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外国文化に見られるものの見方

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Academic year: 2021

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(1)CSummary> Thispaperisintendedtoraisethequeryof`Whatisculture?'andtorepresentmy assumptionthat`culture'isequivalentto`thewayofthinking/viewingwhichpeoplein thesamegroup,community,nationetc.haveincommonconceptually'.Thisdefinitionof ` culture'isprovedtoberightmainlythroughlinguisticexamplesindifferentlanguages.. は じ め に(1) 『 冬 の ソ ナ タ 』(=『 イ ン』(=『. 暑 ・ 訓)と. 朔 音 望7}』)や. 『美 し き 日 々 』(=『. 。17"1Lせ. 暑 』)、 『オ ー ル ・. い っ た 純 愛 ド ラ マ を 皮 切 り に 、 日本 で は 空 前 の 韓 流 ブ ー ム に 見 舞. わ れ て い る の は 周 知 の 事 実 で あ る 。 そ の お 陰 で 、 こ れ ま で に な い 程 の 規 模 で 韓 国 と 日本 両 国 の 文 化 的(ド. ラ マ 、 映 画 、 音 楽 の)交. 流 が行 な われ るよ うになったの は、 グローバ ル. 化 が 叫 ば れ る現 在 、 同 じア ジ ア の 隣 国 に 関 心 を抱 く とい う点 で は非 常 に有 意 義 な こ とで あ る 。 し か し な が ら 、 「ブ ー ム 」 と 名 が つ く現 象 は 長 い か 短 い か の 違 い は あ れ 、 い つ か は 必 ず 終 焉 を 迎 え る の も こ れ ま で の 世 界 の 歴 史 が 物 語 っ て い る 。 「ブ ー ム(boom)」 は1871年MarkTwain(米)に. の初 出. よ っ て 使 わ れ た 「急 に 景 気 づ く」(寺 澤(1999:143))の. 意 で あ る が 、 そ の 原 義 は 「膨 ら む 」 の 意 の 擬 声 語 に 遡 る 。 こ の よ う に 、 人 問 の 営 み と 言 葉 の 意 味 変 遷 と の 結 び つ き に 光 を 当 て れ ば 、 皮 肉 に もそ こ か ら は 「膨 ら み す ぎ る と破 裂 して お し ま い に な る 」 と い う 、 い わ ば 人 間 の 「興 味 」 に 対 す る 捉 え 方 が. 「膨 張 と破 裂 」 と い う. 形 に な っ て 見 え て く る 。 し か し な が ら 、 膨 張 と破 裂 を 繰 り返 す 諸 ブ ー ム の 一 過 性 の う ね り に 漫 然 と乗 っ か る だ け で は な く、 そ の 底 流 に存 在 す る フ レ ー ム(frame)に. 光 を当てる こ. と は 、 人 間 の 「もの の 見 方 ・捉 え 方 」 を 明 ら か に す る 上 で 非 常 に 有 効 な 手 段 と な り得 る 。 ま して や 、 そ う し た ブ ー ム が 他 国 か ら の 輸 入 物 で あ る な ら ば 、 そ の 国 の 人 々 の 「も の の 見 方 ・捉 え 方 」 を 知 る 上 で ま た と な い 好 機 と な る の は 言 う ま で も な い 。 そ し て 、 国 際 文 化 交 流 の 重 要 性 が 叫 ば れ る 今 日、 や や もす れ ば 、 た だ た だ 破 裂 と 収 束 を 迎 え る 運 命 を 待 つ ば か りで あ る か も しれ な い 現 在 の 韓 流 ブ ー ム も 、 そ の 根 底 に潜 む 韓 国 人 の 「もの の 見 方 ・捉 え. 外国文化に見られるものの見方 醒.

(2) 蕪 語箋. 灘 鵠 諜蝶. 方 」 を 明 ら か に す る こ と で 、 日韓 の 更 な る 友 好 関 係 を 築 く こ と が で き る 可 能 性 を 大 い に 秘 め て い る 。 な ぜ な ら 、 次 の(1)が 指 摘 す る よ う に 、. ル. (1)Peacecannotbekeptbyforce.Itcanonlybeachievedbyunderstanding. (平 和 は 力 で は 保 た れ な い 。 平 和 は 理 解 し あ う こ と に よ っ て 初 め て 達 成 さ れ 得 る の だ 。) -AlbertEinstein(quotedfromhttp://wind. .prohosting。com/帽tqs/AlbertEinsteirLsh血[). (日本 語 訳筆 者) ②a.国. 家 の 武 器 が どれ ほ ど強 大 で あ ろ う と も、 そ れ はい か な る 国 家 に と っ て も完 全 な 軍事 的 安 全 保 障 を 意 味 す る もの で は な く、 平和 の 維 持 を保 障 して くれ る もの で も な い か らで す 。. b.人 間 に 関 した事 柄 にお い て知 的 に行 動 す る こ とは、 自分 と反対 の 立 場 に立 つ 人 々 の 考 え 、動 機 、 意 見 を完 全 に理 解 し、 そ の 結 果 自 らの眼 で世 の 中 を見 う る よ うに な る 、 とい う試 み が な され る場 合 に の み 可 能 とな ります 。 善 意 あ るす べ て の人 々 は、 こ の よ うな相 互 理 解 を高 め る た め に、 で きるか ぎ り貢 献 しな けれ ば な り ませ ん。 一 『 世 界 連 邦 運 動20年. 史』(pp .432,434). お 互 い の 「もの の 見 方 ・捉 え方 」 を理 解 しあ う こ と こそ が 、平 和 へ の 道 標 とな るか らで あ る。 そ こ で 、 以 下 で は、 「文 化 」 そ の もの の 概 念 を詳 細 に見 つ め 直 した後 、 具 体 的 な 言 語 現 象 を例 に挙 げ なが ら、「もの の見 方 ・捉 え 方 」 を明 らか にす る。. 1.0.「 文 化 」 の 概 念 以 下 で は混 同 して 用 い られ る こ とが 多 い 「文 化 」 と 「 文 明」 との 概 念 的 相 違 を明 らか に し、 そ の 後 、 「文 化 」 につ い て の具 体 的観 察 を行 う。. 1.1.文. 化 と文 明 との 概 念 的 相 違. 『学 研 国 語 大 辞 典 』(1998)に. よ る と 、 「文 化 」/「. 文 明 」 は 各 々、 次 の よ うに 定 義 され. て い る: (1)ぶ. ん ・か. 【文 化 】. ① 世 の 中 が 開 け 進 ん で 、 生 活 内 容 の程 度 が 高 まる こ と。 '寒 席鞭 罫 騨 麗槻 瞬.

(3) 5⊃ OO ①. で 、 学 習 に よ っ て 伝 承 して ゆ く もの 。 特 に 、 そ の 物 質 的 所 産 を 言 う こ とが 多 L・. (2)ぶ. ん ・め い. 【文 明 】. ① 人 間 の 生 涯 技 術 ・意 識 が 進 み 、 高 度 な 文 化 を 持 っ た 状 態 。 ②[文. 化 が 特 に 精 神 的 な も の を さ す 場 合 に]文. 化 の 物 質 面 が 豊 か に な っ た状 態 。. 一 『 学 研 国語 大辞 典』(下 線 筆 者). し か しな が ら 、(1)一(2)の よ う な 記 載 で は 以 下 の 点 で 「文 化 」 と 「文 明 」 と の 意 味 の 差 異 が 明 確 に な ら な い:. (3)a.(1)で. は 文 化 は 「特 に 、 そ の 物 質 的 所 産 を 言 う こ とが 多 い 」 と 述 べ な が ら も 、(2)の. ② で は 文 明 を 「文 化 の 物 質 面 が 豊 か に な っ た 状 態 」 と して い る 点 。 b.(2)で 文 明 を 定 義 す る の に 「文 化 」 とい う表 現 を 用 い て い る 点 。. こ の よ う に 、 我 々 は 日 常 何 気 な く 「文 化 」 と 「文 明 」 と い う 語 を 用 い て い る に も 関 わ ら ず 、 実 際 の と こ ろ は 各 々 の 概 念 的 相 違 が 如 何 な る もの か が 辞 典 の 定 義 を 通 し て も厳 密 に 見 え て こ な い(2)。そ の よ う な 状 況 下 で は 、 い く ら 「国 際 文 化 交 流 」 の 重 要 性 を 問 う て も 、 「具 体 的 に何 を交 流 させ る の か 」 は 依 然 と して迷 霧 に包 まれ た ま まで あ る の は必 然 で あ る 。 明 言 す れ ば 、 文 明 を 定 義 す る の に 「文 化 」 と い う 表 現 を 用 い 、 文 化 を定 義 す る の に 文 明 と 同 じ 「物 質 面 」 の 観 点 か ら説 明 す る だ け で は 、 辞 典 の 読 者 が 迷 い 込 ん で し ま う の は 致 し 方 な い 。 こ の よ う な 無 益 な 循 環 論 を 避 け 、 各 々 の 概 念 を 明 ら か に す る た め に 、 次 に 下 記(4)に 光 を 当 て る:. (4)り. ・き 【 利器】 ② 便 利 で す ぐ れ た 道 具 や 器 械 。 「自 分 が な ん に も し な い の に 、 そ の 自 分 が 大 変 な 速 さ で 走 っ て 行 くか ら 、 汽 車 は 文 明 の. で あ る 〈 内 田 ・特 別 阿 房 … 〉 」 一. 『学 研 国 語 大 辞 典 』(下 線 筆 者). (4)か ら 、 「文 明 」 と い う 表 現 は 「利 器 」 と い う 表 現 と結 び つ き 、 「便 利 で す ぐ れ た 道 具 や 器 械 」 を 表 す こ とが 見 出 さ れ る 。 こ こ か ら 、 「文 明 」 と は[+人. 間 生 活 を 便 利 に す る も の]・. 外 国文 化 に 見 られ る も の の 見 方11ワ. Z ρ 錆⊃. ② 人 間 が 、 そ の 精 神 の 働 き に よ っ て 地 上 に 作 り 出 した 、 有 形 ・無 形 の も の す べ て.

(4) 語学教育部ジ ャーナル. [+具 体 物]の 意 味 要 素 を包 含 して い る こ とが 伺 え る。 この こ と を㈲ と して 記 す:. (5)文. 明:[+人. 間 生 活 を 便 利 に す る も の]・[+具. 体 物]. (5)の正 し さ は 次 の(6)の よ う に 表 現 さ れ 得 な い こ と か ら も 明 ら か で あ る. (6)*文. 化 の 利 器(←. → 文 明 の 利 器). と す る な ら ば 、 「文 化 」 と は(5)に 見 ら れ る 意 義 素 の よ う な も の で 表 さ れ る も の で は な い 、 と い う推 論 が 成 り立 つ 。 事 実 、 「文 化 財 」 と呼 ば れ る も の に 目 を 向 け る と 、. (7)a.無. 形 文 化 財:伝. 統 的 な 芸(踊. b.有 形 文 化 財3):遺. り、 落 語 …)な. ど. 跡 、神社 仏 閣 な ど. 「無 形 」/「有 形 」 が 存 在 して い る上 に 、各 々 の 実 例 で あ る 「 伝 統 的 な芸/遺 跡 、 神 社 仏 閣」 か ら、 「 文 化 」 は 次 の よ う に定 義 す る こ とが 可 能 とな る:. (8)文. 化:[一. 人 間 生 活 を 便 利 に す る も の]・[±. 具 体 物]・[+生. 活 様 式 ・考 え 方 が 読 み. 取 れ る も の]. 特 に[+生. 活 様 式 ・考 え 方 が 読 み 取 れ る も の]と. い う 要 素 が 「文 明 」 に は 全 く見 ら れ な. か っ た 定 義 で あ り、 冒 頭 で 述 べ た 「人 間 の も の の 見 方 ・捉 え 方 」 に 通 ず る わ け で あ る 。 し た が っ て 、 問 題 と な っ て い た 「文 化 交 流 」 と は 正 確 に は 、 次 の(9)の よ う な 交 流 を指 し、. (9)文. 化 交 流:「 人 間 の も の の 見 方 ・捉 え 方 」 を 交 流 す る こ と. 民 族 ・国が 変 わ れ ば 「人 間 の もの の見 方 ・捉 え方 」 が 異 な る場 合 も生 じる こ とに な る。 文 化 の こ う した 本 質 を踏 ま え れ ば 、 文化 の押 し付 け合 い 、 す な わ ち 「人 間 の もの の 見 方 ・捉 え方 」 の押 し付 け 合 い は、 相 手 の立 場 を尊 重 せ ず に 自分 の立 場 の み 正 しい とい う構 図 を生 む 。 この よ うな構 図 は、 二 つ の異 な る 立場 が 「平 行 線 」 をた ど るか 、 そ れ と も 「 対 立 ・論 争 」 を生 んで しま うの は必 然 の流 れ とな る 。そ れ故 、 人類 の悲 願 と も言 うべ き 「 平 和 共存 」. 118.

(5) を 実 現 す る た め に は 、 冒 頭 のAlbertEinsteinの. 言 葉 通 り、 我 々 一 人 ひ と り が 以 下(10)のよ. う な 姿 勢 を持 つ こ とが 肝 要 と な る こ とが 導 き 出 さ れ る の で あ る:. (10)平 和 共 存 の 実 現 に向 けて 不 可 欠 とな る姿 勢: ・自分 の 国 の 文 化(=「. 自分 た ち の も の の 見 方 ・捉 え 方 」)を 相 手 に理 解 して も. ら う姿 勢 ・相 手 の 国 の 文化(=「. 1.2.人. 相 手 の もの の 見 方 ・捉 え方 」)を 理 解 す る姿 勢. 間文 化 と 民族 文 化. 1.1,で は 、 文 化 と 文 明 と の 概 念 的 差 異 を 明 ら か に し た 上 で 、 「民 族 ・国 が 変 わ れ ば 「人 間 の もの の 見 方 ・捉 え 方 」 も異 な る 場 合 が 生 じ る 」 と い う こ と に 言 及 し た 。 こ の こ と は 、 言 語 と い う 視 点 か ら見 る と 、 一 層 明 ら か に な る:. (1)...Eachsuchdomain[=abasicdomainofexperience]isastructuredwhole withinourexperiencethatisconceptualizedaswhatwehavecalledan experientialgestalt.Suchgestaltsareexperientiallybasicbecausetheycharacterize structuredwholeswithinrecurrenthumanexperiences... Theyrepresentcoherent. organizationsofourexperiencesintermsofnaturaldimensions(parts,stages. ,. causes,etc.)Domainsofexperiencethatareorganizedasgestaltsintermsof suchnaturaldimensionsseemtoustobenaturalkindsofexperience. Theyarenaturalinthefollowingsense:Thesekindsofexperiencesarea productof Ourbodies(perceptualandmotorapparatus,mentalcapacities,emotional makeup,etc.) Ourinteractionswithourphysicalenvironment(moving,manipulating objects,eating,etc.) Ourinteractionswithotherpeoplewithinourculture(intermsofsocial, political,economic,andreligiousin-situations) Inotherwords,these"natural"kindsofexperienceayeproductsofhurycan nature.Somemaybeuniversal,whileotherstivillvaryfromculturetoculture.. (その よ う な各 々 の領 域[注. 基 本 的 領 域 の経 験]は 我 々 の経 験 の 内 部 で構 造 化 され. 外 国文化 に見 られるものの見方. 露.

(6) 語学教育部ジ ャーナル. る全 体 で あ り、 今 まで 述 べ て きた 「経験 の ゲ シ ュ タル ト」 と して概 念 化 され る もの で あ る。 そ の よ う なゲ シ ュ タル トは 、繰 り返 さ れ た 人 間 の 経 験 内部 で構 造 化 され た全 体 を特 徴 付 け る こ とか ら、 「経 験 的 に基 本 的 な もの 」 で あ る 。 そ れ ら は、 自然 な相(例 え ば、 部 分 、段 階 、 因果 関係 な ど)の 観 点 か ら、我 々の 経 験 を一 貫 して 組織 化 す る こ とを示 して い る。 そ の よ うな 自然 な相 の 観 点 か らゲ シ ュ タ ル トと して組 織 化 さ れ る経 験 の 相 は我 々 に とっ て 「自然 な種 類 の 経験 」 の よ う に思 わ れ る。 そ れ ら は以 下 の 意 味 に お い て 「自然 」 で あ る:こ の種 の経 験 は 以下 の ものか ら生 じる。 我 々 の 肉体(知 覚 的 及 び 運動 神 経 器 官 、 知 的 能 力 、 感 情 の気 質等) 物 理 的 環 境 との相 互 作 用(移 動 、物 体 の 操 作 、 食 行 為 等) (社会 的 、 政 治 的 、 経 済 的 、 そ して 宗 教 的状 況 内 の 観 点 か ら の)同 一 文 化 内 に お け る他 の人 々 との相 互 作 用 換 言 す れ ば 、 これ らの 「自然 な」 種 類 の 経験 は 「人 間 の本 質 の 産 物 」 な の で あ る。 そ れ らの 経 験 の或 る もの は普 遍 的 か も しれ ない 一 方 、 他 の もの は文 化 に よっ て 異 な る場 合 も あ る か も し れ な い 。) -LakoffandJohnson(1980:ll7-118)(下. 線. ・[]内. 表 記. ・ 日 本 語 訳 筆 者). 言 語 表現 が 異 な る民 族 や 国 ど う しで あ っ て も、 自身 の 生 身 の 肉体 や 知 覚 器 官 を通 して 繰 り 返 し得 た経 験 こ そが 「人 間 の 本 質 の 産 物 」 に他 な ら ない こ とか ら、 同 じ人 間 と して 「共 通 の もの の 見 方 ・捉 え方 」 が 存 在 す る場 合 とそ うで な い 場 合 が あ る 、 とい う当 た り前 の こ と が 判 る。 これ ら二 つ の場 合 を具 体 的 にす る た め に、 言 語 表 現 を通 して 「もの の 見 方 ・捉 え 方 」 が 共 通 す る場 合 とそ うで ない 場 合 各 々の 一 例 を以 下 に提 示 す る 。. 7.2.1.「. 親 知 ら ず 」 の 表 現 に 見 る 共 通 した も の の 見 方 ・捉 え 方 一 人 間 文 化 一. 下 記(1)に 見 ら れ る よ う に 、. (1)お. や ・し らず. 【 親 知 らず】. ③ 一 番 お そ く は え る 四 本 の 奥 歯 。 第 三 臼 歯 。 親 知 らず 歯 。 知 歯 。 一. 『学 研 国 語 大 辞 典 』. 「一 番 お そ く は え る 四 本 の 奥 歯 ・第 三 臼 歯 」 は 日 本 語 で 「親 知 ら ず 」 と表 現 さ れ る 。 こ れ は 、 次 の(2>に 示 さ れ る 通 り、. 120.

(7) 轟oO8. ZO沁. (2)こ. れ が は え る 頃 に は 、 親 が い な く な る 意 か ら。 一. 『学 研 国 語 大 辞 典 』(s .v.お や ・ し ら ず). 当 該 第 三 臼歯 が 生 え る 頃 に は 親 が い な くな る 、 とい う定 義 に は 、寿 命 が 現 代 ほ ど長 くは な か っ た昔 の 日本 人 に よ る 当該 第 三 臼 歯 の 捉 え 方 が 反 映 され て い る 。 他 方 、 韓 国語 で は 「親 知 らず 」 は次 の よ うに表 現 され る:. (3)舜. 曽 月(直. 訳:恋. の 歯=恋. を す る 頃 に 生 え る 歯). 日 本 語 の 漢 字 と平 仮 名 、 韓 国 語 の ハ ン グ ル(4)との 違 い も 含 め 、 第 三 臼 歯 を 表 現 し た(1)と(3) と を 見 比 べ る と、 一 見 、 全 く異 な っ た 表 現 で あ る よ う に 感 じ ら れ る 。し か しな が ら、1.2.(1) の. の.  . で 示 し た よ う に 、 そ う し た 違 い は あ く ま で も言 語 表 現 と い う 「容 器 」 の う わ べ そ の も の が 相 異 な っ て い る か ら に 過 ぎ な い 。 な ぜ な ら 、 両 者 の 本 質 を 見 つ め れ ば 、 下 記(4)の よ う に 共 通 して 「一 人 前 の 年 齢 に 達 し た 時 に 生 え る 歯 」 と して 捉 え ら れ る か ら で あ る:. (4)「 親 知 ら ず/神. 壱LUに. 見 る 「共 通 した も の の 見 方 ・捉 え 方 」:. 一 人 前 の 年 齢 に達 した 時 に生 え る歯. こ の よ う な 概 念 的 見 地 に 立 脚 す れ ば 、 た と え 民 族 ・国 が 異 な っ て も、 同 じ 「親 知 ら ず 」 を 表 す 以 下(5). (5)amueladeljuicio〈 [muela=奥 b.智. 歯. イス パ ニ ア語 〉 歯 、del=∼. の 、juicio=判. 断]. 〈 中 国 語>. c.wisdomtooth〈 [wisdom=知. 英 語 〉 恵 、tooth=歯]. の各 種 表現 の 根 底 に は共 通 して 「一 人 前 の年 齢 に 達 した 時 に生 え る歯 」 とい う上 記(4)と同 じ捉 え方 が 存 在 して い る こ とが 確 認 され るの で あ る。. 外 国 文 化 に見 られ る も の の 見 方121.

(8) 語学教育部ジ ャーナル. 1.2.2.「. レモ ン 」 の 表 現 に見 る 異 な った もの の見 方 ・捉 え 方 一民 族 文 化 一. 英 語 が 国 際 共 通 語 と して の 確 固 た る 地 位 を 築 きつ つ あ る こ と は周 知 の 事 実 で あ る。 グ ロ ーバ ル化 が さ け ばれ る今 日、世 界 的 観 点 か ら異 な る民 族 どう しが 意 思 伝 達 を行 うた め に は英 語 が 不 可 欠 で あ る の は言 う まで もな い 。 しか しな が ら、 「 民 族 ・国 が 異 な れ ば 文 化 も 異 な る 場 合 が あ る 」 とい う こ と を しっ か り と認 識 して い な け れ ば 、 英 語 を母 国 語 と しな い 話 者(例 え ば 日本 語 母 国語 話 者)が 英 語 を運 用 す る 時 、 正確 な意 思 伝 達 を行 う こ とに支 障 が 生 じる危 険性 が 潜 んで い る こ と も これ ま た事 実 で あ る。 例 え ば、 多 くの 日本 語 母 国語 話 者 に とっ て は 、 以 下 に 見 られ る よ うに 、 英 語 の`1emon'は 全 く馴 染 み の な い捉 え 方 で あ る:. (1)TheTVsetIboughtyesterdaydoesn'tworkatall.Ican'tgetanypictures:It mustbealemon. (昨 日 買 っ た テ レ ビ が 故 障 だ 。 画 面 が 全 く 映 ら な い か ら 、 き っ と 欠 陥 商 品 に 違 い な い). 他 方 、 次 の(2)の 日本 語 に 見 ら れ る よ う に 、 ②. き ょ うの彼 女 は レモ ンの よ う に爽 や か だ。. 日 本 語 母 国 語 話 者 は レ モ ン を[プ. (3)「 レ モ ン(lemon)」. ラ ス イ メ ー ジ]で. 捉 えて い るか らで あ る. の 捉 え 方 の 相 違:. 英 語 母 国 語 話 者:[マ. イ ナ ス イ メ ー ジ]. 日 本 語 母 国 語 話 者:[プ. ラ ス イ メ ー ジ]. この よ う な捉 え方 の相 違 は、 偏 に生 ま れ育 っ て きた 環 境 にお け る経 験 の 差 異 が 反 映 され て い る か ら だ と言 え る 。 つ ま り、 英 語 母 国語 話 者 は レモ ンの以 下 の 点 に焦 点 を 当 て て い る の に対 し、. (4)英. 語 母 国 語 話 者 の1emonの lemonを. 認 識:. 口 に 入 れ た と き の す っ ぱ さ で 生 じ る 「しか め た 顔/し →[マ. 遷22. か め っ面 」 が 焦 点化 イ ナ ス イ メ ー ジ](5).

(9) 日本 語 母 国語 話 者 は レモ ン に次 の よ う な認 識 を持 っ て い る の で あ る. (5)日. 本 語 母 国 語 話 者 の レ モ ン に対 す る 認 識: レモ ン に 含 ま れ る 「栄 養 分 」 が 焦 点 化 →[プ. ラ ス イ メ ー ジ](6>. (5)の よ う な 認 識 を 持 っ て い る こ と は 以 下(6)の 例 か ら も明 らか で あ る. (6)(の. ].2.3.人. ど 飴 な どの 宣 伝 文 句 で)一. 粒 に レ モ ン10個. 分 の ビ タ ミ ンC入. り. 間 文 化 と民 族 文 化 を認 識 す る こと の 重 要 性  .  .  . の. 1.2.1.で は 「親 知 ら ず 」 を 例 に 「共 通 し た も の の 見 方 ・捉 え 方 」 を 詳 述 し た の に 対 し、  . の. の. の. 1.2.2.で は 「レ モ ン 」 を 例 に 「異 な っ た も の の 見 方 ・捉 え 方 」 を 観 察 し た 。 こ の 観 点 は 非 常 に 重 要 な こ と な の で 再 度 主 張 す る が 、1.1.(lo)(以 下(1)と して 再 掲)で. 示 した よ うに 、. (1>平 和 共 存 の 実現 に向 け て 不 可 欠 とな る姿 勢: ・自分 の 国 の 文 化(=「. 自分 た ち の もの の 見 方 ・捉 え 方 」)を 相 手 に理 解 して も. ら う姿 勢 ・相 手 の 国 の 文化(=「. 相 手 の もの の 見 方 ・捉 え方 」)を 理 解 す る姿 勢. 平和 共 存 を実 現 し、 確 固 た る 国 際 関係 を築 くた め には 、 相 互 の 文 化(=「. もの の 見 方 ・捉. え方 」)を 理 解 す る姿 勢 が 不 可 欠 で あ り、 た だ 単 に他 国 の ドラ マ や 映 画 、音 楽 を表 層 的 に 楽 しむ だ け で は真 の 意 味 で の 「国際 文 化 交 流 」 は成 し得 な い 。 これ ま で詳 述 して きた よ う な真 の 国 際 文 化 交流 を行 い 、 平 和 共 存 を確 立 す る た め に は 、 言 語 で あ れ ドラマ で あ れ 、 そ れ らの 根 底 に存 在 す る人 間 文 化 と して の 「共 通 した もの の 見 方 ・捉 え方 」 を見 つ め 直 し、 民 族 文 化 と して の 「異 な った もの の見 方 ・捉 え 方 」 を認 め合 う必 要 性 に迫 られ て い るの で ある。. お わ りに 近 年 の 韓 流 ブ ー ム を通 して 「文 化 交 流 」 とい う言 葉 が 頻 繁 に 聞 か れ る。 しか しなが ら、 「文 化 と は何 か?」. と改 め て 尋 ね る と な る と、 明 確 な 説 得 あ る 説 明 が 返 って こ な い こ とが. 多 い。. 外国文化に見られるものの見方 露.

(10) 語学教育部ジ ャ⋮ ナル. こ の疑 問 に対 して 、 筆 者 な りに論 じた もの が こ の小 論 で あ る 。 筆 者 の論 が 唯 一 正 しい、 な ど と 主 張 す る つ も り は な い が 、 少 な く と も 「文 化 と は 何 か?」. の 答 え の 一 つ と して お 読. み い た だ けれ ば幸 いで あ る。. 〈注〉 (1)本. 稿 を 書 く に 至 っ た 理 由 は 「文 化 」 と い う 言 葉 は 今 日 頻 繁 に 使 わ れ て い る も の の 、 実 に 曖 昧 模 糊 と した 意 味 を 持 つ 言 葉 と し て 使 わ れ て い る こ と で あ る 。. (2)同. 義 の わ か り難 さ は 他 の 辞 書 ・辞 典 に も現 わ れ る 。(Cf.上. 野1996a,b). (3)「 有 形 文 化 」 と は 、 「文 化 」、 つ ま り 「も の の 見 方 ・捉 え 方 」 と い う 抽 象 物 が 具 象 物 の 形 と な っ て 表 さ れ た も の で あ る こ と 。 つ ま り 、 そ の 具 象 物 を 通 し て 「も の の 見 方 ・捉 え 方 」 が 伺 え る こ と で あ り 、 「文 化 」 と は 、 あ く ま で も 「も の の 見 方 ・捉 え 方 」 と い う抽 象 概 念 を 意 味 基 盤 にす る とい う こ とで あ る。 (4)「 ハ ン グ ル 」 は 「ハ ン(=偉. 大 な る)+グ. ル(=文. 字)」 で あ る か ら 、 時 に 日 本 で 耳 に す る. 「ハ ン グ ル 文 字 」 は 重 複 表 現 で あ る 。 (5)し. た が っ て 、 「顔 を し か め さ せ る 」 対 象 物 な ら何 で もlemonで 辞 書 のlemonの. (6)表. 表 され る こ とに な る。 事 実 、. 訳 は 、 ろ くな 物 しか 指 さ な い もの ば か り で あ る 。. 皮 の 鮮 や か な 黄 色 も好 ま し い 色 と し て 、 こ の[プ ら れ る 。 な ぜ な ら 、 日本 のTVコ. ラ ス イ メ ー ジ]に. 加 担 して い る と考 え. マ ー シ ャ ル で 、 夏 の飲 料 水 の ビ ンの 横 に水 滴 の つ い た鮮. や か な 黄 色 の レ モ ン が 添 え 置 か れ て い る こ とが よ く見 ら れ る か ら で あ る 。. 〈参 考 文献 〉 荒 木 博 之(1994)『. 日本 語 が 見 え る と英 語 も見 え る』 中 央 新 書.東. 井 上 秀 雄 他(1994)『. 新版. 外 務 省 外 務 報 道 官(監. 韓 国 ・朝 鮮 を 知 る た め の55章. 修)(1999)『. 海外生 活の手引 き. 京.. 』 明 石 書 店.東 第1巻. 京.. 北 東 ア ジ ア 編 』 世 界 の 動 き社.. 東 京. 加 藤 哲 夫(2002)『. 市 民 の 日本 語 』 ひ つ じ書 房.東. 金 田 一 春 彦 ・池 田 弥 三 郎(編)(1998)『 金 漢(1994)『. 京.. 学 研 国 語 大 辞 典 』 学 習 研 究 社.東. 韓 国 と 日 本 の 比 較 文 化 論 』 明 石 書 店.東. 京.. 京.. Lakoff,GandM.Johnson(1980)MetaphorsWeLiveBy.ChicagoUniversityPress. 世 界 連 邦 建 設 同 盟(編)(1969)『. 124. 世 界 連 邦 運 動20年. 史 』世 界 連 邦 建 設 同 盟.東. 上 野 義 和(1996a)「. 英 語 と米 語 の ち が い に現 れ る 文 化 の ち が い 」Cosn2icaXXV工. 上 野 義 和(1996b)「. 英 ・米 の 言 語 と文 化 」MareNostrumIX.地. 京. 京 都 外 国 語 大 学.. 中 海 文 化 研 究 会.京 都..

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ぎり︑第三文の効力について疑問を唱えるものは見当たらないのは︑実質的には右のような理由によるものと思われ

大気中の気温の鉛直方向の変化を見ると、通常は地表面から上空に行くに従って気温