卒業論文の書き方(黒沢ゼミナール)
1. 概要
卒業論文については、まず、時間をかけて自分の書きたいテーマを決めてください(2年生の終りまでに自分のテー
マを持てるようにするのが理想的です)。テーマの決め方は、これまでやったことのないことや空想的なテーマを選ぶの
ではなく、大学で習った経済学(マクロ・ミクロ経済学およびその他専門領域など)をベースにして考えてください。
構想、関連論文や書籍のリーディング、データの収集、記述、推敲、指導教員からのフィードバックなど長時間を要し
ますので、長い間興味を持続できるテーマを選んでください。テーマとする問題の発見(problem identification)と結
論への道筋 (problem solution)を分けて考えてください。つまり、面白いテーマを選んでも経済学のツールでは結論が
出せないようなテーマを選択しないように注意してください。
2. 全体の構成
(1) 理論編と実証分析編で構成されます。
(2) まず、自分が卒論として研究したいテーマを決め、そのテーマを研究するための考え方、理論などをマクロ・
ミクロ経済学のテキスト、またはその他のテキストの中から選びます。経済学の理論フレームの中にないテー
マは原則として選ばないでください。
(3) 次に、理論フレームにそって実証分析を行います。実証分析は統計的手法(回帰分析、多変量解析など)を使
って行い、基本統計量の検討、分析結果の整理(回帰式など)、係数の信頼区間の検討、仮説の検定などを行
ったうえで結論を出します。
(4) 枚数は本文(表紙から参考文献まで)がA4で30ページ(42,000 字)以上、40 ページ(56,000 字)以内(本
文中の図表込み、以下に述べる目次の項目の1∼8の範囲)。英文の場合は、シングル・スペースで30枚程
度(15,000語程度)。補足資料は特に制限はありません。
(5) 卒業生のテーマ・サンプルおよび参考テーマを参照。
3. 表紙
(1) 卒業論文であることの表示、ゼミナール名(黒沢ゼミナール)の表示。
(2) タイトル(主題に加えて副題をつけることも可能です:内容を端的に表すようなタイトルをつけること)。
(3) 学生番号、氏名、提出年月日。
(4) 表紙サンプルを参照(後日、サンプルを添付します)。
4. 目次
(1) 「タイトル」の表示
(2) 目次(Contents)の表示
(3) はじめに(Introduction)
(4) 第1章:理論フレームの表示 (Theory of - - - )
1. 内容の表示
2. 内容の表示
3. 内容の表示
(5) 第2章:実証分析の表示(Empirical Studies of - - - )
1. 実証分析の概要
2. 使用した統計手法の説明
3. 統計的作業および統計的検討
4. 統計的結論
(6) おわりに(結論 ; Concluding remarks)
(7) 注(Endnotes)
(8) 参考文献(Bibliography, References)
(9) 補足資料(本文には含めない図表および参考資料や追加的説明 ; Appendix)
5. 本文
(1) 文章は自分が理解できたことだけを書くこと(他の本に載っていても自分が理解できないことは書かない)。
(2) 自分のテーマの内容を知らない他の学生にもわかるように丁寧に記述する。
(3) 「はじめに」(Introduction) には本テーマを取り上げた理由、意義、背景などを簡略に説明し、各章でどのよ
うなことを分析したかを記述する。おおむね1頁以内。
(4) 「第1章:理論」はマクロないしミクロのテキストなどの内容を十分咀嚼したあとで自分の言葉で整理し、図
表などを使いながらまとめること。テキストの中に含まれる注や付属資料ならびに参考文献も丹念に読み、調
べること。
(5) 「第2章:実証分析」は最小限、目次の(5)に表示した内容を含め、必要に応じて追加する。分析に使用し
たデータはできる限り補足資料として末尾に添付すること。なお、データについてはフロッピーディスクの形
で末尾に袋添付すること。
(6) 「おわりに」(Concluding Remarks) は全体の結論、理論と分析の調和度、残された課題などについて述べる。
なお、大学院に進学する予定の学生は、修士課程における関連(本卒論のどの部分をどのように発展させるつ
もりなのか)を付け加えること。
(7) 文章の引用、内容の引用、データや表、参考文献などについては必ず出所を記載すること。
(8) 「注」は脚注(footnotes)でも末尾注(endnotes)でもよいが、途中であるいは最後に追加したり削除した
りすることを考えれば末尾注のほうが扱いやすいのでベター。注をつけるときの要因は大きく分けて2つ。第
1は「内容の詳細な説明」。本文の中に記入するには細かすぎること、多少本筋を外れること、本文では細か
すぎる数字などについて注のなかに記述する。第2は「引用」。本文の中に他の論文または本から引用すると
きは引用文「******」の直後に、および他の論文または本に書かれている内容を記述するときはパラグ
ラフの最後に必ず末尾注をつけること。注の書き方は、参考文献のリストのなかのどの本または論文であるか
がわかるように、例えば、黒沢義孝(1985)120頁のように記載する。参考文献の中に、同一年に同一
著者の複数の論文または著書が掲載されている場合は、黒沢義孝(1985−2)120∼122頁のように
枝番号を使用する。
(7)「参考文献」は本文の中で頻繁に使用した論文、著書を記載する。1回ないし2回程度の使用の場合は注のなかで
説明する
●参考文献の記載の仕方は、著者名、論文名または著書名、掲載雑誌名または出版社名、刊行年月の順に記載する
(著者名あいうえお順、英語の場合はアルファベット順)。例えば、黒沢義孝『格付けの経済学』PHP研究所1
999年2月。同一著者の複数の論文または著書を掲載する場合は刊行年月の早い順に記載する。
●著者名は英語の場合は、Kurosawa, Yoshitaka のようにラストネームを先に記入しカンマのあとにファーストネ
ームを記載する。著者が複数の場合は英語・日本語の場合も並列記載する。
●論文名は「***」、著書名は『***』と括弧を使い分ける。英文の場合は、論文、著書とも”*****“のよ
うに記載し、著書にはアンダーラインを付ける。
●日本語の参考文献を英語で表示する場合は、内容を英語に訳したほうがよいか、日本語をローマ字表記にするか
についてはケース・バイ・ケースで考えてください。ローマ字表記と英語訳を併記するのがよい方法です。
●インターネットからの引用の場合、著作権者名・年月日・URL を記載すること。著者や著作権者が明確でないも
のは使用しないこと。
6.スケジュール
(1)2 年生:夏休み中に自分が書きたい卒論のテーマを探すことを意識しながら幅広く経済の本や雑誌および論文
を読むこと。また、国内や海外の旅行などの体験を通じて、または人との会話を通じてテーマを探すこともで
きます。年度下期中にテーマを絞り、冬季ゼミ合宿のときに教員と話し合って卒論テーマを決定する。
(2)3 年生:年度上期は卒論テーマに関する論文、記事を収集し、夏休み中にそれらについてノートをとりながら
熟読する。下期の初めに卒論の目次を決定し、下期中に大雑把なファースト・ドラフトを完成させて、冬季ゼ
ミ合宿のときに発表する。
(3)4 年生:夏休み中に自分なりに卒論をほぼ完成させる。下期は教員のコメント部分を推敲・手直しし 11 月末ま
でにファイナル卒論を教員に提出する。12 月はじめに卒論発表会を開催する。ただし、発表に値する卒論が 4
本未満の場合、卒論発表会は行わない。1 月上旬の所定の日までに卒論を教務課に提出する。希望者には 1 月
の授業時に教員が無料で表紙バインディングを提供します。
7.評価方法
(1)形式(表紙、目次、本文、注、参考文献、補足資料などの内容および構成)が20 点。
(2)理論編の内容および記述が30 点。
(3)実証分析の内容および記述が30 点。
(4)テーマの捕らえ方、論旨の一貫性、内容の掘り下げ方、表現力などの定性的要因が20 点。
卒論の構成などが本「卒業論文の書き方」と異なる場合は別途考慮します。
なお、「卒業論文」に対する評価であるので、出席の程度、ゼミ活動への貢献度など卒業論文と直接的な関係のない
事柄は卒論評価に加味されません。