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親子日本語教室の実践 : -活動を通した学び-

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Academic year: 2021

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要 旨  本稿では外国人散在地域で筆者が活動を行っている親子日本語教室の実践を報告する。 教科書による学びではなく、外国人親子が活動を通じ、日本語を習得していくことを目指 した実践を試みた。その結果、活動型の学びでは参加者の日本語能力に差があってもとも に十全的に参加でき、親子で同じ体験をする良さが観察された。  さらにこの親子日本語教室の実践から、日本語教室に求められている役割についても考 察した。その結果、社団法人日本語教育学会(2008)が、「地域日本語教室に期待される機能」 として挙げている5つの場としての機能のほかに「親子の絆を深める役割」や「日本人と外 国人をつなげる役割」の必要性が示された。地域日本語教室において、日本語を「教える・ 教えられる」関係性から脱却し、対等な人間関係が構築される機会が求められていると考 える。  【キーワード】 地域日本語教育、親子、十全的参加、協働、教室の役割 1.はじめに  法務省によると2013年末現在、日本に滞在する在留外国人数は206万6445人である。 2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災の影響で在留外国人数が減少するこ とがあったが、長期的に見ると在留外国人数は増加し、定住化が進んでいると言える。そ れにともない、在留外国人に対する日本語教育が必要になってきているが、それらは主に ボランティアによって担われていると言っていいだろう。生活者としての外国人のための 日本語教育について、国(文化庁)は大きな指針を打ち出してはいるが、各自治体や地域の 日本語教室が試行錯誤を重ね教室を運営していくことが求められている。外国人集住地域 と外国人散在地域(以下、散在地域)との間に行政による外国人施策や対応に差が見られ ることがあるが、そこに暮らす外国人住民のニーズにあった教室を開いていかなくてはな らない。  また昨今の傾向としては、外国人住民が子どもを連れて来日する場合や、日本で子ども が誕生する場合も少なくない。平成24年度の文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の 受入れ状況等に関する調査」によると、日本語指導が必要な外国人児童生徒数はやや減少 傾向にあるが、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数は右肩上がりで増えている。日 本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数には、帰国児童生徒のほか、本人が重国籍又は保 護者の一人が外国籍である等の理由から、日本語以外の言語を家庭内言語として使用して ―実践報告―

親子日本語教室の実践

―活動を通じた学び―

髙栁 なな枝

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おり、日本語の能力が十分でない児童生徒が含まれる。外国籍だから日本語指導が必要で、 日本国籍であるから日本語指導が必要ではないと言い切れない現状があり、国籍を問わず 日本語指導が必要な児童生徒が存在していることがわかる。  このようなことからも、地域日本語教室を必要としているのは大人だけでなく、子ども も同様だと言える。しかし地域の日本語教室は大人対象の日本語教室が主流であり、子ど もの学ぶ場は増えてはきているものの、数が限られているのも現状である。 2.先行研究概観  社団法人日本語教育学会(2008)は平成19年度文化庁日本語教育研究委嘱を受け、地域 日本語教育開発プロジェクト、生活実態調査プロジェクト、日本語ボランティア養成・研 修プロジェクト、日本語教育教材開発プロジェクトの4つのプロジェクトを行い、成果を 報告している。地域日本語教育開発プロジェクトでは地域日本語教育の目標や期待されて いる機能、そしてコーディネーターの必要性が述べられている。また佐々木(2010)は、地 域日本語教室の多様性・複雑性をふまえながら、新たに就労者向け実践モデル「就労者向 け言語行動目標リスト」と、年少者向け実践モデル「年少者向けボランティア養成実践モ デル」を開発した。そのほかにも、西口(2006)、西口(2008)に見られるような「教室その ものを新たな日本語コミュニティ」とするものや、野山(2008)、野山(2013)のように地 域日本語教育の誕生から展開までを日本語教育政策として捉えたもの、富谷(2010)のよ うにニューカマーの社会参加や言語保障という観点から述べたもの、内海・横沢(2008)、 米勢(2006)の地域日本語教室の現状から今後の方向性を示唆する研究など、地域日本語 教育に関する研究は多くされている。  しかし、散在地域における日本語教室の研究は数が限られている。その中で足立・松岡 (2005)は、散在地域における支援者の役割として、「後ろ盾になるということ」、「感覚や体 験を共有するということ」、「抱え込まないということ」を挙げ、地域力を活用し、他機関と 連携をはかる重要性についても述べている。また内海(2009)は散在地域である山形県の 事例を、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター編(2008)は、秋田県能代市の「の しろ日本語教室」やその他の散在地域における日本語教室の例を挙げている。  親子の日本語教室に関する先行研究には、横山・佐々木(2001)があるが、学習支援につ なげるための「親子」であり、「親子が同じことを学ぶ必要があると、思っているわけでは ない」(p.7)というところで筆者とは考えを異にする。また乳幼児と共に学ぶ地域日本語教 室については、藤田(2003)や、福村(2010)、茂木・石原(2008)などに報告されている。  地域日本語教育という大きなテーマについては多くの研究が行われているが、親子参加 型の日本語教室や散在地域における研究の蓄積は乏しい。それぞれの地域にあった、また は教室に来ている各参加者にあった教室活動が考えられるべきであり、各教室に参加して いる外国人の声、ニーズを生かした実践・研究の積み重ねが必要であることがわかる。

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3.目的  「日本語教室に子どもが来るとどうしたらいいかわからない」「子どもが3人も来ると大 変だ」という日本語教室関係者の声を聞いたことがある。大人と違い子どもは教科書によ る日本語学習の集中力が続かない場合がある。また自分の意思で来日したわけではなく、 すぐに勉強しようという心の準備ができていない子どもも少なくない。これまでの筆者の 経験から、子どもたちの学びにおいて、教科書だけを使用し切り取られた場面で言葉を学 ぶよりも、活動型の学びのほうが効果的であると漠然と感じていた。では、来日間もない 子ども・大人でも興味を持つことができ、意味のあるやりとりが行える活動とはどのよう なものであろうか。  そこで本稿では、来日間もない子どもも大人も飽きずに楽しく参加できる日本語による 活動を実践・省察し、活動を通じた学びについて考察することを目的とする。さらに親子 の日本語教室の実践から、地域の日本語教室が今後どのような役割を担っていくべきか再 考したい。  なお、本稿では「生活者としての外国人」、「定住外国人」、「外国人住民」など、日本人と 外国人との二項対立を顕在化させるような表現を使用することがあるが、区別することが 目的ではなく、便宜上、このような表現を使用することを断っておく。 4.調査方法  調査方法として参与観察を行った。箕浦(1999:38)の言うところの「完全な参与者」と して筆者は参与観察を行うが、フィールドノーツに記録することによって、できるだけ フィールドを相対化・客観化し、解釈・省察を行うことを目指した。フィールドノーツの内 容は、箕浦(1999)にならい、その日の活動全体の「観察記録」と、活動を省察した際の「解 釈・省察」とにわけて記入した。協力者の表記に関しては実名を出さず、アルファベットと 数字で表記する。保護者は、〔国籍〕〔性別〕〔番号〕で表し、子どもは〔国籍〕〔番号〕-〔年齢〕 (2012年当時)、女の子を「ちゃん」、男の子を「くん」で〔性別〕を表すこととする。親子は 同じ〔番号〕で表示する。なお、国際結婚で誕生した子どもの〔国籍〕は両親の国籍を表す こととし、アルファベット2文字で表示する。  また2012年10月から2013年4月にかけて、地域日本語教室に参加している保護者へ半 構造化インタビューを行った。インタビューした内容は宇佐美(2011)の「基本的な文字 化の原則(BTSJ)」を参考に文字化した。そのデータも補完的に使用することとする。 5.実践概要 5.1 実践のフィールド  筆者が所属しているボランティア団体「地球っ子クラブ2000」(以下、地球っ子)は親子 参加型の日本語教室であり、さいたま市で活動を行っている。2014年12月1日現在、さい たま市の外国人住民数は1万8249人で、総人口126万1098人に対する割合は1.45%である (さいたま市調べ)。2014年4月現在、外国人集住都市会議に参加している都市では、外国

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人住民の割合が3~ 5%を占める都市が大半である。外国人集住都市会議会員都市と比べ れば、さいたま市の外国人住民の割合は1.45%と低く、散在地域であると言える。散在地 域であり、かつ割合も少ないために外国人に関わる問題や課題は集住地域ほど目立たない であろうが、1万8249人という人数はけっして無視できる数ではない。  また、さいたま市でも日本語指導が必要な児童生徒が増えてきている。さいたま市では 日本語指導が必要な児童生徒が公立小中学校に入学、または転入した際には、教育委員会 から各学校に日本語指導員を約1年間派遣する制度がある。しかし1年という期間は十分 だとは言えない。それは中島(2010:15)の「一般的に言って、現地語の日常会話の習得は非 常に速く、すぐに流暢にこなすようになるが、教科学習と関連した教室談話や読解力、抽 象的な語彙になると、第1言語がしっかりしている場合は5-7年、そうでない場合は10年か かる」ということからもわかる。このようなことから地域でも子どもたちを支えようとい うことになった。それが地球っ子の始まりである。  現在は第2・第4土曜日に、午前・午後2か所の公民館で活動を行っている。地球っ子では、 親子別々で勉強を行う「勉強の時間」と、参加者全員で一緒に行う「活動の時間」で構成さ れている。「活動の時間」では、料理や実験、ゲームなど体験を軸にした言葉の獲得・運用 を目指している。また、参加者の母語・母文化に触れることや参加者が社会参加できるよ うに橋渡しをすることも活動目的としている。  2013年5月現在、継続的に午前の教室に通ってきている親子は5家庭で、親の国籍はベ トナム、バングラデシュ、中国である。結婚形態はすべての家庭で同国人同士の結婚である。 午後の教室に参加している親子は4組で、親の国籍は中国と韓国である。このうち日本人 との国際結婚家庭は1組で、残りの3組は同国人同士の結婚である。保護者は参加せず子ど もだけが参加するということもたまにあるが、基本的には保護者と子どもが一緒に参加し ている。スタッフの国籍については日本人であるという条件はないが、現在は日本人スタッ フのみで、6-7名で構成されている。 5.2 参加者  本稿では2013年2月23日の午後の教室で行った「同じ?違う?」の実践を報告する。こ の日の参加者は全部で22人である。筆者を含めたスタッフ8人、他地域の日本語教室でボ ランティアをしている見学者3人、外国人参加者5家庭11人であった。外国人参加者の内 訳は以下、表1で示す通りである。 表1 外国人参加者内訳 人数:5家庭11人(大人7人、子ども4人) 参加開始時 外国人参加者 ・CF1さん ・CF2さん、C2-4ちゃん ・CF3さん、JC3-6くん ・KF1さん、K2-21さん、K1-9くん ・CM4さん、CF4さん、C4-3ちゃん 2007年 2007年12月 2012年11月 2013年2月(2回目) 2013年2月(初参加)

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 いつもは子どもと一緒に参加するCF1さんだが、この日は、子どもたちは不参加でCF1 さんのみの参加であった。またこの日がCM4さん、CF4さん、C4-3ちゃん一家の初参加 日であった。  日本語での会話にあまり支障がない保護者・子どもと、言いたいことが表現できない保 護者や子どもと半数ずつぐらいである。保護者よりも子どもたちのほうが早く日本語を覚 える傾向にあるが、日本生まれ・日本育ちという理由から、母語やルーツのある言葉が分 からない子どももいる。   5.3 活動の流れと観察記録  この日の活動には初参加の家族、来日間もない親子が参加することが事前にわかってい たので、基本的な言葉が習得できるよう、大蔵(1999)に掲載されている「おなじ・ちがう」 を参考にした「同じ?違う?」を行うことにした。活動の目標は、日本語で「同じ・違う」 が言えること、いくつ違いがあったか数えられること、日本語が十分でなくても日本語を 使った活動に参加できることとした。  活動内容は、2枚の紙に書かれている字や絵を見比べて、同じか違うか、違う場合はど こが違うのか表現するもので、以下の流れで行った。 (1)全体で「同じ?違う?」  2枚の紙を提示しながら「同じ?違う?」と全体にむけ質問した。 ①「ほ」と「ほ」 ②「ほ」と「は」 ③鼻の形が少し違う男の子の顔 ④日本語と中国語の「語」 ⑤韓国語と中国語の「ありがとう」 ⑥若干違いがあるふたつの絵       写真1 同じ?違う?  はじめは「同じ」「違う」という日本語の意味が分からない参加者でも、何度か「同じ」と「違 う」を繰り返していくうちに意味が理解できるようになり、大きな声で「同じ!」「違う!」 と日本語で言えるようになった。まだ文字を習っていない子どもや来日したばかりでひら がなが十分にわからない参加者も「同じ」「違う」が言うことができ、それに付随し「ほ」「は」 などの文字も覚えていくことができたようだ。ここでは「同じ」「違う」が言えればいいこ ととしたが、どこが違うか発表できる参加者には発言してもらった。その発言は、「こっち は『は』で、こっちは『ほ』です」というような内容であったが、教科書を用いて「これは○ ○です」という文型を学ぶよりも明らかに文脈に即した発話になっており、まだその文型

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がわからない参加者であっても意味が理解 できる機会となった。また、少ししか違いが ない絵を見比べる問題では「同じ!あれ、違 う違う!」など楽しそうに答えていた。日本 語でやり取りをしながら、参加者が一緒に驚 いたり笑ったりする経験は、その場の一体感 を生み、教室を居心地のいい空間へと変えた ように見受けられた。  またこの日は参加者が中国人、韓国人親 子だったので、中国語と韓国語で「ありがと う」と表記された2枚の紙を提示した。これは子どもたちに日本語だけでなく、母語やルー ツのある言語も大切にしてほしいという思いから行ったものである。JC3-6くんは2枚の 紙を見てひとつが母親の国の言葉だとわかると、母親であるCF3さんの方を見て「あれ、 何?」と聞いていた。    以前、インタビューをした際にCF3さんは以下のように述べていた。 CF3さん 日本語は彼にとって、日本語は母国語になりましたので、今でも日本語は 国語としてしっかりやって、もちろん学校で英語をやるころには英語も しっかりマスターしてほしいし、中国語は私自身もやったほうがいいな、 やらなければならないなと思いながら、今、決心がつけないということ〈笑 い〉。もし今ね、ちょろっとやって、またやらない、それはあまり効果ない と思って。やるには徹底的に計画たてて、目標とか、教科書とか、あれ思 うとね、すごくね、あの重い〈笑い〉。だからね、決心していない。本当に これやるかどうか。これだけの時間と労力と子どもの嫌いをかって、そこ までするかと〈笑い〉。  国際結婚であり、外国出身である保護者CF3さんは日本語が堪能であることから、自分 の言葉をどのように継承していくべきか悩んでいる様子がうかがえる。その当時、家で中 国語を使用することはなく、子どもであるJC3-6くんは中国語がわからなかった。  地球っ子に今まで参加していた子どもたちを見ると、散在地域であることも影響してか、 母語を使用する場面が家庭内に限定され、母語保持・伸張が難しいことが多い。日本語教 室内の活動で母語・母文化を散りばめるようにするだけでは母語が上手に話せるようには ならないが、母語に対する気持ちやアイデンティティ形成にいい影響を与えることが多い ように感じる。 (2)グループに分かれ「同じ?違う?」  次に、グループに分かれ活動を行った。グループ分けは、グループにスタッフが1人必ず 写真2 「同じ!」「違う!」

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入るようにした。また、参加者同士、交流が図れるように見学者、家族をばらばらに、1グ ループ4人から5人で構成するように分けた。  まずグループに1枚ずつ(A)の紙を配布し、 (B)の紙を1枚廊下に貼る。グループによ る間違い探しでは、2枚の紙を横に並べて間違いを探すのではなく、手元と廊下の離れた 場にある2枚の紙の間違いを探すゲームである。各グループ順番を決め、一人ずつ廊下に 貼ってある絵を見てきて間違いを探した。ゲームは計3回行った。1回目は3つ間違いがあ る絵(ピクニックの絵)、2回目は5つ間違いがある絵(目覚めの絵)、3回目は7つ間違い がある絵(入園式の絵)である。    (A)      (B) 図1 7つの間違い探し「入園式の絵」 出典:幼児の学習素材館  1回目のピクニックの絵では「3つ間違いがある」とはじめから伝えたが、2回目、3回目 はいくつ間違いがあるかは伝えずにスタートした。  K1-9くんはこの日、地球っ子に2回目の参加であった。 初回時は日本語が聞き取れているようには見えたが、緊張 していたのか口が重く、声は聞かれなかった。しかしこの 日は廊下の絵を見に行っているK1-9くんから日本語で「ど こかなー。」という発話が聞き取れた。日本語で考えている 様子で、グループに戻ってからも日本語でグループのメン バーに「ここ!」と指で指し示し積極的な参加が見られた。  初参加の親子も、日本語がまだ十分理解できない親子 も、生き生きとした表情で課題に向かっている様子が印象 的であった。1回目は間違いが3か所と少なく、どのグルー プも3か所見つけることができていたが、2回目と3回目は 各グループが見つけられた間違いの数は正解の数に及ばな かった。何か所間違いがあるかを伝えると、みな「えー! 写真3 絵を見に行く様子

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そんなに?」と驚き、「じゃあ、やっぱりこ こだ!」など、改めてやる気を奮い立たせ る様子が感じられた。  最後には答え合わせを行い、「こことこ こが違う」という指さしで終わらせないよ う、グループで「Aは~で、Bは~」と2枚 の絵の違いを言葉で確認していく作業を 行った。 6.考察 6.1 正統的周辺参加から十全的な参加へ  「同じ?違う?」という離れた場所にある2枚の絵の間違いを探すというタスクは、大人 よりも子どものほうが得意である。そして日本人が得意だということはなく、言語に関係 なく、外国人参加者でも十全的な参加ができるので非常に盛り上がった。日本語で表現す ることが難しくても、自分は「十全的な参加ができている」という意識は非常に重要で、そ のことが彼らに自信を与え「間違いを探す」「それを日本語で表現する」というタスクへの 取り組み方を変えていくように感じられた。レイブ&ウェンガー(1993)により提唱され た「正統的周辺参加(Legitimate Peripheral Participation)理論」のように、はじめは正 統的な周辺参加であっても十全的な役割を果たす過程で、日本人・外国人との実践共同体 における外国人参加者のアイデンティティが変化していく様子がこの実践でも垣間見られ た。 6.2 対等な関係性  この活動で日本人参加者が、離れた場所にある2枚の絵の違いを見つけるのは難しいの で「紙を持って行って見比べたい」と発言した。これに対し、同じグループのKF1さんが 笑いながら「持って行ってもわかんないよ」と発話した。日本人・外国人を問わず誰にとっ てもやや難しく、言葉による上下関係が生まれにくい活動だったことから対等な関係性が 構築できたことを示唆する会話であるように筆者には聞こえた。協働的な学びである「ピ ア・ラーニング」について論じた池田・舘岡(2007)は、「協働」を「対等」「対話」「創造」の 3つの主要概念に「プロセス」「互恵性」を加えた5つの概念から捉えることを主張している。 「協働するための前提条件として、参加者が互いの存在を尊重する必要がある」としており (p.5)、「教える」「教えられる」といった固定した関係性ではなく、教室内のメンバーが対 等であることがが、協働するための重要な要素であることがわかる。 6.3 活動を通じた学び  2枚の絵の間違いを探すものだったが、この活動の目的は「間違いを正しく見つける」こ とではなく、「ここが違うと思う」「ここは僕が見てくるから、○○さんはここを見てきて」 写真4 グループで相談

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など、協働することによる言葉のやりとりにあった。  ピアジェとヴィゴツキーの理論における認知発達の概念についてまとめた大澤(2009) によると、ピアジェは子どもの認知発達において、五感を最大限に活用した発達があって はじめて言葉を話せるようになり、具体的なものから抽象的な概念へ段階的に移行すると した。またヴィゴツキーは、子どもの学習や行動は社会的状況の中で行われ、その状況に おいてはしばしば子どもの行動を手助けしてくれる大人や年上の子どもが存在し、その人 たちとの対話によって認知が発達していくとした。このように考えると、活動を通じた言 葉の学びは五感を使い、具体的な状況・場面を設定することで認知と言語を結びつけた、 子どもの認知発達に合わせた方法であるということができるだろう。グループのメンバー が協働しタスクを行う上で、手助けしてくれる大人や年上の子ども、または年下の子ども の存在が大きく影響しており、社会的状況の中で学習が行われていることがわかる。そし てこれは子どもだけでなく大人である保護者にとっても、レイブ&ウェンガー(1993)の 文脈の重要性、状況的学習の中からの学びという点で有益であることが考察される。教科 書での学びと違い、学ぶ提出順序などにとらわれず、意味のある文脈で目標とする言葉を 繰り返し使用することにより言葉が習得できる様子がうかがえた。日本語能力に差があっ ても一緒に活動できることは、活動型の学びの良さのひとつであろう。   6.4 親子で同じ体験をする良さ  この日の活動では、いつも冷静で落ち着いているJC3-6くんの様子が違った。JC3-6くん は別のグループにいるお母さんCF3さんに「ママー、僕3つも見つけたよ!」と大きな声 で嬉しそうに伝えていた。親子は別々のグループになるように意図的に分けてあったのだ が、まっさきに母親のもとに行き感動を伝えていた。親子参加型教室では、子どもの成長 を保護者がその場で知ることができ、子どもも保護者に言いたいことがすぐに伝えられる。 JC3-6くんの「ママ、僕3つ見つけた!」という感動と喜びはその場で伝えなくては意味が ない。その時の感動をその時共有することが、親子で一緒に成長していける足掛かりにな るのではないだろうか。親子が同じ体験をすることで、「楽しかったね」、「難しかったね」、 「家でもやってみようか」というような、親子の関係性の強化の一端を担えればと考える。 ここにひとつの親子参加の意義があるのではないか。親子で参加していることが理由だと 一概には言えないが、親子で参加している子どもは、日本語・母語などの言語面や、精神面 で安定している印象を受ける。 6.5 地域における親子日本語教室の役割  地域日本語教室に求められている役割は、「日本語を教える・学ぶ」だけではない。社団 法人日本語教育学会(2008:32)は、地域日本語教育の目標は「社会において人との関わり の中でお互いの力を引き出し合い、補い合いながらよりよいものを目指していく力の育成」 であるとし、またその活動は、「外国人だけでなく共に地域社会に生きるすべての人々の能 力育成を視野に入れるものであり、地域社会の再構築につながる」としている。さらに社

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団法人日本語教育学会(2008:32)は地域日本語教室に期待される機能として、1)自分が 自分として認められる場―居場所、2)よりよい生活を確保するために必要な情報が入手 できる場、3)異文化理解の場、4)問題解決の場、5)社会参加を実現していく場という5 つの場としての機能を提示した。これら5つの機能はもちろん重要な機能であるが、特に 親子参加型教室が担える役割は何か考えてみたい。  親子で日本語教室に参加することは、家とは違う保護者・子どもを互いに見る機会にな る。一つの事例を紹介したい。以前、自分のルーツを否定的に受け止めていたAちゃん(当 時、小学校高学年)という子どもが地球っ子に参加していた。彼女は日本語ができない母 親を無視し、母親の作る民族料理を一切口にせず、コンビニで買ったものを食べて生活し ていた。徹底的に自分のルーツに拒否反応を示していた。地球っ子の活動には楽しそうに 参加していたが、「○○語では何というの?」という母語・母文化について話題が及ぶと顔 がくもり、質問しても「知らない」と答えるだけだった。いつもはAちゃんだけが参加して いたが、ある日の活動でAちゃんの母親にも地球っ子に参加してもらい、特技を披露して もらった。その日、スタッフや周りの参加親子からの「Aちゃんのお母さんはすごいね!」 という言葉をAちゃんは聞き、「日本語ができない母親」から「○○ができる母親」へと母 親を見直す意識の変化があったようだ。Aちゃんの母親自身も、いつも自分が「ありがとう」 とお礼を言うばかりで、自分が役にたたない人間だと思っていたが、この日の活動でみん なから「ありがとう」と言われとてもうれしかったと感想を述べていた。  今回の実践でもJC3-6くんがCF3さんに中国語の意味を聞き、「謝謝はありがとうだよ」 と発表したことで周りから認められた経験は、JC3-6くんにとって中国語を、そして母親 であるCF3さんを誇らしく感じさせる機会になったであろう。このように、地域日本語教 室の中で、つまり家庭から一歩出た社会の中で、家の中では見られない親子の一面を、保 護者も子どもも垣間見ることができる機会は意味があるのではないだろうか。  このような事例から、親子参加型だからこその役割は「親子の絆を深める」役割だと言 えるのではないか。「親子の絆」を深めることを土台とし、子どもたちの学ぶ姿勢も整い、 言語能力やさまざまなリテラシーが育っていくのではないかと考える。志水(2005)は、さ まざまな要素から成り立つ子どもたちの「学力」を「樹」に捉え解説している。子どもたち が学び取る個々の知識や技能を「葉」に、思考力・判断力・表現力を「幹」や「枝」に、そし て樹の存在自体を支える重要な役割である「意欲・関心・態度」、そして「アイデンティティ」 や「自尊感情」を「根」と例え、「根」の重要性を謳っている。ここでいう「親子の絆」を深 めることは、子どもの学力、とくに「根」を育てていくことにつながるのではないか。  学校では児童生徒、つまり、子どもへの支援しかできない。子どもの健やかな成長を考 えれば、それだけでは不十分であり、保護者、家族を含め、包括的に捉えていくことが必要 である。富谷他(2013)でも「家族支援」という視点から支援し、コミュニティでの自立を 促すべきだという点が主張されている。親子支援・家族支援が行える場は、学校でも家庭 でもなく、地域である。外国人の定住化が進み、外国にルーツを持つ子どもが増えてきて いる現在、「親子の絆を深める」役割が重要になってくるのではないか。地域だからこそで

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きる特徴を地域日本語教室は最大限に生かすべきだと考える。 7.まとめと今後にむけて  本実践から、親子が活動を通じて他者と協働することで言葉を習得していく様子が観察 された。言葉を習得してから人とつながったり社会参加したりするのではなく、活動や社 会参加しながら言葉が学べることがわかる。しかし本実践では、その活動による参加者の 言語的、精神的な変化が客観的に捉えきれていない。また言語教育において一度の実践で 変化を求めることは困難である。今後も活動を通じた言語習得、アイデンティティ形成に 関わる実践を継続し、様々な形で参加者の変化・成長を捉えていかなければならないと考 えている。  また、今回の実践のように、日本人が常に優位に立つのではない場の創造を考えていか なければならないだろう。もちろん地域日本語教室では、日本語を学ぶ場としての機能は 継続して必要であるが、生活者としての外国人と日本人が対等な関係性を持つ場を創造す ることも必要だと思われる。このような試みは教室内にとどめるのではなく、今後、同じ 地域に住む人たちが集まる場でもできるような仕掛けづくりが必要であろう。  田中(1997)は「根本的には、日本語だけをコミュニケーションの手段とする限り、母語 話者である日本人と外国語として日本語を使う外国人の間にはつねに固定したパワーリ レーションが成立してしまう」と指摘し、それを改善するには「相対的に力のあるメンバー 自らの力を削ぐことdisempowermentがどうしても必要になる。そのための一つの方法が 言葉に依存しないコミュニケーションを行うこと」とし、「言語に依存しないコミュニケー ション空間」を作り出すことに言及している。  日本語教室という枠組みの中では、いくら「教える・教えられる」の関係ではないと言っ ても、どうしても母語話者・非母語話者の関係が成立してしまい、対等な関係を作り上げ るのは難しい。言語に依存しない活動であれば、日本人も学ぶ人、教えられる人の立場に なることができる。このような目的を具現化した実践例をひとつ挙げる。2013年6月29日・ 30日に開催された第1回「言語的文化的多様性を生きる子ども達の学習支援者井戸端会議」 の福村真紀子氏発表「言語教育の実践者が提言する『言葉』を使わない表現活動」のダン ス実践である。第1回「言語的文化的多様性を生きる子ども達の学習支援者井戸端会議」の 資料によると、「『言葉』のみに力点を置き過ぎる言語教育を問い直し、言葉以外のコミュ ニケーション手段にも目を向けることの重要性を示唆する」この実践では、タップダンス 初心者である外国人・日本人が一緒に学ぶ場を提供したものである。日本語を使用言語と はするが、ファッション(fashion)、料理(food)、祭り(festival)といった、いわゆる「3F」 ではないダンスという内容で、主に体を使い、外国人も日本人も参加者の誰かが優位性を 持つ内容ではなく、外国人・日本人が出会える場を作り上げた実践の一つである。  このように今後、地域日本語教室が、外国人と日本人が対等な関係で出会える場を作り 上げる役割、または他の団体と連携するための役割を担うことが必要とされているのでは ないだろうか。散在地域では外国人が日本人の中に埋もれてしまう傾向にある。生活者と

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して地域に暮らしている外国人親子が「この地域に生きている」という実感を得るために は、自分がこの地域の一員であるという意識が持てるような取り組みも重要であると考え る。日本語教室がパイプ役となり、地域に根差した身近な団体と連携したり、「国際」と名 のつく行事だけではなく、地域の行事に日本語教室のメンバーが地域住民として参加した りすることができるだろう。外国人住民と日本人住民の実践共同体において、外国人住民 が周辺的な参加から徐々に十全的な参加をしていくことで、地域に根付いたコミュニティ とつながればと考えている。  今後、地域日本語教室には「外国人と日本人をつなげる役割」が、子ども対象や親子参加 の教室であれば「親子の絆を深める役割」が求められると考える。今後、それらの役割を具 現化する実践を行っていきたい。 本稿は修士論文の一部に加筆したものである。 参考文献 足立祐子・松岡洋子(2005)「地域日本語活動における提案―地域日本語活動に求められる もの―」新潟大学国際センター『新潟大学国際センター紀要』第1号,pp.13-22. 池田玲子・舘岡洋子(2007)『ピア・ラーニング入門―創造的な学びのデザインのために―』 ひつじ書房 内海由美子・横沢由実(2008)「日本語指導が必要な外国人児童生徒散在地域における支援 のあり方について―「日本語学習支援ネットワーク会議 in YAMAGATA」の開催か ら見えてきたこと」山形大学『山形大学留学生教育と研究』第1号,pp.9-21. 内海由美子(2009)「外国人散在地域における配偶者の日本語習得支援を考える」『日本語学』 vol.28-6,明治書院,pp.88-96. 大蔵守久(1999)『日本語学級1―初級必修の語彙と文字』凡人社 大澤真也(2009)「ピアジェとヴィゴツキーの理論における認知発達の概念―言語習得研 究への示唆―」『広島修大論集』49(2), pp.1-11 佐々木倫子(2010)「地域日本語ボランティア養成講座の検証と実践モデルの構築」平成19 年度~平成21年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書 課題番号19520464 志水宏吉(2005)『学力を育てる』岩波新書 社団法人日本語教育学会(2008)平成19年度文化庁日本語教育研究委嘱 「外国人に対する実践的な日本語教育の研究開発」 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/seikatsusya/nihongo_ kyoikugakkai/pdf/hokoku.pdf(2015.01.06) 髙栁なな枝(2014)「地域日本語教室の役割―親子参加型教室の実践から―」桜美林大学大 学院言語教育研究科修士論文(未公刊) 田中望(1997)「外国人のコミュニケーション権とそのためのエンパワメントのあり方」 国立国語研究所『国立国語研究所国際シンポジウム第2~ 4回専門部会 多言語・多

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文化コミュニティのための言語管理―差異を生きる個人とコミュニティ―』凡人社, pp.117-124. 東京外国語大学多言語多文化教育センター(編)(2008)『シリーズ多言語・多文化協働実 践研究5 地域日本語教育から考える共生のまちづくり―言語を媒介に共に学びプロ グラムとは―』 http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/2009/10/post_112.html(2015.01.06) 富谷玲子(2010)「地域日本語教育批判―ニューカマーの社会参加と言語保障のために」神 奈川大学『神奈川大学言語研究』32号,pp.59-78. 富谷玲子・福永由佳・山田泉・原千代子(2013)「『家族支援』という視点からかの初期日本 語教育―ニューカマーがコミュニティ構成員として自立するために―」日本語教育学 会『2013年度日本語教育学会秋季大会予稿集』pp.83-94. 中島和子(編著)(2010)『マルチリンガル教育への招待―言語資源としての外国人・日本 人年少者』ひつじ書房 西口光一(2006)「在住外国人は日本社会への新メンバーか―地域日本語支援活動のあり方 の再検討―」大阪大学留学生センター『多文化社会と留学生交流』第10号,pp.61-64. 西口光一(2008)「市民による日本語習得支援を考える」日本語教育学会『日本語教育』138 号,pp.24-32. 野山広(2008)「多文化共生と地域日本語教育支援―持続可能な協議実践の展開を目指し て―」日本語教育学会『日本語教育』138号,pp.4-13. 野山広(2013)「地域日本語教育―その概念の誕生と展開」『日本語学』32(2),pp.18-31. 福村真紀子(2010)「協働的対話による「地域日本語活動」の意味―「にほんごあいあい」の 立ち上げと実践」日本語教育方法研究会『日本語教育方法研究会誌』17(2),pp.58-59. 藤田美佳(2003)「地域ネットワーキングにおけるメディエータの機能―「のしろ日本語学 習会」の取り組みをもとにして」異文化間教育学会『異文化間教育』18,pp.28-35. 箕浦康子(1999)『フィールドワークの技法と実際』ミネルヴァ書房 茂木真理・石原弘子(2008)「日本語支援から意味ある実践への拡張に向けて―地域に開か れた日本語教室活動―」WEB版『日本語教育 実践研究フォーラム報告』 http://www.nkg.or.jp/kenkyu/Forumhoukoku/2008motegi.pdf(2013.06.15) 横山まゆみ・佐々木あかね(2001)「『親子で学ぶ日本語教室』事例報告と評価」日本語教育 方法研究会『日本語教育方法研究会誌』8(2),pp.6-7. 米勢治子(2006)「地域日本語教室の現状と相互学習の可能性」『名古屋市立大学大学院人 間文化研究科人間文化研究』第6号,pp.105-119. レイブ・ジーン、ウェンガー・エティエンヌ(著)佐伯胖(訳)(1993)『状況に埋め込まれ た学習―正統的周辺参加』産業図書

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参考URL (最終検索日2015.01.06)

宇佐美まゆみ「基本的な文字化の原則(Basic Transcription System for Japanese : BTSJ) 2011年版」 http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/usamiken/btsj2011.pdf 外国人集住都市会議 http://www.shujutoshi.jp/ 言語的文化的多様性を生きる子ども達の学習支援者井戸端会議(1st POD) https://sites.google.com/site/podiversity/1st-pod/program  さいたま市 http://www.city.saitama.jp/006/013/005/001/jinkou2014.html 文化庁 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/seikatsusya/index.html 法務省 http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00040.html 文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況等に関する調査」 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/04/1332660.htm 幼児の学習素材館 http://happylilac.net/kisetsu-sozai.html

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