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生活力を育む家庭科学習 : 自分をCHANGE!生活をCHANGE!する子どもの姿をめざして

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Academic year: 2021

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【家庭科】教科提案

生活力を育む家庭科学習

ー自分を

C H A N G E !生活をC H A N G E !する子どもの姿をめざして一

1

.

研究テ

マ設定の理由

(1)

学校提案とかかわって

生活力とは

家庭科の学習は,人やもの,環境などとのかかわりを大切にしながら,食べることや着るこ と,住まうこと等を扱う。対象は,身近な家庭生活や家族,学校生活や仲間,自然や社会など であり,子どもたちを取り巻く環境そのものである。 今,子どもたちを取り巻く環境の多様化がすすんでいる。生活者と して自立する力や,家族 や家庭生活の意義や大切さを理解する力など,自分の生活を豊かでより充実したものにしよう とするための基盤となる力や心情を育むことが大切である。これらの力を基にして,「将来に わたってより健康的で快適な生活を創ろうとする力や心情」を「生活力」とした。多様化して いる社会において, 自立して生きるには, 「生活力」が不可欠である。将来の自分の姿をイメ ージし,生活への実践につなげていけるような子どもたちの姿をみとっていけるよう,生活力 を育んでいきたい。

自分を

CHANGE!生

活を

CHA N G E !する子ども 家庭科学習では調理実習や製作実習に加えて,観察や実験等,体験的な活動からの学びを大 切にしている。このような体験的な活動を取り入れた学習は,子どもたちにとって魅力的なも のであり,積極的に取り組んだり,すすんで工夫を凝らそう としたりする姿をみることができ る。しかし, 一方でその場限りの体験に終わってしまったり, 実生活へのつながりが希簿であ ったりする姿がみられるこ ともあった。児童の生活の基盤は家庭にある。日常的に何気なく繰 り返しながら生活していることが,実はなくてはならない, とても大切なことであることに気 付かせたい。子どもが自分自身や家族の生活に関心を持ち,“何気なく生活している自分”か ら “生活する自分”へと意識を近づけていく学びを自己の変容(自分をCHANGE) ととら えていく。そして,将来の自分の姿をイメージしながらよりよい生活にしよう と工夫(生活を CHANGE)する態度を育てていきたい。この 2つのCHANGEにつながる学びを “デザ インしようとする子どもの姿”だととらえていく。 (2)

家庭科学習でめざす子ども像

家庭生活はだれもが行っていることである。分かりやすく簡単なことのように感じられるだ ろう し, 豊かな時代に生まれ,便利なものがあふれているこの時代では,特に意識しなくても 快適な生活を送ることが可能である。家庭科の学習を,家庭生活を見つめ直し,関心を高めな がら,家族の一員としての自分,大切な家族の存在に気付き,“大切にしよう,そのために自 分ができることは何なのか”を考えていくきっかけとさせたい。そして,家庭科学習での学び を通して, 自己の変容を実感し,将来に向けてよりよい生活者となっていく,自分の姿をイメ ージしながら,主体的に生活の実践につなげよ うとする子どもの姿をめざしたい。 以上のことから,家庭科学習でめざす子どもの姿を次のように考えた。 1・・一・・—··-··―・・-・・-・・一..ー・・ー・・ー・・ー..―.. ー・・-・・-・・・一.•一··-··―…―・・-・・ 一----・-・・-・・-・・・ー..一ー-―一—··-··-··-··-· 一一---··-—·-ー·-···ー..一・・-・---..., i

意欲的に取り組み,よりよいものを考える子ども :

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当たり前になりがちな生活を意識しながら主体的に考え,行動し,工夫を凝ら l - 134

(2)

-l していくことができる子ども。

自己の課題にこだわった実践へとつなげる子ども

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子どもたちの家庭生活は個々様々であり,それぞれの課題は異なるものである。 l 自分にふさわしい課題を見つけ, 自分自身や自分の家庭に必要だと考えられる 課題解決へと,こだわりをもって思考をめぐらし,実践しようとする子ども。 ◇ たのしんで生活に活用しようとする子ども 家族や家庭生活を大切に思い,大好きな家族のためによりよく生活に活用して いくことをたのしむことができる子ども。家族の一員と して生涯にわたって自ら

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家庭科学習における「学びをデザインする子どもたち」

(1)

子どもたちが学びをデザインする

家庭科学 習 に お け る 「 学 び を デ ザ イ ン す る 子 ど も た ち ( 学 ぶ 筋 道 を 考 え て 課 題 解 決 に 向 かう子どもたち)」の姿とは,“必要性を実感し,自 分 ら し く 生 活 に 活 か そ う と 工 夫 す るために思考をこら し, 実 生 活 に つ な げ よ う と す る 子 ど も た ち ” の 姿 で あ る と と ら え る。 課題解決 学びの経験を活かして、自分の生活をよりよくするために必要なことを題材 の様々な場面において設定する。よりよいものに近づくためにはどうすべきか, 何をすべきかを考え,実生活につなげようとする。 対 話 ① 対象との対話 → 調べ学習やアンケート調査,実験や観察等を通して 対象と関わりながら‘‘必要性”とその意味を実感していく 。 ② 他者との対話 → 様々な過程において,ペ ア や グ ル ー プ 全 体 で の 話 し合いを取り入れる。共感したり自分と異なる点を意識したりすることで, よりよいものを探っていく。また,家族やお世話になった人たち,友だち から感謝されたり,ほめられたり,認められたりすることによることも 自己の変容へとつながる大きな要素となる。 ③ 自己との対話 → 自分の生活を見つめ直し,“何気なく生活している 自分”から“生活する自分”へと意識化をはかる。今,できること、何を す べ き か を 自 問 自 答 し て い く 中 で 自 己 の 課 題 を 設 定 し , 実 生 活 に つ な げ ていこうとする。 学び方 必要性を実感したり,自分らしく生活に活かしたりするためには,どのよう な学び方が適切なのかを選択し、目的に応じて活用しようとする (2)

つなぐ・つむぐ・つくる

「つなぐ」は,子どもどう しや子どもと課題,集団等はもちろんだが,家庭科の学習の中で は子どもと家庭生活,子どもと家族をつないでいく。子どもの課題意識を高め,思考を凝らし, 実生活へ活かせる学びへとつなげていく。そのための支援として,自分の生活行為を意識でき るよう“自分の生活を見つめ直す”という活動を,題材の導入では大切にしていきたい。 「つむぐ」は,対象や他者とかかわっていくことで,よりよい自分に近づくために,今の自 分に必要なことは何か,今の自分にできることは何か,等について考えることである。自分と 似た価値観や異なる価値観の意見を受けて,焦点化していくことで,“何気なく生活している 自分”から“生活する自分”へと意識を変容させていきたい。 そして,意識しながら自分らしく実生活へと活かそうとしていくことが,新しい自分を 「つ くる」ことになるだろうと考える。 -135

(3)

-*学びをデザインする子どもたちの実践例

※ 1 日着用し、汚れが付着した T シャツを実験で確認した後、自分たちの生活と結びつけて 身の回りの身につけている物を考えていく場面。ワークシートヘの記入後、友だちと相談し 合い、意見を出し合った。 なな:私は、ぼうしが気になる。頭から汗をかいているのに、全然洗ったりしていなかったか ら、 やばいなと思った。 はる:赤白帽、やばいんとちがうん?“体操服と一緒に洗っているのでは?”という声。 なな:ふだんかぶっている白いぼうしは、全然あらってないから。 C : ほんまや! T : みんな、洗ってるの? “洗ってる”“洗ってない”の声。 ここ:頭につけているシュシュとか、あんなの、洗うなんて考えたことなかった。先生、洗っ てる?みんなは? 女子:洗ってない。 はる:運動靴も、そんなに洗ってないから、むちゃくちゃ汚れていると思う。 C : え∼!普通、洗ってるんとちがうん? T : 以前の上靴のアンケートでは、毎週持つで帰る子、 10人もいなかったよ。 C : え∼! しゅう:ふとんとかも、そんなに洗ってないけれど、夜に汗かくつていうから。 その後、 運動 靴、ぬいぐるみ、ゴム、等身の回り で今まで汚れているとい う意識をもってい なかったものが出された。また、体操服の汚れについても確認し合った。目には見えない、見 えにくい汚 れ (汗)を確認する実験を取り入れたことで、目に見えている汚れだけでなく、目 には見えていない汚れもあることを確認し、自分たちの生活をふりかえることができた。その 後の授業で、自分が気になっている身の周り のものを洗濯する実習につなげることができた。 3

研究の展望

研 究テー マ と 関 わ っ て , 子 ど も た ち の実態 を ふ ま え な が ら 「学び を デ ザ イ ン す る 子 ど も た ち 」 の 姿 を み と っ て い く た め の 手 だ て と し て , サ ブ テ ー マ “ 自 分 をCHANGE! 生活をCHANGE!す る 子 ど も の 姿 ” を ポ イ ン ト に し て い く 。 そ し て , 題 材 , 学 習 活 動 を 設 定 し , 正 し い 認 識 カ ・ 判 断 力 を 育 ん で い く よ う , 子 ど も た ち へ の 日 々 の は た ら き か け を 行 い た い。 (1)

題 材 設 定 に お い て

① 体験活動や実習を活かし,子どもたちの興味• 関 心 を 高 め ら れ る よ う な 工 夫 ② 五 感 を つ か っ た 直 接 体 験 を 通 し , 実 感 を 伴 っ た 学 び を 展 開 ③ ペ ア 実 習 ( グ ル ー プ 実 習 ) や一人 実 習 を 取 り 入 れ , 技 能 の 定 着 を は か る。 ④ 根 拠 の あ る 科 学 的 な 見 方 を 大 切 に し , 生 活 へ の 必 要 性 ・ 重 要 性 を 高 め る ⑤ 現 在 社 会 の 中 に 起 き て い る タ イ ム リ ー な 内 容 を 取 り 入 れ る

“必要性を実感する”ための課題設定

“ 必 要 性 を 実 感 す る ” た め に は , 家 庭 生 活 を 構 成 し て い る も の や 生 活 行 為 ・ 活 動 に は そ れ ぞ れ 意 味 が あ る こ と に 気 付 く こ と が 必 要 で あ る。生活体験への意識が少ない児童には,

(4)

-136-何 が 問 題 な の か を 捉 え る ことが難しいだろうと予想される。生 活 上 の 問 題 を 問 題 と し て 捉 え , 課 題 と し て 意 識 さ せ る には,生活への関心をもたせなければならない。自分自身の周 り や 生 活 場 面 を 振 り 返 ら せ て観察させ,仲間との意見交換を通じて問題であることを再認 識させたり,いろいろな方法があることに気付かせたりすることが必要である。 生 活 上 の 問 題 は 児 童 の 手 に 負 え な い も のもあるので,発達段階を考慮して,解決の見通 し が もてるような課題にして学習させるようにしたいと考える。時 と し て , 課 題 設 定 の 主 体 は 教 師 , 児 童 の 両 者 で と 様 々 な ケ ー スが考えられるが,学習のねらいと考え合わせて的 外 れ に な ら な い よ う , 教 科 の 特 性 上,教師の役割の大切さも意識していきたいと考える。 生活上の問題を問題として捉え,全体課題“テマ”として捉えることができるような内容 のものを,教師の支援を最大限に活用しながら設定し,解決へと思考をこらしていきたい

自分らしく生活に活かそうと工夫する

ための題材設定

現在の児童の忙しい生活を考えると,すべてが実践できるとは限らない現状にあるしかし, 生活の基盤となる生活を主体的に営めるよう意識していくことは必要で,小学校時代はその基 礎を培う時期である。 生活はいきているものであるから,その生活に主体的に向かっていく行動力がなければなら ない。子どもたち個々の生活に応じた実践や活用を考えて行動できるようにしていきたい のためにも,学習で扱う教材を吟味し,児童の生活実態からかけはなれないよう実態把握のた めの事前アンケート等,心がけながら,題材終末の振り返り活動,今後の生活への個々の課題 の設定を大切に,取り組んでいきたい。その際, 自分だけでなく相手意識をもって考えたり実 践したりできるよう,支援していきたい。 (2)

日 常 生 活 の 中 で の 取 り 組 み

保 護 者 の 協 力 も 得 な が ら, 家 族 の一員 と し て の 自 分 に , 意 識 を 持 た せ る た め , 自分 た ち が で き る こ と と し て , 「 お 弁 当 箱 洗 い 」 「 テ ー ブ ル ク ロ ス や マ ス ク の 洗 濯 」 等 を と り あ げ , 実 践 し て い き た い。他 に も 週 末 や 長 期 休 み 中 を 利 用 し , 必 ず 何 か に チ ャ レ ン ジ す る 機 会 を 作 っ て い き た い。や っ て み て 初 め て わ か る こ と や 再 認 識 で き る こ と も 多 く , 子 ど も の 意 識 の 変 容 や 家 庭 生 活 を 見 つ め 直 す よ い 機 会 に な る だ ろ う と 考 え て い る。 3

研究の

体験的活動の内容により,グループでの活動, ア で の 活 動 を 取 り 入 れ , 自 己評価だけ でなく相互評価を取り入れていく 。互いに見合うことにより, 自分のことだけでなく,仲 間 の こ と も 含 め , 今 ま で 気 付 か なかったことに気付いたり,活動への意識や意欲が高まっ た り す ると思われるからである。ま た , 題 材 の 終 わ り に は 自 己 の 活 動振り返りシートを活 用していく 。教 師 が 子 ど も の 実 態 を 把 握 し て い く と 共 に,子ども自身が自分の変容や成長 を実感し, 自 分 の 生活への実践につなげていくためのきっかけとしていきたい 参考文献 内野紀子 ・藤 原 孝 子 編 著 『 新 学 習 指 導 要 領 の 展 開 家庭科編』 明治図書 (2009) 筒井恭子 編著『小学校家庭科の授業づくりと評価』明治固書 (2012) -1

参照

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