 一般的に仮想環境で VM を起動し過ぎると互い _ Improvement of resource efficiency of a private cloud for software development †Hiroki Sumida, Yasuo Yoshimoto Fujitsu Ltd.. 1-15. に実メモリを奪い合うことになり、性能低下の リスクを伴う。そのためクラウドシステムを提 供し始めた当初は、実メモリの許容範囲内に収 まるように VM の配備数を制限していた。 このような環境で運用を続けた結果、前述の アイドル VM が増加して多くの実メモリを占有し てしまい、新たな VM を配備できなくなるという 事態に陥っていた。そこで、長期間にわたって 居座っているアイドル VM は業務用サーバから追 い出し、アイドル VM が占有していた実メモリを 新たな VM 配備のために有効に活用する『選択的 VM 片寄せ方式』(図 1)を開発した。 業務用サーバ上のアイドル VM は特別に用意し た片寄せ専用サーバに追い出す。片寄せ専用サ ーバ上で利用中 VM に転じた VM は業務用サーバ に戻す。アイドル VM しか存在しなければ実メモ リの奪い合いにより利用者が迷惑するという問 題は発生しにくいため、片寄せ専用サーバには 実メモリだけで賄える上限を超えてアイドル VM を詰め込むことができる。 業務用サーバ1. 業務用サーバ2. 業務用サーバ3. VM11. VM21. VM31. VM13. VM22. VM33. VM16. VM25. VM34. VM17. VM26. 片寄せ専用サーバ. アイドルVMは 追い出す. 利用中VM は戻す. VM12 VM14 VM15 VM23 VM24 VM27 VM32 VM35 VM36 VM37. 図 1.選択的 VM 片寄せ方式(出典:[1]). 3. 実システムへの適用と改良 『選択的 VM 片寄せ方式』は 2015 年 4 月から 実システムに適用している。1 年半の実践をとお して検出した課題と改良点について述べる。 アイドル VM 数と利用中 VM 数の推移を図 2 に 示す。適用直後の 1 年程度は目論見どおり、配 備された VM の中で一定の割合がアイドル VM と 判定された。ところが 2015 年度末頃から、VM 総 数が増加しているにも関わらず利用中 VM と判定 される数は逆に減少し始めた。 この状況をアイドル VM 判定精度の課題と捉え、 対策を検討した。幸い業務用サーバの実メモリ にはまだ余裕があったので、片寄せ専用サーバ. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 79 回全国大会. 700 (頻度) 600 500. 400. 1月13日 2月10日 3月9日 3月23日 4月6日. 300 200. 100. 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0. 0 (CPU使用率). 図 3.業務利用のない 20 個の VM に関する CPU 使用率の 10 分間平均値の頻度分布. 業務利用以外での CPU 使用率の一時的な上昇 が起きなくなったのは、年度末にかけて各 VM の セキュリティ対策ソフトが順次入れ替えられた 結果であった。当初よりセキュリティ対策ソフ トの影響は考慮していたが、アイドル VM 判定の 閾値を固定化していたためにセキュリティ対策 ソフトの入れ替えに伴う負荷の変化に対応でき なかったことが判明した。. 1-16. 2016/08/20. 2016/08/18. 2016/08/16. 2016/08/14. 2016/08/12. 2016/08/10. 業務用サーバ4 片寄せサーバ. 2016/08/08. 2016/08/06. 2016/08/04. 2016/08/02. 業務用サーバ3 業務用サーバ7. 2016/07/31. 2016/07/29. 2016/07/27. 2016/07/25. 業務用サーバ2 業務用サーバ6. 2016/07/23. 2016/07/21. 2016/07/19. 2016/07/17. メモリ使用率 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 業務用サーバ1 10 業務用サーバ5 0 2016/07/15. 3.1 アイドル VM 判定精度の課題 原因調査のためアイドル状態であると判明し ている 20 個の VM について 1 日の中での 10 分ご との CPU 使用率平均値の頻度分布を集計した。 そのうち稼働状態が似ている同じ曜日の 5 日分 について、対象日別の折れ線グラフにしたもの を図 3 に示す。2.5%以下の CPU 使用率となる頻 度が高いが、1 月 13 日、2 月 10 日、3 月 9 日に ついては、CPU 使用率が 3.5%辺りとなる頻度も 高くなっている。従来は、このように業務利用 が無い状態でも CPU 使用率が一時的に上昇する ことも想定して判定を行っていた。 しかし 3 月 23 日のデータに見られるように、 2015 年度末頃からは CPU 使用率の一時的な上昇 は起きず、業務利用以外での CPU 使用率は 1 日 をとおして 2.5%以下に収まるようになった。そ の結果、負荷の低い利用中 VM が誤ってアイドル VM と判定されるようになったと考えられる。. 2016/07/13. 図 2.当初の判定方法でのアイドル VM 数の推移. 3.2 アイドル VM 判定方法の改良 アイドル VM 判定精度 を向上させるには環境 変化に対する考慮が必 要と考え、業務利用以 図 4.判定方法改良後の 外での資源使用量のパ アイドル VM 数 ターンに応じて判定す る方法を考案した。6 月 図 4.判定方法改良後の アイドル VM 数 より適用した結果、ア イドル VM と判定される 図 4.判定方法改良後の 数は 2 月の水準に戻っ アイドル VM 数 た(図 4)。 各サーバの実メモリ使用率の推移を図 5 に示 す。片寄せ専用サーバの実メモリは飽和状態に 達しているが、アイドル VM が利用中 VM に転じ た時点で業務用サーバに戻されるため、性能上 の問題は発生していない。. 2016/07/11. に追い出す VM 数を制限することで、『選択的 VM 片寄せ方式』の運用は継続できた。. 図 5.実メモリ使用率の推移. 図 5 に示した期間では VM 総数の 37%がアイド ル VM であり、その全てを追い出せば業務用サー バの資源効率は 1.59 倍に向上する。7 台の業務 用サーバに対し片寄せ専用サーバは 1 台なので サーバ全体では 1.39 倍(1.59×7 台÷8 台)の資 源効率向上となる。ただし、現時点では業務用 サーバに余裕があることから、片寄せ専用サー バのメモリオーバコミット率の上限を 200%に制 限し、VM 総数の 22%分のアイドル VM の追い出し による 1.12 倍の資源効率向上に留めている。 4. おわりに 本稿ではソフトウェア開発用プラーベートク ラウドで資源効率を改善する『選択的 VM 片寄せ 方式』の適用と改良および資源効率の改善結果 について報告した。今後も運用上の工夫を重ね て資源効率を改善する取り組みを継続していく。 参照文献 [1]住田宏己,吉本安男,“プライベートクラウド の利用効率改善方式の実践結果”, 情報処理学 会第 78 回全国大会講演論文集,1A-07. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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