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行政視察報告書 [PDF版]

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(1)

1

行 政 視 察 等 報 告 書

平成26年2月12日

長野市議会議長 高 野 正 晴 様

報告者氏名(代表)

農林業振興対策特別委員会 委員長 岡 田 荘 史 ○

この度、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。

1 視察区分 農林業振興対策特別委員会行政視察

2 視察者氏名 岡田 荘史、山本 晴信、田中 清隆、望月 義寿(1/20のみ)、 池田 清、原田 誠之、小泉 栄正、手塚 秀樹

3 随 行 者 書記 中條 努

4 視察期間 平成26年1月20日(月)~ 平成26年1月22日(水)

5 視察先及び視察事項

視 察 先 視察日時 視 察 事 項

長崎県 大村市

1月20日(月) 午後1時35分

(1) 大村市農業基本条例について (2) 大村市農業基本計画について 長崎県

おおむら夢ファーム

「シュシュ」

1月20日(月) 午後3時50分

(1) 農業6次産業化の取組について

鹿児島県 鹿児島市

1月21日(火) 午後1時30分

(1) 鹿児島市農林水産業振興プランについて (2) 新規就農者支援対策事業について (3) 遊休農地バンク制度について

宮崎県 宮崎市

1月22日(水) 午前9時30分

(1) 宮崎市農林水産業振興基本計画について (2) 農業6次産業化、農商工連携推進事業について (3) みやざきどれ 農畜産物 ブランド力 アップ 事業に

ついて

(2)

6 調査概要 月日

視 察 地

(市町村名等)

考 察

(所感、課題、提言等) 1/20

(月)

大村市 【大村市農業基本条例について】

[内容]

1 条例制定の経緯及び概要

・本条例は、農業の現状課題への対策に関する議会質問などを 契機として制定の検討を開始している。

・条例の検討に当たっては、久留米市等の事例を参考としてい る(営農形態、気象条件が類似し、条例が機能しているとの 理由による)。

・条例では、農業が基幹産業であることを認識し、併せて農業 の役割の理解を深め、もって農業、農村を次世代に引き継ぐ としている。

2 関係者の責務・役割、実施状況の公表、審議会の役割

・条例では、条例制定の目的、食料、農業、農村に関する基本 理念を踏まえつつ、市の責務、農業者及び農業団体の役割、 市民の役割及び事業者の役割を明確にしている。

・農業基本計画に関する審議会の設置が規定されており、市長 は、基本計画の策定及び変更をする際には、審議会の意見を 聴かなければならないこととしている。また、審議会は、実 施状況に関する審議も行う。

・基本計画に基づく施策の実施状況は、毎年度、公表すること としている。

[課題等]

1 基本 施策の中では 、市 民の役 割を明 示し、 地産地 消を推 進す る と し、直 売施 設、ス ーパー でも 購入で きるよ うにする として い る が 、市民 の理 解を深 める対 策が どのよ うに行 われてい くか、 ま た 理解されていくか、注視していく必要がある。

2 条例を踏ま えた基 本計画の中 で、5 年後の 平成29 年度の 達成 す べ き数値 目標 として 8項目 にわ たって 提示さ れている が、農 業 生 産 額は現 状と同額で あり、 担い 手及び 経営耕 地面積は 減少目 標 と な ってい る。現状の 営農状 況を 踏まえ た数値 と推測す るが、 今 後 どのような動向を示すか注視する必要がある。

【大村市農業基本計画について】

[内容]

1 農業基本計画の策定

・副市長、関係部局長を中心とした庁内検討委員会において策 定に関するスケジュールの作成、市民、農業者、食品関連事

(3)

3 1/20

(月)

大村市 3 基本計画の考え方

・国及び県の施策動向を踏まえ、これと整合を図り、市の将来 像を見据え、特色を生かした基本計画とするとしている。

・ 基 本計 画 の 施 策 及び 事業 の 実施 に 当 た って は 、 行 政 、 農 業 者、農業団体、市民、食品関連事業者が相互に連携しつつ、 推進するとしている。

4 基本施策

○将来像

ともに支えあう食と健康と活力ある農業

○基本目標

安全で安心な農産物の安定供給 安定した農業経営体の育成 農村地域が持つ多面的機能の活用

・これを踏まえ、8つの施策と22の個別施策が示されている。 5 アンケートの実施

・基本計画の作成に当たっては、市民、農業者、食品関連事業 者を対象としたアンケート調査を行っている。

・ 調 査 検 体 数 は 、 市 民 が 2,000 ( 回 収 率 48.1 % )、 農 業 者 が 1,000( 回収率 50.9%)、 事業者が 230(回収率 43.5%)であ る。

・アンケート調査の内容については、庁内職員が主体となって 検討しつつ、農協及び農業団体の協力を得ている。アンケー トの実施に当たっては、アウトソーシングは行っていない。 6 基本計画の検証

・専業農家における収入目標は、 600万円としている 。 なお、 県の目標額は、400万円である。

・基本計画では、これを実現するために、10項目の数値目標を 示している。

・基本計画の実施状況を踏まえた検討を行い、その内容につい ては、毎年度、公表するとしている。

[課題等]

1 基本計画では、農業を取り巻く多様な者の責務、役割を示し ているが、それぞれの役割がどのように実施されているか、ま た、数値目標の確認をどのように行っていくか、更に責務、役 割を規定した効果の検証が必要になるものと考える。

2 基本計画の数値目標では、担い手数が減少する計画となって いる。現在、農業大学校等において育成を図っているが、市の 持続的な農業を可能とするためには、人的育成が大切であると 感じることから、更なる人材育成施策が必要であると感じる。

(4)

1/20

(月)

おおむら夢 ファーム

「シュシュ」

【おおむら夢ファーム「シュシュ」の農業6次産業化の取組 について】

[内容] 1 設立

・おおむら夢ファーム「シュシュ」は、平成12年から専業農家 8戸で運営されている(当初の会員は40名)。

・当初投資額 は 、 4億円であり 、 現在の年間売上額 は 、 7.2億 円 と な っ て い る 。 本 施 設は 、 民間 施 設 と し て 運営 さ れ て お り、年間49万人が訪れている。また、現在72名の職員を雇用 している。

・四季の農産物を有効に活用し、年間を通して楽しめる施設と して運営されている。

2 農業6次産業化

・様々な地域農産物の有効活用を図る観点から、農作物固有の 流通サイクルを検討しつつ、付加価値を付けて商品を提供し ている。

・ 農 産物 直 売所 で は 、 新鮮 な 農産 物 を 提 供す ると い う 考 え か ら、1日に複数回にわたり商品の陳列を行っている。

・現在では、自社ブランドの確立を目指し、複合型直売所とし て特徴のある運営をしつつ、継続して安定した収入が得られ る よ う 活動 し て いる ( ラン チ バイ キ ング 、 有 料 の 試 食 会 開 催、結婚式の実施、法事の実施など)。

・農業(経営)は、労働の場という認識から、観光等を取り入 れた産業という発想の転換が必要である。

・ 農 業 を 通 し た 活 動 を 継続 さ せる た めに は 、 収益 性 に も 着 目 し、お金を稼ぐ(生活ができる)ことが大切である。

・直売所では、生産から流通、販売、広報などを一体的に行う ために、大学等研究機関のとの連携も有効である。

生産・・営農技術

流通・・販売経路、商品流通経路など

広報・・学生による通年取材は宣伝につながる 加工・・製品開発のアイデア、製品加工技術

・直売所(農業)は、農産物に付加価値を付けることにより商 品価値を高め、より高い収入を得ることを追究する必要があ る。

・直売所の運営では、地域の特性を精査しつつ、多様な視点で 多様な農産物の有効活用を考え、地域が一体となって取り組 む姿勢が必要である。

・農業基本条例は、直売所の運営に関してはさほど役に立って はいない。

(5)

5 1/21

(火)

鹿児島市 【鹿児島市農林水産業振興プランについて】

[内容]

1 鹿児島市の野菜栽培は、施設園芸が中心であるが、温暖な気 候条件から通年型農業が行われており、年間5~6回収穫され ている。

2 農林水産業振興プランの概要

・振興プランは、総合計画を踏まえ平成24年度に策定されたも ので、計画期間は平成28年度までの5か年となっている。

・振興プランの特徴は、基本目標、基本方向を踏まえつつ、基 本施策が提示されているが、振興プランの中で市民の役割、 生産者の役割、農林漁業団体等の役割及び行政の役割を明確 にしているところにある。他市の農業振興条例に規定されて いる農業に関係する多様な者の役割が振興プランの中で明示 されていることから、振興プランが条例としての機能も併せ 持っているものと感じた。

・振興プランを踏まえた施策の実施計画については、庁内職員 による進行管理調整組織、及び庁外者により構成される進行 管理組織により複層的に評価、提案が実施されることとなっ ている。また、それぞれの組織から報告された意見等は、次 年度以降の実施計画に反映されていくこととなっている。

・振興プランの策定段階において、条例の制定に関する議論は されていない。これは、従来から農業の盛んな地域であるこ とに加えて、振興プランの中で目的、理念を明示するととも に、農業を取り巻く多様な者の役割が明示されていることに も起因しているものと考える。

・農業・農村の振興に関する数値目標は、農業産出額、農家戸 数 、 認 定農 業 者 数 、 新 規就 農 者数 、 遊休 農 地 の 解 消 面 積 な ど、10項目にわたり設定されている。

3 農業・農村の振興の概要

・農業・農村の振興の基本施策は次のとおり (1) 生産の振興と流通の促進

(2) 農業の担い手の育成と農地の利用促進 (3) 農村地域の整備

・鹿児島市農業の特徴は、ビニールハウス等を利用した施設園 芸が中心であり、温暖な気候を利用して収益性の高い農業が 営まれており、長野市とは異なる営農形態となっている。

・ハウス栽培による施設園芸が多い要因として営農用地が狭い

(都市型施設園芸)こと、噴火による降灰対策及び火山性ガ スからの保護という役割もある。

・地産地消、環境保全型農業の推進も行っている。

・市農業公社は、組織していない。 4 振興プランの推進体制等

・振興プランの推進に当たっては、農林部及び農林事務所が中 心 となっている。市役所 本庁や農林事務所には農業技術職員 を配置し、全員が正規職員である。

・営農指導員は、各事務所に4~5名在籍しており、地域の農 業振興に関して適切な対応と主導的な役割を果たしている。

・販売等の促進に関しては、商工部局との連携を図りつつ、デ パート等を利用して地元農畜産物の消費拡大を図っている。

[課題等]

1 今後、長野 市にお いて どのよ うな推 進体制 を構築 し、ど のよ う な 施策を 展開するに しても 、農 業技術 職員の 養成と配 置は不 可 欠 である。長野市としての早期の対応を期待したい。

(6)

1/21

(火)

鹿児島市 2 鹿児 島市で は、ハ ウス栽培を 中心と した都 市型施 設園芸が営 ま れ ている 。こ れは生 産性を 上げ るとと もに農 業被害を 防ぐ目 的 に よ るもの であ る。鹿 児島市 とは 気候条 件は異 なるもの の、農 産 物 の 安定し た生 育条件 のもと で、 安定し た栽培 を可能に するた め に は、長野市も施設園芸に目を向けていくべきであると考える。

【新規就農者支援対策事業について】

[内容]

1 事業概要と取組状況

・本事業では、就農相談から技術の習得、補助制度など、起農 に必要な一連の制度が準備されている。

(1) 情報の発信・相談所の開設 (2) 技術講習会、及び研修会の開催 (3) 施設の整備費への補助

(4) 新規就農里親制度(長野県に学んでいる) (5) 青年就農給付金

2 事業実績

・就農相談件数は、平成22年度の79件をピークに、25年度は35 件と減少傾向であるが、農業後継者を含む新規就農者数は、 減少傾向にあるものの、25年度実績では5名となっている。

[課題等]

1 新規就農希望者に対する行政の対応としては、長野市とほぼ 同様であると感じた。

2 新規就農者を確保するためには、農業生活を継続できる安定 した収入を確保できるような特徴のある営農が不可欠であると 考える。

【遊休農地バンク制度について】

[内容]

1 事業概要と取組状況

・農業従事者の高齢化、担い手の不足など農業を取り巻く環境 は、長野市とほぼ同様である。

・また、遊休農地解消に向けた取組として、意向調査や現地調 査、農業関係団体等の対策部会での検討、さらに遊休農地バ ンク情報の充実といった検討を継続している。

2 事業実績

・鹿児島市では、意向調査や現地調査を踏まえ、遊休農地バン ク開設時には28筆1.93haの農地を登録している。平成25年 度では、ホームページ上で貸借等を希望し掲載している農地 は、67筆5.13haとなっている。

(7)

7 1/22

(水)

宮崎市 【宮崎市農林水産業振興基本計画について】

[内容]

1 農林水産業振興基本計画の概要

・基本計画は、昭和33年から導入されており、平成24年には第 11次農林水産業振興基本計画が策定されている。

・策定に当たっては、農林振興対策協議会等が中心となり検討 しているが、下部組織である分野別専門分科会及び市役所庁 内プロジェクトチームでの検討を行っている。

・基本計画の 基本理念 は、“ 高い信頼と 誇りに 満ちた 「 魅力あ る産業」としての農業の確立を目指す”とし、6項目の基本 目標を実現するために、28の施策を実施するとしている。

・基本計画の数値目標の項目の多さから、市を初め農業関係者 の意気込みを感じる。

・基本計画の策定は、条例に基づくものではない。

・条例の策定に関する議会質問等は無かった。これは、宮崎市 の農業が地域の基幹産業として成り立っており、着実に農業 施策が実施されているためと推測する。

・宮崎市の営農形態は、露地栽培が15%で、施設園芸が85%と なっている。

2 策定状況

・基本計画の策定に当たっては、従来業務委託により行ってい たが、今回は市役所職員が策定している。なお、策定の際、 農業委員会等の意見も参考としている。

【農業6次産業化、農商工連携推進事業について】

[内容]

1 農業6次産業化について (1) 6次産業化支援事業

(2) 農商工連携コーディネート事業 (3) 6次産業化商品販路開拓事業 (4) 農商工連携推進事業

2 6次産業化支援事業

・本事業は、市内で生産された農産物を加工から販売まで行う 農林業者に対し、加工施設や設備等の導入に対する補助事業

(市単独事業)。

・対象者事業者から提出された計画書は、大学教授等により構 成される審査会での審査し、採択される。

・採択件数は、平成25年度実績で5件となっている。

・本事業は、長野市における「やまざとビジネス支援事業」と 類似している。

3 農商工連携コーディネート事業

・本事業は、宮崎市地域雇用創造協議会に委託し、個別商談会 及びセラーとバイヤーの意見交換会を開催するもの

・多様な地域の多様なバイヤーに意見交換会の案内を出してい るが、平成25年度実績では、セラーが40社、バイヤーが県内 33社、九州内36社、九州以外12社の計81社が参加している。 4 6次産業化商品販路開拓事業

・本事業は、加工食品等の販売を促進するために、宮崎市地域 雇用創造協議会に委託し、小冊子にまとめ、プロモーション 活動に活用する事業

・平成25年度実績では、7,000部を製作し、発信している。

(8)

1/22

(水)

宮崎市 5 農商工連携推進事業

・官民一体となった農商工連携の取組を充実し、食に関係する 産業の底上げを図るため、ネットワーク組織「みやPEC推 進機構」を設立し、関係団体相互の情報共有とともに、団体 相互の連携強化を図る。本事業に関する委託先は、宮崎市地 域雇用創造協議会である。

[課題等]

1 農産物及び農産加工品を販売拡大するには、官民一体となっ たプロモーションを展開する必要がある。

2 この基礎となるのが、農商工連携コーディネート事業及び農 商工連携推進事業であると考える。

3 特に、ネットワーク組織「みやPEC推進機構」は、宮崎市 を一つの経営体とみなし、生産、加工、市街地への販売が、市 内で完結できる仕組みを構築するもので、長野市にとって大変 参考となる取組であると考える。

【みやざきどれ農畜産物ブランド力アップ事業について】

[内容] 1 事業概要

・本事業は、安全・安心で高品質な「みやざきどれ」農畜産物 の消費拡大やブランドの定着化を推進する取組に対する補助 事業。生産者、農協、行政が一丸となって取り組んでいる。

・具体的な事業は、次のとおり

(1) みやざき中央農産物ファン拡大事業 (2) 農畜産物ブランド連携推進事業

・具体的には、消費宣伝、メディアの利用、生産者と消費者の 交流、産地・生産者紹介などのPR活動を継続的に行う。

・プロ野球、プロサッカーチームのキャンプ等の場でも積極的 にPR活動を行っている。

2 取組状況と実績

・農畜産物のブランド力アップについては、農協、生産者、商 工業者が一体となって取り組んでいる。

・ブランド力アップのための営農技術指導に関しては、農協及 び営農普及センターが主体となって対応している。

・これに要する費用は、市、生産者及び農協が負担している。 なお、ブランド連携推進事業は、市と農協の負担による。

[課題等]

宮崎市では、生産者、農協、行政が一丸となって、多様な方 法 や 機会 を 使 っ て 農畜 産物 ( 加工 品 ) の PR 活動 を 行 っ て い

参照

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