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硬式テニスのグランドストローク技術を指導する際の指導能力育成に関する基礎的研究 : 打ち分け技術からみた技術水準別グランドストロークの正確性の検討から

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Academic year: 2021

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(1)硬式テニスのグランドストローク技術を指導する際の 指導能力育成に関する基礎的研究 一打ち分け技術からみた技術水準別グランドストロークの正確性の検討から-. 松下健二*小林輝子**荒井貴美人*** (平成14年10月30日受理). Basic Study of Coaching Ability Development in Coaching Ground Stroke Techniques in Tennis - From A Study of Ground Stroke Accuracy Classified by Technical Levels from the Viewpoint of Hitting Technique -. Kenji MATSUSHITA, Teruko KOBAYASHI and Kimito ARAI In other to guide the consisitent accuracy of ground strokes in tennis throughout exercises and matches, a coachinng method other than conventional coaching techniques should be devised. To obtain the data for it, various aspects of the ground stroke accuracy of learners were studied. Three groups were formed for each technical level of tennis, and the ground stroke accuracy was experimentally obtained from aspect of the output technique and the in and output technique. 1. In the advanced group, when the "hitting - as - desired load" was applied, the accuracy generally increased, remarkably so increased in the straigh direction. This result indicates that, in the advanced group, form (hitting - as - desired) concentration increases during the match to enhance the accuracy. 2. In the advanced group, when the ``hitting - as - desired load was applied, the ball hitting speed decreased to about 70% of the maximum speed for all three directions to enhance the precision of control. 3. In the intermediate group, when the "hitting - as - desired load was applied, accuracy generally tended to decrease. The ball hitting speed then increased for all three directions. 4. In the intermediate group, when the "hitting - as - desired load was applied, some disturbance seemed to arise in the communication between the input technique (visual information - decision of the ball hitting direction) and the output technique (the ball hitting motion). 5. In the beginners group, when the "hitting - as - desired load was applied, the accuracy of the ball hit to the cross direction increased remarkably, however that to the straight and reverse-cross directions was not so hight.. 6. When the "accuracy of the ball hit in exercises" is wanted in the advanced group for the ball hit in matches, exercises should be played with balls at higher speed, and, in the intermediate and beginners group exercises should be played with balls of lower speed. 7. In the intermediate group, precision decreases when the "hitting - as - load is applied. This indicates that daily exercise contents should include ones to enhance ground stroke accuracy in the match form. In addition to various coaching techniques through grasping actual situation of leaners, investigation and examination of performance results are necessary, which may lead to change of in contents of coaching met hods.. *兵庫教育大学学校教育学部附属実技教育研究指導センター(体育教育分野) * *大阪府立大学総合科学部 * * *兵庫県立明石城西高校 -57-.

(2) 緒言 スポーツにおける技術には、入力的技術と出力的技術 がある6)。入力的技術とは、視覚や運動感覚に基づいて、. に連続して打っという純粋な出力的技術の正確性をみた もので、入力的技術については触れていない。そのため、 これらの結果は、グランドストロークの正確性の一面を 表すものの、入力的技術と出力的技術の相互関係の結果. 自己や自己を取り巻く周囲の状況を把握する能力のこと である。例えば、テニスにおける入力技術とは、自己・ 相手の入る位置・姿勢を瞬間的に把握し、相手が打っで. で構成される、実際の試合場面におけるグランドストロー クの正確性を十分に表すものでない、そこで本研究では、. あろうボールの方向・速度を機敏に予測し、知覚する能. 実際の試合場面にできるだけ近付けた実験場面を設定し、. 力のことである。出力技術とは、動作の正確性・素早さ・. その際のグランドストロークの正確性について技術水準 との関係から検討を行い、指導能力育成法の基礎的資料 を得ようとした。. 持続性からなる。正確性とは、目標にむかって空間的・ 時間的に体肢の動きや、力の調整ができることである。 素早さとは、動作の開始と動作の切り替えの俊敏さで、. 今回の場合、試合におけるグランドストロークの正確. 持続性とは、同じ動作を繰り返し行うことの能力のこと. 性の諸側面をあさらかにするため、ボールの視覚情報 (3種の色の異なるボールを用い、それぞれに打球方向. である。テニスにおける出力的技術とは、ラケットを素 早く構えて、望ましい場所に適切なスピードで、ボール を打ち返し続けられる能力である。 では、テニスにおけるグランドストロークの正確性に. を指定した)を入力的技術の負荷として用い、この準備 性のもとに、飛来したボールを指示された目標にむかっ て正確にグランドストロークを行うことを出力的技術の 負荷とした。. ついてみると、力の調整、すなわちボールスピードを調 節し、目標(望ましい場所)にボールをおとすことであ. それらを実験の結果を以下に示す視点から分析し、検 討を行った。. る。しかしながら、よく試合場面において、練習時のボー ルが打てない、ということを耳にする。このことは、練 れていないこと、すなわち正確性をもとめた打球方法に. ア)目標点とボールの落下点の差異から落下点の一致性 をみるために目標点から落下点までの直線距離を測 定した。. 練習と試合との間に、一貫性がみられないことを示して. イ)実践場面で直接得点または失点につながるネット、. 習時の打球スピードや方向への正確性が試合では発揮さ. いる。つまり、学習者の学習(練習)の行い方、教授者. アウトポールも入力的技術の出力的技術-の影響を 表していると考えられるので、それぞれの数を測定 した。. の指導法の見直しが必要であることを示唆している。で は、テニスのグランドストロークの正確性(打球スピー ドと打球の方向)を教授する方法についてみると、バイ. ウ)入力的技術がボールの打球スピードにどのように影 響を与えるかをみるため打たれたボールのスピード を測定した。. オメカニクスによる「運動構造の理解」、練習方法の順 序性、学習者の実態把握(身体操作能力、運動に対する 心理状態)等を中心に「指示的ことばや擬音語・擬態語」. 方法 1.被験者. を使用して、飛来するボールの速さ、回転、高低等の条 件に適応したラケットの振り方と打球方向への体の向き についてを教授するように指導してきた。しかしながら. 被験者は、技術水準別に、上級者として全国インター. それだけでは前述の練習と試合との打球の正確性を一貫. ハイ上位入賞者およびそのコ-チと兵庫県高校生大会ベ. したものにできなかった。. スト8以上の者6名、中級者として全国インター-イ経 験者および兵庫県高校生大会ベスト32以上の者6名、. これまでの指導の観点以外に注目すべきものが存在す ることが考えられる。その一つとして、学習者の実態把 握において、そのパフォーマンスの結果についての把捉. 初級者として、関西学生リーグ6部の者および兵庫県高 校生大会ベスト32以下の者6名の計18名を選んだ。. に基づいた指導方法の内容を変化させることが考えられ m. 2.測定方法. 今回では打球技術水準に応じた打球の正確性の特徴を. 用いたコートはシングルコートでそこにベースライン. 求めることが考えられる。換言すれば、教授者にとって. からネット方向に2m、シングルコートのサイドライン. 各技術水準における打球の正確性の特性を把握する必要. から内側に1mの地点(2ヶ所)、ベ-スラインの中央. 性があることが考えられる。. 部からネット方向に2mの地点(1ヶ所)に目標を設. テニスの技術に関する研究にはめざましいものがある. 置した。被験者から向かって右の目標から、青・黄・赤. が1)2)5)7)8)、出力的技術のひとつであるグランドストロー. と色分けした。. クの正確性を純粋にとりだして検討したものは、小林. 測定を簡易にするために測定用シート(縦10.8mX横. ら3)4)、以外に見当らない。しかし、これはただ一方向. 10.2m)を用いたOシートには、あらかじめ20cm平方. -581.

(3) のマス目に区切って番号を付し、記録用の目盛りとした。. でのネット数、アウトボール数をかぞえた.この時の有. 被験者の位置は、ベースラインの中央部から約1m. 効打とは、ネットや後逸、大幅なアウトボール以外を指 す。さらに各打球について、ポールとラケットのインパ クトの瞬間から落下時点までのタイムをストップウォッ. 外側で打球できるような位置でプレーさせた。 (図1) 1m. B a s e lin e. 、. チで測定し、打球地点から落下地点の直線距離から打球 スピードを算出した。 S id. Ⅱ.実験2 入出力的技術によるグランドストロークの正確性を求 めるために、ボールマシンからランダムに飛来する3色 のボールを、それぞれに指示された目標、すなわち、実 験1と同じく、赤はクロス方向、黄はストレート方向、 青は逆クロス方向に連続して打ち返させた。試行回数は、 本番前の練習は3色× 5球の計15球、本番は3色×有効 打数20球の計60球試行させ、おのおのの打球スピードを 測定した。 Ⅲ.最高打球スピードの測定 クロス方向、ストレート方向、逆クロス方向のうち、 最も得意なコースを選択させ、自己の最高と思われるス ピードで有効打数10球を試行させ、その内で最も速かっ. 青 T九 l l I .. 黄. A赤. 一一 A l l. A l. lm. たものを自己の最高打球スピードとした。. 1 0 .8. 2m ノ. Ⅳ.分析項目 ア)目標点から落下点までの直線距離. lm. イ)ネット数、アウトポール数 ウ)ボールの打ち分け速度 以上の視点から、各群の打ち分け技術の正確性を実験. 良 ト10.2 m Ball. nine. 1と実験2の結果を比較することから検討した。. 図1.実験コート状況. 結果ならびに考察 試合における打ち分け技術を表す入出力的技術(実験. ボールは、青・黄・赤のテニスボールを使用した。ボー ルマシン(SILVERREEDテニサーRM20HH硬式テ. 2 :ランダム)正確性を、出力的技術のみ(実験1 :ノー マル)との比較からあきらかにするため、打球の正確性 を以下の項目について検討した。. 「8.2m. ニス)を被験者のいるコートの反対側の中央部に設置し た。発射されるボールは被験者のいる位置で打球できる ように、一定のボールの回転とスピード(約80m/h). 1.目標点から落下点までの直線距離 目標点とボールの落下点の差異から落下点の一致性を. になるように調整した。また、ボールの発射間隔は、練 習時は4秒、本番時は9秒間隔に設定し、測定者が落下 地点を正確に見極められるようにした。. 見るために、目標点から落下点までの直線距離を測定し た。実験1 (ノ-マル)と実験2 (ランダム)の各方向 への有効打数20球の平均落下点を算出した。それら20球 の値を個人的に平均し、さらに各群で平均したものを群 の代表値とした。. I.実験1 出力的技術のみによるグランドストロークの正確性を 求めるために、指定された目標に向かって、赤はクロス. 各群のクロス方向・ストレート方向・逆クロス方向に 打ち分けた際の平均落下点を上級者(図2)、中級者. 方向、黄はストレート方向、青は逆クロス方向に連続し て打ち返させた。試行回数は本番前の練習は各10球づっ、 本番は有効打数20球を得られるまで試行させ、終了時ま. (図3)、初級者(図4)に示した。 群間で比較すると、技術水準に従う結果が認められた。 すなわち、技術水準が向上する程、実験1および実験2. -591.

(4) のいずれにおいても落下点までの直線距離は技術レベル. (単位:点). に応じて、小さい値が認められた。 しかしながら、全打球の平均落下点値をみると、上級. 口実験1 ^ '二導:・=. 者: 178.0±11.3cm、中級者: 217.2±19.7cm、初級者: 248.3±10.7cmであり、かなり目標点から離れているこ. V /a. とが認められるとともにテニスのグランドストロークの. 石 257 1249. 正確性には困難性が高いことを示している。 次に、群内比較を行うと、いずれの群においても実験. 蝣. 1の結果と実験2の結果の間に昼有意な差異は認められ なかった。しかしながら一般的な傾向として、上級者は ストレート方向がいずれの実験でも成績がよく、 6試行 中実験2のストレートの値が最小であった.中級者も同. 236 1248. V /a. 図4.初級者群平均落下点. ト方向が最も大きく、実験2では最も小さい値を示して na. 球を分析対象球とした。それらの目標点から落下点まで の直線距離(cm)を点数で表す方法で処理し、各群で 平均し、少数第1位までをだしたものを群の代表値とし た。表1には点数表を表した。. (単位: cm). 口実験1 IA. 250. ノ237. クロスストレート逆クロス. 様の結果が認められたが、初級者では実験1ではストレー. 300. f/s 263. 表1.目標点から落下点までの直線距離(cm). 200. 点. c m 150. 石 187. 100. .. /J .l.s* -*i. V1 170. 拓. 159. 蝣. 0. Yellow. 0 以上 ∼. 5 0 未満. 8. ノ!弓3,. 50. Red. .. 181. Blue. 図2.上級者群平均落下点 (単位cm) 300. 口実験1 医・・:i-! :. 250. 5 0. 1 0 0. 7. 1 0 0. 1 5 0. 6. 1 5 0. ′ 〉2 0 0. 5. 2 0 0. 2 5 0. 4. 2 5 0. ・ 3 0 0. 3. 3 0 0. 3 5 0. 2. 3 5 0. 蝣 4 0 0. 1. 200. 'A y / . 150. 石 222. 100. <Y s 193. ろ 23 7. 193. 一2 2 3. 50. 0. Red. 4 0 0. 1)群別に見た3方向への平均落下得点の比較. 蝣. Yellow. 0. /235. (ア)上級者群 上級者群の各方向への打ち分けた場合の平均落下得点. Blue. を図5に示した。 実験1でも正確性が高かったのはストレート方向と逆. 図3.中級者群平均落下点 以上の処理法では、実験1と実験2の間に有意差が認. クロス方向で、低かったのはクロス方向であった。実験 2でも最も正確性が高かったのはストレート方向で、次. められなかったので、次に以下のような方法で処理した。 実験1 (ノーマル)と実験2 (ランダム)の各方向へ. いで逆クロス方向、最も低かったのはクロス方向であっ. の被験者個人間の有効打球20球のうち、例外的な資料を 棄却するため、目標点から落下点までの直線距離の短い ものから上位3球、下位3球の計6球を棄却し、残り14. た。このことは、上級者では、 「打ち分けの負荷」がか かった場合、一般に打球の正確性が高くなることを表し ている。. -60-.

(5) 場合、一般に正確性が高まることを表している。 以上、目標点からの直線距離と落下得点から、各群の 正確性について検討した。 クロス・ストレート・逆クロスのどの方向に打ち分け. (単位:点) -. 物 Y///A. #. る場合でも、上級者・中級者・初級者のどの群でも、出 力的技術のみをみたときと、入力的技術を含めてみたと. ` 4 .8. 'A. □実験1 IH iI 四実験2. ー. .8. 5 .1. 5 .5. きでは、各群の正確性には顕著な差異はみられなかった。. 石. # 5 .1. ,5 .2. (単位:点) [コ実験1 蝣'>!!. 」. クロスストレート逆クロス. 図5.上級者群平均落下得点. W A & 1. 石. (イ)中級者群 中級者群の各方向に打ち分けた場合の平均落下得点を. 3 .4. 3 .6. 3 .4. 5 3 .9. '// . ろ 3 .9. 3 .9. 図6に示した。. (単位:点) クロスストレート逆クロス. □実験1 佐己.',l" :. しかし中級者群でで実験1と比べて実験2の方が正確 性が低くなる傾向がみられたことは、中級者では入力的. 蝣 蝣 % 2. 4 .3. 4 .1. % 2. 4 .9. 4 .8. 図7.初級者群平均落下得点. 技術(視覚情報-打球方向の選択-打球)によって出力 的技術の正確性は影響を受けるためと考えられる。上級 者は、技術度の高いプレーヤーほど知覚的能力に優れて. % Z 4. 4. いるという従来の結果6)からも、ボールマシンから出て きたボールの色の視覚情報の知覚能力が優れていたため、 瞬時に打球方向が決定され、パフォーマンスは影響を受 けず、技術の正確性は変わらなかったと考えられる。初 級者では知覚能力が低いために、逆に上・中級者よりも. クロスストレート逆クロス. 図6.中級者群平均落下得点 実験1、実験2ともに最も正確性が高かったのはスト レート方向で、次いでクロス方向、最も正確性が低かっ. 緊張感が高められ、試行中ずっと集中していたため、入 力的技術から受ける混乱性の影響がパフォーマンスにで. たのが逆クロス方向であった。クロス方向、ストレート 方向では若干実験1のほうが正確性が高くなる傾向がみ. るほどでなく、技術の正確性は変わらなかったものと推 察される。. られ、逆クロス方向では同一値を示した。このことは、 中級者では「打ち分け負荷」がかかった場合、一般に打. 2.ネット数、アウトボール数について. 球の正確性が低くなることを示している。 (ウ)初級者群. 有効打数20球を求める場合にネットする打球や、コー トに入らない、いわゆるアウトボールがみられた。これ. 初級者群の各方向に打ち分けた場合の平均落下得点を 図7に示した。. ら実践場面で直接得点または失点につながるもので、入 力的技術の出力的技術への影響を表していると考えられ、. 実験1で最も正確性が高かったのは逆クロス方向であ り、次いでストレート方向とクロス方向であった。実験 2で最も正確性が高かったのはストレート方向、逆クロ. それぞれの数から正確性を検討した。 1)群別にみた3方向のネット数の比較 (ア)上級者群 上級者の3方向の打ち分けの比較を図8に示した。実. ス方向で、最も低かったのはクロス方向であった。クロ ス方向・ストレート方向では、若干実験2の方が得点が. 験1では3方向ともにネット数に差異はみられなかった しかし、実験2ではクロス方向にネットが多くみられ、. 高くなる傾向がみられ、逆クロス方向は同一値を示した。 このことは初級者では「「打ち分けの負荷」がかかった. 実験1と実験2の間に1個の増加がみられた。ストレー. 161-.

(6) の方が約3倍に増加していた。逆クロス方向では実験2 の方が0.75倍にネット数が減少していた。初級者群では. ト方向、逆クロス方向には実験1と実験2の間にはほと んど差異はみられなかった。上級者では「打ち分け負荷」. 打球方向の違いで「打ち分け負荷」の影響が異なり、ク ロス方向、逆クロス方向と、斜めの打球方向には正確性. の影響は、クロス方向の正確性を低下させることがみと められた。. を高めたが、ストレート方向では著しく正確性を低下さ せていた。. (単位:球) 口実験1 回実験2. (単位:球) 仁・u-1 I i.,i; 」. **. * *j<0.01. V///s 前 1 0 .3 .壬ニ 弓 「. 0 .3. クロスストレート逆クロス 2 .1. 図8.上級者群平均ネット数. 0 .7 V1. 1 .2. 3 .5 衿 …. 0. 1 .5 {1. クロスストレート逆クロス. (イ)中級者群. 図10.初級者群平均ネット数. 中級者群の3方向への打ち分けの比較を図9に示した。 実験1ではストレート方向が最も多く、次いで逆クロス. 出力的技術のみをみたときと、入力的技術を含めてみ. 方向、最も少なかったのがクロス方向であった。実験2 では、実験1に比べてクロス方向に差異はみられなかっ たが、ストレート方向では0.42倍、逆クロス方向では. たときに、ネット数に有意な差異はみられたのは、初級 者群のクロス方向に打ち分けた場合で、実験2の方がネッ ト数は有意に減少していた。これは入力的技術が加わる. 0.67倍に減少していた中級者では「打ち分け負荷」の影 響は一般に正確性を高めることがみとめられた。. ことによってボールに対する集中力が高まり、ストレー ト・逆クロス方向より練習回数の多いクロス方向におい て顕著に表れたためと考えられる。逆に上級者群では、. (単位:球). 実験2も結果からも3方向のうちクロス方向への正確性. [コ実験1. が低くみられ、負荷のかかった場合では他の方向に比べ. YA三!JL.. てネット数が多くなったものと考えられ、中級者群では 逆に集中力が増したためか正確性は向上していた。 2)群別にみた3方向へのアウトボール数の比較 (ア)上級者群 上級者群の3方向への打ち分けの比較を図11に示した。 いずれの方向にも実験1と実験2の問に有意な差異は. >Q .i. みられなかったが、実験1では最も多かったものがクロ. クロスストレート逆クロス. ス方向で、次いで逆クロス方向、最も少なくなかったも. 0 .7. ? 0 .7. 1 .7. ノ0 .7. 1 .2. のがストレート方向であった。実験2では最も多かった. 図9.中級者群平均ネット数. ものが逆クロス方向で、次いでクロス方向、最も少なかっ. (ウ)初級者群. た者が実験1と同じくストレート方向であった。実験2. 初級者群に3方向への打ち分けの比較を図10に示した。 実験1ではストレート方向が最もネット数が少なく、. では実験1に比してクロス方向で0.71倍、ストレート方. クロス方向、逆クロス方向はほぼ同一値を示した。実験. ことは、上級者群は、 「打ち分け負荷」がかかった場合、. 2ではクロス方向が最もネット数が少なく、次いで逆ク ロス方向、最も多かったのがストレート方向であった。 クロス方向では実験2の方が実験1よりも有意. アウトボールについての正確性はクロス方向とストレー. 向で0.47倍、逆クロスでは1.6倍の増加がみられた。この. ト方向では高まるが、逆クロス方向では低くなることを 表している。. (p<0.01)に減少していた。ストレート方向では実験2. -62-.

(7) (単位:球). #-ササu. ⊂]実験1. [コ実験1. 同実験2. 匿ヨ実験2. 'M 「「. <y> 348 2 -7 蝣 ・ ・・ .. 1 .5. 一 機 2. Y///A 3.2 ///. ・. クロスストレート逆クロス. クロスストレート逆クロス. 図11.上級者群平均7ウトポール数. 図13.初中級者群平均アウトポール数. (イ)中級者群. ス方向では1.25倍に増加した。このことは、初級者では、. 中級者群の3方向への打ち分けの比較を図12に示した。. 「打ち分け負荷」がかかった場合、アウトボールについ ての正確性はクロス方向、ストレート方向で高まるが逆. (単位:球). クロス方向では低くなることを表している。. [コ実験1 臨2 u-iL」 YS / S S .. 3.ポールの打ち分け速度 「打ち分け負荷」によって打球の打ち分け速度に変化 が見られるか否かについて検討した(表2)0. ォx * x. mm. 表2.打ち分けによる打球速度. 蝣 4 .8. 4 .6 {1. 上. T1.5 E以L++1. 蝣 l.H. 級. 実験 1 (ノーマル). 4.2: V1. クロスストレート逆クロス. クロス. 図12.中級者群平均アウトポール数. 平. いずれの方向にも実験1と実験2の間には有意な差異は みられなかったが、実験1ではクロス方向と逆クロス方. 平. 向が同一値を示し、ストレート方向はそれらより約3個. 平. 次いで逆クロス方向、最も少なかった者がストレ-ト方. B. A. B. 85.0. 120.7. 84.6. 120.7. 72ー o 84.5. 均. 逆 クロス. 少なかった。実験2で最も多かったものがクロス方向で、. 71ー o 120.7. 82.1. 84.4. 120.7. 80.5. 蝣 lーo. 向であった。実験2では実験1に比してクロス方向で. 120.7 69ー o. 71%. 均. 120.7 69ー o. 中. 0.96倍、逆クロス方向で0.88倍に減少し、正確性は打ち. 実験 2 ( ランダム). A. 均. ストレート. 者. 級. 着. 実験 1 (ノーマ ル) 実 験 2 ( ランダム). 分けた方が向上していた。このことからも中級者群では 「打ち分け負荷」がかかったほうがアウトボールについ クロス. ての正確性は一般に高まることを表しているo (ウ)初級者群. 平. 初級者群の3方向への打ち分けの比較を図13に示したO. 平. ストレート方向、最も少なかったものが逆クロスであっ. B. A. B. 81.6. 110.0. 84.4. 110.0. 均. ストレート. 実験1では最も多かったものがクロス方向で、次いで. A. 74% 82.6. 均. た。実験2では最も多かったものが逆クロス方向で、次. 逆クロス. いでクロス方向、最も少なくなったものがストレート方. 平. 均. 77% 110.0. 82.6. 75% 80.5. 75-o 110.0. 73ーo. 110.0. 81.8. 110.0 75%. 向であった。実験2では実験1に比して、クロス方向で. A:打球速度(平均値) B:最高速度(平均値). 0.84倍、ストレート方向でOA3倍に減少し、逆に逆クロ. -63--.

(8) 初 実 験 1 ( ノー マ ル ). 級. ク ロス 平. 平. 平. B. A. B. 8 1 .5. 10 7 .9. 8 2 .9. 10 7 .9. 76 % 8 0 .7. 均. 逆 クロス 均. 実 験 2 ( ラ ン ダ ム). A. 均. ストレート. 上級者群では、 「打ち分け」た場合、ストレート方向で は平均落下得点の増加と、ネット数、アウトボール数が. 者. 8 2 .8. 蝣 6%. 平均落下得点は増加し、ネット数は変化せず、アウトボー ル数の増加と、若干の正確性の向上がみとめられた。こ. 10 7 .9 77 ーo. 10 7.9 76 %. 加、アウトボール数の減少という結果が得られ、正確性 への影響はあまりみられなかったQ逆クロス方向では、. 76 % 10 7 .9. 8 1 .3. 減少するという結果が得られ、正確性が最も向上した。 クロス方向では平均落下得点は変わらず、ネット数の増. 8 1 .9. れらの結果は、上級者群では試合形式に近い「打ち分け 負荷」を与えた場合には、単純に打球するよりも緊張度. 10 7.9. が増し、コントロールを重視することから打球スピード. 76 %. A:打球速度(平均値) B:最高速度(平均値). を減少させ、正確性を向上させたものと考えられる。 中級者群では、クロス方向、ストレート方向で平均落. 表し2にみられるごとく、各群の打球の最高速度は、技. 下得点が減少し、逆クロス方向では変わらなかった。こ れらのことは「打ち分け負荷」によって正確性が低下す. 術レベルの順に高く、上級者群(120.7km/h)、中級者. ることを示している。しかしながら、クロス方向ではネッ ト数は変わらないものの、アウトボール数が減少し、ス. 群(llO.0km/h)、初級者群(107.9km/h)であった。 今回は特別に打球にスピードについては指示しなかった が各群ともに実験1、実験2に関係なく、どの方向に打. トレート方向では逆にネット数は減少しアウトボール数 は変わらなかった。逆クロスでは両方とも減少していた。 このことは無効打の減少を表し、この点については正確. ち場合でも最高スピードの約70-80%のスピードで打っ ていた。そして、上級者では平均70.5±1.2%、中級者で. 性が向上したものと考えられる。しかしながら有効打の. は74.8±1.3%、初級者群では76.2±0.4%であり、技術 レベルが高くなるにつれて、 %値は小さなものになって. 正確性が低下したことは入力的技術(視覚情報-打球方 向の選択)と-出力的技術(打球)との間に円滑な連絡が 結べなかったものと考えられ、以上のことは打球スピー. いた。このことは技術レベルが低いほど、ラケットワー クの誤差をスピードで補正しようとしているものと考え 児EiH!. ドが「打ち分け負荷」がかかった場合に、上級者とは逆 に増加していたことからも推察される。. 各群についてみると、上級者群では、実験2の方が実 験1に比して打球スピードはいずれの打球方向でも低下. 初級者群では、クロス方向では平均落下得点は増加し、 ネット数、アウトボール数は減少するという結果が得ら. し、中級者群では逆に増加する傾向が見られ、初級者群 では両実験内にはほとんど差異はみられなかった。. れ、正確性が最も向上した。ストレート方向では平均落 下得点は増加し、ネット数の増加、アウトボール数の減 少がみられた。逆クロス方向では平均落下得点は変わら. 今回は特別に打球スピ-ドについて指示しなかったが、 ボールの打ち分け速度については入力的技術に左右され ず、最高速度の約70-80%の速度で打っていた。これは. ず、ネット数の減少とアウトボール数の増加がみられた. いずれにしてもこの2方向については正確性に変化はな. 目標をねらう場合、プレーヤーは入力的技術に関係なく、 打球速度をコントロールして入ることが認められ、その. かったと考えられる。また打球スピードにも変化はほと んどみとめられなかった。. 最適速度が最高速度の70-80%であったものと推察され. 以上のことから、 「打ち分け負荷」をかけた場合、上 級者群では打球の正確性を向上させ、中級者群では低下、. る。. 初級者群ではやや向上させることがみとめられた。. 4. 4測定項目(平均落下得点、ネット数、アウトボー ル数、打球スピード)からみた「打ち分け負荷」が正確. 要約 テニスのグランドストロールの正確性における試合と. 性に及ぼす影響 これまでに4つの測定項目の結果を個別に分析し、. 練習時に-真性を指導するためには、従来の教授技術以. 「打ち分け負荷」が正確性に及ぼす影響を検討したが、 正確性に有意に影響がみとめられたのは、初級者群のク. 外の指導方法を考案すべきであると考えその資料を得る べく、学習者のグランドストロークの正確性の諸側面に. ロス方向へのネット数が「打ち分け」た場合に減少する ことのみであった。. ついて明らかにすることを試みた。 テニスの技術水準別に3群を編成し、各群のグランド ストロークの正確性を出力的技術と入力的技術と入出力. そこで各群のついて4つの測定項目を総合的に検討し た。. 的技術の両面から実験的に求めた。. -64-.

(9) of knowledge and Performance in boys tennis ;. 1.上級者群では「打ち分け負荷」がかけられた場合、 一般に正確性は高まり、特にストレート方向で著しく高. Age and expertize, Journal of Experimentional Child Psycholgy, 48, 190-211, 1989.. まることがみとめられた。このことから、上級者群では、 試合形式(打ち分け)になると集中力が増し、正確性が 高まることが推察される。. 6)大築立志「たくみ」の科学、朝倉書店、 193-196,. 2.上級者群では、 「打ち分け負荷」をかけられた場合、 打球スピードは3方向の打球とも最高スピードの約70%. る予測に関するパターン認知の学習効果、体育学研 究、第34巻、 117-132, 1989. 8)吉沢正ヂ・熊本水頼:テニス・グランドストローク. 1988.. 7)海野孝・杉原隆:テニスのネットプレ-におけ. 程度に減少し、調整の精度を高めているもの推察された。 3.中級者群では「打ち分け負荷」がかかった場合、一 般に正確性は低くなる傾向がみとめられた。このときの. の動作学的にならびに筋伝図学的研究、 Japanese Journal of Sports Science, Vol. 2. No.5 395-. 打球スピードは3方向とも増加していた。 4.中級者は「打ち分け負荷」がかかると入力的技術. 400, 1983.. (視覚情報-打球方向の決定)と出力的技術(打球動作) との連絡に若干の混乱が生じるものと推察された。 5.初級者群では「打ち分け負荷」がかかった場合、ク ロス方向への打球の正確性が著しく高まっていたが、ス トレート、逆クロス方向にはあまり影響はみられなかっ 'M 6.試合における打球の正確性に"練習時の打球''を求 める場合、上級者では練習時によりスピードのある打球 にて練習すべきであり、中・初級者ではスピードをより おさえた打球で練習を行うべきであることがみとめられ た。 7.中級者群では「打ち分け負荷」がかかると正確性が 低下することからも、日々の練習内容のなかに試合形式 でのグランドストロークの正確性を高めるものをいれる べきであることが示唆された。 8.運動技術を指導する際の教授技術であるこれまでの 学習者の実態把握における諸種のものに加えて、パフォー マンスの結果を調査し検討することが必要であり、これ は指導方法の内容を変化させ得ることがみとめられた。 文献 1)鬼豆酎申和:グランドストロークと視覚入力、 Japanese Journal of Sports Science, 2 , 278-282, 1983.. 2)児玉光男:テニスのネットミスに関する2、 3の考 察、 Japanese Journal of Sports Science, 2 , 283286, 1983.. 3)小林輝子・福田隆・松下健二:グランドストロー クの正確性に関する研究、日本体育学会第35回大会 号、 320, 1984. 4)小林輝子・東山篤規・松下健二・福田隆:熟達水 準の異なるプレーヤーによるボール・スキルの遂行テニスのグランドストロークを用いて-、大阪府立. 大学紀要(人文・社会科学)、第44巻、 83-95, 1996. 5) McPherson, S, L., &Thomas, J. R. : Relation. -65-.

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参照

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