• 検索結果がありません。

未婚女性の人工妊娠中絶の実態

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "未婚女性の人工妊娠中絶の実態"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

仙台市立病院医学雑誌 5(1) 89

パラメディカル・リポートー

未婚女性の人工妊娠中絶の実態

田黒岸

目山

美博

泉庭

小桜

代 子 子 道 順 律

熊 谷 朱 美

下斗米 玉 枝

 近年青少年の性意識の早熟化と共に,人工妊娠 中絶(以下中絶と略します)は,若年化現象を示 し,特に10代の中絶が増加していると言われてい る。私達はこの現象の詳細を知る為に,以下の検 討を行なった。  昭和52年∼57年の過去6年間に,当院で分娩 した婦人を対象に,第1子出産前の中絶の実態を, 入院,外来病歴より抽出し調査した。尚,昭和53 年以降については,先の分娩を当院で行なった既 往をもつ経産婦の場合,重複して対象とすること 件 実数 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 表1人工妊娠中絶例の内訳 0  −13−12−II−10−9−8−7−6−5−4−3−2−1▼+1÷2+3+4+5+6イ・そ       結       刀       婚         剛也 一

。“

一 一 一 一 143 一 一 10∈ 一 一 76 一 43 30 ≒ 25 23 一 ’1。.品鋤1吻 一  z一

ご,、遁

を避けるために,調査対象から除外した。

調査結果

 対象期間に,先の基準より抽出された対象者数 は,3,048名であった。このうち中絶を既往にもつ 者は510名で,その頻度は,16.7%であった。  第1子出産前の中絶について,結婚の年からど の位前のものか,あるいは後かということで見る と,表1に示す如く,結婚1年前が最も多く,次 いで結婚の年,結婚2年前と続いており,この3年 間で65、5%を示した。尚,結婚の年の例は,その 殆んどは結婚直前のものであった。結婚の年から 結婚5年前までの例で,全体の85.4%を占めた。 以上より,第1子出産前の中絶例の多くは,未婚 時代に行なわれたものであることが明らかであ る。  中絶を受けた年齢別に比較すると,表2に示す 如く,20歳∼24歳までが最も多く,62.9%,次い 件 表2 人工妊娠中絶例の内訳(年齢別) 仙台市立病院周産部

、〉

ご〉、

芙数 100’ 90一 80 76 70一 67 69 60 55 50一 43 40 34 30 28 22 20一 18 10

14  6

  8

5・

 吻

0 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31不そ 1,,za Presented by Medical*Online

(2)

90 表3.人工妊娠中絶既往頻度(出生年次別) 出生年 対象者数 中絶既往者数 頻 度 昭和12 6名名 0名 % 13 3 1 14 8 1 15 11 2 16 18 2 17 20 3 18 31 5 19 47 8 20 51 8 15.6 21 60 6 10.0 22 143 23 16.0 23 165 19 11.5 24 219 33 15.0 25 240 26 10.8 26 290 51 17.5 27 291 53 18.2 28 292 49 16.7 29 291 53 18.2 30 259 48 18.5 31 229 36 15.7 32 143 30 20.9 33 97 21 21.6 34 68 15 22.0 35 30 7 36 25 7 37 6 1 38 3 1 39 1 0 40 1 1 表4.人工妊娠中絶既往頻度(出生階級年別) 出生年 対象者数 中絶既往者数 頻度 昭和21∼23   24∼26   27∼29   30∼32 368名 749 874 631 48名 110 155 114 13.0% 14.6 17.7 18.0 で25歳∼29歳までが20.2%,15歳∼19歳までが 13.6%と続いている。ここで特に注目されること は,15歳∼19歳の若年中絶例のうち,18歳∼19歳 の占める割合は,87.1%であり,つまり中学,高 校時代を終え,社会的制約がゆるむ時期からの増 加が著しいことがわかる。

109876543210

% 表5中絶年齢別頻度(出生階級別) ●S30∼32 tl  27∼29年  24∼26fl  21∼234     23   ム ト 26

109876543210

% 16−18オ   19∼21考   22∼24才   25∼27イ   28−29オ 表6中絶年齢別頻度の推移 ×25∼27」 〈22∼24』 ●19−21 a ●16−18イ       19−21オ

/〆、

乞〉<

       x\。25.27イ

    。  。/16∼18a

S21∼23    24−26    27∼29    30∼32  次に,中絶既往頻度を,出生年次別に比較して みた。表3に示す如く,対象者は昭和12年生まれ から,40年生まれまでで占められていた。対象者 が50名を越える昭和20年生まれから,昭和34年 生まれまでの頻度を比較しますと,表に見る如く, 年々直線的な増加を示しているものではないが, 上昇,下降を示しながらも,全体の推移をみます と,出生年が若くなるにつれて中絶頻度は高く なっていく傾向が明らかである。  そこで,出生年を階級年別に3年きざみに区分 し,昭和21年生まれから,昭和32年生まれまで の4群について比較してみた。表4に示す如く,出 生階級が若くなるにつれて,漸次中絶既往頻度の 増加が明らかであり,昭和30∼32年生まれでは、 昭和21年∼23年生まれの約1.4倍と増加してい Presented by Medical*Online

(3)

表7結婚年齢分布一出生階級別4群について一 人160  150  140 120 100 90 80 70 60       27−1)・・ぺ\、・4−23・1 151617181920212223242526272829303132333435!壬 る。  又,4群について,3歳きざみに中絶年齢別頻度 を比較した。表5の如く,出生階級年の若い者ほ ど,ピークが左側に移動しており,その頻度も高 く,中絶年齢の若年化現象が明らかである。  中絶年齢別頻度を,出生階級年による推移とし てみると,明らかに19歳∼21歳の中絶頻度が急 増加しているのが注目される。16歳∼18歳のもの は,ゆるやかな増加傾向を示す一方,22歳∼24歳, 25歳∼27歳のものはむしろ減少傾向にある。  ここで,これらの結果の信頼性を裏付けるため に,4群についての結婚年齢分布をみると,表7の 如く,その分布状況はほぼ頻似しており,結婚年 齢の中央値は24歳あるいは25歳にあり,ほぼ一 致していた。  又,4群について結婚から第1子出産までの間 隔をみると,いずれもその分布状況は類似してお り,結婚1年後の出産例が最も多いことがわかる。 以上より出産階級年別にみた4群が,ほぼ同質の 対象者で占められていると考えて良いと思われる (表8)。 91 表8結婚から第1子出産までの間隔一出生階級年別   4群について一 人400       ●30∼32年       ×27∼29年       024∼26年       △21−23年

』 +1+2+3+4+5年

婚 考 察  最近の優性保護統計では,若年妊娠中絶の増加 傾向を問題化しており,性に関する問題は今や緊 急の課題となっている。  今回の結果は,未婚女性の中絶が年々増加して きていることと共に,中絶年齢の若年化現象を改 めて裏付けるものとなった。特に19歳∼21歳の 中絶例,つまり高校卒業後,社会的に制約のゆる む時期からの中絶例が急増加していることを考え ると,現在の性教育の中心課題はおのつと明らか である。  性に関する正しい教育,しつけは高校卒業まで の間に終了していることの必要性を改めて痛感さ せられた。  本文の要旨は,第24回日本母性衛生学会(於札幌)にお いて報告した。       (昭和59年10月2日 受理) Presented by Medical*Online

参照

関連したドキュメント

これらの先行研究はアイデアスケッチを実施 する際の思考について着目しており,アイデア

普通体重 18.5 以上 25.0 未満 10~13 ㎏ 肥満(1度) 25.0 以上 30.0 未満 7~10 ㎏ 肥満(2度以上) 30.0 以上 個別対応. (上限

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しない こと。動物実験(ウサギ)で催奇形性及び胚・胎児死亡 が報告されている 1) 。また、動物実験(ウサギ

カバー惹句

し未実施 ポンプ 本設 運転状態確認済

平成29年度も前年度に引き続き、特定健診実施期間中の7月中旬時点の未受

ケース③

おそらく︑中止未遂の法的性格の問題とかかわるであろう︒すなわち︑中止未遂の