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東北大学埋蔵文化財調査室年次報告2007

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(1)

東北大学埋蔵文化財調査室年次報告2007

著者

東北大学埋蔵文化財調査室

雑誌名

東北大学埋蔵文化財調査室年次報告

2007

発行年

2010-09-27

URL

http://hdl.handle.net/10097/49236

(2)

ISSN 2185-5196

仙 台城跡二 の丸北方 武家屋 敷地 区第 11地 点 (BKll)

(3)

東北大学埋蔵文化財調査室

(4)

東北大学埋蔵文化財調査室

年次報告

2007

I.巻

頭言 ………1 Ⅱ。東北大学埋蔵文化財調査室の概要 ………。

,2

1。 東北大学構 内の遺跡 と埋蔵文化財調査 ………2

2.埋

蔵文化財調査室の組織 と施設 ……… 3

3.運

営委員会 。調査部会 ………6 Ⅲ。2007年度 (平成19年度

)事

業の概要 ……… 7

1.埋

蔵文化財調査の概要 ……… 7 (1)川内北地区の調査 ………8 (2)川内南地区の調査 ………13

(3)青

葉 山北地区の調査 ………15

(4)青

葉 山東地区の調査 ………18

(5)富

沢地区の調査 ………19 (6)川渡地区の調査 ………19

2.遺

物整理作業 ………22

3.保

存処理事業 ………22

4.資

料保管状況 ………23

5.研

究活動 ………23

(1)受

託研究・共同研究等 ………23

(2)学

会発表等 ………26

(3)科

学研究費採択状況 …………・:… ………26 6。 教育普及活動 ………26

(1)非

常勤講師 ………26

(2)授

業 など教育活動への協力 ………26

(3)保

管資料の貸出………1・ ………26

(4)外

部か らの派遣依頼等 ………26

(5)広

報活動 ………27

引用 。参考文献》

Ⅳ。資料………

29

1.国

立大学法人東北大学埋蔵文化財調査室規程 ………29

2.東

北大学埋蔵文化財調査室運営委員会委員名簿 (2007年度)。 ………31

3.東

北大学埋蔵文化財調査室運営委員会調査部会委員名簿 (2007年度)。 ………31

4.東

北大学埋蔵文化財調査室刊行報告書一覧 ………32

(5)

I.巻

頭言

このたび東北大学埋蔵文化財調査室では、『東北大学埋蔵文化財調査室年次報告』 を、新たに刊行いた します。 東北大学埋蔵文化財調査室は、施設整備 などに先立つ、構内遺跡の記録保存 のための調査 と、それに関連する 業務 を担当す る、東北大学の特定事業組織です。現在の特定事業組織 とい う組織形態になったのは、平成18年度 (2006年度

)の

ことですが、東北大学での構 内遺跡の調査組織 は、昭和58年度 (1983年度

)の

埋蔵文化財調査委 員会の設置 にさかのぼ ります。その後、平成

6年

度 (1994年度

)に

学内共同利用施設の埋蔵文化財調査研究セ ン ターに改組 され、 さらに平成18年度に現在 の特定事業組織 に改組 されています。そのため、東北大学 における構 内遺跡の調査 の歴史は、本年次報告で事業概要 を報告する2007年度で、25年目を迎 えることとな ります。 これまで、埋蔵文化財調査室では、『東北大学埋蔵文化財調査年報』(以下 『調査年報』 と略記

)を

1か

ら24 まで刊行 して きました。 この F調査年報』 には、発掘調査以外の各種事業 を含む当該年度に実施 した事業の概要 報告 と、実施 した発掘調査報告の両方 を、併せ て掲載 して きました。 発掘調査 の報告 については、学術 的な検討 に資す る詳細 な報告が求め られ ます。 出土 した遺物量が多 い場合、 整理作業 に時間を要す るため、『調査年報』 の刊行 は、調査実施年度か ら数年後 となるのが通常で した。発掘調 査 の規模が大 きい と、『調査年報』 の頁数 も必然的に増加 し、300頁を越 える大冊 となる場合 もあ ります。 ‐方、事業概要の報告は、で きるだけ早 く行 う必要があることは言 うまで もあ りません。大学の法人化後、各 組織 の事業内容が、様 々に評価 されるようになってお り、今 まで以上 に事業概要 を迅速に報告することが求め ら れています。 また事業概要報告 には、埋蔵文化財調査室の業務 を広 く知 っていただ くという目的 もあ ります。 これまでの 『調査年報』 では、年度 ごとの事業概要 と発掘調査の詳細 な報告 を併せて掲載 していたため、結果 的に事業概要の報告が遅 くなっていました。 また、頁数の多い大冊 となるため、調査室の概要 を知 っていただ く とい う目的には、必ず しもふ さわ しくない もので した。 この ような理由か ら、年度 ごとの事業概要の報告 と、発 掘調査 の報告 を、分離 して刊行 してい くこととしました。今後 は、年度 ごとの事業概要 については、『東北大学 埋蔵文化財調査室年次報告』 とい う形で、毎年報告 してい く予定です。調査室の事業 について、 よ り広 くご理解 いただけるよう、わか り易い ものに してい きたい と考 えてお ります。 本調査 を実施 した発掘調査報告 については、『東北大学埋蔵文化財調査室調査報告』 とい うシリーズ名で、各 調査 ごとに、調査報告書 を刊行 してい く予定です。それぞれの調査 について、整理作業が終了次第、順次刊行 し てい くこととしたい と考 えています。 本年次報告では、埋蔵文化財調査室が2007年度に実施 した埋蔵文化財調査の概要、お よびその他の調査室が実 施 した事業について概要 をと りまとめて、報告 いた します。2007年度は、仙台市高速鉄道 (地下鉄

)東

西線建設 による機能補償 に伴 う調査が、事業の中心 とな りました。地下鉄東西線機能補償 に係わる事業では、取 り壊 され る武道場や食堂の代替 えの建物(り│1内サブア リーナ棟

)建

設や、給水管の移設に伴い、発掘調査 を実施 しました。 これ ら地下鉄東西線機能補償 に関係する調査 は、仙台市か らの補償費 を財源 として実施 しています。通常業務 に 加 えて、 これ ら事業 を迅速に実施す ることが必要で した。そのため補償費 を財源 として、2009年度 までの任期付 きで、文化財調査員1名 (一般職員

)と

技術補佐員1名 (准職員

)を

2007年度当初 よ り増員す ることとな りまし た。 これ までに経験のないことも多 くあ りましたが、幸い学内外の関係機関や関係者のご協力 を得て、滞 りな く 事業 を進めることがで きました。 ここに厚 くお礼 を申 しあげるとともに、今後 もご支援 とご協力 をお願いいた し ます。 埋 蔵文化財調査室長 阿 子 島 香

(6)

Ⅱ。東北大学埋蔵文化財調査室の概要

1.東

北大学構 内の遺跡 と埋蔵文化財調査

東北大学 には、仙台市内の各 キャンパスに加 えて、多 くの研究施設がある。 これ らの各地区構 内には、多 くの 埋蔵文化財が存在 している (表1、 図1)。 特 に川内地区は、ほぼ全域が近世 の仙台城跡の二の丸地区 と武家屋 敷地区にあたっている (図2)。 現在の 日本 においては、 これ らの遺跡 (埋蔵文化財包蔵地

)に

おいて掘削を伴 う工事 を実施す る場合、文化財 保護法に基づ く届 出が義務づけ られている。工事の掘削によって遺跡が壊 される場合 には、計画の中止や変更に よって遺跡 を現状で保存することが、文化財保護の観点では最善である。 しか し現実 には、現状保存 は難 しい場 合が多い。そのため、やむを得 ない場合 には、発掘調査 を行い記録 を作成す ることで、現地保存の次善の策 とす る記録保存 とい う方法が取 られている。記録保存のための発掘調査 は、経費を原因者が負担 した上で、地方公共 団体が実施するのが基本である。 一方、構 内に遺跡が存在す る大学では、施設整備事業などの工事 に先立つ記録保存のための調査 を実施する組 織 として、大学内部に埋蔵文化財調査 を担当す る組織 を設けることが進め られて きた。考古学や関連す る学問分 野の専門研究者が大学内部に所属 している場合 には、学術的に充分 な検討がなされるとい う社会的信頼 に基づ き、 大学独 自の埋蔵文化財調査組織が設け られ運営 されている。同時に、学内に調査組織 を設けていると、大学独 自 のペースで調査 を進めることが可能 とな り、結果的に迅速 な調査 と施設整備事業の円滑 な推進が図 られる。 また、

地方公共団体の側では、大学が独自に調査することによって負担軽減につながるという側面もある。それぞれの

事情が整合する中で、大学内部に独自の埋蔵文化財調査組織が設置されてきた。

1

東北大学構内の遺跡 団地名 所在地住所 遺 跡 名 県遺跡番号 時 代 備 考 川内1 仙台市青葉区 川内27-1・41他 仙台城跡 01033 近 世 二の丸地区 。二の丸北方武家屋敷地区・御裏 林地区 仙台市青葉 区 川内12-2 川内古碑群 01386 鎌 倉 弘安10年 (1287)。正安4年 (1302)他 仙台市青葉区 川内41 川内B遺跡 01565 縄文 。近世 青葉 山 2 仙台市青葉区 荒巻字青葉6-3 青葉山B遺跡 01373 文 代 縄 古・弥生 仙台市青葉区 荒巻字青葉6-3 青葉 山E遺跡 01443 文 代 縄 古・弥生 青葉 山 3 仙台市青葉区 荒巻字青葉468-1 青葉 山C遺跡 01442 旧石器 富 沢 仙台市太白区 三神峯一丁 目101 芦ノロ遺跡

01315

縄文・弥生 古墳 。古代 川 渡 大崎市電e子 温泉 大口字蓬田 上川原遺跡 36006 縄 文 大崎市鳴子温泉 大 口字町 丸森遺跡 36038 縄 文 大崎市鳴子温泉 大口字町 東北大農場2・ 3号畑遺跡 36098 縄 文 大崎市鳴子温泉 大 口字町西 町西遺跡 36106 弥 生 小乗浜 牡鹿郡女川町 小乗浜 小乗浜B遺跡 73021 縄 文 宿舎裏の山林部分

(7)

東北大学 において も、同様の理由か ら、学内に独 自の埋蔵文化財調査組織 を設け、組織的に対処することとな り、 1983年度 に東北大学埋蔵文化財調査委員会が設置 された。 これ以降、東北大学構 内での施設整備等 に伴 う埋蔵文 化財調査 については、その調査委員会の実務機 関である埋蔵文化財調査室が、調査 の任 にあたって きた。1994年 度には、埋蔵文化財調査委員会 を改組 し、学 内共 同利用施設 としての埋蔵文化財調査研究セ ンターが設置 され、 調査委員会の事業 を引 き継いだ。2006年度か らは、特定事業組織 としての埋蔵文化財調査室へ と改組 され、セ ン ターの事業 を引 き継いでいる。なお、埋蔵文化財調査委員会の設置か ら埋蔵文化財調査研究セ ンターにいたる経 緯 については、『東北大学百年史七』 において も、概要が紹介 されている。

2.埋

蔵 文 化 財 調 査 室 の 組 織 と施 設 埋蔵文化財調査室の職員は、併任の調査室長 1名 、文化財調査員

3名

(う ち特任准教授 1名 、専門職員

2名

)、 事務補佐員 1名 (時間雇用職員)、 および整理作業を担当する作業員 (時間雇用職員

)か

らなっている。 2007年度は、仙台市高速鉄道東西線 (以下では地下鉄東西線 と呼称

)建

設による機能補償に伴 う調査が、事業 の中心 となった。地下鉄東西線機能補償に係わる事業では、取 り壊 される武道場や食堂の代替えの建物 (川内サ ブアリーナ棟

)建

設や、給水管の移設に伴い、発掘調査を実施 した。これら地下鉄東西線機能補償に関係する調 査は、仙台市からの補償費を財源 として実施 した。通常業務に加えて、これら事業を迅速に実施することが必要 であった。そのため補償費を財源 として、2009年度までの任期付 きで、文化財調査員 1名 (一般職員

)と

技術補 佐員 1名 (准職員

)を

2007年度当初より増員することとなった。これら補償費を財源とした職員を含む、2007年 度の埋蔵文化財調査室の職員は、表

2の

通 りである。 埋蔵文化財調査室 を運営するにあたって必要な経費は、埋蔵文化財調査室運営費 として措置 されている。内訳 は、事務補佐員1名の人件費 と、光熱水料、 自動車維持費、消耗品費などである。 発掘調査 については、事業費の中に組み込 まれる形で、事業 ごとに予算化 されている。 調査終了後の整理作業 と報告書印刷刊行費 については、全学的基盤経費によって措置 されている。整理作業に 携わる作業員の賃金 も、 ここか ら支弁 されている。 地下鉄東西線機能補償 に関わる発掘調査 と、整理作業 については、仙台市か らの補償費を財源 としている。上

記のように、

2007年

度から任期付きで増員された文化財調査員

1名 (一

般職員)と 技術補佐員

1名 (准

職員

)の

人件 費 と、東西線 関係 の調査 に関わ る整理作 業 を担 当す る作業員 の賃金 も、補償費 を財源 としてい る。 埋 蔵文化財調査 室 の主要 な業務 は、調査委員会 の設置以 降、片平 地 区の生命科学研 究科

3階

の一画 を使用 して 行 われ てい る。 ここには、室長室兼事 務 室 、文化 財調査 員室 、出土遺物 の整理 や報告書作 成作 業 のための作 業室、 表

2 2007年

度埋蔵文化財調査室職 員 職 名 氏 名 等 備 考 調査室長 文学研究科教授 阿子島 香 併 任 文化財調査員 特任准教授 藤沢 敦 専 門職員 柴田 恵子 専 門職員 高木 暢亮 一般職員 小 原 一 成 地下鉄東西線機能補償費を財源 とした任期付職員 技術補佐員 准職員 百々 千鶴 地下鉄東西線機能補償費を財源とした任期付職員 事務補佐員 時間雇用職員 渡 辺 三 夫 埋蔵文化財調査室運営費 を財源 とした職員 整理作業員 時 間雇用職 員 6名 (通年4名・短期2名) 全学的基盤経費 を財源 とした職員 整理作業員 時間雇用職員 5名 (9月 ∼ 3月) 地下鉄東西線機能補償費 を財源 とした職員

(8)

ⅣIiyagi Prel Sendai Castle (Tohoku Univ。) "三 ≦FF=〕ヾさヽ

1:仙

台城跡

2:川

内古碑群

3:川

内A遺跡

4:川

内B遺跡

5:桜

ヶ岡公園遺跡

6:青

葉 山B遺跡

7:青

葉 山E遺跡

8:青

葉 山C遺跡

9:青

葉 山A遺跡

10:青

葉 山D遺跡

11:芦

ノロ遺跡 12:片平仙台大神官 の板碑

13:郷

六大 日如来の碑 14:葛岡城跡

15:郷

六城跡

16:郷

六建武碑 17:沼田遺跡

18:郷

六御殿跡

19:郷

六遺跡

20:松

ヶ岡遺跡 21:向山高裏遺跡

22:萩

ヶ丘遺跡

23:茂

ケ崎城跡

24:ニ

ツ沢横穴墓群

25:萩

ヶ岡B遺跡

26:八

木 山緑 町遺跡 27:ニツ沢遺跡

28:青

山二丁 目遺跡

29:青

山二丁 目B遺跡

30:杉

土手 (鹿除土手

)31:砂

押屋敷遺跡

32:砂

押古墳 33:富沢遺跡

34:泉

崎浦遺跡

35:金

洗沢古墳

36:土

手内窯跡

37:土

手内遺跡

38:土

手 内横穴墓群

39:三

神峯遺跡 40:金山窯跡

41:三

神峯古墳群

42:富

沢窯跡

43:裏

町東遺跡

44:裏

町古墳

45:原

東遺跡

46:原

遺跡

47:八

幡遺跡 48:後田遺跡

49:町

遺跡

50:神

漉 山遺跡

51:御

堂平遺跡

52:上

野 山遺跡

53:北

前遺跡

54:佐

保 山東遺跡

I

: Ruin of Sendai Castle

2

: Kawauchi steles

3:KawauchiASite

4:Kawauchi BSite

5

: Sakuragaoka kouen Site

6:AobayamaBSite 7:AobayamaESite 8:AobayamaCSite 9:AobayamaASite 10:AobayamaDSite

ll

: Ashinokuchi Site 図

1

東北大学 と周辺の遺跡

(9)

0 500m

^

(10)

調査記録や出土遺物の中で も報告書 に図示 された遺物 を収蔵す る部屋が置かれている。使用 している部屋 の合計 面積 は、175ぷである。 これ以外 に、保存処理の作業 は、2001年度に生命科学研究科の南側 に設置 された作業棟 (プレハ ブ平屋建 。79 ポ

)を

利用 している。 また、 ガレー ジの一部の34ボを使用 してお り、調査室用の公用 自動車 を保管 している他、 保存処理用の大型水槽 を設置 している。 出土遺物の中で も、報告書 に図示 され、借用や調査依頼の多い資料 については、前述の ように生命科学研究科

3階

に収蔵 している。それ以外の遺物 については、片平構 内の空 き教室 を利用 していた。2003年 度に、出土遺物 の収蔵庫 として保管倉庫 (プレハ ブ

2階

建・202ぷ

)が

作業棟 の南側 に設置 され、専用 の収蔵場所が確保 される ようになった。 以上の片平構 内の施設以外 には、川内南地区に、発掘調査用の資材倉庫 (プレハ ブ平屋建・58ポ

)が

ある。

3.運

営委員会・調査部会

東北大学埋蔵文化財調査室では、運営 に関す る重要事項 を審議す る運営委員会 と、運営委員会の下 に埋蔵文化 財調査 に関す る専 門的事項 を審議する調査部会が設置 されてお り、委員会・部会の審議 をもとに運営が進め られ ている。通常 は、運営委員会は年度当初 に一回開催 し、そこで年間の事業予定・予算等 などの基本的事項 を審議 している。調査 に関わる具体的かつ専門的な事項 は、必要 に応 じて調査部会 を開催 して審議す ることとしている。 2007年度 (平成19年度

)は

、運営委員会 は1回開催 した。 6月 に開催 した運営委員会 は、例年開催 している年 度当初の委員会である。今年度は、調査部会は開催 されなかった。 運営委員会の開催月 日と議事内容は、以下の通 りである。 埋蔵文化財調査室運営委員会 6月27日

審議事項

(1)

(2)

(3)

(4) (5) 報 告 事 項

(1)

(2) (3) (4) (5) 平成19年度埋蔵文化財調査計画 について 平成19年度調査室運営費について 平成19年度の整理作業計画 について 非常勤講師の委嘱 について その他 文化財調査員及び准職員について 平成18年度埋蔵文化財調査結果 について 平成18年度セ ンター運営経費決算 について 平成18年度の整理作業 について その他

(11)

Ⅲ。

2007年

(平

19年

)事

業の概要

1.埋

蔵 文 化 財 調 査 の 概 要 2007年度は、本調査

2件

、試掘調査

2件

、立会調査16件を実施 した (表3)。 立会調査は、仙台市教育委員会 と合同で実施 している。2007年度は、通常の施設整備や営繕工事に伴 う調査以外に、地下鉄東西線機能補償関係 の調査 も実施 している。本調査の

2件

、立会調査の

8件

が、地下鉄東西線機能補償関係の事業である。 表

3 2007年

度調査概要表 調査の種類 地 区 調査地点 (略号) 原 因 備 考 調査期間 面積 (耐) 時 期 本調査 川内ヨヒ 仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区 第11地点 (BKll) 地下鉄東西線機能補償工事 (川内サブアリーナ棟新営) 補 償 前年度から継続 4/1´-9/10 近 世 川内Jヒ 仙台城跡二の九北方武家屋敷地区 第12地点 (BK12) 地下鉄東西線機能補償工事 (屋外給排水管設備その他) 補 償 1/11-3/14 59.6 近 世 試掘調査 青葉山 理学部・薬学部厚生会館北側 (2007‐17) 理学部・薬学部松林園路整備工事 2/18-2/26 立会調査 川内南 図書館2号館北側 (2007-1) 文学研究科分室新営工事 川内Jヒ 共通実験棟北側 (2007‐2) 地下鉄東西線機能補償工事 (駐輪場移転等その2・ スロープ整備) 補 償 川内北 国際交流セ ンター南側 (2007‐3) 市埋文調査 に伴 う機能補償工事 (駐輪場移転等) 補 償 6/1 ・5 川内北 北東側、プール東側国際交流セ ンター南側、厚生会館 (2007‐4) 地下鉄東西線機能補償工事 (駐輪場移転等その 1) 補 償 6/1 ・5、 7/3 川内南 記念講堂南西側 (2007-5) 給水管漏水復旧工事 7/25 川内北 体育館西側 。南東側 (2007‐6) 給水管敷設替 え工事 7/26・ 27 川内北 テニスコー ト東側一帯、課外活動施設 東側 (2007‐7) 地下鉄東西線機能補償工事 (駐車場整備その 1) 補償 8/23・24・ 27、 9/3・13・20。 21・ 25、 10/12 川内南 文系 中講義棟北 。西 。南側 (2007‐8) 屋外 ガス配管改修工事 川内北 学生相談所・保健管理セ ンター北側 (2007‐9) 屋外案内板 ・駐車場看板取設工事 川内南 文学研究科棟周辺か ら北側 (2007‐10) 文学研究科研究棟改修工事 10/16-18 川内北 課外活動施設東側 (2007‐11) 地下鉄東西線機能補償工事 (駐車場等整備その2・支障樹木伐採除根) 補 償 10/18 富 沢 核理研電子 ライナ ック実験棟東側 (2007‐12) 高周波電源棟新営工事 11/12 川内北 マルチメディア教育研究棟東側 (2007‐13) 車止取設工事 12/10 富 沢 核理研電子ライナ ック実験棟南側・西側 (2007-14) 特高変電所受電設備改修工事 12/17 川内Jヒ 体育館南側 。西側、厚生会館北側・ 西側、 グラウン ド(2007‐15) 地下鉄東西線機能補償工事 (屋外給排水設備その他) 補 償 12/17・19・21、 1/10・11・ 17・ 25、 3/10 川内Jヒ 厚生会館北側 (2007‐16) 地下鉄東西線機能補償工事 (駐輪場移転等その3・駐輪場上屋取設) 補 償 川 内Jヒ テニス コー ト北 側 (2007‐18) 市埋文調査に伴う樹木移植 補 償 3/21 ・24 立会調査 (学内措置) 青葉山 地震予知センター(200烈Э) 理学部地震予知 セ ンター地震観測孔 その 他工事 5/14・ 20 青葉山 工学研究科機械・知能系 (2007-②) 工学研究科機械系教育実験棟新営その他 工事 川 渡 川渡地区乳牛舎南東側(2007‐③) 複合生態 フイール ド教育研究 セ ンター牛 舎他新営工事 11/26 青葉山 工学研究科量子エネルギーエ学西側 (2007‐④) クラシックカー展示施設新営工事 1/17、 3/12 青葉山 工学研究科機械・知能系 (2007-⑤) 工学研究科機械・知能系消防用水槽取設 その他工事 3/25。26

(12)

(1)川

内北地区の調査 川内北地区では、本調査

2件

、立会調査11件を実施 した (図3)。 東西線機能補償 に関わる屋外給排水設備そ の他工事 については、本調査 を実施 した区域 (仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第12地点・略称

BK12)と

、立 会調査 で対処 した区域 (立会調査番号

2007-15)の

両方がある。 これについては、立会調査部分 も、本調査 の項 目の中で、併せて概要 を述べ る。 本調査 を実施 した

2件

の概要は、以下の通 りである。 ・仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点 (BKll・ 川内サブア リーナ棟新営 に伴 う調査) 本調査の

1件

は、地下鉄東西線建設によって取 り壊 される武道場や第二食堂などの機能補償のために建設 され ることとなった川内サブア リーナ棟新営 に伴 う、仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点

(BKll)の

調査 で ある (図4)。 この調査 は、前年度の2006年10月か ら調査 を開始 してお り、2007年度 に継続 した ものである。 機能補償 による川内サブア リーナ棟 は、体育館 と第二食堂の間の、多 目的広場 として利用 されていた場所 に 建設 され ることとなった。補償建物 の詳細 な設計が完了 してお らず、規模 や位置がおお よそ決定 していた状態 であったが、仙台市の地下鉄工事スケジュール との関係 もあ り、早急 に調査 に着手す る必要があった。そのため 600ぷ分 について、先行 して調査 を開始す ることとし、2006年10月 2日 か ら重機 による掘削 を開始 し、10月 10日 か ら作業員 を投入 した精査 に入 った。その後、建物計画の詳細が確定 したのに伴い、12月 1日 か ら416ボについ て追加の重機掘削を行い、調査範囲を拡大 した。 1・ 2月 は、厳冬期 に入 るため、少人数の人員で、遺構の精査 を小規模 なが ら実施 した。 また、調査区東側 に 確保 していた通路 を移動す る 目処がたったため、 2月 14日か ら仮囲いの位置 を移動 し、375ボについて更に追加 の重機掘削 を行 った。 これによって、合計の調査面積1,401ボの内、重機の進入が難 しく手掘 りで掘削す ること となった10ボ分 を除 く1,391ボについて、2006年度 に調査 に着手 したこととなった。 3月 か らは作業員 を増員 し、 本格的な調査 を再開 した。 2007年度の調査 は、 3月 か らの作業 をその まま引 き継 ぎ実施 した。仮設作業小屋 な どで重機の進入が難 しく、 手掘 りで表土掘削 を行 うこととな り残 されていた10ボについては、4月17日か ら23日の期 間に盛土 を除去 した。 これによ り、調査面積1,401ボの全てで、精査 に着手することとなった。 新年度 よ り、補償費 を財源 とした任期付 き職員 として、文化財調査員1名 (一般職員

)と

技術補佐員1名 (准 職員

)が

増員 され、調査体制が強化 された。 また、年度当初 よ り、測量業務 を国際航業株式会社文化事業部 に委 託 し、同社の測量担当者1名が現地に常駐 して測量作業 を行 うこととなった。 また、埋蔵文化財調査室の文化財 調査員

2名

が、冬期間に小型車両系整地等特別教育 を受講 した。 これによ り、小型油圧 シャベルをリースで借 り、 特別教育 を受講 した文化財調査員が操縦 して、調査 を進めることとした。小型油圧 シャベルは、撹乱の除去 など の際に威力 を発揮 した。 調査期間は、建築工事の行程 との関係で、当初 は 7月 末 までの予定であった。上記の ように調査体制 を強化 し たが、多数の遺構が検 出されたことなどか ら、調査 は予定 よ り遅れ気味であった。建築工事の準備作業が遅れた ことか ら、発掘調査 を実施で きる期間に余裕がで きたため、関係機関 と協議の上、 8月 末 まで調査期 間を延長す ることとした。作業員 を投入 した作業は、予定通 り8月 末で終了 した。その後、図面の点検 など若干の残務 を行 い、 9月10日で調査の一切 を終了 した。 また、調査成果の概要が明 らか となった 8月 4日 には、現地説明会 を開 催 している (図13)。 検 出遺構 は、 ビッ ト768基 、大型の遺構31基、井戸

8基

、溝16条な どであった。地鎮遺構 も

1基

確認 されてい る (表紙写真)。 遺物 は、陶磁器類や瓦、木製品などが、 コンテナ165箱出土 した。江戸時代初頭か ら明治時代初 頭 にかけての各時期の ものが出土 している他、縄文時代の石器や古代の須恵器や瓦 も少数出土 している。 地下鉄東西線機能補償 関係の調査 は、整理作業や報告書刊行 を含めて、仙台市か らの補償費 を財源 として実施

(13)

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(14)

4

仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点調査状況 (8月7日、古期大型遺構の掘り下げ前) した ものである。そのため、地下鉄東西線機能補償関係の調査成果 をとりまとめた報告書 を、2010年度に別途刊 行する予定である。 この武家屋敷地区第

H地

点の調査については、次に概略 を述べ る武家屋敷地区第12地点の調 査成果 を含めて、そちらに掲載する予定である。 ・仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第12地点 (BK12・ 2007-15、 東西線機能補償屋外給排水設備その他) 川内北地区の給水管は、北東隅にポ ンプ室があ り、そこか ら敷地北端の市道脇 を通 り、武道場の西側か ら南に 折れ、体育館西側 を通 って厚生会館北側へ と続いている。 この給水管が地下鉄工事の支障 となるため、サ ッカー 場 と野球場の間を通って、体育館南側 を経て厚生会館北側ヘ ルー トを変更す ることとなった。体育館か ら厚生会 館の周辺区域では、場所 によっては遺構面に掘削が達する可能性があったため、で きる限 り既存管の掘 り方を利 用 して埋設す ることとした。 しか しなが ら、管路の接続部分など、既存管掘 り方 を利用で きない部分では、掘削 が遺構面に達する可能性が考えられた。そのため、工事実施時に立会調査 を行い、既存管掘 り方か らはずれ、掘 削が遺構面に達する場合 には、工事 を中断 し、記録保存のための本調査 を実施することとした。 また、東側の グ ラウン ド部分については、周知の遺跡の範囲か らは外れるが、念のため立会調査を実施することとした。 工事の進行 と併行 し、

1月

11日か ら3月14日にかけて、断続的に調査 を実施 した。3ケ 所 (1・ 3・

4区 )で

、 明治時代初頭 の地層

(2層

)や

地山が残存 してお り、手掘 りによる精査 を行 った (図5)。 調査面積 は、596ぷ である。体育館西側の一部で

2層

が残存 してお り、当初は

2区

として精査対象 としたが、掘削が

2層

まで及ばな いこととな り精査は行わなかった。 これ ら以外は、既存管による既掘削範囲か、新 しい盛土の範囲内であった。 本調査 を実施 した区域 は、調査順 に1・ 3・

4区

とした。1区ではビッ ト

7基

を検出 した他、北側部分に

2層

が残存 していた。

3区

はほ とん どが撹乱 されていたが、東端部分 と西端部分で

2基

の遺構 を検出 した。

4区

では ビッ ト

3基

を検出 し、東側部分で

2層

が残存 しているのを確認 した。遺物 は陶磁器類や瓦が少量出上 した。 本調査 を実施 した部分については、別途刊行す る地下鉄東西線機能補償関係の調査成果をとりまとめた報告書 において詳 しく報告する。

(15)

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3区

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ザイツ 図

5

仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第12地 点調査区の位置

(16)

立会調査 を実施 した、残 る10件の概要は、以下の通 りである。 ・東西線機能補償 による駐輪場移転等 その

2(ス

ロープ整備、

2007-2)

地下鉄東西線 によって、従来の敷地の北端が失われるため、川内北地区全体で、駐輪場や駐車場の再配置が必 要 となった。2007年 度には、地下鉄工事 に先立つ市教委 による埋蔵文化財調査 も開始 され、それ らの工程 の関係 上、早急 に事業 を進めてい く必要があった。そのため、工事の条件 と計画が整 った部分か ら、順次事業発注が な され、土木工事の届 出がなされ、立会調査 を実施 してい くこととなった。 なお立会調査 については、実施 した順 序で番号 を付 けてお り、届 出の順番 とは一致 していない。 この工事 は、共通実験棟北側の段差のあるところを通 っている、駐輪場へ至 る通路のスロープ部分 を整備す る 工事である。擁壁基礎 の掘削 (深さ

30cm)と

、舗装 を直すための掘削 (深さ

25cm)が

行 われたが、いずれ も浅 いため、新 しい盛土の範囲にお さま り、特 に問題 はなかった。 ・市埋文調査機能補償 による駐輪場移転等

(2007-3)

地下鉄東西線工事 に先立って、仙台市教育委員会による埋蔵文化財調査が実施 されるため、調査対象区域 に置 かれていた駐輪場 を移設するための工事である。川内北地区の北西 よりの場所 にある国際交流セ ンターの南側一 帯 に駐輪場 を整備す る工事である。既存舗装 を撤去 し、舗装 をや り直す もので、掘削深 さはいずれ も

30cm以

下 の浅い ものであった。掘削は、新 しい盛土の範囲内にお さま り、問題 はなかった。 0東 西線機能補償 による駐輪場移転等その

1(2007-4)

上記 した市埋文調査機能補償 によって移転する駐輪場 (立会調査番号

2007-3・

駐輪場

1)に

外灯 を設置す る 工事 と、厚生会館北東側 にある駐輪場 に上屋 を設置す るための基礎工事 (駐輪場2)、 プールの東側 に駐輸場 を 設置す る工事 (駐輪場

3)で

ある。駐輪場

1で

は、外灯基礎の設置 と電気ケーブル配管埋設の工事が行 われた。 外灯基礎 は、深 さ

lmを

超 える掘削が行われたが、盛土が厚 い場所であったためか、新 しい盛土 にお さまった。 電気 ケープル配管理設 は、深 さ

40cm以

下 と浅いため問題 はなかった。駐輪場

2で

は、基礎 プロックが埋設 され たが、深 さが

20cm程

度 とご く浅 く、問題 はなか った。駐輪場

3は

、舗装 を行 う工事のため、掘削 される深 さは

30cm以

下で、 こち らも問題 はなかった。 ・体育館西側・南東側給水管敷設替 え工事

(2007-6)

既存給水管が老朽化 したのに伴 う、給水管の敷設替 え工事である。体育管の西側 と東側の2ヶ所、お よび第二 食堂の周辺で、従来 とは異 なる経路 で敷設 されることとなった。既存管 との分岐部分以外 は、35∼47cmの深 さ で施工 されることとなった。周囲のこれまでの調査結果か ら、 この程度の深 さであれば、新 しい盛土の中に収 ま る可能性が高い と判断 し、立会調査で対処することとした。掘削は新 しい盛土の範囲内で、特 に問題 はなかった。 ・東西線機能補償 による駐車場整備 その

1(2007-7)

川内北地区の西端 に近いテニス コー トの東側一帯 と、北地区東側の課外活動施設の東側の 2ヶ 所 に、駐車場 を 整備する工事である。テニス コー ト東側では、舗装、外灯設置 と電気ケーブル埋設、花壇の移設 と花壇用の給水 管埋設、車止めや フェンスの設置な どの工事が行 われた。外灯基礎 の掘削が

lm前

後 と深い以外 は、比較的浅い 掘削であった。新 しい盛土がやや厚いためか、掘削 は盛土の範囲にお さまった。課外活動施設東側では、舗装工 事 だけで、掘削 は

30cm未

満 とご く浅 く、問題 はなかった。 ・学生相談所・保健管理 センター北側屋外案内板・駐車場看板取設工事

(2007-9)

川内北地区の南西 よりに所在する学生相談所 と保健管理セ ンターの北側 に、案内板 と看板 を設置する工事であ る。基礎掘削の範囲はご く狭 く、深 さも

35cm程

度 と浅いため、立会調査 とした。掘削 は新 しい盛土の範囲内で、 問題 はなかった。 ・東西線機能補償 による駐車場等整備その

2(支

障樹木伐採除根、2007-11) 東西線機能補償 による駐車場整備その

1(立

会調査番号

2007-7)に

おいて整備 された課外活動施設東側の駐

(17)

車場 の、 さらに南側 に接 す る区域 の整備 である。支障樹木 を撤去 し、周囲 を舗装す る工事 である。掘削深 さは 27cm以下 とご く浅 く、問題 は生 じなかった。 ・マルチメデ ィア教育研究棟東側車止取設工事 (2007-13) 川内北地区の中央部北側 にあるマルチメデ ィア教育研究棟の東側 に、車止 を設置する工事で、掘削範囲が狭 く、 深 さも

40cm程

度のため、立会調査 とした。掘削は新 しい盛土の範囲内で、問題 はなかった。 ・東西線機能補償 による駐輪場移転等その

3(駐

輪場上屋取設

)(2007-16)

東西線機能補償 による駐輪場移転等その1において上屋設置工事 を実施 した、厚生会館北東側の駐輪場 (立会 調査番号2007-4、 駐輪場

2)の

西側 に並んでいる駐輪場 に、上屋 を設置する工事である。上屋設置のための基 礎 と、併せて設置 される雨水桝・雨水溝 。雨水管の部分が、掘削 を伴 う工事 であった。 いずれの掘削 も、深 さ

50cm以

下であったため、新 しい盛土の範囲内にお さまった。 ・市埋文調査に伴 う樹木移植 (2007-18) 川内北地区の北東隅に近い場所 に植 えられていた樹木 を、市教委による埋蔵文化財調査 に先立って、移植する 工事である。東西線工事対象区域の樹木のほとん どは伐採 されたが、 この地点のウワズ ミザクラ

2本

とムラサキ シキブ

1本

については、移植す ることとなった。盛土が厚 い と考 え られる場所であったため、立会調査 とした。 掘削は新 しい盛上の範囲内で、問題はなかった。

(2)川

内南地区の調査 川内南地区では、立会調査

4件

を実施 した (図6)。 0文 学研究科分室新営

(2007-1)

文学部・教育学部棟 の耐震補強を含 む全面改修工事が実施 されることとな り、工事期間中の事務室の代替 えス ペース として、簡易鉄骨造

2階

建の施設 を附属図書館

2号

館の北側 に建築することとなった。掘削を伴 う工事 は、 建物基礎の掘削 と、給水管、排水管、雨水管、電気 。通信配管の埋設工事である。昭和60年度 (1985年度

)に

調 査 を実施 した、図書館増築に伴 う二の丸第

5地

点の1区と

5区

(年報

7)と

、工事場所が一部重なっている。 こ の調査 によって、遺構面の深 さが判明 していたので、遺構面 に掘削が及ばないよう、盛土で地盤 をか さ上げ した 上で、建物が建設 されることとなった。遺構面への影響 は避け られる見込み となったため、立会調査で対処する こととした。工事 による掘削は、新 しい盛土の範囲にお さまり、特 に問題 はなかった。 なお今回建設 された建物 は、使用が終了 した時点で、撤去 されることとなっている。 ・記念講堂南西側給水管漏水復旧工事

(2007-5)

川内地区では、米軍時代 に設置 された給水管 を、大学がそのまま使用 している場所が多い。随時取 り替えが進 め られて きているが、一部では米軍時代の給水管が残 っている。今回の工事 は、記念講堂の南西側で、米軍時代 に設置 された、消火栓 につながっている給水管が腐食 して漏水 したのを復旧するための工事である。漏水箇所 を さ ぐるために重機で表土 を除去 した ところ、表土直下で地山面が露出 し、そこに掘 り込 まれた給水管掘 り方が検 出された。給水管掘 り方の幅が、予想以上 に狭かったため、工事用重機 を取 り替 え、掘 り方の範囲内で工事掘削 が行われるように した。遺構 ・遺物 は発見 されていない。 ・文系中講義棟周辺屋外ガス配管改修工事

(2007-8)

文系 中講義棟 の北東側で、 ガス管が腐食 したのを復旧するための工事である。工事 による掘削は、既存 ガス管 を埋設 した際の掘 り方の内部にとどま り、特 に問題 はなかった。 ・文学研究科研究棟改修工事 (2007-10) 文学部・教育学部棟の耐震補強を含 む全面改修工事である。掘削を伴 う工事 は、構造補強の基礎設置 とガス管 の入れ替 えであった。構造補強の基礎 は、既存建物の基礎 に接 して造 られ、既存基礎工事の際の掘 り方内で工事

(18)

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1財

(19)

が行われることとなった。 ガス管の入れ替 えは、既存 ガス管の上部に埋設することとなった。いずれの工事で も、 既 に掘削 された範囲にお さまることか ら、立会調査で対処することとした。 ガス管入れ替 えでは、支障物のため、 一部で既存掘 り方か らずれる場所 に埋設 されることとなったが、新 しい盛土の範囲内であったため、特 に問題 は なかった。

(3)青

葉山北地区の調査 理学研究科・薬学研究科 などが所在する青葉山北地区では、試掘調査

1件

を実施 した (図7)。 ・理学部・薬学部松林園路整備に伴 う試掘調査 (2007-17) 試掘調査 を実施 したのは、理学部・薬学部厚生会館北側松林の園路整備工事 に伴 う調査である。 理学部・薬学部厚生会館の北側 には、松林がある。周囲が削平 され一段高い区域 となってお り、青葉 山北地区 では残 り少 ない、大 きな改変が加 えられていない場所である。 この松林か ら南側の一帯が、青葉山

B遺

跡 とされ ている。青葉 山

B遺

跡では、松林の南側で、

2回

の調査が行われている

(AOBl・ AOB2、

年報2)。 これ らの 調査の際 に発見 された旧石器 については、ねつ造 された危険性が排除で きず、歴史資料 としての価値 は否定 され る検証結果 となっている (東北大埋文セ ンター2003)。 一方 これ らの調査では、縄文土器・弥生土器・土師器 な どが出土 しているため、ねつ造発覚後の見直 しで、縄文時代早期・縄文時代中期・弥生時代 。古代の散布地 とし て遺跡登録 されている。松林の東側では、2002年度に応用薬学総合研究棟新営 に伴い試掘調査 を実施 しているが、 遺構 。遺物 は発見 されていない (年報20)。 厚生施設の南側 で も2004年度 に試掘調査が行 われれているが、 ここ では大学造成時に大規模 な盛土がなされていることが判 っている (年報22)。 松林 を散策で きるようにするための環境整備工事が、平成18年度 と19年度の 2ヶ 年にわたって行われることと なった。前年度の平成18年度 (2006年度

)に

は、園路の整備、芝張 り、外灯・柵設置、植栽などの工事が行われ た。松林が周囲 よ リー段高いため、入 る部分に階段 を 3ケ 所設置す る必要があ り、 この階段部分については、大 きく削平 されるため試掘調査を実施 し

(1∼ 3区

)、 それ以外の区域については立会調査を行った (年報24)。 い ずれにおいても、遺構・遺物は発見されていない。 今年度は、2ヶ年 目の事業 として、園路の追加、水飲み場 と給排水設備の設置、外灯設置などの工事が行われ ることとなった。これらの工事の内、掘削規模が大 きな工事は、北西側から松林に入る園路の階段部分 と、水飲 み場であった。そのため、 この2ヶ所 について試掘調査 を行い、遺跡の状況 を確認することとした。 これ ら以外 の園路、給排水設備、外灯 などについては、工事 による掘削範囲は浅い ものや狭 い ものであることか ら、立会調 査で対処することとした。 調査 は2008年 2月18日か ら26日の期間で実施 した。前年度の調査 区に続けて、北西側の階段部分 を

4区

、水飲 み場部分 を

5区

とした (図8)。 手掘 りで表土 を除去 した上で、精査 を行 った (図9)。 調査面積 は、

4区

31ボ、

5区 4ぷ

の、合計35ぷである。

4区

では、南東端が戦前の陸軍演習場時代の聖壕 と思われる溝状の掘 り込みによって撹乱 されていたが、それ 以外の区域 は、削平は受けていない もの と思われる。 しか し、遺物包含層は確認 されず、遺構 。遺物 は検出され なかった。調査区北西端で、約1.5m×

2mの

深掘 り部分 を設けて、愛島軽石層の上部の風化 した部分 まで、ロー ム層の掘 り下げを実施 したが、遺物の出土はなかった。

5区

では表土の下に漸移層は残 されてお らず、す ぐにローム層上部が露出 した。若干の削平 を受けているもの と思われる。 ローム層上面で、楕円形の掘 り込みが

1基

検 出されたが、埋土 に しま りが全 く見 られず柔 らかいこ とか ら、新 しい時期 に掘 り込 まれた もの と判断 した。

2m× lmの

深掘 り部分 を設けて、川崎スコリアを含 む地 層 まで ローム層の掘 り下げを実施 したが、遺物の出土はなかった。 これ ら以外の立会調査 を実施 した区域 において も、遺構・遺物の発見 はなかった。

(20)

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・薬松林園路整備試掘調査

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8

青葉山B遺跡試掘調査地点

(22)

4区 全景(南東から、深掘 り前) 5区 全 景(東か ら) 4区深掘 り状況(北か ら) 図

9

青葉山B遺跡試掘調査状況

(4)青

葉 山東地 区 の調査 工学研究科などが所在する青葉山東地区では、立会調査

4件

を実施 した (図7)。 青葉山東地区では周知の遺 跡は知 られておらず、青葉山北地区の周知の遺跡の範囲か らも離れるが、ローム層が良好に残されている区域 も あるため、学内での独 自の措置 として、立会調査を実施 しているものである。 。地震予知センター地震観測孔その他工事 (2007-①) 青葉山東地区の南東隅の、他の区域 よリー段下った場所に、地震予知センターが置かれている。そこに地震観 測孔を設置する工事 と、関連する通信ケーブルを埋設する工事に伴 う調査である。一部でローム層が確認された が、遺構 。遺物は発見されなかった。

・工学研究科機械系教育実験棟新営その他工事

(2007-②)

青葉山東地区の北東隅の場所で、教育実験棟を新築する工事に伴う調査である。ローム層は比較的良好に堆積

していたが、遺構・遺物 は発見 されなかった。 。工学研究科 クラシックカー展示施設新営工事 (2007-④) 青葉山東地区のなかで も東 よ りの場所で、展示施設 を新築する工事 に伴 う調査である。工事 による掘削は、全 て大学による盛土の範囲内であ り、特 に問題はなかった。 ・工学研究科機械・知能系消防用水槽取設 その他工事 (2007-⑤) 青葉山東地区の北東隅に近い場所で、消防用水槽の設置や、関連する給水管埋設工事 に伴 う調査である。すで に改変 を受け、新 しい盛土がなされてお り、特 に問題 はなかった。

(23)

(5)富

沢地区の調査 理学研究科付属原子核理学研究施設 (2009年12月 か ら電子光理学研究セ ンター

)や

職員宿舎が所在する富沢地 区 (仙台市太 白区三神峯一丁 目

)で

は、立会調査

2件

を実施 した (図10)。 富沢地 区では、 ほぼ全域が芦 ノロ遺 跡の範囲内 となっている。 ・高周波電源棟新営工事 (2007-12) 実験施設のための建物建築 と、関連す る電気配管、雨水管などの埋設に伴 う調査である。建築予定場所 は、昭 和60年度 (1985年度

)に

実施 した、芦 ノロ遺跡第

1次

調査の

B区

と一部重 なる場所であった。 この

B区

の調査結 果か ら、大学施設建設時の盛土が

lm程

度の深 さまであることが判明 している。今 回建築 される建物は簡易鉄骨 造平屋建のため、基礎掘削 も比較的浅 く、盛土の範囲内でお さめることが可能であったため、立会調査で対処す ることとした。工事 による掘削は、盛土の範囲にお さま り、特 に問題 はなかった。 ・特高変電所受電設備改修工事 (2007-14) 特高変電所の改修 に伴い、変電所 と空調機械室棟 の間の配管 を埋設する工事 に伴 う調査 である。既存配管の上 部に埋設する形で工事が行 われるため、立会調査で対処することとした。今 回の工事 による掘削は、既存配管理 設時に掘削 された範囲に留 ま り、特 に問題 はなかった。

(6)川

渡地区の調査

′ 宮城県北部の大崎市 (旧鳴子町

)鳴

子温泉大 口字蓬田ほかに所在 し、農学研究科附属複合生態 フィール ド教育 研究セ ンターの複合陸域生産 システム部 (旧附属農場

)な

どが置かれている川渡地区では、立会調査

1件

を実施 した (図11)。

・附属複合生態フィール ド教育研究センター牛舎他新営工事

(2007-③) 複合 陸域生産 システム部の本館 (研究・管理棟

)な

どのある区域か ら、北西約

lkmに

位置す る乳牛舎 な どが 置かれている区域が、上川原遺跡 とされている。宮城県教育委員会が保管 している埋蔵文化財包蔵地調査 カー ド によると、縄文時代晩期の土器が採集 されている。上川原遺跡では、平成

5年

度(1993年度)に、試掘調査 を行 っ ているが、多 くの部分で削平 を受け、ローム層の上位 に存在する黒ボク土 自体の残存状況がお しなべて悪 く、遺 構 。遺物 は確認 されていない (年報11)。 現在 の施設建設時に、削平 を受 けているもの と推定 される。今 回の工 事 は、牛舎の新築工事である。工事箇所 は遺跡範囲の南東端 に接す る場所で、遺跡範囲か らは外れていた。かつ てため池が造 られていた場所で、工事範囲のほ とん どは、大 きく掘削 されていた。ただ し、工事範囲がため池 よ り大 きいため、外周部分では新 たな掘削が行 われることとなった。そ こで遺跡範囲外ではあったが、念のため、 学内措置 として立会調査 を行 うこととした。調査の結果、一部で黒ボク土が残存 しているのが確認 されたが、遺 構 。遺物 は発見 されなかった。

(24)

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(25)

1:赤這遺跡(縄文

)2:久

田遺跡(縄文

)3:大

室院跡(近世

)4:上

川原遺跡(縄文

)5:丸

森遺跡(縄文) 6:東北大学農場2・ 3号畑遺跡(縄文

)7:町

西遺跡(弥生

)8:町

A遺跡(縄文・古代

)9:町

B遺跡(縄文) 10:修験 院善教坊跡(近世

)11:鍛

冶谷沢町宿駅跡(近世

)12:鍛

冶谷沢検 断跡(近世)13・ 14:町C遺跡(縄文・古代) 15:観音館跡(中世

)16:石

の梅古墳(古墳

)17:住

吉神社跡(中世

)18:行

蔵院跡(近世

)19:大

西館跡(中世) 20:小屋館跡(中世) S=1:25,000 図

11

川渡地 区調査地点 と周辺 の遺跡

(26)

2.遺

物整理作業

2007年

度は、

F東

北大学埋蔵文化財調査年報

19第

4分

冊』と『東北大学埋蔵文化財調査年報

22』

2冊

を刊行

した。 『東北大学埋蔵文化財調査年報19第

4分

冊』 は、2001年度 (平成13年度

)に

実施 した、仙台城跡二の丸北方武 家屋敷地区第

7地

点 (マルチメデ ィア総合研究棟新営 に伴 う調査

)の

出土遺物の内、木製品 。漆塗製品 。金属製 品 。石製品を掲載 した。二の丸北方武家屋敷地区第

7地

点の出土遺物が膨大 なため、年報19は

5分

冊 に分けて刊 行することとしている。出土遺物 については整理作業が終了 した ものか ら、順次刊行す ることとした。2005年 度 に武家屋敷地区第

7地

点の検 出遺構 までを掲載 した第

1分

冊 を刊行 し、2006年度に木簡 と墨書 ある木製品 を掲載 した第

3分

冊 を刊行 している。2007年度は、木製品 。漆塗製品 。金属製品・石製品について作業が終了 したため、 これ らを掲載 した第

4分

冊 を刊行 した。 『東北大学埋蔵文化財調査年報22』 は、2004年度 (平成16年度

)に

実施 した調査成果や、年度事業の概要 をと りまとめた ものである。2004年度 は、本調査 は実施 していないが、試掘調査

1件

、立会調査

4件

を実施 している。 理学部・薬学部厚生施設増設 に伴 う試掘調査 については、遺構 。遺物 は確認 されていないので、概要 をとりまと めて報告 した。 整理作業 としては、上記報告書 に掲載 した調査 について、

2件

の作業 を併行 して行 った。 ・仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第

7地

(BK7)

2001年度に調査 を行 った、マルチメデ ィア総合研究棟新営 に伴 うの出土遺物の整理作業である。江戸時代の各 時期の、多種多様 な遺物が大量 に出土 してお り、2002年度 よ り整理作業 を継続 して行 っている。当年度は、各種 遺物の トレースや写真撮影 などの作業 を実施 した。木製品 。漆塗製品 。金属製品 。石製品については、調査年報 19第

4分

冊 にとりまとめて掲載 した。

02004年

(平16年

)営

繕工事等に伴 う調査 2004年 度は、理学部・薬学部厚生施設増設に伴 う試掘調査

1件

、立会調査

4件

を行 っている。 これ らの調査で は遺物 は出土 していないが、調査図面の整理や トレース、写真整理などを行 った。その成果 については、調査年 報22にとりまとめて掲載 した。 これ らとは別に、地下鉄東西線機能補償費 を財源 として、東西線関係の調査 に関わる整理作業 も実施 した。川 内サブア リーナ棟新営 に伴 う仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点の調査が終了 したため、 9月 よ り整理作 業 を開始 した。今年度は、出土遺物の洗浄や注記 な どの基礎的作業 を実施 した。

3.保

存処理事業

東北大学埋蔵文化財調査室では、仙台城跡の出土遺物 を中心 に、木製品 。漆塗製品 。金属製品な ど、保存処理 を必要 とす る遺物 を多数保管 している。 この内、木製品 と金属製品については、当調査室で保存処理 を進めてい る。木製品については、1997年度以降、糖 アルコール法によって処理 している (年報16)。 2007年度は、前年度か ら開始 した、仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第

7地

点 (2001年度調査・

BK 7)の

出 土木製品の処理 を継続 して実施 した。武家屋敷地区第

7地

点か ら出土 した木製品は、木簡 を含 め膨大 な数量 にの ぼるため、

4∼

5ケ 年間が必要 となる見込みである。2007年度は、前年度に引 き続 き、箸、下駄、木簡など各種 の木製品の処理 を行 った。 また、当年度に調査 した仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点で も、処理の必要 な有機質遺物が出土 している。その中で、植物繊維で編 まれた俵

2点

な ど、大型の遺物の処理 を開始 した。 金属製品では、2000年度 に調査 を実施 した仙台城跡二の丸第17地点出土の銅製品の処理 を、前年度に引 き続い て行 った。 これによ り、二の丸第17地点の鋼製品の処理 は終了 した。

(27)

4.資

料保管状況

東北大学埋蔵文化財調査室では、ほ とん どの遺物 は容量30.3リ ッ トルのコンテナ(ポリプロピレン製・サ ンボ ッ クス

#32)に

収納 している。 このコンテナに入 らない大型の ものについては、 さらに大 きなコンテナや、適宜木 箱 を作成 して収納 している。全体の遺物総量 を把握す るために、容器の大小 にかかわ らず、箱の数で数量 を管理 している。ただ し、木製品や金属製品など保存処理 を行 う必要のあるものは、別に保管 しているため、 これには 含 まれていない。東北大学埋蔵文化財調査委員会が発足 した1983年度か らの、遺物総量の推移 を箱数で比較 した のが、表4と図12である。 2007年度末時点で、当調査室で保管 している遺物総量 は2,788箱である。前年度 と比較す ると、70箱の減少 と なっている。 2007年度の調査 に よって新 たに増加 した箱数 は、166箱である。仙台城跡二の丸北方武家屋敷地 区第11地点

(BKll)の

調査 による ものが165箱である。仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第12地点

(BK12)の

調査 による も のが1箱である。 2007年度は、調査年報19第

4分

冊 と調査年報22を刊行 した。 調査年報19第

4分

冊では、仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第

7地

(BK7)の

出土遺物の内、木製品 。漆 塗製品 。金属製品 。石製品を報告 し、 これ らについては整理作業が終了 したこととなる。 これ らの遺物の内、木 製品 と漆塗製品については、水漬け状態の まま取 り上げている。2006年度 に報告書 を刊行 し整理作業が終了 した 木簡や墨書ある木製品 も含めて、水漬け状態で取 り上げた遺物 については、当年度で整理作業が終了 したことと なる。未整理箱数は、 これ らの整理作業が終了 したことによって、352箱が減少 した。一方、 これ らの資料の整 理後の箱数は116箱となってお り、整理前 と比べて236箱の減少 となっている。 これは、水漬け状態で取 り上げた ため、一つの箱 に入 っていた遺物量が限 られるため箱数が多 くなっていたことと、整理後に保存処理 にまわ り別 扱い となったため、整理後の箱数に入 っていない ものが多 く存在す るためである。水漬け状態で取 り上げた木製 品 。漆塗 り製品は、ほ とん どが保存処理 を行 う必要があ り、整理作業の終了後 に順次処理 にまわ し別扱 い とした。 保存処理 を行 った遺物 は別に保管 しているため、 ここの箱数の集計 には入 っていないこととなる。 調査年報22では、2004年度の事業概要 を報告 した。 この年度には、遺物の出土 した調査 はなかったため、遺物 箱数の増減 はない。 これ らを合わせ ると、未整理箱数は、整理作業終了による減少が352箱、新たに調査で増加 した ものが166箱で、 差 し引 き186箱の減少 となった。一方、整理済の箱数 は、合計116箱増加 した。全体 では70箱の減少で、2,788箱 となる。 この内、2,507箱が整理・報告済みで、未整理 は281箱となる。整理・報告済みの ものの比率 は89.9%で ある。 5。

研 究活動

(1)受

託研究・共同研究等 2007年度は、下記の受託研究

1件

を実施 した。 受 託 者 :岩 手県山田町長 沼崎喜一 (担当 :教 育委員会社会教育チーム文化担 当) 研究課題 :房 の沢古墳群 出土品保存処理 についての研究 研究 目的 :山 田町房の沢古墳群か ら出土 した鉄製品 (鉄製刀・刀子13点

)を

恒久的に保存す るため、有効 な 保存処理方法 (脱塩処理お よび樹脂含浸 による強化 と修復

)の

研究 を行 う。 研究経費 :2,196,600円 岩手県 山田町の房 の沢古墳 群 は、

8世

紀 を中心 に築造 された末期古墳 で、豊富 な鉄 製 品が 出土 して い る。 1996・ 1997年度に発掘調査 され、出土鉄製品は、1997年度に保存処理が施 されていた。 しか し、脱塩処理が不充

(28)

4

年度 ごとの収蔵遺物箱数の推移 年 度 未整理箱数 整理済箱数 合計箱数 備 考 104 0 104 1984 4 104 年報1(1983年度調査分)刊行 年報2(1984年度調査分)刊行 1986 1987 293 1988 920 年報3(1985年度調査分)刊行 1990 1,086 1,487 年報4・ 5(1986・ 87年度調査分)刊行 1,028 年報6(1988年度調査分)刊行 l,764 年報7(1989年度調査分)刊行 861 1893 1996 469 1908 年報8(19∞年度調査分)刊行 1997 1926 年報9・ 10(1991・92年度調査分)刊行 1998 236 年 報 l 2(1993・ 94年度調査分)刊行 1,893 年報 995年度調査分)刊行 2●Xl l,926 2677 年 報 4 5・ 16(19%・ 97・98年度調査分)刊行 2∞1 1926 年 報 7 999年度調査分)刊行 2002 l,234 31∞ 2003 2861 二の九第17地点整理後詰め直 し等で箱数減少 2004 2370 年 報 8(211ul年度調査分)刊行 2005 2.384 2.856 年 報 9‐1・20(21Xll・ 02年度調査分)刊行 21X3 2.858 年 報 9‐3・ 21(21Xll・ 03年度調査分)刊行 2007 2.507 2,788 年 報 94・ 22(21Xll・ 04年度調査分)刊行 198319841985198619871988198919901991 1992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007 図

12

収蔵遺物量の推移

(29)

分であったため、その後の経過観察 によって進行性 の腐食生成物が確認 され、再処理が必要 な状態 となっていた。 これ らの鉄製品には、本質・繊維・漆 など有機質が多数付着 して遺存 してお り、通常の方法では再処理が困難で あった。そのため、東北芸術工科大学の松井敏也講師 (2004年か ら筑波大学大学院講師)。 手代木美穂氏 と協力 しつつ、同古墳群出土鉄製品の内の

5点

の鉄刀 について、再処理方法 を検討 し再処理 を実践することを、東北大 学埋蔵文化財調査研究セ ンターが受託研究 として担 当す ることとなった。 この受託研究 は2003年度 と2004年度の 2ヶ 年 にわたって実施 し、松井氏 らによって開発 された純水 を利用 した脱塩方法 (松井敏也 ほか

2005)を

採用す ることで、再処理 を行 うことがで きた。 房の沢古墳群からは、様々な種類の鉄製品が多数出土 している。 2ケ 年で再処理を実施 したのは鉄刀

5点

のみ であ り、全体から見ればごく一部である。そのため山田町教育委員会では、国庫補助金を得て、残る房の沢古墳 群出土鉄製品の再処理を、2005年度から2009年度にかけての5ヶ年で実施する計画を立てた。この再処理の実施 を、当調査室が山田町からの受託研究として行 うこととなった。本年度は新たな5ケ年計画の

3年

目として、鉄 製の刀 と刀子13点を対象資料 とした。この内、

RT08古

墳出土の方頭大刀については、鞘の表面に塗 られた漆膜 がきわめて良好に残存 してお り、通常の処理方法を採用すると、漆膜が剥落する危険性が高い。そのため、今年 度は、処理の際に漆膜を保護する養生材を選定するためのモニタリングテス トを実施することとした。養生材 と して、膠・パオゲン・パラロイ ドB72・ パラロイ ド

NAD10の

5種

類について、処理作業のそれぞれの工程で使用 する溶液 (精製水・アセ トン・エタノール・ソルベ ントナフサ

)ご

とに、適否を検討することとした。モニタリ ングテス トの検討結果については、報告書を別途作成 した。 これ以外の12点の刀 と刀子については、例年 どお り、以下の手順で再処理を行った。 ①事前調査 ・処理に先立って、資料の状態を調査 し、必要な記録を作成する。 ② クリーニング ・前 回処理の際 に除去が不十分 なまま残 された錆、お よび新 たに生成 した錆 を、除去す る。

③脱脂処理

。前回処理で含浸されている樹脂を除去するため、有機溶剤

(ア

セ トン

)で

洗浄する。

④脱塩処理

・純水を用いて、資料中に残存している塩類を除去する。

・脱塩処理は、純水に資料を一定期間浸漬し静置したあと水を替える方法と、純水を滴下し同時に排水する流水

法の2段 階で行い、定期的に導電率を計測し評価 しつつ進める。

⑤脱水処理

・樹脂含浸に先立って、資料の水分を除去するよう、充分な乾燥を行う。

⑥樹脂含浸

・ 資料全体 を強化す るため、 アク リル系樹脂 を減圧含浸す る。

⑦接合・修復・補色

。本体か ら分離 した破片などを接合する。 ・錆で大 きく損なわれた部分など、強化が必要な部分は、エポキシ系樹脂 を充填 して修復する。 ・エポキシ系樹脂 を充填 した部分は、違和感がない ような形で補色する。

③報告書作成

。①∼⑦の作業過程、及び結果をとりまとめた報告書を作成した。

(30)

(2)学

会発表等 調査室の業務 にかかわる、学会での研究発表等 としては、次の発表 を行 った。 ・平成19年度宮城県遺跡調査成果発表会

2007年

12月 16日 於 :仙 台市博物館 「仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点の調査」 発表者 :高 木暢亮 また、宮城県考古学会か らの依頼 を受けて、同会の会誌 『宮城考古学』第10号 (2008年5月 発行

)の

「2007年 度宮城県内主要発掘紹介」 に、「仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点」 として、同遺跡の調査概要 を寄稿 して紹介 した。

(3)科

学研究費採択状況 2007年度において、当調査室の文化財調査員で、科学研究費等の交付 を受けた ものはなかった。

6.教

育 普 及 活 動

(1)非

常勤講師 2007年度に、当調査室の文化財調査員で、非常勤講師を担当 した ものは次の とお りである。 ・藤沢 敦 東北大学大学院文学研究科 。文学部 考古学特論・各論 (後期)「日本古代国家の周縁地域」 ・藤沢 敦 宮城教育大学 考古学講義 (後期)

(2)授

業 など教育活動への協力 学内外での授業 な どの教育活動への協力 としては、以下の ものを行 った。 。東北大学全学教育 科学 と情報「考古学で とく『科学』以前の科学」 発掘調査見学 2007年 6月21日 於 :仙 台城跡二の九北方武家屋敷地区第11地点調査現場 授業担当教官 :深 澤百合子 (大学院国際文化研究科教授) 調査室担 当者 :藤 沢敦 。高木暢亮 。東北大学大学院文学研究科 。文学部 考古学実習 保存処理実習 2007年12月 5日 於 :埋 蔵文化財調査室保存処理作業棟 授業担当教官 :阿 子島香 (文学研究科教授)。 柳 田俊夫 (総合学術博物館教授) 調査室担 当者 :藤 沢敦・千葉直美

(3)保

管資料の貸 出 調査室保管の資料の貸出依頼等 としては、次の とお りであった。 ・貸 出 先 :多 賀城市埋蔵文化財調査セ ンター第21回企画展「考古学か ら見た環境問題」 貸出資料 :仙 台城跡二の丸第5・ 9。 14・ 17地点、二の丸北方武家屋敷地区第

4地

点出土陶磁器合計30点 仙台城跡二の丸第17地点調査状況写真

2占

展示期間 :2007年10月 2日 ∼2008年 1月27日 貸出期間 :2007年 9月21日∼2008年 1月31日

(4)外

部 か らの派遣依頼等 当調査室の業務 に関わって、あるいは文化財調査員の専 門領域 に関わる事項で、外部か ら派遣等の依頼があっ たのは、次の とお りであった。

図 2  仙 台城 と二 の丸 の位 置
図 4  仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第11地点調査状況 (8月 7日 、古期大型遺構の掘り下げ前 ) した ものである。そのため、地下鉄東西線機能補償関係の調査成果 をとりまとめた報告書 を、 2010年 度に別途刊 行する予定である。 この武家屋敷地区第 H地 点の調査については、次に概略 を述べ る武家屋敷地区第 12地 点の調 査成果 を含めて、そちらに掲載する予定である。 ・仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第 12地 点 (BK12・ 2007‑15、 東西線機能補償屋外給排水設備その他 ) 川内
表 4  年度 ごとの収蔵遺物箱数の推移 年    度 未整理箱数 整理済箱数 合計箱数 備 考 104 0 104 1984 4 104 年報 1(1983年 度調査分 )刊 行 年報 2(1984年 度調査分 )刊 行 1986 1987 293 1988 920 年報 3(1985年 度調査分 )刊 行 1990 1,086 1,487 年報 4・ 5(1986・ 87年 度調査分 )刊 行 1,028 年報 6(1988年 度調査分 )刊 行 l,764 年報 7(1989年 度調査分 )刊 行 8

参照

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