地球温暖化対策としての CO
2
排出削減、
適応および気候工学の経済モデルによる評価
小 杉 隆 信
要旨 気候変動への三つの主要な対応策である緩和策、適応策および気候工学のそれぞれの超長期 的な役割について、簡易経済モデルによる巨視的な評価を試みた。不確実性下での意思決定問 題という気候変動問題の特徴を踏まえ、完全情報下での効用最大化基準に加えて不確実性下で のミニマックスリグレット基準を適用した。特に後者の場合、気候感度や将来の気候工学の利 用可能性が不確実な状況で全球平均気温上昇を 2℃に抑えるためには、適応策や気候工学より も緩和策の実施に注力すべきことなどが示された。Ⅰ.緒言
進行しつつある地球温暖化とそれに伴う気候変動への対応策としては、①地球温暖化の主因 とされる人為的な二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減、②気候変動に伴うさま ざまな被害を予防したり発生被害を少なくしたりする方策の実施のほか、③入射する太陽光を 遮ったり大気中の CO2を除去したりする人為的な気候改変技術の利用が考えられる。これら のうち対応策①は緩和策、対応策②は適応策、対応策③は気候工学と呼ばれる。 これらの対応策のうち③の気候工学は、柴田(1993)、Keith(2000)などが気候変動への対 応策として前 2 者と並列的に提示するなど、その潜在的な役割は一応指摘はされてきたもの の、現実味に乏しいとされ、前 2 者と比較して圧倒的に研究例が少なく、気候変動に関する政 府間パネル(IPCC)の第 1 次~第 4 次評価報告書ではほとんど顧みられてこなかった。しか し、IPCC 第 5 次評価報告書のうち先般発表された第 1 作業部会(WG I)報告書では気候工学 という気候変動対策の可能性について WG I 報告書としては初めて言及し(IPCC, 2013)、ま た、今後発表される WG III 報告書でも気候工学に関して IPCC として初めて評価した結果が 掲載される見通しである(Edenhofer, 2010)。気候工学に対するこうした注目の高まりは、気 候変動が将来引き起こしうる重大な悪影響の回避を緩和策と適応策だけで行うことが実際に可 能かどうかについて疑義が生じていることによるものと思われる。 対応策①と②は互いに補完し合い、気候変動のリスクを大きく低減することが可能であるこ とが IPCC 第 4 次評価報告書(IPCC, 2007)によって指摘されているが、対応策③の気候工学論 文
についても、対応策①・②を補完するものとして重要となりうる。しかしその一方、これらの 三つは対応へのアプローチが大きく異なるものであり、単純にこれらすべてを均等に並行して 実施していくべきとは言えない。これらの三つの対応策をどのように組み合わせて実施すべき かの議論は、まだ大きく不足しているのが現状である。 そこで本稿では、対応策①~③のそれぞれが超長期的に果たすべき役割について評価する。 各対応策について別々に評価を行うのではなく、これらの対応策を同時に評価できるような簡 易な経済モデルを用いて一貫性のある評価を試みる。具体的には、気候変動の緩和策を評価す る簡易経済モデルとして有名な DICE(Dynamic Integrated model of Climate and Economy) モデル(Nordhaus, 2008)を適応策と気候工学も扱えるように改造したものを用いる。評価に おいてはまた、多大な不確実性の下での意思決定問題という気候変動問題の特徴を踏まえ、い くつかの不確実性と対応策①~③の役割との関連についても触れる。
Ⅱ.各種の地球温暖化対応策の概要
1. 対応策①:緩和策 人為的に排出されている温室効果ガスのうち地球温暖化に特に寄与しているものとしては、 CO2、メタン、一酸化二窒素、ハロカーボン類などがあるが、寄与の過半を CO2が占め、メ タンがそれに次ぐと見積もられている(IPCC, 2013)。緩和策は、こうした人為的な温室効果 ガスの排出量を減らそうとするものである。 CO2の排出原因としては、エネルギー源として用いる化石燃料の燃焼やセメント生産時の石 灰石の分解、および、森林伐採などの人為的な土地利用変化が挙げられる。このうち、近年に おいては前者によるものが約 9 割を占める(IPCC, 2013)。CO2の排出を削減するためには、 ライフスタイルの転換などのさまざまな社会経済的方策が考えられるが、技術的な削減方策と しては、エネルギー機器の効率向上によるエネルギー消費量の削減、エネルギー源の非化石燃 料への転換のほか、化石燃料の燃焼時やセメント生産時に発生する CO2を回収し地中等に隔 離することが考えられる。なお、これらのうち前 2 者は、たとえ気候変動問題がなかったとし ても技術の進歩によってある程度は実施されると考えられ、気候変動の抑制のために追加的に 実施される分が緩和策ということになる。 メタンの排出は、農業・有機廃棄物を起源とするものが多く、排出削減のためには廃棄物の 量を減らすほか、廃棄物の効果的な処理(焼却、堆肥化)、埋立地からのメタン回収を行うと いった方策が挙げられる。 CO2・メタンのほかの各温室効果ガスの排出削減にもさまざまな方策が存在する。しかし、 こうした個々の排出削減策を評価するためには非常に多くの情報が必要となるとともに、評価 モデルが複雑化する。緩和策を構成する個々の方策の評価は他の研究に譲ることとし1)、本稿 では、緩和策、適応策、気候工学の 3 者の評価を俯瞰的に行う趣旨から、緩和策としては、評 価の基礎とする DICE モデルの設計の通り、地球温暖化に最も大きく影響している CO2の排出(土地利用変化によるものを除く;以下同じ)を削減するための技術的方策を集合的に扱う ことにする。 2. 対応策②:適応策 地球温暖化は、地球全体として平均気温の上昇をもたらすのみならず、気候変動という形で さまざまな影響を引き起こすと見積もられており、既に影響が顕在化しているものもある (IPCC, 2007)。地域によっては、高温のために人間やその他の生物の健康が直接的に損なわれ たり、降水量の減少や、昇温による雪氷の減少・蒸発散量の増加によって水の利用可能量が少 なくなり、生態系や、我々の生活に直接かかわる農業生産が被害を受けたりすると考えられ る。また、地球温暖化は海水温の上昇を通して海洋の生物に影響するほか、水温上昇は水の体 積を膨張させて海面水位の上昇をもたらし、沿岸部において土地の消失や、洪水の頻度の増加 を引き起こす可能性が高まる。 こうした気候変動に適応するための活動は既に行われつつあるし、今後も実施が必要となる だろう。例えば、海水面の上昇を見越して海抜の低い沿岸地域で護岸工事を行ったり、水資源 の供給から消費までのシステムを統合的に管理したり、農作物の生産方法を変更したりする適 応策が考えられる(IPCC, 2007;仲上,2011)。また、こうした、将来生じうる被害を小さく しようとする予防的な措置のほか、生じてしまった被害から早急に復旧することも適応策に含 まれうる。なお、適応策として講じられる手段の多くは、仮に気候変動という問題がない場合 であっても災害対策として実施されるものであり、厳密には、気候変動問題が存在することに よって追加的に実施される分が適応策ということになる。 適応策の実施には費用が掛かる。本稿の評価の基礎とする DICE モデルでは、気候変動に よってもたらされるさまざまな経済的損失を集計したモデル化を行っているが2)、この損失に は適応策の実施に要する費用が含まれていると解釈することができる。De Bruin et al.(2009) は、こうした考え方に基づき、DICE モデルで集計的に扱われている気候変動による経済的損 失を、適応策の実施費用と適応しきれずに生じる被害との二つに分解したモデル化を行った。 本稿でも、このモデル化を採用することにする。すなわち、緩和策の扱いと同様、さまざまな 適応策を個々に評価しようとするのではなく、適応策全体を大掴みにする方針を採る。
3. 対応策③:気候工学
気候工学に関する包括的な調査結果をまとめた英国王立協会の報告書(The Royal Society, 2009)によれば、気候工学は「人為的な気候変動の対策として行う意図的な惑星環境の大規模 改変」と定義され、その手段は、二酸化炭素除去と太陽放射管理の二つに大別される(杉山昌 広,2011)。前者は、大気に蓄積された温室効果ガス、特に CO2を除去するものであり、物理 的、化学的、あるいは生物学的な反応を用いるさまざまな方法が提案されている。例えば、大 気中の CO2を吸収した植物を炭化し地中に貯留するという方策(鐘ヶ江,2013)もこの種の 手段に含まれる。一方、後者は、地球上に生じている温室効果の根源である太陽光の入射量を
抑制するものであり、地球を取り巻く宇宙空間に太陽光反射板を設置する、成層圏に硫酸エア ロゾルを注入する、雲や地表の反射率を高めるなどの方法が提案されている。 こうした気候工学のうちで現在、最も実用性の高い方法と考えられ、検討が盛んなのは、成 層圏へのエアロゾル注入による太陽放射管理である。これは、この方法によって潜在的に抑制 しうる温室効果が多大であり、さらに、他の方策と比べて低費用かつ短期間で温室効果を減ら すことができると期待されるからである。また、過去の大規模な火山噴火による気温低下と原 理が類似しているので、得られる効果が直感的に理解できるように思えることも理由として挙 げられよう。しかし、エアロゾル注入は成層圏のオゾン層の破壊を引き起こしうるほか、地上 気温と降水量の地理的分布に関する望ましくない変化をもたらす可能性があるといったさまざ まな副作用も指摘されている。ただし、それらの具体的な内容については未だ知見が不足して いる。 本稿では、気候工学を代表する方策として成層圏へのエアロゾル注入による太陽放射管理を 扱うことにし、そのために小松ら(2012)や Kosugi(2013)が行ったのと同じように DICE モデルを改造して用いることにする。
Ⅲ.評価にあたって考慮すべき不確実性と意思決定基準
1. 不確実性 地球温暖化問題とその対応には多大な不確実性が付きまとっている。温室効果ガス排出が地 球温暖化を引き起こすメカニズム、温暖化がもたらす気候変動、さらにその生態学的・社会科 学的な影響、各種の地球温暖化対応策の費用対効果・副作用や社会的な受容可能性、そして、 人為的な温室効果ガス排出の原因となっている社会経済の今後の進展に関して、それぞれ不確 実性が存在する。 地球温暖化問題に関する不確実性を示す最も典型的な例として、全球平均気温上昇について みてみよう。IPCC 第 5 次評価報告書によれば、2081 年~2100 年の 20 年間の全球平均気温 は、1986 年~2005 年の平均実績と比べて、人為的に排出された温室効果ガス起因の放射強制 力3)の増加が 2.6 W/m2にとどまる場合で 0.3℃から 1.7℃上昇、放射強制力の増加が 8.5 W/m2 と大きくなるような場合は 2.6℃から 4.8℃上昇すると見積もられている(IPCC, 2013)。もし も全球平均気温が 100 年間のうちに 4.8℃も上昇するようなことになれば、世界各地の気候が 大きく変化し、人間活動や種々の生物の生存に関わる甚大な悪影響が予想される。 温室効果ガスの人為的排出量が同じであっても気温上昇の見積もりの幅が大きいのは、人為 的でない自然要因の温室効果に不確実性が存在することも理由であるが、最も影響しているの は、大気中の温室効果ガスの蓄積が気温上昇に及ぼす影響の度合いである気候感度4)と呼ば れるパラメータの値の不確実性が大きいことである。IPCC(2013)は、気候感度は 1.5℃から 4.5℃の間である可能性が高いとしているが、この二つの値だけをとっても 3 倍もの幅がある ことが分かる。地球温暖化への対応に関しては、緩和策と適応策については不確実性がまだ存在するとはい え相当の調査研究蓄積がある一方、気候工学については研究実績が少なく、IPCC(2013)に おいて「気候システムに与える影響について、総合的かつ定量的な評価は不可能である」とま で述べられていることからも分かるように、不確実なことがきわめて多い。 そこで本稿の評価では、さまざまな不確実性の中でも、気候感度の大きさと気候工学の実施 可能量の 2 点に焦点を当てることにする。 2. 意思決定基準 政策決定においては、多くの場合、便益から費用を差し引いた純便益が最も大きくなるよう な行動を選択するという意思決定基準が用いられる。同様の考え方で、新古典派の経済学で は、企業や消費者は、利潤や、何らかの関数で定義される効用を最大化するような「合理的」 な行動をとると仮定する。 このような行動原理が「合理的」と言えるのかどうかについてはさまざまな議論があるが、 とりわけ大きな問題になるのは、不確実性が存在する場合である。このような場合であって も、存在する不確実性についての知見がある場合、例えば、不確実性を有するパラメータの値 の確率分布が分かっている場合は、その確率密度関数を用いて計算できる利潤や効用の期待値 を最大化するのが合理的とする考え方がありうる。 しかし一方、気候変動などの環境問題への適用を考える場合、このような合理性に対して批 判的な指摘がしばしばみられる。先述のように気候変動問題はさまざまな不確実性を伴ってい るが、その中で特にこの問題を特徴づけているのは、確率は低いかもしれないが甚大な悪影響 が生じる可能性があるということである。このような状況下での意思決定には、期待値の最大 化よりももっと安全性を重視した基準を採用すべきであり、また実際、多くの人もそうした基 準の方を選好する、という考え方がある。このような意思決定基準としては、マクシミン (maximin)基準とミニマックスリグレット(minimax regret)基準がよく知られている。 マクシミン基準は、考えられる不確実性の範囲の中で最悪の場合に着目し、そのような場合 における効用を最大化するような意思決定を行おうとする、安全性に関して最も保守的な意思 決定基準といえる。一方、ミニマックスリグレット基準は、マキシミン基準ほど保守的ではな いが、それに類似した基準であり、生じうる最も大きな後悔を最小にするような意思決定を行 おうとするものである。すなわち、不確実性の下で地球温暖化対応策の水準を決定し実施した 場合に得られる効用と、後にいくらかの不確実性が解消されてから振り返って、最適であった 行動をとったとしたら達成できたはずの効用との差を、最小化するような基準である。この基 準は、末石(1989)や柴田(2002)などが、環境問題に関する不確実性下での意思決定にあ たって採用しうる代表的な例として示したものであり、本稿での評価においても適用を試みる ことにする。
Ⅳ.気候変動の経済モデルによる評価
1. 評価モデルの概要 本稿での気候変動への対応策の評価は、2007 年版の DICE モデル(Nordhaus, 2008)に基 づく。DICE モデルのソースコードは開発者によって公開され、多くの研究者がこれを用いた 研究を実施している。 このモデルは、世界全体の経済活動、地球温暖化、そしてそれがもたらす気候変動の被害と その対応を巨視的に扱う新古典派経済成長モデルである。時間を離散的に扱い、一つの時点を 10 年間として、2005 年を中心年とする初期時点とそれ以降の計 60 時点を対象期間としてい る。各時点の社会全体の効用を時間選好率で割り引いたものの総和を目的関数とし、それを最 大化する非線形計画問題として定式化されている。世界全体のマクロ投資と、気候変動緩和策 としての CO2 排出削減率が制御変数であり、モデルを解くことによりその最適経路が導き出 される。この DICE モデルに対して、Ⅱ.2 節に記したように、De Bruin et al.(2009)が適応策に ついても評価できるような改造を行った。彼女らが AD-DICE と呼ぶそのモデルでは、気候変 動への適応率が制御変数として追加されている。一方、Ⅱ.3 節で触れたように、小松ら (2012)や Kosugi(2013)は、成層圏にエアロゾルを注入する太陽放射管理型の気候工学を扱 えるように DICE モデルを改造している。このモデルでは、制御変数として太陽放射管理の実 施量を追加している。本稿では、DICE モデルに対してこれら 2 種類の改造の両方を施したモ デルを用いることによって、緩和策としての CO2排出削減、適応、および気候工学としての 太陽放射管理の 3 通りの気候変動対応策の評価を一つのモデルで行う。 2. 想定条件 さまざまな外生変数・パラメータがモデルに含まれるが、それらの値については、特に断り のない限り、基本モデルである DICE モデルに含まれるものについては Nordhaus(2008)、 適応策および気候工学を扱うための改造に伴う追加分については、De Bruin et al.(2009)と Kosugi(2013)が調査の結果もっともらしいとして設定した標準値を用いる。 全球平均気温に関しては、2009 年 12 月に気候変動枠組条約第 15 回締約国会議で共有され た長期目標(コペンハーゲン合意)を踏まえ、モデルの評価対象期間全体を通じて 1900 年比 で 2℃を超える上昇が生じないという制約条件を課すことにする。 評価にあたっては多くの不確実な要素が考えられるが、本論文では、気候モデルにおける最 も不確実なパラメータの一つとして知られる気候感度と、気候工学である太陽放射管理に関す る、将来の副作用を踏まえた実施可能性の二つに焦点を当てる。 気候感度は、2007 年に発表された IPCC 第 4 次評価報告書では、2℃から 4.5℃の範囲内で ある可能性が高いとし、3℃が最も尤もらしい値であると報告されたが(IPCC, 2007)、最新の 第 5 次評価報告書では可能性の高い範囲の下限が 1.5℃に下方修正された(IPCC, 2013)。こう
したことを踏まえ、本稿の評価では気候感度の値として 1.5℃、3℃および 4.5℃の 3 通りを想 定する。 太陽放射管理の利用量は放射強制力の低減量で表すことにするが、副作用等が未解明のた め、将来、どの程度の利用が可能になるのかが分からない。ここでは、太陽放射管理は 2045 年時点までは利用できないものとし(小松ら,2012)、それまでに実験、実証等を経て実施に よるさまざまな影響を見積もるとともに本格実施に向けた国際的な枠組み構築を行い、2055 年時点以降に利用上限 =1 W/m2または 2 W/m2で実施するか、あるいは実施しない(すなわ ち、利用上限 =0)かが決まると考える5)。なお、太陽放射管理は 1900 年比の全球平均気温上 昇が 2℃を超える場合に気温上昇を 2℃に抑えるために用いられるとし、たとえ利用上限が正 の場合であっても、気温上昇が 2℃以下であれば利用されないものとする6)。 計算ケースとして、以下の二つを考える。 ・完全情報・効用最大化ケース:気候感度に関する三つのシナリオ×太陽放射管理利用上限に 関する三つのシナリオの計九つのシナリオのそれぞれについて、これらの情報を完全に把握 して行動するという仮定のもと、DICE モデルの元々の目的関数である割引後効用の総和の 最大化計算を行う。 ・ミニマックスリグレットケース:2055 年時点以降の太陽放射管理利用上限量が上記の 3 通 りのいずれになるかは 2045 年時点まで分からないとし、また、気候感度については将来に わたってずっと上記の 3 通りの値がありうると考えて7)、不確実性下での意思決定問題とし て扱い、ミニマックスレグレット基準による計算を行う。 ミニマックスリグレットケースの計算方法はやや複雑である。ここでは、Loulou and Kanudia(1999)による適用例などを参考にして、次の手順①~③により計算を行うことにす る。 手順①:2045 年時点までの間は、気候感度と太陽放射管理利用上限の両方について、どのシ ナリオが正しいのかが分からない状況での意思決定問題となる。その解を得るために、モデ ルを構成する変数と制約式を九つのシナリオ別に定義し、それらを一体化した拡張版モデル を構築する。変数と制約式の数は単純計算で 9 倍となる。2045 年時点まではモデルの制御 変数はシナリオに依らず同じ値をとるとする制約を課す。先述の完全情報・効用最大化ケー スで各シナリオに対して計算済みの割引後効用の総和の最大値を外生的に与え、それらの値 から、この拡張版モデルでその同じシナリオに対して内生的に計算される割引後効用の総和 を差し引いたもの(= リグレット)を、9 シナリオに対応してモデル中で九つの変数として 定義する。各シナリオのリグレットを表すこれらの変数の中で最も大きいもの(= マックス リグレット)を目的関数として定式化し、この最小化問題として拡張版モデルを解く。この 結果、2045 年時点までの CO2排出削減と適応の実施度合いが定まる(想定により、この時 点までの太陽放射管理の利用量は 0 である)。 手順②:2055 年時点以降は、太陽放射管理利用上限に関する不確実性は解消される一方、気 候感度については 3 シナリオのどれが正しいのかが依然として分からない状況での意思決定
となる。気候感度の 3 シナリオに関するミニマックスリグレット基準を適用するように上の 拡張版モデルを変形し、2045 年時点までの制御変数の値は上で得たものを外生的に与え、 2055 年時点以降は太陽放射管理の実施量を除く制御変数についてシナリオに依らず同じ値 をとるとする制約を課す。太陽放射管理利用上限 0、1、2 W/m2のそれぞれの場合に対し てこの変形モデルを解くことにより、2055 年時点以降の CO2排出削減と適応の実施度合い が定まる。 手順③:2055 年時点以降、上の手順で定まった CO2排出削減と適応の実施を行っても 1900 年 比で 2℃を超えてしまう分の地球温暖化につい ては、太陽放射管理の利用によって抑制するも のとする。気候感度の 3 シナリオそれぞれの場 合について、この利用量を計算する。 3. モデルによる計算結果 (1)完全情報・効用最大化ケース 完全情報・効用最大化ケースにおける各シナリ オの世界全体の CO2排出量の計算結果を図 1 に、 気候変動対応策である CO2排出削減・適応・気 候工学(太陽放射管理)のそれぞれに掛ける費用 の計算結果を図 2 に示す。 気候感度が 1.5℃の場合、CO2排出が気温上昇 に与える影響は小さいので、CO2排出の削減努力 をあまり行わなくても気温上昇は 2℃以内に抑え ることができる。向こう 100 年間において太陽放 射管理の利用は不要であり、CO2排出量は現状の 約 2 倍まで増やすことが許容される。掛ける費用 でみれば、CO2削減と適応を概ね同程度の重みで 実施し、いずれも徐々に増やして今世紀末までに 世界全体でそれぞれ年間 1000 億ドル程度を費や すことが望まれる。この費用は、その時点の世界 総生産の約 0.04% に過ぎない。 気候感度が 3℃や 4.5℃の場合、気温上昇が進 みやすいので、その対策としての太陽放射管理の 利用の意義が生じてくる。太陽放射管理がまった く利用できない場合には CO2排出抑制に対して 適応よりも 1~2 オーダー多く費用を掛けるべき 図 1 完全情報・効用最大化ケースのCO2排出量 (a) 太陽放射管理利用上限=0 (b) 太陽放射管理利用上限=1 W/m2 (c) 太陽放射管理利用上限=2 W/m2 0 100 200 300 400 500 600 2005 2025 2045 2065 2085 2105 排出量 ( ン ト 億 /年) 西暦年 0 100 200 300 400 500 600 2005 2025 2045 2065 2085 2105 排出量 ( ン ト 億 /年) 西暦年 0 100 200 300 400 500 600 2005 2025 2045 2065 2085 2105 排出量 ( ン ト 億 /年) 西暦年 1.5℃ 3.0℃ 4.5℃ 気候感度:
となり、例えば気候感度が 3℃の場合、2045 年時点の CO2排出量を 2005 年時点とほぼ同水準 にするために CO2排出削減に年間 3800 億ドル(世界総生産の 0.32%)を費やす必要がある。 気候感度が 4.5℃の場合は、2045 年時点では CO2排出削減に年間 1.7 兆ドル、世界総生産の 1.5% という相当の多額を費やし、2005 年時点と比べて排出量を半減させるのが望ましいこと になる。 図 2 完全情報・効用最大化ケースの各対応策に掛ける費用 (a) 気候感度=1.5℃、 (b) 気候感度=1.5℃、 太陽放射管理利用上限=0 太陽放射管理利用上限=2 W/m2 (c) 気候感度=3℃、 (d) 気候感度=3℃、 太陽放射管理利用上限=0 太陽放射管理利用上限=2 W/m2 (e) 気候感度=4.5℃、 (f) 気候感度=4.5℃、 太陽放射管理利用上限=0 太陽放射管理利用上限=2 W/m2 CO 削減2 適応 気候工学 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年
一方、太陽放射管理が利用可能となれば、今世紀前半において CO2排出削減の費用を年間 1000 億ドル未満に抑えることができる。地球温暖化はいったん進行するが、それは、今世紀 後半に太陽放射管理を利用することによって低費用で打ち消すことが可能となる。その結果、 例えば気候感度が 3℃で太陽放射管理利用可能上限が 2 W/m2の場合には、2035 年時点から 半世紀にわたって、適応よりも CO2排出削減に掛けるべき費用の方が少なくなっている。た だし、太陽放射管理の利用には限界があるため、その後は CO2排出削減に力を注ぐ必要があ る。 適応に掛けるべき費用は、気候感度が 3℃以上の場合については条件による違いは小さく、 今世紀半ば以降には年間 1000 億ドル程度かそれ以上にするのが望ましい。また、太陽放射管 理は、利用が許されるなら気候感度が 3℃以上の場合に今世紀後半以降に用いられるが、その 実施に要する費用は年間で高々 100 億~200 億ドル程度である。 (2)ミニマックスリグレットケース 図 3 および図 4 に、ミニマックスリグレットケースにおける CO2排出量および各気候変動 対応策に掛ける費用の計算結果を示す。2045 年時点までは、2055 年時点以降の太陽放射管理 利用上限が不確実な状況下での意思決定となり、太陽放射管理利用上限の想定に依らず結果は 同じである。また、2055 年時点以降も、気候感度が不確実な状況下での意思決定となり、そ れぞれの太陽放射管理利用上限に対して、CO2排出削減と適応に掛けられる費用は気候感度に よらず同じである。 マックスリグレットを最小化する観点からは、2045 年時点までの CO2排出量の推移は、上 に述べた完全情報・効用最大化ケースにおいて最も CO2排出削減が求められる気候感度 =4.5℃・太陽放射管理利用上限 =0 という場合の計算結果に近いものとなった。2045 年時点に おける 2005 年時点比の CO2排出削減率は 43% で、上記ケースの 50% ほどではないが、年間 1.4 兆ドル(世界総生産の 1.2%)という相当大きな削減費用を掛けることが望まれる。2055 年 時点以降の CO2排出量は、太陽放射管理利用上限 の想定によって大きく異なるが、こちらも完全情 報・効用最大化ケースにおける気候感度 =4.5℃の 場合の計算結果に近いものとなり、排出削減に掛け るべき費用についても同様となった。 一方、適応については、掛けられる費用は今世紀 半ばで 100 億ドル程度と、世界総生産のわずか 0.01% となり、完全情報・効用最大化ケースの結果 の 10 分の 1 近くという低水準が求められるにとど まる。それ以降においても適応に割くべき費用は大 幅には増えず、世紀末において、太陽放射管理利用 上限が 0 の場合で 200 億ドル、2 W/m2の場合でも 図 3 ミニマックスリグレットケース の CO2排出量 0 100 200 300 400 500 600 2005 2025 2045 2065 2085 2105 排出量 ( ン ト 億 /年) 西暦年 0 1 W/m 2 W/m 太陽放射管理利用上限: 2 2
700 億ドル程度となる。 気候工学の利用は、完全情報・効用最大化ケー スと比べて若干少ない水準となる。
Ⅴ.評価結果の解釈および留意事項
完全情報下での効用最大化という意思決定基準 を仮定すると、将来の太陽放射管理利用上限が 1 W/m2増えることは、今世紀中盤までにおいて、 気候感度の値が 1.5℃だけ高い場合に追加的に必 要となる CO2排出削減努力を概ね埋め合わせる ことができるという価値を有すると解釈できる。 また、適応に掛けるべき費用は、気候感度が 3℃ でも 4.5℃でも、あるいは太陽放射管理の利用上 限が 0 でも 2 W/m2でも、大きくは変わらない。 すなわち、太陽放射管理利用上限が増えれば CO2 削減に掛けるべき費用は削減するのが効率的であ るのに対して、適応に振り向けるべき費用は減ら さず維持すべきことが示唆される。 気候工学の利用可能量が増えれば CO2排出の 削減努力を少なくすればよいという結果は、気候 工学という地球温暖化対応策の問題点の一つとし て指摘されるモラルハザード(Keith, 2000)を表 していると解釈することもできよう。安全な気候 工学利用が確実に見込めるのであれば問題ないの かもしれないが、実際にはさまざまな副作用の懸 念があるため、気候工学がどの程度利用可能にな るのかは不確実である。さらに、各種の気候感度 の値の下での望ましい CO2排出削減量を計算す ることはできるものの、真の気候感度の値が不明 で、不確実性の幅が大きいという現実の下では、将来の CO2排出削減目標を定めることが難 しい。 そこで、不確実性下での意思決定基準の一つであるミニマックスリグレット基準を適用する と、気候感度が不確実な状況下で 2℃の気温上昇制約を達成するために、気候感度が高い場合 を想定して CO2排出削減に力を入れるべきとの示唆が得られた。そのために掛けられる費用 は、もしも真の気候感度が低い値であったとしたら、無駄に大きいものであるかもしれない。 図 4 ミニマックスリグレットケースの 各対応策に掛ける費用 (a) 太陽放射管理利用上限=0 (b) 太陽放射管理利用上限=1 W/m2 (c) 太陽放射管理利用上限=2 W/m2 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 気候感度=4.5℃ 0.001 0.01 0.1 1 10 2005 2025 2045 2065 2085 2105 費用 ( ル ド 兆 /年) 西暦年 気候感度 気候感度 =4.5℃ =3℃ CO 削減2 適応 気候工学この無駄を少しでも減らすために、気温制約の達成に直接には関わらない適応に掛ける費用に ついては節約するという結果が導き出されている。なお、今世紀後半以降、太陽放射管理が利 用可能となれば、この無駄はある程度は省くことができるので、その分、適応に振り向けるべ き費用を若干増やすのがよいと解釈できる。 以上の評価結果は、次のような留意事項とあわせて読んでいただかねばならない。 本稿で行った評価は DICE モデルに基づくものである。このモデルは透明性が高く理解しや すい一方、世界全体を一つの地域とし、経済部門も 1 部門に集約しているといった簡略な扱い が行われている。本来複雑な気温上昇のメカニズムについても、数本の方程式により近似的に 表現されるにとどまっている。計算結果は、世界全体の超長期の地球温暖化対応策の戦略を巨 視的にみるという本モデルの特徴を踏まえて解釈すべきである。例えば、もし地域別の評価を 行うことになれば、適応に特に多額の費用を掛けるべき地域が当然存在するであろう。 モデルでは、緩和策である CO2排出削減、適応、および気候工学である成層圏エアロゾル 注入の実施は、すべてストックではなくフローとして表現されている。そのため、例えば CO2 排出量が急激に変化するという計算結果が得られうる。実際には、CO2排出は種々のエネル ギー変換設備ストックにおいて生じていることから、短期間で大幅に増減することは考えにく い。このような問題を避けるためには、関連する設備ストックを考慮した分析を行うことが望 まれる。 超長期にわたる気候変動の経済分析には、多くの不確実性が付きまとうことが避けられな い。本評価で不確実性を考慮したのは、気候感度と今世紀後半以降の太陽放射管理利用上限と いう二つのパラメータだけにとどまっている。モデルの計算結果に影響を与えるパラメータが 他にも存在することは明らかである。個々のパラメータを列挙はしないが、例えば、目標とす べき全球平均気温上昇の抑制目標について、本稿では最近の国際的な政治合意に基づいて 2℃ としたが、この水準については議論の余地がある8)。さらに、社会的時間選好率の設定をどう 考えるかについても重要な論点である。本稿では 2007 年版の DICE モデルでの基本設定値で ある 1.5%/年を採用したが、影響が遠い将来に及ぶ環境問題においては時間選好率を 0 に近づ けるべきとの考え方もある(Weitzman, 1998)9)。こうしたさまざまの重要な不確実性要素に ついては、議論が煩雑となるのを避けるため、本稿では扱わなかった。
Ⅵ.結言
本稿では、地球温暖化への対応策である緩和策(特に CO2排出削減)、適応策、および気候 工学(特に成層圏エアロゾル注入による太陽放射管理)の超長期戦略について、気候感度およ び気候工学の利用可能性に関する不確実性を考慮し、意思決定基準として完全情報下での効用 最大化基準に加えてミニマックスリグレット基準を適用した経済モデルによる評価を行った。 その結果、特にミニマックスリグレット基準を適用する場合、上記の三つの対応策のうちでは CO2排出削減に多大な努力を払うべきことなどが示された。従来の効用最大化基準に基づく緩和策、特に CO2排出削減に焦点を絞った戦略については、 多くの研究者が精緻な分析評価を行ってきているが、本稿のような分析はまだ少ないのが現状 である。気候変動問題に関する対応策の多様性や、不確実性下で考えられるさまざまな意思決 定基準の存在を踏まえ、こうした評価分析が積極的に行なわれることを期待したい。 謝辞 立命館大学大学院政策科学研究科「資源循環と持続可能な環境戦略」リサーチプロジェクト においてさまざまな貴重なご指導を賜った仲上健一教授をはじめとする諸先生方に厚く御礼申 し上げる。また、特に気候工学に関する知見については一般財団法人電力中央研究所の杉山昌 広主任研究員に有益なご助言をいただいたことに謝意を表したい。もちろん、本論文に示した 見解は筆者個人のものであり、ありうべき誤りはすべて筆者の責に帰する。 本論文の成果の一部は、平和中島財団 2007 年度国際学術共同研究助成「将来の気候変動へ の適応に向けた社会システム設計に関する研究」および立命館大学 2013 年度研究推進プログ ラム(科研費連動型)「気候工学(ジオエンジニアリング)技術の評価モデルに関する研究」 によるものである。 注
1 )こうした評価を行うモデルとしては、AIM モデル(Kainuma et al., 2002)、DNE21+ モデル(Akimoto and Tomoda, 2006)、GRAPE モデル(Kurosawa, 2006)などが知られている。
2 )DICE モデルの開発者によれば、モデル化されている経済的損失は、農業への影響、他の市場部門へ の影響、海面上昇による沿岸部への影響、健康への影響、非市場部門である余暇の快適さへの影響、居 住と生態系への影響、および深層での海洋循環の減速といった破局的影響のそれぞれを金銭価値として 推計し、集計したものである。これが全球平均気温上昇の二次関数として近似的に表されるとしている (Nordhaus and Boyer, 2000)。
3 )放射強制力とは、大気と地表とのエネルギーのバランスの変化量を対流圏と成層圏の境界面における 単位面積あたりの放射量で表すものである。放射強制力の増加(あるいは減少)は、地表を暖める(あ るいは冷却する)効果をもたらす。 4 )正確には平衡気候感度と呼ばれ、大気中の CO2換算温室効果ガス濃度が倍増した場合に究極的にも たらされる全球平均気温上昇である。 5 )ここでの太陽放射管理利用上限の想定値には特段の根拠があるわけではないが、参考までに、1 W/ m2という放射強制力の規模は、近年における気候工学ではない人間活動に起因するエアロゾルの大気 への排出が直接および間接的に引き起こしている冷却効果に近い水準であり(IPCC, 2013)、また、こ の規模で太陽放射管理を実施したとして、何らかの事情で実施が中断しても気温上昇が急激にはならな いと見積もられる水準である(Kosugi, 2013)。 6 )全球平均気温上昇が一定水準を超えない限り太陽放射管理を利用しないとする条件は小松ら(2012) や Kosugi(2013)での想定と異なるものであり、これを制約式に含めることによって本稿での評価モ
デルは形式上、非線形混合整数計画問題となっている。 7 )気候感度に関する研究は過去四半世紀年以上にわたって行われており、さまざまな知見は得られてい るものの、推定値の幅としては狭められるに至っていないことを踏まえ、ここでは、今後も推定幅は大 きく変わらないであろうと仮定した。 8 )長期的な全球平均気温上昇の目標を 1.5℃に強化することを考慮すべきではないかとの議論がある (UNFCCC AWG-LCA, 2010)。一方、経済的な実現可能性を考慮すれば目標は 2.5℃上昇に緩和すべき であり、この水準であれば、予想される環境影響の悪化の程度も限定的であるとの見解もある(茅 , 2013)。 9 )CO2排出削減経路に関して気候感度と気候変動の経済被害係数に関する不確実性を考慮した評価を 行った Hof et al.(2010)は、さまざまな時間選好率を適用し、従来の効用最大化基準の場合と同様に ミニマックスリグレット基準を用いた場合でも、時間選好率を 0 に近づけるほど大幅な CO2排出削減 が必要になるとの結果が導かれることを示した。 参考文献
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