情報とコミュニケーション : 経営戦略と組織一体性のために

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(1)論. 説. I. 1. ンヨ. コ略と戦区 0営諸経奥. 村. 恵. するデータのことである．したがって。データ. 情報と情報の戦略的価値. む情報に転換するには，知識が必要である．そ. 情報の定義. して，知識というものは，. 専 f, 化されたものである」，，．つまり，情報が. ( 1 ) 情報の定義. 日. 本稿では，経営戦略と組織一体性のために必. 要な情報について，. そのフど義からして， -. 「情報とコミュニケーショ. ン」というテーマのもとで論じたい．まず情報の意味についてであ. るが，情報は，. ・. ，，・情報は，. ). の間. ド報が役 :、 /". ，. 申 Ⅱ化された知識. によって合目的化さ L たときであると理解され才. る. 知識につけ加わるような，資料 ( データの確定した関係をいう. データから転換されるのは. ( ドラッカ一によると．本当に矢 l@, 機 ;艶かな人. は．その市，円分野について知っておくべきこと. が多く。過剰に申門化される. 側， ]があ「. る．本稿. 34 興釜日 /J)",. つ目的に適切であるかどうかによって評価され. ( 2 ) ,哺報と，応報システムの意味. るので，この確定した関係というのは。目的に. ，哺服の意味は，. 日. 拝伏によって異なるので /.,.目. ウドンおよび J.p. 役立つように精級化された資料を情報であると. する必嬰がある． K.C. ロ. 規定することを指す．この目的のために，緒，甘. ウドンによると．情報と，情報システムの意味は，. 者は，情報を求め知識を増大させる．. H寺ィでによって次のように変化している．. この際，. 目的が日常的なものであれば，現在の知識に頗. ①. ロ. 1950 一 60 年代では．情報は「張り子の. れば良いし新しい複雑な目的であれば，知識. 危」のようなものであ. を拡大するために - 隅多くの情報を求めること. 安恵; とみなされた．. になる．情報は，. 電子会計機・尚子情報処理 - (EDP) と呼ばれ，高速度の会目処理を狙いとしていた．. 増大させるが，. このようにわれわれの知識を. それではなぜわれわれは。. 情報. によってこのように知識を増大させることになるのか．それは，情報は，. の役割を果たすためであ. ノ. り，加えて情報は，信. 段目的を支援するものであ. らである．. た. ト. 情報とは，関連，性と合目的，性を有. った．このシステム. (MIS) といい，ス般報 " の要請に応えるものであっ. は，経 " 管理，情報システム. 念・価値・態度を変化させる刺激となりうるかこれと類似の考え方はドラッカ一に見られる. ，. 1960 一 70 年代では，情報は経営に対する「一般的支援」のためのものであり，経 " の ---. ビーディな. すなわち，. この期間の情報システムは. ②. 目的と手段とを適合. させ，最適の選択を可能ならしめるくにかわ. 。), 官僚的要請からのノ、. ③. -. 1970 年代一 80 年代では，情報は「経常管. 理」のためのものであ. り，経 " 統制上の必要に.

(2) 18 Ⅱ 28). 横浜経営研究. 応、じて作成された・. エグゼクティフ支援シ. といい，意思決定を改善しそ. (ESS). ステム. このシステムは，意思決定. (DSS),. 支援システム. の要請に応じるものであ. ④. った，. 第 2 号Ⅱ 995). このアプローチは，企業の意思決定活動に関する情報の流れを核心としており，. ), もの. (物的資源. ), かね. (貨幣. この側面か. ら情報要求の明確化，データ源泉の明確化，そして管理科学用具による両者の対応を行うので. 1985 一 2000 年の考え方では，情報は，ひある・われわれはかつて，. ( 人的資源. と. 第Ⅷ巻. この意思決定活動の. 側面から，会計情報源泉の精微化として，利益. 資源 ) に次いで，第四の資源と考えられている，. フロⅠ資金フロⅠ およびキャッシュ・フ. 資源としての情報は，戦略的意味をもち，競争優位の戦略的武器としての性格を持っている．競争優位の戦略的武器として情報を用いるシス. ローを含むアカウンティンバ・フロ. 体系を提示したことがある・同時に，会計情報要求の精微化として，理論的な意思決定モデル. テムを戦略的情報システムといい. の位置づけを行い，また会計情報システムにお. ，その目的は，. 組織の存続と繁栄を促進することにあ. る．つま. 一の概念と. ける必須の分析技術の一つとしてセンシティビ. り，このシステムは，組織の目標，業務，製品，ティ分析を示した・そして. ，センシティビティ. サービス，および環境関係を変化させ，競争相手を超えるだけの強みを会社にもたせる手助け. 示し. となるのである・たとえば，メリル・リンチは，. をさらに規定する情報の流れを明確にした．. 情報システムを使い，株式取引事業から金融サービス事業に転換した 3,. 2. 意思決定支援システム. と. アカウンティン. グ・フロー. 分析を利用しながら，. 5 つの原価計画モデルを. これによってアカウンティンバ・フロー. この際，伝統的会計モデルに対応させた意思決定会計モデルは，責任会計システムと収益性会計システムであった・前者は，経営者の階層組織に合致する情報を生み出すものと考え，また後者は，企業環境の変化. 最近の，情報および情報システムは，意思決定支援システムから戦略的，情報システムへと転換. 分析による把握. ( センシティビティ. ) にⅡ乎応する利益の限界型情報. を提供する会計、ンステムを想定した. 41.. しつっあるといわれている．その意味を把握す. るために，「意思決定支援システム」としての会計. と，. 「競争優位の戦略的武器」として情報. を用いる会計とを対比することにしたい・まず・「意思決定支援システム」において，会計を中心とする情報システムのアプローチは. ，次の，性. 格を持っていた． ①対象. 企業組織内の意思決定活動に関す a 企業内意思決定活動に関する情. しそして c 新しい情報の流れを設計す. なコスト会計から新しいコスト管理へ会計は，最古の情報システムであり，戦略的情報システムとして再設計が最も進んでい. る. としての会計について，. これを「コスト会計か. な視点を次のように. 7. ，その重要. 点にわたって指摘してい. る．. ①オーソドックスなコスト. 会計は，個々の作. 業コストの和として製造総コストを考えるが，. ること． a 情報要求の明確化，. オーソドックス. ら成果管理へ」というテーマのもと. 報の流れを跡づけ， b 情報の流れを評価. ③方法. 戦略的会計システム. P.F. ドラッヵ一は，「競争優位の戦略的武器」. る情報の側面， ②目的. 3. b データ源. 新しいコスト管理は，競争上・収益上重要，性を. 泉の明確化，そして c 管理科学用具によ. 持っ，製造の全プロセスのコストを計算する．. る両者の対応・その対応の組織的結果を，. 全プロセスの中には，製品の据付け・アフター. ，情報の流れと呼ぶ. サービスなどをも含む．.

(3) コミュニケーション. l青軸と. ②オーソドックスなコスト. 会計は，ねじ切り. など，個々の作業に要するコストを計算するが，新しいコスト管理は，機械の遊休時間。材料工其の待ち時間，・出荷の待ち時間，不良品の手色し廃棄のコストを計算する・ ③オーソドックスなコスト会計は，「何かをなすことのコスト」だけを記録するが，新しいコスト管理は，「何かをしないことのコスト」を計算し. コスト管理- に優れ，成果の管理を百Ⅰ. (奥村. 4 人 5 人の技師を，必要とするⅠ，したがって，. サービス産業においては，新しいコスト管理の. 導入によってコストに関わる，情報を手に入れ，成果を管理することが. 七丁. 能となる. (銀行では，. 顧客 - 人当たりの成果，すなわち顧客一人当た. りのサービスこそ，銀行のコストと利益を左右すると考えられているⅠ ，・．会計がこのように事業の全プロセスや製造の. 全プロセスについてコストをざまなケイス. 能にする．. (129) 19. 悪. 計算し. またさま. と機会についてコストを. 計算する. 会計は，たとえば. ことが，次で扱う価値連鎖の戦略，叶に資するこ. 熱処理作業は当然行うべきものと前提するが，新しいコスト管理は，そもそも熱処理作業を行. ととなり，情報の戦略的価値をそれ自体持つこ. ④オーソドックスなコスト. う. とを意味している．. 必要があるかどうかを問題にする．. 分析，品質管理，コスト会計など，. これまで独. 企業の価値連鎖. Ⅱ. ⑤新しいコスト管理は，価値分析，プロセス 1. 新しいコスト管理- と企業の価値連鎖、. オーソドックスなコスト会下ィ-が，個々の作業. 立，していた分析手法を統合する． ⑥オーソドックスなコスト会計では，個々の. コストの和として製造総コストを考えるのに対. 作業のコストは分かるが，しかし市場における. して，新しいコスト管理は，競争上・収益上重. 特別割引き・リベー. 要な製造の全プロセスのコストであ. トのコスト，価格がマーケ. るというこ. ットシェアに与える影響を明らかにできない・. と，また前者がたとえば熱処理作業は当然わう. 他方新しいコスト管理は，個々の活動コストと成果の変化が，事業全体の業績にどのような影. べきものであるとするのに付して，後者はそも. 響を与えるかを明らかにする・以上のようにして，新しいコスト管理は，製. 題にするということなど. 造コストを大幅に. (3 分の 1 以上 - のこともあ. そも熱処理作業を行う必嬰があるかどうかを問，. オーソドックスなコ. スト会計と新しいコスト背理との対比は興味深いものである．そして，両右の違いは，実は. るⅠ引き下げるのである．. 「企業の価値連鎖」を確認するかどうかの点に. ⑦新しいコスト管理が最も大きな成果をもたらすのは。サービス活動においてである・オー. 掛かってお ), 。. ソドックスなコスト会計は，個々の作業を基礎. としていることから，サービス産業・では使えなかった．それというのも，サービス産業で存在するのは，事業の全プロセスのコスト一種類だけであり，しかもそれは一定期間において一定となる固定コストであるため，固定コストと変動コストの区分はあまり意味がない・. また，. この連鎖の確認が，経常戦略せ、. 考に繋がるのである．それというのも，経常戦略におけるコストないし荒川化の競争優ィ;j;, 性は，企業の価値連鎖におけるコストないし優位性を意味しているためであ. る・. 差別化の企業のコス. ト上の地位は。企業がすべての価値連鎖の経費全体を同業他社と. 上. ヒ敵した結果の反映であ. る・. 企業のすべての価値連鎖は，コストイメとうどの要因. であり，これがコスト優悦性の潜在胴1%泉を決. サービス産業では，労働の資本による代替も意. 定づけるのである．競争上・戦略上重要なもの. 味がなく，資源間の代替が不可能である・たとえば，設備投資は労働力の削減どころか，増大. は，すべての価値連鎖を実行するための全プロセスのコストであるといえ 2 6. 価値連鎖 (value chain) のコンセプトにお. をもたらす. (病院の診療用医療機器の. 導入は，.

(4) 20 (130). 横浜経常研究. 第 2 号 (1995). 第Ⅷ巻. いては，企業の活動は，事業を行うための技術的・経済的に性格の異なる 9 カテゴリ一の活動. この連結関係は，ポータ一によると最適化と調整という二つの仕方で競争優位を導き出す，. に分割され. 前者の最適化は，多くの活動が長所や短所を補. (購買物流，. 製造，出荷物流，販. 売・マーケティンバ，サービスの 5 主力活動，. い合っで大きな成果を生み出すことを意味する. および全般管理，人的資源管理，技術開発，調. たとえば，製品設計にカネをかけ，製造工程中. 達活動の 4 支援活動，計9 ヵテゴリⅡ，これ. の検査を増やすことによって，サービス・コス. らは価値活動と呼ばれる．もし企業による製品. トを低下させることができる．後者の調整につ. 創造の価値. いていうと，. 口. (買い手が製品・サービスに. 対して. 喜んで支払う金額によって測られる ) が，価値活動を実行するコストを上まわるならば，企業は利益を得ることになる・そして，企業はこれらの活動を，より低いコストでおこない，あるいは差別化や高価格. (高価値 ). に実施しなければならない. を実現する 2. 6. h,. たとえば時間厳守の配送を行おう. とするとき，生，産活動，出荷物流，サービス (据付助成なと. という多くの活動を調整しな. 何. ければならないⅠ ，. このような価値連鎖は，国. ・. 際競争にも展開される・企業は，価値連鎖を通じて各国でどのような配置と活動の調整を選択するかによって，多様なバローバル戦略を展開することができる 9,. 2. 価値連鎖と競争優位戦略. 価値連鎖のコンセプトは，. 3. M.E. ポーターが. 「競争優位の戦略」との関係で展開する基礎概念であ. る・. その説によると，価値連鎖は・①供. 給業者の価値連鎖、. 一. ②「会社の価値連鎖」. ③チャネルの価値連鎖. 一 -. ④買い手の価値. 情報技術の進展，価値連鎖の変換，および競争の性質の変化. 情報に関係づけてこの価値連鎖について言及. すると，今日情報とくに情報技術が，この価値連鎖のすみずみに浸透し価値活動のやり方や. 連鎖、という全体像の中で，「会社の価値連鎖」として取りだされる ( 多角化企業の場合は，事. 価ィ直活動相互- 間の連結の性格を. 業単位の合計としての会社の価値連鎖を想定す. びビクター， E. る. ). そして「会社の価値連鎖」の中では，購. いう現状がある．マイケル・ E .. 変えつつあると .. ポーターおよ. ミラ一によると，. 「情報技術. は価値連鎖のすみずみに浸透して，価値活動の. 買物流などの 5 主力活動，全般管理などの 4 支. やり方や相互間の連結の，性格を変えつつある．. 援活動，計9 カテゴリ一の価値活動が，競争優. また情報技術は競争の範囲に影響を与え，製品. 位のための建築ブロックとして. が買い手のニーズを満たす方法を変えつつあ. 識別される，な. る」，(). お，価値活動ではなく価値連鎖という言葉を用いるときは，それぞれの独立した活動の集合体ではなくて，相互に依存した活動のシステムを強調する．この際価値活動は，価値連鎖内部の連結関係の中で繋がっている．ここで連結関係. 満たす方法を変えつつあるということは，情報. とは，一つの価値活動の実績と，他の活動のコ. 技術が戦略的意義を持っていることを意味する. ストまたは成果との間の関係を指している．. とえば，高品質の鋼板を購入すれば，製造を簡. それでは，主力活動と支援活動を含む価値活動について，それぞれの価値連鎖内に浸透する. 素化し. 情報技術とは，具体的にどのようなものであろ. た. スクラップの量を減らすことになろう. ここで，競争の範囲とは，セグメント. の幅，垂直統合の範囲，地理的範囲，そして競. 合する関連業界の範囲をいう．情報技術が競争の範囲に影響を与え，製品が買い手のニーズを. 競争優位というものは，個々の活動自体から生-. うか・前記ポーターおよびミラーは. まれるが，同時に活動間の連結関係からも発生することが多い ",. に関連する情報技術をる. ，価値活動. 次のように記してい. 1l,.すなわち，価値活動の「購買物流」に.

(5) @片報と. ついては「自動化合庫」情報技ィ． Ⅱ. り. コミュニケーション. 「製造」に. 。典士す. (131. :白. ドラソカーは，雌竹の企業が，数年のうちに. ついては「融通のきく製造Ⅰ 程」，「人的姿源管. 市場を席巻し. 理」については「大串管理の. し、 5 例が，いくらでもあるとし. が。それぞれ浸透しているる. 指導化」憤幸は技術 (後述，㌘典参照 ).. リーダー的な地位を獲得したと. その原因とし. で常に共通することは，新規参入者のコスト十-. ここで，明記しておかねばならないことがあ. の優ィ;:;, 性であるという．供給業老や販先古の. ．それは，価値活動が。物理的な部分と情報. ストまで把 fk;しそれらを管理することに成功. 処理の部分を持っているということであ. る・①. 物理的な部分には，活動を実施するためのあらゆる物理的な仕事が含まれる．他方②。情報処理-. した股も有名な企莱が. トョタであ. ・. トョタ. る・. は，系列のネットワークによって，牛 -%, 販 Ⅰ E, サービスのコストを一つの流れとしてす @,;し巴ヰ. の部分は，活動を実施するためのデ - タを収集. 最もコストが安く，般も成果が大きなところで. し操作し伝達する作業を包含す. 仕申なしているのである川．. る・後者の. 情報処理の部分に関しては，いずれの価値活動も，何等かの情報を創造し. 使用することを明. コ. ドラッカ一によると，. は「経済連鎖」という. 価佃わ車鎖、. ( ドラッカ. 一. ;-;葉を用いている ) 全体. らかにしている．たとえば，物流活動は，時間. のコヌ、トを管理するということは．. が正確でコスト効率の商い配送を確休するために，スケジュール契約，運送料金，生産計画な. の Wmi格設定から，価格主導のコスト管理 -に移ィナすることを音休する．シアーズ・ローバック社. どの情報を使用する．しかも，保険請求処理の. やマークス・アンド・. ように，物理的処理よりも情報処理のウエート. 出から。価格主導のコスト管理を行っている・. が商い仕事が増えつつあることは注口すべきで. まず，顧客が進んで支打、. あ. る．製品についても，価値活動と同様に，物. コスト主溥. スベンサー社は，. う. はるか. 価格を設定し. 商，・. の投甜段階から，井谷されるコストを明かにす. 理的な部分り浦 "報処理の部分がある．製，には，る．そして，今や，価格主導のコスト設定のほ. が"- "般化しっっある Ⅱ列，. 日本企業の輸出，。，. その特，性や使用方法，アフターサーどスに関す. つ ". る情報が含まれ，. ウオルマート・ストアはじめ，. しかもその怜報処理の比重が. 日本・アメリ. 高まりつつある．たとえば。消費者はゼネラ. 力. ル，エレクトリック社の家電製Ⅱ ，・サービス・. ラ一の新型車，じ M のサターンなど ). しかし. データベースから，情報を直接取る二とができ，. 価十年主導のコスト管理を㍉，うためには，価値連. このことが GE. 鎖金体のコストについて，Ⅱ、占報を把握し管理．. 他社のそれと. のアフターサービス体制をⅡ 業. 差別化することになっている℡，. ・. ョ一ロヅパのディスヵウンタⅠ. することができなければならない・. クライス. ， >... この価値連鎖の考え方は，覚部委託，捉携，. 4. 法的虚構から経済的現実へ. 新規参入. 、ンッブ. 者のコスト上の優位性一一 ①供給業考の価値連鎖、鎖」. ②「会社の価値連. ③チャネ、ルの価値連鎖. 合弁など，支配・被支配ではなく，. ④ 典い手の. 価値連鎖、という全体像の中では，股人の l; 大企. る．. バートナー. を基盤とする申業関係すべてに適用され. しかも。. それらの苧茉関係こそ．. とくにこ. れからのグローバル経済のもとにあっては，親をァゃ. Ⅰ. : どだ金イ・公社という伝統的なモデルに代わ. 業でさえ価値連鎖の環の - つであるにすぎない. って，成長のモデルとなるものであ. P.F. ドラッカーは，市場において意味があるの. い，すべての全米が，統 -, 的な，あるいは少な. は，. このような自。を済的な現実とガ;を i, ギ的なプロセ. ス全体のコストであって。だれが所有・者であ. る. かという法人格や法的虚構とは関係がなりとい㍉ 33.. っ. る・. このさ. くとも接続 @l"n 目な公Ⅲ - 、ンステムを持たなければ」. ならな。℡．. る．. ドラッカーはこのように圭- 牒す.

(6) 22 (132). 横浜経営研究. モデルによってこの基礎的な論理とその方法の. 経営情報の戦略的価値一一戦略的情報システムの基礎的論理と体系一一. Ⅲ. 経営情報の戦略的価値. 第 2 号 (1995). 第 Ⅷ巻. 体系を展開することにしたい．. 一戦略的情報システ -. ムの基礎的論理と体系．新しいコスト管理が戦略的価値を持つということは，情報ないし情報、ンステムが，「企業の価値連鎖」の認識を通じて，コストないし差別イヒの競争優位性を保つ経. 1 意思決定モデル一一合理的選択のモデル経営意思決定は目的と手段との適合を意味するが，この意思決定の成功は情報の量と質に依存している・ H.A. サイモンによると，意思決定は，知識の不完全性，予測の困難性，および. 営戦略に対し緊密な繋がりを持っていることを意味する・すべての価値連鎖は，たとえばコス. 行動可能性の範囲の限界によって，「制約され. ト決定の要因であり，これがコスト優位性の潜. 思決定が関与する世界をどのように描くかによ. 在的源泉を決定づけるのであ情報とくに情報技術が，. た合理，性」しかえられない・. って，意思決定のモデルが次のように異なって. る．この価値連鎖のすみ. いる．. ずみに浸透し価値活動のやり方や価値活動相五間の連結の性格を変えっっあ. これに加えて，意. また，情報. る・. 一. ①オリンピア. (三観的期待効用 ) モデル -. このモデルは，統一された宇宙において，包括. 技術が競争の範囲に影響を与え，製品が買い手. 的な選択ができる英雄. のニーズを満たす方法を変えっっあるというこ. としている・. とは，情報技術が戦略的意義を持っことを指摘. あ. している．. ための，人間の心のモデルとはいえない. さらに，供給業者や販売店のコストを管理す. (経済学の世界 ). を前提. これは，全知の神の心のモデルで. るが，しかしこれは，「人間問題の判断」の ②行動モデル. ，. このモデルは，人間の合理. ることに成功した企業は，系列のネットワーク. ，性が制約されていると仮定している．合理，性は，. によって，生産，販売，サービスのコストを一. 状況によって，. つの流れとして把握しコストが安く，成果が大きなところで，企業業務を行っている．そして，価値連鎖全体のコストを管理するということは，コスト主導の価格設定から，価格主導の. 約を受ける・. コスト管理に移行するという戦略性を意味する. で，最大化基準よりも満足化基準を仮定するこ. 戦略的，情報システムは，多くの万法で，企業企業が新製品・サービスを. 開. 発するための助けとなり，また特定の市場ニッチを標的にする手助けとなるなどである．この. 制. この理論は，多くの経験的証拠か. ら見て，人間の意思決定を記述するのに有効で. る・上記の制約があるので，人間や有機体は，. あ. この限界の中で適合的な選択を行い存続するのとを妥当とする，. が競争に打ち勝つための助けとなる・たとえば，このシステムは，. また人間の計算能力によって. ③直感モデル. これは，行動モデルの一つ. であり，直観過程を重視する・. また，経験から. 得られる技法の基礎となる認識過程に力点をおく. ・. さらに，人間の思考が情緒によって影響さ. さい，情報システムが競争優位を提供できる基. れることを認め，情緒が演じる役割について問. 礎りな論理とその方法の体系を跡づけることが. 題を提起する・. 必要であ. ムは競争戦略を含む経営戦略の体系と基準に基. 複数の論理があり，それから一つの論理を選択するのは情緒であり，この情緒を育てることが. づいて展開されるためであ. 人類の生存にかかわっている．. 自. る・. それというのも，戦略情報システる・そのためには，. 経営，情報の流れに関わる，企業とその経営環境の関係. (戦略機会 ) を理解しなければならない. ここには，いくつかのモデルがあ ), 化. これらの. 確かに，問題解決のためには，. ④進化的適合の合理的モデル. ここで進化. は，合理的適合の意味に用いられており，組織の継続のためには，合理的適合を行わなければ.

(7) l打辛はどコミュニケーション. ，り態小十. 23. ①資源の加Ⅰ者，およびコストを成果に転換. ならない．このモデルは，部分適合・過程の動く方向の示唆，愛他主義的進化. (133). 七，. (啓発された自. する組織としての企業．企業とは，資源の加Ⅰ. 己利益 enlightened Self-inte,e,t), 生態条件の. 者であり，またコストを成果に転換する組織で. 創出，およびスペース探求の適合過程という. ある．. 五つの資質をもっている．つまり，る競争の過程を. 通じて改善を行. う. ，. ②価値連鎖。ドラッカ一の表現では経済連. ニッチを巡. ，愛他的な，. モデルである・，，．. 鎖 ) の環としての企業．企業とは，価値連鎖の環であ. これらの 4 つの意思決定モデルは，企業が意. コストを管理するためには，. この価. 値連鎖の全体を把捉しなければならない． ③目の創出機関としての. 思決定する際に目指すべき方向性と戦 nlを性，さ. らには世界観を捉示する．これらの意思決定モ. る・. 企東・企業は， ". の. 創出機関である．. デルは，戦 fをモデルとどのように関わるかとい. ④物的環境に関する被創造物と創造的主体と. うと，それは意思決定の理論モデルの選択とい. しての企業．企業とは，物的環境によってつく. う理論的な側面において，組織体の戦を m ，性を伺. られる被創造物である．と同時に，物的環境を. う. ことができる・. 上記 4 つのモデルに関しては，. つくる創造的主体であ. ($り的環境とは，企業. る. 主観的期待効用，満足化基準の仮定，情緒の役. にとって，機会や成果のみならず，. 割，そして愛他主義. への脅威が存在する外部の世界のことであ. (啓発された自己利益 ) の. いずれかを。意思決定者が戦略的な狙いで決定. 基準とすることの妥当性が問われている．が，. 理論モデルの性格であるともいえよ. 意思決定のモデルには. る. う. ．. )191. この新しい企業コンセブ. これ. 成功や生存. ト. は，コンビュータ. という道具- によって明らかにされるものであ. ，個人的モデルと組織. 情報の近年の重典な役割の認識に基づ. 、、. 的モデルという分類もある，前者の意思決定の. ドラッカーと類似のり場から。中内功氏は。. 個人的モデルとしては，上記の合理的モデル。. ンビュータによる新しい企業コンセブ. 制約された合理性・満足化モデルや，. て，次のように説明しており．. これに加. えて，切り抜け (連続的限定比防モデル，心. -ジを. 理型・参照枠モデルがあ. 「. また，後者の意思. る・. ，百僚モデル，組. 決定の組織的モデルとしては織選択の政治モデル，題付着解決 ). .. 「ガ一ベッジ・カン. @. モデル」があるば．それぞれ. のモデルは，意思決定の理論，性と，て戦 B& 的狙いの決定基準をもあ. これに加え. れせもっている. ことに注目したが．. 2. 企業の新コンセプトと意思決定の原理エグゼクティブに必要な情報. ト. り. ているコ. につい. 具体的なィメ. 一. 提ポするものとして興味深い．すなわち，. 1980 年代に入り， POPS. の汗及が進むとともに，. (目は克. 時代情報管理-). マーケット主導の時代. は決定的なものとなった．通信とコンビュータの融合による，情報通信ネットワークは，. 国内市. 場のみならず世界のあらゆる市場からの，哺報を. 受信し. また伝えることを吋能にした．価値観を典にする消費 -者， /1,清者 - 人ひとりの意児な. 聞き，ボ㌢曲に生かせるようになった」と．このタム解は，大規模．ら;?は応やコンビニエンス・ストアのⅠ-場からのものであり，これらは「フォ. P.F. ドラッカーは，エグゼクティブが管理す. ア・ザ・カスタマーズ - の理-念を肌で感じ。. べき企業について，今やかなりのことを理解す. メーカ一によるコスト主導型の価格設定に挑戦. るにいたっているという．. し，価格主導のコスト管理の思想を. タが「企業というコンセブ. ここで，コンビュート. 」を次のようにと. たのである．これら流通企業は．. 実行してき P()S を，駆使. らえることを寸能としており，必然とさえして. することによって，生活者に受け入れられる商. いるという．. 品群を絶えず設計することができ，世堺市場に.

(8) 横浜経営研究. 24@ (134). 第Ⅷ巻. おける最良の品々を，世界に通じる価格で消費者の元に届けたいと考えている， 0 ，，この辺りの事情は，上記の価値連鎖の環を中心とするドラッカ一の企業観ドラッカーは，. と密接な関連があ. る．. さらにエグゼクティブに必要. な，情報について論じ，その，情報システムの主要部分についてかなりのことを. 第 2 号. ①基礎的情報．キャッシュ・フローと流動性など，経営状況を判断する情報である．. ②生産性に関する情報．コストに付加した価値を測定する「付加価値分析」と自社の仕事ぶりを同一産業，全産業の最高の仕事振りと上ヒ駁する「ベンチマーキンバ」があ. 知るにいたってい. るといい，その内容を企業の新コンセプトに連して，次ぎの四点にまとめている射，・ ( 1 ) コスト会計から成果管理ヘ. 関. コスト. る．. ③卓越性に関する情報．リーダー的な地位を. 得るためには，市場・顧客の価値と生産者・供給者としての特別の能力とを結合する能力がノ、要である．. ④資源に関する情報．資金情報に加えて，有. を成果に転換する企業オーソドックスなコスト会計と新しいコスト管理を対上ヒすると，. (1995). オーソドックスなコスト会. 能な人材に関する情報が必要である．アメリ；の軍隊と同様，民間企業についても，. 目的意識. 計は，製造の総コストを個々の作業コストの和. を持った慎重な. として計算する．しかし新しいコスト管理は，競争上・収益上重要である製造全プロセスのコ. 定の帰結についての記録・注意・検討が必要で. ストであり，個々の活動コストと成果の変化が，. あ. 人材の配置が，そして人事の決. る． (4 Ⅰ成果が存在する場所. 一-. 事業全体の業績に与える影響を明らかにする．. する被創造物と創造的主体としての. この結果，新しいコスト管理は製造コストを大. 上記 4 つの「宮の創出のための. 物的環境に関. 企業情報」は，現. 在の事業の状況すなわち戦術について教えてく. 幅に引き下げることができる．. (2) 法的虚構から経済的現実へ. 価値連. れるにすぎない．戦 m各については，外部の企業. 鎖の環としての企業. 環境についての組織的な情報が必要である．戦. 世界市場で競争に勝つためには，経済活動の連鎖全体のコストを把握しその連鎖を構成す. 略の策定には，市場，顧客，非顧客，産業内覚の技術，さらには国際金融市場，世界経済その. る他の企業との連携のもとに，. ものについての情報を必要とするⅢ．. コストを管理し. 成果を最大化しなければならない．市場において意味があるのは，経済的な現実，すなわち経. 4 つのグゼクティブに必要な情報について論じ. 済的なプロセス全体のコストであり，だれが所. ておン),. 有者であるか. っている．ここで，ドラッカ一のいう新たなる. (法人格，法的虚構 ). は関係がな. ドラッヵ一は，新たな意思決定の原理として，これが戦略的，情報 -ンステムの体系とな. い．新規参入者のコスト上の優位性を持つ場合，. 貫目決定の原理は，戦略モデルとどのように関. これは個々の事業活動のコストではなく，価値連鎖全体のコストを把握し・管理することに成. わるのであろうか，ここでは，意思決定の重要な領域が戦略的価値を. 功していることを示している．. すなわち，ドラッカ一によると，機会とリスク，. (3). 富の創出のための情報. 富の創出機. 関としての企業. 持つことを指摘できよう．. 事業の範囲，財務的な戦略，組織構造という重要な領域は，マネジメントが徹底的に検討しな. 企業が支払いを受けるのは，コストを管理す. ければならない領域である．それというのも，. ることに対してでなく，富を創出することに対してである・富を創出するためには，企業のエ. 「これら領域における戦 m各的な意思決定」は，. グゼクティブが意思決定を行うための，次のよ 3 な四つの種類の情報が必要となる. 事業の歩む道が日的に適合しているかどうかを決定することになるためである ".

(9) l時旧史・. 3. 情報優位モデル. ヒ. コミュニケーション. インテリジェント・. 企画・マーケティンバ. カンパニー・モデル. pul 両目. ング EUC. (End-U,e,. Com-. 由に探求させるという点で，大きな潜在力を持. 生-% . 流通. 画・マーケティンバ，生産・流通，人事，財務，. 八%. .. ンバクト、部. ，. コス. 製品の市場投入. (創造的な製品開発，開発プ. ロジェクトの品質，市場投入のスビード. アップ，麒客の教育 ), 交渉. (優位，性の獲得，戦 m 各曲タイミンバ，. 説. 偉力の強化 ).. ディーン・マイヤーおよブーンによると，個々の情報. は， N. びマリー・ E. イ. 0 対処 ),. 上されるのである．この EUC. ( 人材管理．什，産性への. ト管理，予算編成と管理，財務リスクヘ. そしてこの，情報価値額は，現. 在価値の合計から投資収益率を算定．する形で計. 質管理，生産性の向上，情報. 財務 ( ボートフォリオ・マネジメント. ついて，また下記のようにその下位職能ついて. を展開する．各職能と下位職能に対して情報投資を行い，投資からの成果は，情報価値. 「. 門を越える協力， /、専管理 ),. 製品の市場投入，および交渉という企業職能に. EUC. @. サービス産業での戦略システム ).. これは，企業職能である販売。企. として得られる・. 兄込み. 稚jZ 刊. は，ュ一ザ白身に， l青 -報の利用機会を自. っている・. (戦略の " 案，. 客の発掘，商，およびマーケット情報の. 情報価値の増 "太を狙った，エンドユーザ・コ. ンピューティ. (135)@ 25. Ⅱ穏十千. .. ツールで経験を積んだ後，新しいツールやアブ. 4. 競争力モデル. 競争力モデルは。外部の脅威と機会との相 Ⅱ，. リケーションを開拓し始める．そしてこの場合. 関係を描き，組織の競争戦 m各・能力を明らかに. にも，企菜職能から・情報価値が得られるのであ. するものであり， M.E.. り，企業職能の体系が経営戦略情報．システムの. 争の戦日を』. ポーター著『新訂. 競. 体系となっている．重要なことは，価値連鎖に. @ 著苦， 1980),4 を基本モデルとしている．企業は多くの次のような脅威・機会. も日が向け. に直面している・それは，①新規琴人の脅威，. ちォ t. ていることであり，部門間のコ. ミュニケーションや情報共用のためのツールの. 重要，性が木 H 対的に高められていることであこのケイスでは，. EUC. る．. スタッフは，部門間の. アブリケーションの開発に取り組まねばならない. ・. さらに加えて. ，. EUC. の革新的な. アブリ. ②代替製 " . サービスからの圧力．③買い手の交渉力，④供給業者. (売り手 ). の交渉力，そし. て ⑤既存競争業者との間の敵対関係の強さ，. と. いったものである．これら五つの競争要因に村処する場合。他社に折ち勝つための基本戦略と Ⅰ. ケーションが発展していき，次のウェーブが企. しては，コストのリーダー -ンップ，差別化。お. 業全体へのアブリケーションとして広がってい. よび集中の二つの基本戦略がある，そして，企. く・. やがては。ユーザ一人一人が情報技術を・. $ぱ. 業はこれらの利害関係者との. 対応能力を増大さ. 便してイノベーションを引き起こすような企業，. せることによって，競争優伎を達成できる．こ. すなわち「インテリジェント・カンバニー」へ. の能力に関連した競争戦略は。次ぎの 4 つであ. と発展の道を進むことになる．. る，，. この EUC. が展. 開されている企業職能およびその下位職能を記せば次ぎのとおりであ. り，これが戦略的，情報シ. ステムの体系を形成しているⅢ．販売 ( 商，メリットの説明，顧客への速やか. ①製品差別化．競争者のそれと容易に区別できるユニークな製品・サービスを創造し. ブラ. ンド・ロイヤリティを展開する． ②焦点化ぶi ぉ lK化．新しい市場ニソチを創造す. な対応。販売のためのコミュニケーショ. るために，製，・サービスについて特定の標的. ン，営業部U の申 Ⅱ能力向上．).. を設定する．. この標的は優越した万法で製 H, ..

(10) 26 (136). 横浜経営研究. 第 2 号Ⅱ 995). 第 Ⅷ巻. サービスに役立つ．このことで企業は，現存の. 活動に対して，. 競争相手よりもより良くこの狭い目標市場に役. 響を持ちそうな特定の事業活動に対して，ハイ. 立つ特定化された製品・サービスを提供でき，. ライトを当てる．企業が競争優位を持つときは，. 潜在的な新しい競争相手を妨げるのである．注焦点化差別化とは，新しい市場ニッチを開発する競争戦略であり，これによっ. 顧客に一層多くの価値を提供するときであ ), 。あるいは同じ価値のものを一層低い値段で顧客. そして，情報システムが鞍山を的影. に提供するときであ. る・. この二つのケイスに，. て企業は競争者よりもより良く標的区域で. 情報 -ンステムが会社の手助けになるのであ. れば，. 競争できる・. 戦略的なインパクトをもつことになろう. した. このように焦点を絞る戦略を，. ニッチ戦略ともい. う. ，. ニッチ市場では，. 高. ，. がって，このモデルは，情報、ンステムが競争優. 行力価値の製品やサービスが提供される．. 位達成のために提供する最善の方法を明らかに. 新製 R" の開発と既存の全裂ポ。の絶えざる改. する．. ロ. 善を通じて，新しいニソチ市場を継続的に. 作り出すのである，6), ③顧客・供給業者との緊密な連携の展開，企業は，会社の製品で顧客を虜にしまた供給業者を納入期間・価格構造で結合させ，顧客・供給業者との緊密な繋がりをもっ・. このことは，. 顧客が競争者の製品・サービスに乗り換えるコストである転換コストを引上げ，顧客と競争者の交渉能力を減じさせる．. 価値連鎖モデルは，企業を「製品・サービスに価値マージンを付加する基本的活動のと観る・. これらの活動は，主要活動. サービスの生産・販売に直接関係する. 支援活動. (主要活動の引き. 連鎖」 ( 製品・. ). および. 渡しを可能にする. ). のいずれかに分類される．情報に関係づけてこの価値連鎖について言及すると，情報とくに情. 戦技術が，この価値連鎖のすみずみに浸透し. Tlm値活動のやり方や価値活動相互間の連結の性. ④コストの低い生産者となる．新しい競争者を市場に参入しないようにするためには，企業. 格を変えつつあるという現 ;吠がある．それでは，. はサービスの質と水準を犠牲にすることなく. それぞれの価値連鎖内に浸透する情報技術とは，. 競争者よりも低い価格で財貨・サービスをすることが必要となる．. ，. 生産. 主力活動と支援活動を含む価値活動について，. 具体的にどのようなものであ. ろうか．前記ポー. ターおよびミラーは，価値活動に関連する情報. これら 4 つの競争戦略に対しては，戦略的情報システムが大いに役立っ．その内容は，次節. 技術を次頁の表の「左欄と中棚」のように記している，81.. 「経営戦略情報システムの内容と事例」で展開. これに加えて，主要活動ないし支援活動のい. する通りである，これら 4 つの競争戦略は，戦. ずれかについて，積極的に戦略的情報システム. 略的情報システムの体系を形成するものであ. を適用すべきであるという考え方がある． K.C.. り. このょうに競争戦略の体系が戦略的情報システ. 注目すべきである. ロウドンおよび J.P. ロウドンは，企業は，. 最. 価値連鎖モデルは，既述したように M.E.. 大きな価値を付加する価値活動について戦略的な，情報、ンステムを展開すべきであるとし上記の主力活動と支援活動についてコスト効果をもたらすために，戦略自ザ情報システムを次頁の. ポーター著『競争優位の戦略一いかに商業績を. 表に見られるごとく展開している．それぞれの. ムの体系を形成することは. 5. 価値連鎖モデル. 持続させるか一デルとしている・. 』. 0原著書，. 1985)". を. 基本モ. このモデルは，企業の製品・. サービスに価値マージンを. 付加する活動に焦点. を当て，競争戦略が良く適応される特定の事業. も. 価値活動に対応する戦略情報システムの例は，それぞれくノ内に示すとおりである．このシス. テムによって，価値活動のやり方や価値活動相互間の連結の性格が変化するであろう．例えば，.

(11) l行報と. 表. 購買物流. ・典士十. (137)@ 27. 曲. 各種の価値活動と戦略情報システム. 価値活動一主力活動. ①. コミュニケーション. (材料受納・貯蔵. ). 価値連鎖内に浸透する情報技術自動化倉庫. く戦略情報、ンステムノく自動倉庫システムノ. @ 部向けロ -ジスティクス. ②. 転換. 融通のきく製造工程. (製造 ). く. ③. 出，荷物流 (製品貯蔵・配給タト部. ④. 同け仁ユ. ). 電子計算機コントロール. く自動出荷スケジューリンバ・システム. (維持、修理、技術者訓練な. 電子計算機中主文システム. 円. コ. く設備維持、ンステムノ. 価値連鎖内に浸透する情報技術. 価値活動一支援活動 (組糸哉インフラⅠ. く戦略，情報、ンステムノ. 計画作成モデル. コる. く電子スケジューリンバ・. 人的資源管理 (採用，. 雇用，訓練Ⅰ. ン。ヒ. 技術開発 (製品・生産過程の改善 ) ⑨ 調達活動 (購入投入Ⅰ -@Ⅰ. タ. 表の中のく. K.C.. ノ. 設計，市場調査のコンビュータく. 電子計算機助力デザイン・く. イヒ. 、ンステムノ. 電子計算機化発注システム. ノ. ロゥドンおよび J. P. ロウドンの所。ぬ. ノ内のシステムはく戦出各，哺幸はシステムノに相当する，. バ一. ス・アイアン，ワークス社，オデシス・造船所，る．. よ. ジング・、ンステム. る・. 電子計算機助力デザイン・システムはグループ・ミシェラン. １. --.. く労働力百十両システムノ. 製品" のオンライン用明辛. この表はポーターおよひミラ一の所説とを結合したものであ. Yモ 2. メッセ. 人事管理の指導化. ⑧. Ⅴ. ノ. コンピュータによる修理サービス車の日程および巡回経路づ { ')@. ⑦. Ⅰ @m. 電話による機器のアフターサービス. サービス. 令月支管理-. ノ. 電話によるマーケティンバ、セールスマンのための遠隔師未一. く. ⑥. ノ. 受ャ主処理の自動化. ジスティクス. 販売・マーケティンバ. ⑤. 機械システム. S.A. 士で用いられていネ. このデザイン・システムは，技術活動を支. 援し企業がコストを削減し. 報技術が戦略的意義を持っていることを意味する．ポーターおよびミラ一によると，Ⅱ青幸臣才女 7桁は，. 3 通りのやり方で競争のルールを変えつつ. あることが分かった， ①情報技術の進歩が「業. さらに競争相手. 界構造を変化」させつつある・②情報技術は. よりも高い品質の製品をデザインするのを助け. 「競争優位性を創造」するための挺子として役. ているのである，9.. 割を高めつつある．そして③情報革新はまった. ところで情報技術は，競争の範囲に影響を与. く. 「新しい事裳を創出」している. ，u. このよ. え，製品が買い手のニーズを満たす方法を変え. うな競争のルールを変えつっある情報技術の機. つつある．ここで，競争の節目とは，セグメン. 能はついての調査を兄ると，戦略的情報システ. トの幅，垂直統合の範囲，地理的範囲，そして競合する関連業界の範囲をいう．情報技術が競争の範囲に影響を与え，製品が買い手のニーズを満たす方法を. 変えっっあるということは，情. ムの価値ど存在理由が理解できる.

(12) 28 (138.). 横浜経営研究. 第 Ⅷ巻. 第 2 号 (1995). Ⅳ. ができるようになり. 戦略的，情報システムの内容と事例. ，. またカスタム lC チップ. に装着する部品をいろいろな. 戦略的情報システムの内容と事例．前節の. 形で組み合わせる. は， 5 つの戦略的，情報システムの基礎的論理を. ことが可能となった・彼は，高性能製品ばか @9 でなく，廉価版の製品に使用できるチップも設計し市場が低迷したときにこの低価格製品を. 掲げ，それぞれこれに応じる. 市場に出すことができた. 「戦略的，情報システムの基礎的論理と体系」で 5. つあるいはそれ. (2) 現金管理勘定による銀行業への参入. 以上のシステムの体系があることを明示した．本節では，. 「. 4. 競争 -カモデル」の論理と体系. に従い，次の 4 つの戦略的情報システムのと事例を掲げ，. 内容. これらを説明することにしたい. これらの内容と事例は，「 5. 価値連鎖モデル」. の主張と矛盾するものではなく. ，. これらは，情. 3 Ⅱ．. 金融機関でも，情報システムの利用によって，新製品やサービス創造のための道を切り開くことができる．例えば。大手証券売買会社のメリル・リンチ社では， 1978 年「現金管理勘定」と. いう金融新商品を. 開発した・. この勘定は，顧客. 報、ンステムが競争優位を提供できる箇所を明確. が，貨幣を株式・社債から金融市場資金へ. に指摘し戦略的情報が企業競争に打ち勝った. た振り替えることができるものであ. めの助けとなることを示している．. なしで，この金融市場資金に小切手を苦くこと. 自由. り，コスト. にした．この金融製品の弾力性に. ① 製お口，サービス開発の助けとなる．. ができるよう. ②市場ニソチヘ焦点を当てる．. よって，メリル・リンチ社は銀行業に参入し. ③顧客・供給業者との緊密な連携を行う. その売買市場の魅力を拡大した．当然の帰結で. ④コスト低減の援助をする．. あるが，他の大手の証券売買会社も類似のサー. ビスを提供し他方シティバンクのような大手 1. 製品・サービス開発の助けとなる情報システム. 銀行も自己の弾力的な現金管理システムをして反撃した甜．. 設定. ，情報、ンステムは，企業が新製品・サービスを. (3) レ、ジ情報や POS による商品群の設計. 開発する助けとなり，あるいは創造的思考のツールとなる．スプレッドシートが作り出す情. レジ情報が，世界市場の状況を打ち出し続けているといわれている．. レジスターが打ち出す. 戦やレジスターが打ち出す情報が，製品，サービス，さらには事業を開発する支援となるので. ，情報は，世界市場における競争価格を，すなわ. ある．事例を示せば次の通りである．. オープン価格を発信することができる. (. 1 ) スプレッドシー. ト. による構内通信網製. 品の設計・開発. って，. 社のあるエン. 光ファイバーケーブルを. 使用した最. したが. 流通産業における企業人は， PuS. (PointofSale,,. アーテル・コミュニケーション、ジニアは，. ち消費者・生活者のプラスにつながる自由な. 販売時点情報管理. ). を駆使す. ることによって，消費者・生活者に受け入れ. ろ. れる商品群を，価格等の関係で絶えず設計する. 先端の構内通信網製品を設計・開発している．. ことができるようになった．. 彼は，カスタム lC チップに装着する電子部品. 主導のコスト管理- を具体化した例であるといえよう甜．. の数を予測するために，. スブレッド、ン一ト. (簡. このことは，価格. 易言語，表計算の紙またはソフトウェアをいという，情報技術を使用した．チップに入らない部品は，割高な個別部品の形でボードに装う. ). 2. 市場ニッチヘ焦点を当てる情報システム次に，情報システムは，特定の市場ニソチを標. 備せざるをえなかった．スプレッドシートのお. 的にする手助けとなる，それというのも，. かげで，今までの回路に代わる広範な回路設計. 、ンステムは，現存情報を市場浸透を増太させる. l% 幸反.

(13) l行. 資源として扱い，. 報とコミュニケーション. また販売・マーケティンバ技. 奥村. 。. 心. ;139). 29. ァズ社から洗濯機の乾燥機を購入すると，会た1:. 法を改拷する資料を新たに作成できるのである. は，広告を郵送して乾燥機の年間維持契約を迫. その事例として，次を掲げることができる．. った．そして。たとえこの年間維持契約が整な. (. 1 ) 外き@¥の，情報検索サービスによる市場機. 会の発見. わない時でも・. 菩. カーディオペット社は，ペット病院を相手に，電話による動物心電図の. 分析サービスを行い，. (情報 ). っておく・. シァズ社は，顧客が苦いた保証. を使って，乾燥機購入者の記録を取この記録によって．シアズ仕は，な. おも毎年年次維持契約の. 更新苦類を送り続け，. 多くの顧客を獲得できた・その班目としては，動物心電図の分析サービスをおこなうという着. あるいは積極的に顧客に電話する．同時にシア. 想がよかったからでなく。獣医市場という市場. る特別販売製品. そのものが膨大であるからと判断したためであ. を. ョ. ズ社は。日常業務としてこの乾燥機に関係のあ. を提供すれば，大きな利益が見込めるのであろ. (3 ). レジスターが打ち出す情報による商，. 提案のアクジョンレ、ジ情報は，. つ " ；". 同社は，事業を始めたばかりなので，市場の. 部Ⅱ ) のチラ、ン. 入れるのであるお・．. それでは今後，どのような製品やサービス. る・. (石鹸や取換え. 旧制度を創造的に破壊する．レ. -ジスターが打ち. 出す情報は，. 単なる営業収人の. 中門，情報を手に入れるだけの余裕はなかった．. 記録ではない．. オンラインの情報検索サービスの伝吉. い ) 情報からは，何を棚から下ろすかを具体的. この外部のデータサービスから. ，. を. 見つけ，. 各種の情報が. 死に筋. に知ることができ，. (客に受け入れられな. それによって棚の品を入れ. 手にはいった・それは，獣医療産業の規模ど支. 替え，次の提案を千 J:ラアクションに結びつける. 出の内訳，大手企業によるぺット. ことができる．これは，克れるものを「補給し. 用薬，，市場の. 独占状態，市場の動物種類別ネ m 分化状態， 80 一. てほしい」「つくってほしい」. 90 の零細企業による診断検査サービスの提供な. カ一に対する注文とも読み取ることができる．. どの情報である．. さらに、 Ⅸ )S を駆使することによって，. この外部の情報検索サービスは. ，. この会社の. 競争相手，ターゲットとなる市場の規模，進路となる製，ラインなどを決定する」二で役立った. という卸やメー生活. 者に，受けソ、れられる商 Ⅲ群を絶えず設計することができるようになった．これは価格主．導のコスト管理である " .. そして，症状診断サービス，治療法の助苗，治療目的のサービスと装置。そして獣医院の管理，. 3. 全般という 4 種類のサービスを捉供するまでに成長した．これは，外部の情報検索サービスが市場機会の発見を可能にした例である 341. Ⅰ ) 顧客の保証苦情報による乾燥機の維持契約、ンアズ. 顧客・供給業者との緊密な連携を行う情報システム. 情報、ンステムは。顧客・供給莱者との緊密な連免を行ヰ. う. ．つまり，観客や供給業者が白社の. 競争相手に乗り換えないようにするための. 支援. をするのである．これに関する申柳をポせば，，ローバック社では。計算機に入れら. れた 400 万人の顧客のデータを，. グルーブ分け. して，市場の標的を定めた．この顧客のバループ分けというのは，家庭用品購入者，道具購入. 次の通りである． @ 1 ) 電子メールによる顧客ブロポーザルへ. の迅速で的確な対応デージタル・. ィ. クイップパント. 甲Ⅱ. (DEC). は，. 者，造園フアン，および母親になるひとのバ. 営業部門で電子. ループであ. 例である．セールスマンは，顧客からプロボー. る・. これらグループに標的を定め，. 顧客を採掘したのである，たとえば，顧客がシ. ザルをだすよ. う. メ. 一. ルを幅広く採用している好. 求められた時，電子メールのお.

(14) 30 (140). 第Ⅷ巻. 横浜経営研究. 第 2 号 (1995). このように，情報とコミュニケーションの質が. 単産業で用いられているジャスト・イン・タイムの配送システムに似ている． GM やクライ. 高まると，販売活動の質が向上し売り上げの. スラーは，ノ、要とする自動車部品口の数量と配達. ，．増加がもたらされる 37l. スケジュールを自己の情報システムに書き込む. (2) 顧客へのコンピュータ端末の設置と製品の注文，配達，ゼロ在庫. この要請は，供給業者の注文記帳情報、ンステム. かげで迅速で的確な対応ができるようになった. バクスター・ヘルスケア・インターナショナ. に自動的に入るのであり，供給業者は，一定時. 点までに材料を配送する協約に従ってこれに対. ル社は，アメリカ合衆国の病院で使う製品のほ. 応しなければならない．このようにして，. ぼ. 車会社は，在庫費用，部品・原材料貯蔵のためにノ、要なスペイス，および組み立て時間を削 @%. 3. 分の. 2. を供給している．バクスタ一社が用. いている情報システムは，すべての病院のニーズに応えうるように，病院用全製品の供給者になることを自由りとしている・. できるのであ. 自動. 19,. る・. そのためには，ぱ. 万項目以上の製品の在庫をもたねばならなかっ. 4. た．こういう巨大な製品在庫を持つことは，非. 情報 -ンステムは，製品・サービスを競争相手. コスト低減の援助をする情報システム. 常にコストのかかることである．他方，これらの製品を在庫しない場合には，顧客の病院が薬. このシステムは，企業の市場・顧客・供給業者. 品会社の競争者に移動してしまうから，同様に. に対する戦略的関係を変化させるだけでなく，. コストがかかるといえよう. 内部業務，経営統制計画，人事などの促進を容易にすることができる．このことが，内部コス. ，. このような状況の下で，バクスタ一社は，コ. ょり砥ぃコストで提供するための助けとなる・. ンピュータに繋がれている端末を各病院に設置. トを相当程度低下させる助けとなるので，. した．病院が注文したいときには，セールスマンを呼ぶ必要はなく，購入注文書を送る必要もない．各病院は，バクスタ一社のコンピュータ. 、ンステムが戦略的であ. 端末を使用すれば，同社の供給品目カタロバか. この. るといいうる．その結果，. このシステムは，会社に利益をあげさせるのである. (1. ). 対話型 EUC. ツールによる意思決定の. ら注文できる，このシステムは，製品の積み出. 改善とコストの節約. し勘定請求，送り状作成，在庫情報の伝達を行い，さらに顧客に対し配達日の予定を知らせる．同社は，アメリヵ合衆国の 80 以上の配給センターから，毎日製品の配達を行い，しかも注. 消費財の大手メーカー P 社は，工場から配送センターまでの運送費管理に情報システムを. 文を受けてから短時間内に配達できるのであバクスタ一社は，. る. さらに一歩を進めており，. 薬品の配達人は，受注薬品を病院の貯蔵庫におかなりで，直接病院の回廊に配達する・すなわち，看護婦室，手術室，および回廊貯蔵庫に薬品口を入れる．その効果として，病院ではストックなしの在庫となり，バクスタ一社が病院の倉庫の役割を担っている．病院の貯蔵スペイスや人員の必要性を、減じ，保有・処理のコストを削減するのである 38). この情報システムは，. 日本やアメリカの自動. 役立て，成功を収めている，マーケティンバ部は，タイミングの良い商談締結のために，航空便による出荷を求めるのであるが，他方配送部はこのコストの割増し分を払うのを拒否する (責任感の欠如. ). また，ある部門の重量貨物の. 出荷のさいには，. スペースが余ったままトラッ. クが走り，また部門の軽量貨物の出荷のさいに. は，重量が余ったまま運送が行われていた (部門間協調意識の欠如 ). この点から見ると，意思決定者は部内の予算しか念頭になく，会社全体をを考慮する視野が欠けている・その後，配送部では，出荷のコストを追跡・分析するデータベースを実用化しこれに加え.

(15) l市幸ぽと. て各地の倉庫管理者に対話型 EUC えた．管理者たちは，. コミュニケーション. ツールを与. V. このシステムを利用する. ことによって。自分の業績をチェックできるよ. 1.14U 3. ( 典士す. 情報、ンステム. と. Ⅰ. コミュニケーション. ，情報システムとコミュニケーション．われわ. 決定の改善にあり，意思決定レベルが向上した. くに競争戦略の. 結果，決定によって発生- したコストはそれぞれ. て論じてきた．ここで前提となっていることは. 適切な部署に割り振られ，大幅な輸送コストの節約となった 401. (2 ) 戦略的内部 MlS の開発によるコスト. 情幸ほのスムースなコミュニケーション. が，情報の発信場所からⅢ吉報の受信場所に対し. の最小化とレンタル車両の最適配分. ニケイト. うになった．この際のシステムの狙いは，意思、. 次の，情報システムの例は，これが単なる経営. れは．前節において，情報システムが経営戦略と支援になる. を，事例を挙げ. と. ，. Ⅱム達 ). て兄られるということである，情報は，コミュ (伝達 ). されなければならないのであ. り，このことが条件となっている．. ここで，コ. 支援用具というよりも，一層ダイナミックで幅. ミュニケーションとは。人，. 広い用具の，性格を示している．すなわち，. そして組織の間における，情報あるいは意味の移. 自動. 車レンタル会社のエイビス社は，ウィザード・. 管. 、ンステムという戦略的内部 MlS. 関係者は影響を及ぼし. このシステムは，. を開発した．. 合材全体の生産，性を改善する. (交換 ). グルーブ，部門，. ど理解の過程をいい，. これまで，. これにより，. また影響を受ける．. コミュニケーションについては. ，. ためのものであり，車の走行と位置の追跡，そ. さまざまな領域でさまざまな形で取り上げられ. のコスト，さらには同社レンタル全車両の業績. てきた．. を記録し保有する．. ュニケーションは，経笘者が各経営管理職能を. 同社は，これら，の記録の保. 有によって，ハーッ社，. ナショナル社，. その他. 「. 経 " 管理の立場」から兄れば。コミ. 遂行するための手段. (媒質 ). にほかならない．. のレンタル会社と有効に競争するこ・とができた. すなわち，成功裏に計画設定するためには， #," 毛. つまり，これらの情報によって，. 常石は，. レンタル車が. ビジョンについてのコミュニケーショ. 要請されている場所に自動車を用意し，しかも. ンを組織の他の部分に右 "効に機能させねばなら. コストを最小にすることによって. ない．また，成功裏に組織編成するためには。. ，. 自動車レン. タル車両の配分を最適にすることができたので. 経常者は。組織内部の同僚間・階居間・部Ⅱ間. ある 4l1.. に，. ( 3 ) 小売業の情報価値の高揚による事業コ. コミュニケーションの自由な流れを促進し. なければならない．そして，成功裏に指揮するためには。経営名は，従業iU に紬織目標に関す. ストの最 /J、化小売業に関しては，. 「陳列棚は，固定的コス. るコミュニケーションを行い，. 従業貝が経 "" ポ". トである．したがって，一定期間における一定. リーダーシッブに委ねるよう鼓舞しなければな. の陳列棚からの収益を最大にすることが，. らない．さらに，成功裏に指揮するためには，. ジパントの主たる仕事であ. る」. という陳述は，その通りであ. る・. (. マネ. ドラッカ㍉. 経営者は。従業貝とのコミュニケーションを有. 小売業は今後，. 効に行い。業務の進捗度を監視し組織目標を. ，情報の価値を高めることによって，棚自体は同. 再ち窩吉 ?、しそして現行の業務のプロセスを T@%jE. 定的コストでも，その上で展開される事業コス. しなければならない卸．. トを最小にすることによって，村会的存在意義を実証せねばならない．. それだからこそ常に t山. 昇市場を意識して，価格王導のコスト管理を買いてきたのであ. る 4,,.. なお・. このコミュニケーションのタイブとし. ては，非言語コミュニケーションニケーション. @. ここでわれわれは， -ンコ. と片語コミュ. 頭，筆記，電子 ) がある 4t3.. ン論を取り上げ，. いくつかのコミュニケーこれを検討することにし.

(16) 32 (142). 横浜経営研究. 第 2 号Ⅱ 995). 第 Ⅷ巻. たい・コミュニケーション論は，経営学の理論. ステムの，性格を. のいかんによって，異なる内容として提示され. る 441.. われわれは，これらの異なる内容のコミュ. る・. 有効に維持するとき，. バーナードにおいては. ，. であ. このように権限がコ. ニケーション論をどのように理解し. どのよう. ミュニケーションによって規定され，しかもそ. に全体像に纏めることができるのであ. ろうか. のコミュニケーションが，受容者に理解され，. 1. 組織目的と矛盾せず，個人の利益と両立しそして受容者能力により受容されること・また。. 権限受容とコミュニケーシヨン. まず，バーナードの権限受容説は，. コミュニ. ケーションとの関連で展開されている．権限は部下によって受容されなければ無意味になるとして，権限を受容する側に注目して権限を体系化している，この説によると，権限は，公式組織におけるコミュニケーション. (伝達 ) である. コミュニケーションが，職位にふさわしい人から発せられ，. リーダー、ンノブの技術的側面の高. い人から発せられ，. リーダーシップの道徳的側. 面のすぐれている人から発せられ，そしてコミュニケーション・システムの，性格を有効に維持すること，と理解されている，. これを見ると，. と規定され，このコミュニケーションは，組み哉の貢献者 (構成員 ) によって自己の行為を支配. コミュニケーシ " ンが組織，受容者，職位，. するものとして受容される・そして，. れていることを知る・. コミュニ. ケーションが権限あるものとして受容されるのは，次のようなときである．権限には (1) 主観的側面と (2 Ⅰ客観り側由. 面があり，このうち (1) 主観的側面. ナードにおいては，. それというのも，. バー. 「コミュニケーション」が. 組織成立要素および経営管理機能の一つとして重要視されているためであ. ，. それは，①コミュニケーションが受容者に理解されるとき，②コミュニケーションが組織目的と矛盾しないとき，③コミュニケーションが個，そして④受容者が， L 、. 身ともにコミュニケーションに. ，プ，システムの諸側面から観察さ. る. (心理的. 側面 ) から見てみよう・バーナードによると. 人の利益と両立するとき. リー一ダ一一シ. 従う能力がある. とき，である．他方，権限の (2) 客観的側面 ( コミュニケーションそのものの，性格) の面に目を向けて. 2. 組織の行動科学とコミュニケーシヨン. 組織の行動科学においてもコ. ，. コミュニケー、ン. ンが重要視されている・たとえば. ，. リッカ一. トの連結ピンⅢ nking pins) では，ある部門. マネジャーは，下へ向かっては上役の目標，政策，変化のコユニケーターとして，. また上へ向. かっては部下の欲求，目的，感情を伝えるチャンネルとして機能する・ ① 、ンステム 1. また，リッカートは，. (独善的専制型. 見ると，バーナードは，次の場合にコミュニケーションが権威あるものとして受容されると. よび④ -ンステム 4. 述べている・すなわち，. マネージメント型を概念化している．これらの型. それは，①コミュニ. (温情的専制型 ),. ), ②システム 2. ③システム 3. (相談型 ), お. (集団参加型 ) という 4 つの. ケーションが，職位にふさわしい人から発せら. は，. れるとき，②コミュニケーションがリーダー、ン. の組織変数の相違に基づいている 451.. コミュニケーション過程の特性を含む 7. つ. ップの技術的側面 (体力，技能，知覚，知識，このコミュニケーション過程の特性について想像力 ) の高い人から発せられたとき，③コミは，リッカート夫妻が著書『コンフリクト管理ュニケーションがリーダー、ン. ，プの道徳的側面. (決断力，不屈の精神力，耐久力，勇気 ) のす. ぐれている人から発せられたとき，そして④コミュニケーションが，. コミュニケーション・. シ. の新しい方法』で，. この 4 つのマネジメント型. との関連で，次のように展開しているので深し、46). 興味.