有機化合物の構造決定(問題提起)
有機化学の教科書
O HO
HO
HO OH
OH
多種多様な構造の有機化合物
CH3 C O OH
有機化合物の構造決定
有機化合物の構造決定に必要な情報は? 分子量・分子式(組成式)
構造中に含まれる官能基の同定
炭素(炭化水素)骨格構造の決定
質量分析装置、組成分析
化学反応、赤外分光法、( NMR 分光法)
NMR 分光法、(質量分析装置)
有機化合物の構造決定
有機化合物の構造決定に必要な情報は?
分子量・分子式(組成式)
構造中に含まれる官能基の同定
炭素(炭化水素)骨格構造の決定
質量分析装置、組成分析
化学反応、赤外分光法、( NMR 分光法)
NMR 分光法、(質量分析装置)
質量分析法
試料
導入部
装置構成
イオン化部
( 加速部
)
質量
分析部
検出器
何が解る?
:
化合物の を調べる手法
分子量
質量
分析
モル質量 ( 分子量
)
試料の総グラム数
質量分析法
試料
導入部
装置構成
イオン化部
( 加速部
)
質量
分析部
検出器
何が解る?
:
化合物の を調べる手法
分子量
質量
分析
モル質量 ( 分子量
)
試料の総グラム数
質量分析法
試料
導入部
装置構成
イオン化部
( 加速部
)
質量
分析部
検出器
何が解る?
:
化合物の を調べる手法
分子量
質量
分析
モル質量 ( 分子量
)
試料の総グラム数
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(1)
電場 で加速
( 静電引力的な力 )
イオン ( 荷電粒子 )
のみ加速 ( 分析部へ )
−
電気的に中性の
分子種は観測できない 分子イオンの
加速力の源 電場 - 電荷相互作用
電子イオン化法
質
量
分
析
部
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(1)
電場 で加速
( 静電引力的な力 )
イオン ( 荷電粒子 )
のみ加速 ( 分析部へ )
−
電気的に中性の
分子種は観測できない 分子イオンの
加速力の源 電場 - 電荷相互作用
電子イオン化法
質
量
分
析
部
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(1)
電場 で加速
( 静電引力的な力 )
イオン ( 荷電粒子 )
のみ加速 ( 分析部へ )
−
電気的に中性の
分子種は観測できない 分子イオンの
加速力の源 電場 - 電荷相互作用
電子イオン化法
質
量
分
析
部
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(1)
電場 で加速
( 静電引力的な力 )
イオン ( 荷電粒子 )
のみ加速 ( 分析部へ )
−
電気的に中性の
分子種は観測できない 分子イオンの
加速力の源 電場 - 電荷相互作用
電子イオン化法
質
量
分
析
部
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(2)
M の
分子量 M
+ の
速度
大
小
小
大
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
−
電場 - 電荷相互作用 分子イオンの
加速力の源
質
量
分
析
部
へ
電子イオン化法
( 重い )
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(2)
M の
分子量 M
+ の
速度
大
小
小
大
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
−
電場 - 電荷相互作用 分子イオンの
加速力の源
質
量
分
析
部
へ
電子イオン化法
( 重い )
イオン化部
&
分子イオン加速原理
(2)
M の
分子量 M
+ の
速度
大
小
小
大
M+
+
電位差 ( 電圧 ):
V
−
M
( 注入口 )
サンプル分子
熱電子トラップ
e−
e−
−
電場 - 電荷相互作用 分子イオンの
加速力の源
質
量
分
析
部
へ
電子イオン化法
( 重い )
質量分析部
(
導入
)
M の
分子量 M
+ の
速度
大 小
小 大 ( 重い )
( 軽い )
( 遅い )
( 速い )
遅い イオン源
質量分析部
飛行時間型
質量分析計
TOF (
t
ime-
o
f-
f
ilight)
重い
速い 軽い
早い
遅い
質量分析部
(
導入
)
M の
分子量 M
+ の
速度
大 小
小 大 ( 重い )
( 軽い )
( 遅い )
( 速い )
遅い イオン源
質量分析部
飛行時間型
質量分析計
TOF (
t
ime-
o
f-
f
ilight)
重い
速い 軽い
早い
遅い
質量分析部
(
導入
)
M の
分子量 M
+ の
速度
大 小
小 大 ( 重い )
( 軽い )
( 遅い )
( 速い )
遅い イオン源
質量分析部
飛行時間型
質量分析計
TOF (
t
ime-
o
f-
f
ilight)
重い
速い 軽い
早い
遅い
質量分析部
(
導入
)
M の
分子量 M
+ の
速度
大 小
小 大 ( 重い )
( 軽い )
( 遅い )
( 速い )
遅い イオン源
質量分析部
飛行時間型
質量分析計
TOF (
t
ime-
o
f-
f
light)
重い
速い 軽い
早い
遅い
質量分析部
(
分類
)
種類
:
飛行時間型
質量分析計
日本語
:
t
ime-
o
f-
f
ilight
英語
:
TOF
英語
:
①
磁場型
質量分析計 ( セクター型
)
日本語
:
②
単収束扇形磁場型質量分析計
二重収束扇形磁場型質量分析計
質量分析部
(
分類
)
種類
:
飛行時間型
質量分析計
日本語
:
t
ime-
o
f-
f
ilight
英語
:
TOF
英語
:
①
磁場型
質量分析計 ( セクター型
)
日本語
:
②
単収束扇形磁場型質量分析計
二重収束扇形磁場型質量分析計
質量分析部
(
分類
)
種類
:
飛行時間型
質量分析計
日本語
:
t
ime-
o
f-
f
ilight
英語
:
TOF
英語
:
①
磁場型
質量分析計 ( セクター型
)
日本語
:
②
単収束扇形磁場型質量分析計
二重収束扇形磁場型質量分析計
質量分析部
(
磁場型
質量分析計
)
電流
磁場
力 磁場の
向き 紙面裏から表向き
M+
力
フレミングの左手の法則
軽い
曲がりやすい
重い
曲がりにくい
曲がって出てくる位置で分子量選択
磁場型
質量分析計
( セクター型
)
イオン質量分析部
(
磁場型
質量分析計
)
電流
磁場
力 磁場の
向き 紙面裏から表向き
M+
力
フレミングの左手の法則
軽い
曲がりやすい
重い
曲がりにくい
曲がって出てくる位置で分子量選択
磁場型
質量分析計
( セクター型
)
イオン質量分析部
(
磁場型
質量分析計
)
電流
磁場
力 磁場の
向き 紙面裏から表向き
M+
力
フレミングの左手の法則
軽い
曲がりやすい
重い
曲がりにくい
曲がって出てくる位置で分子量選択
磁場型
質量分析計
( セクター型
)
イオン質量分析部
(
磁場型
質量分析計
)
電流
磁場
力 磁場の
向き 紙面裏から表向き
M+
力
フレミングの左手の法則
軽い
曲がりやすい
重い
曲がりにくい
曲がって出てくる位置で分子量選択
磁場型
質量分析計
( セクター型
)
イオン有機化合物の構造決定(問題提起)
有機化学の教科書
O HO
HO
HO OH
OH
多種多様な構造の有機化合物
CH3 C O OH
有機化合物の構造決定
有機化合物の構造決定に必要な情報は? 分子量・分子式(組成式)
構造中に含まれる官能基の同定
炭素(炭化水素)骨格構造の決定
質量分析装置、組成分析
化学反応、赤外分光法、( NMR 分光法)
NMR 分光法、(質量分析装置)
有機化合物の構造決定
有機化合物の構造決定に必要な情報は?
分子量・分子式(組成式)
構造中に含まれる官能基の同定
炭素(炭化水素)骨格構造の決定
質量分析装置、組成分析
化学反応、赤外分光法、( NMR 分光法)
NMR 分光法、(質量分析装置)
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
【 NMR 分光装置】: NMR スペクトルを測定するための 装置一式。磁気共鳴を起こすための超伝導マグネットと NMR スペクトルを取り込むための分光計からなる。
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
【 NMR 分光装置】: NMR スペクトルを測定するための 装置一式。磁気共鳴を起こすための超伝導マグネットと NMR スペクトルを取り込むための分光計からなる。
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
【 NMR 分光装置】: NMR スペクトルを測定するための 装置一式。磁気共鳴を起こすための超伝導マグネットと NMR スペクトルを取り込むための分光計からなる。
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
【 NMR 分光装置】: NMR スペクトルを測定するための 装置一式。磁気共鳴を起こすための超伝導マグネットと NMR スペクトルを取り込むための分光計からなる。
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
【 NMR 分光装置】: NMR スペクトルを測定するための 装置一式。磁気共鳴を起こすための超伝導マグネットと NMR スペクトルを取り込むための分光計からなる。
【 NMR 】: Nuclear Magnetic Resonance の略語。厳密 には Nuclear Magnetic Resonance ( NMR )現象(日本 語では核磁気共鳴現象)という物理現象の名前。広義には NMR 分光法、 NMR スペクトル、 NMR 分光装置をさす言 葉としても使用される。
NMR って何?(その1)
【 NMR 分光法】: NMR 現象を利用した分光法。紫外吸 収スペクトルが紫外光(電磁波)の吸収を取り扱う分光法 であるの対して、 NMR 分光法はラジオ波領域(
MHz-GHz オーダー)の電磁波の吸収を扱う分光法である。
【 NMR スペクトル】: NMR 分光法で得られるスペクト ル。
これが【 NMR 分光装置】だ!
超伝導 マグネット
分光計一式
NMR って何?(その3)
【 NMR 分光法】の簡単な原理
NMR 現象の物理的背景 ( Zeeman 分裂) は省略 (“使う NMR” が目的のため)
NMR って何?(その3)
【 NMR 分光法】の簡単な原理
NMR 現象の物理的背景 ( Zeeman 分裂) は省略 (“使う NMR” が目的のため)
N S
NMR って何?(その3)
【 NMR 分光法】の簡単な原理
NMR 現象の物理的背景 ( Zeeman 分裂) は省略 (“使う NMR” が目的のため)
核スピンは磁石 核スピンの回転
による
誘導電流 原子核は核スピンを持つ
N S = NMR 信号
N S
NMR って何?(その3)
【 NMR 分光法】の簡単な原理
状態解析に NMR 分光法を使う上で知っておくべき NMR スペクトルの特徴(癖)
次スライド以降
NMR 現象の物理的背景 ( Zeeman 分裂) は省略 (“使う NMR” が目的のため)
核スピンは磁石 核スピンの回転
による
誘導電流 原子核は核スピンを持つ
N S = NMR 信号
NMR スペクトルの性質(癖)
1H NMR スペクトル(出典:産業技術総合研究所 SDBS )
スペクトル例 1 スペクトル例 2
a
b
1H 種類数=シグナル数= 1 1H 種類数=シグナル数= 2
原則 1: 1H NMR スペクトルではプロトン( 1H の原子
核)がシグナルをだす。
NMR スペクトルの性質(癖)
1H NMR スペクトル(出典:産業技術総合研究所 SDBS )
スペクトル例 1 スペクトル例 2
a
b
1H 種類数=シグナル数= 1 1H 種類数=シグナル数= 2
原則 1: 1H NMR スペクトルではプロトン( 1H の原子
核)がシグナルをだす。
三回軸対称 六回軸対称
対称面 対称面
NMR スペクトルの性質(癖):シグナル数と対称性
原則 4-2: 分子の対称性により化学的に等価なプロトン
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 4-1: 化学構造上対称な位置にあるプロトンは、 1
本のシグナルとして検出される。
メチルプロトン (CH3) のシグナルが 1 本になる理由
C-C 結合間の回転により Ha, Hb, Hc の区別ができない。
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 3: 各シグナルの積分値 = シグナルの面積
シグナル面積の比は、シグナルを出す(等価な)プロ
トン数の整数比に一致
スペクトル例 3
1H 種類数(メチル・メチレン・水酸基プロトン)=シグナル数= 3 (原則 2 より)
シグナル 面積積分
値:2
シグナル 面積積分
値: 1 シグナル 面積積分
値:3
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 3: 各シグナルの積分値 = シグナルの面積
シグナル面積の比は、シグナルを出す(等価な)プロ
トン数の整数比に一致
スペクトル例 3
a
b
1H 種類数(メチル・メチレン・水酸基プロトン)=シグナル数= 3 (原則 2 より)
c
シグナル 面積積分
値:2
シグナル 面積積分
値: 1 シグナル 面積積分
値:3
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 4-1: 化学構造上対称な位置にあるプロトンは、 1
本のシグナルとして検出される。
メチルプロトン (CH3) のシグナルが 1 本になる理由
C-C 結合間の回転により Ha, Hb, Hc の区別ができない。
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 5: 同種のプロトン(例えばメチルプロトン同士)
であっても化学的環境が異なるものは別々のシグナル をだす。
スペクトル例 4
註:プロトン数が3:3 なので整数比は1:1)
b
シグナル面積 積分値(整数
比): 1
シグナル面積 積分値(整数
比): 1
NMR スペクトルの性質(癖)
NMR スペクトルの性質(癖)
原則 6: 化学構造上近傍にプロトンが存在するシグナル
は
スピン - スピン結合 (J-coupling)
で分裂する。
スペクトル例 5
J-coupling
J-coupling
スピン - スピン結合
スピン - スピン結合
(一般に共有結合 3 〜 4 本以内の位置にあるプ
NMR スペクトルの性質(癖)
3-bond J-coupling (3J)
(ビシナルカップリング)
4-bond J-coupling (4J)
C C H H
R1
R2 R3 R4
C C H C H R1 R2 R3 R4 C H H
R1 R2
2-bond J-coupling (2J)
(ジェミナルカップリング)
原則 6: 化学構造上近傍にプロトンが存在するシグナル
は
Ha のシグナルの分裂パターン
原則 7: J-coupling する(等価な)プロトン数が n 個の
時、シグナルは n+1 本に分裂する。なお各共鳴線の面 積比は上図の通り。
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4
C C Hb1 Ha
R1
R1 R2
Hb2
C C Hb1 Ha
R1
R1 H b3
Hb2
doublet (d) triplet (t) quartet (q) 1 : 1 1 : 2 : 1 1 : 3 : 3 : 1
J-coupling 分裂パターン: n+1 ルール適用可能なケース
カップリングする
等価なプロトン数
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 3 4 5 6 3 6 10 15 4 10 20 5 15 6 0 1 2 3 4 5 6
共鳴線の整数比
パスカルの三角形
原則 8: n+1 ルールが適用できる場合、 J-coupling によ
るシグナルの分裂パターン(共鳴線の整数比)はパス
NMR スペクトルの性質(癖)
スペクトル例 5
J-coupling
J-coupling
quartet (q) triplet (t) 1:2:1 1:3:3:1
ビシナル位の 1H 数 3 2
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4 N
S N S 3J a-b1 3J a-b1
Ha の全磁化
エネルギー
1
1/2
1 : 1 Hb1 の核磁化(磁石)の向き
( 二種類 )
doublet (d) 1 : 1
Hb1
核磁化の向き(二状態)を反映して
Ha のシグナルが 2 本(二種類)に分裂
原則 9: J-coupling によるシグナルの分裂数はカップリ
ング相手の磁化の状態数と同じ。
Ha のシグナルの分裂パターン (t) ・シミュレーション
C C Hb1 Ha
R1
R1 R2
Hb2
triplet (t) 1 : 2 : 1
N S N S N S N S 3J a-b1 3J a-b2 Hb1 Hb2 3J a-b1 3J a-b2 3J a-b2
1 : 2 : 1
Ha の全磁化
エネルギー
1
1/2
1/4
Hb1 と Hb2 は化学的に等価なプロトン
3J
a-b1 = 3Ja-b2
Ha
R1 R1
R2
Ha のシグナルの分裂パターン (dd) ・シミュレーション
double doublet (dd) 1 : 1 : 1 : 1
N S N S N S N S 3J a-b 3J a-c Hb Hc 3J a-b 3J a-c 3J a-c
1 : 1 : 1 : 1
Ha の全磁化
エネルギー
1
1/2
1/4
化学的に非等価なプロトン
2 個と J-coupling した場合
C C R1
C Hc Hb
Ha
R3
原則 10: J-coupling しているプロトン同士の J 値は等し
い。
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4
doublet (d) doublet (d) Hb1 Ha
J1 J1 J1
C C Hb1 Ha
R1
R1 R2
Hb2 J2 J2 triplet (t) Hb1&2 J2 J2 J2 Ha doublet (d)
積分値 1 1 1 2
J-coupling ・積分値のみで帰属できない場合:化学シフト値の利用
上記のスペクトルでは J-coupling が見られず、 J -coupling ・積分値の情報のみでは帰属ができない。
スペクトル例 4
註:プロトン数が3:3 なので整数比は1:1)
b
シグナル面積 積分値(整数
比): 1
シグナル面積 積分値(整数
比): 1
a
化学シフト値(典型的な値)
0 1
2 3
4 5
6 7
8 9
10 11
12
1H (ppm)
J-coupling ・積分値のみで帰属できない化合物の構造決定に必要
上記化学シフト値は基本的に経験則(例外もある)
化学シフト値の定義(重要!)
観測可能な核種: 1H, 13C, 15N, 19F, 29Si, 31P, 77Se, etc.
化学シフト値範囲 1H : 0 ~ 15 ppm; 13C : 0 ~ 250 ppm
基準共鳴周波数:参照化合物由来シグナルの共鳴周波数 (Hz)
1H, 13C 参照化合物:
TMS (Tetramethylsilane) H3C Si CH3
CH3
CH3
化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
観測可能な核種: 1H, 13C, 15N, 19F, 29Si, 31P, 77Se, etc.
化学シフト値範囲 1H : -5 ~ 20 ppm; 13C : -20 ~ 300 ppm
金属棒の切り出し誤差 (ppm) =
規程長: L0
実際の切り出し長: L1
L1 - L0
L0 X 106
化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106 原則 14:
なぜ 1H NMR スペクトル上には 13C NMR シグナルは現れないのか?
観測可能な核種: 1H, 13C, 15N, 19F, 29Si, 31P, 77Se, etc.
化学シフト値範囲 1H : -5 ~ 20 ppm; 13C : -20 ~ 300 ppm
基準共鳴周波数:参照化合物由来シグナルの共鳴周波数 (Hz)
1H, 13C 参照化合物:
TMS (Tetramethylsilane) H3C Si CH3
CH3
CH3
化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
なぜ 1H NMR スペクトル上には 13C NMR シグナルは現れないのか?
1H 基準共鳴周波数 = γ
1H
2π B0
γ1H = 4*γ13C 基準周波数 (Hz) が異なる
原則 15: γ は核種固有の定数(比例定数のようなもの)
B0 = 9.4 T のマグネットの場合:
0
MHz 400
1H 基準共鳴周波数
100
13C 基準共鳴周波数
1H (ppm) 13C (ppm)
TMS(13C)
0 TMS(1H)
0
13C 基準共鳴周波数 = γ
13C
2π B0
よもやま話
@B0 = 9.4 T
0 100
400
MHz
1H 13C
1H (ppm) 13C (ppm)
TMS(1H) TMS(13C)
0 0
1H NMR シグナルと 13C NMR シグナルが同じスペクトル上
に現れない理由はラジオの放送が互いに混線しないことと
似ている。
40
15N
160
31P
376
19F
60
2H
FM: Frequency Modulation (周波数 ( 波長 ) 変調) AM: Amplitude Modulation (振幅強度変調)
Ha のシグナルが分裂する理由(化学的背景)
原則 16: J-coupling は共有結合を通じて引き起こされる
。
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4
N
S N S
Hb1 の核磁化(磁石)の向き ( 二種類 )
核磁化の向き(二状態)を反映して
Ha のシグナルが 2 本(二種類)に分裂 J1
核磁化伝達の主な担い手: 電子 核磁化伝達の経路: 共有結合
骨格構造(化学結合のつながり)を決定できる理由
1H-1H J-coupling パートナーの同定
(c)
積分値 2
t, 6.5 Hz (d)
積分値 2
t, 6.5 Hz (a)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(b)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(e)
積分値 1
s
Ha のシグナルの分裂パターン (dd) ・シミュレーション
double doublet (dd) 1 : 1 : 1 : 1
N S N S N S N S 3J a-b 3J a-c Hb Hc 3J a-b 3J a-c 3J a-c
1 : 1 : 1 : 1
Ha の全磁化
エネルギー
1
1/2
1/4
化学的に非等価なプロトン
2 個と J-coupling した場合
C C R1
C Hc Hb
Ha
R3
原則 10: J-coupling しているプロトン同士の J 値は等し
い。
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4
doublet (d) doublet (d) Hb1 Ha
J1 J1 J1
C C Hb1 Ha
R1
R1 R2
Hb2 J2 J2 triplet (t) Hb1&2 J2 J2 J2 Ha doublet (d)
積分値 1 1 1 2
1H-1H J-coupling パートナーの同定
(c)
積分値 2
t, 6.5 Hz (d)
積分値 2
t, 6.5 Hz (a)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(b)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(e)
積分値 1
s
(a)-(b) の J より:対称な H-C-C-H 単位が 2 個
1H-1H J-coupling の利用
(c)-(d) の J より:-CH2-CH2- 単位が 1 個
(a)-(b) の化学シフト値より:p- 置換ベンゼン
(b) H H (a)
1H-1H J-coupling パートナーの同定
(c)
積分値 2
t, 6.5 Hz (d)
積分値 2
t, 6.5 Hz (a)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(b)
積分値 2
d, 8.5 Hz
(e)
積分値 1
s
1H-1H J-coupling の利用
H H
H H
Br CH2-CH2-OH (a)/(b)
(c)
1H-1H J-coupling パートナーの同定
H H
H H
Br CH2-CH2-OH
diagonal peaks
(自分自身とのクロスピーク)
coupling 相手とのクロスピーク
1H-1H COSY スペクトル
J J
J
1H-1H J-coupling パートナーの同定
すべての J 値が同じ場合 coupling パートナー?
2.0 1.0 ppm
2.0
1.0 ppm
1H-1H COSY スペクトル
diagonal peaks (自分自身とのクロスピーク)
NMR スペクトルで観測可能な核種は 1H だけか?
答: No! 1H 以外にも観測可能な核種はある.
I = 1/2 (NMR 観測に適した核種 )
観測可能な核種: 1H, 13C, 15N, 19F, 29Si, 31P, 77Se, etc.
逆に,観測不可能な核種は? 12C, 16O, 32S, 112Cd, etc.
I = 0 ( 核磁化が全く生じない核種 )
I = 1/2 の核種 (13C) の NMR スペクトル
1H-decoupled 13C NMR スペクトル (13C{1H} NMR スペクトル )
1H と 13C は J-coupling しないのか? する !
CDCl3
出典:有機化学の
ための高分解能
NMR テクニック
-pinen
10 個の独立な炭素原子 10 本の 13C NMR シグナル シグナル
I = 1/2 の核種 (13C) の NMR スペクトル
1H-decoupled 13C NMR スペクトル (13C{1H} NMR スペクトル )
CDCl3
-pinen
c
e/i d/j
f
a/g/h a
b c d e
f g h
i
j b
出典:有機化学の
ための高分解能
NMR テクニック
原則 12: スピン量子数 0 以外の核種( NMR シグナル
よもやま話
1H NMR シグナルと 13C NMR シグナルが同じスペクトル上
に現れない理由はラジオの放送が互いに混線しないことと
似ている。
Date-FM; NHK FM; Radio3 他は固有の周波数で送信 FM: Frequency Modulation (周波数 ( 波長 ) 変調) AM: Amplitude Modulation (振幅強度変調)
îg í∑ ( m )
êU ïù
C C H H
R1
R2 R3 R4
3J HH
異核相関スペクトル
C C H H
R1
R2 R3 R4
1J CH
1H-1H COSY spectrum
1H-13C correlation?
1H-13C HETCOR
Hetero-COSY
1H-13C HMQC
二次元 NMR スペクトル
1H-1H COSY spectrum 1H-13C HETCOR
1H (ppm)
2.0 3.0 4.0 2.0 3.0 4.0 1 H ( p pm ) 20 60 100 140
13C (ppm)
H H
OH
(a1) (a2)
(b) (c) (d) (e)
(f) (e) (a1)/(a2) (f) (b) (c) (d) (e) (a)
(a) (b) (d) (a1)/(a2)
J-coupling : 1H 1 個あたり二本に割れる理由(物理的背景)
原則 11: 共鳴線分列数 = 2*I + 1
C C Hb1 Ha
R1
R2 R3 R4
N
S N S J1
1H のスピン量子数 (I)
スピン磁気量子数 (mI) の状態数 = 核磁化の状態数 = 共鳴線分列数
I = 1/2
-1/2 +1/2 差: 1
-1/2 +1/2 Hb1
1H のスピン磁気量子数 (m I)
宿
題
1) 酵素と免疫系のどこが嗅覚と関連するか答えなさい。
2) 上述の文章中では、酵素と免疫系では何が異なると言って
いるでしょうか。
酵素も免疫系も、嗅覚同様に分子を「識別」するところ。
分子認識(結合)の観点からは、酵素は限られた種類の 分子しか認識できないが、基質分子の範囲内であれば、
宿
題
3) 犬にチョコレートを与えると病気になるのはなぜか。理由を
答えなさい。
犬は進化の過程で、チョコレートに含まれる分子を
宿
題
4) 「人間は、じつのところ、匂いを嗅げるはずがないのだ。」と
著者がいっている理由を説明しなさい。
分子形状を認識する既知の方法は、酵素による分子
認識と、抗体による分子認識の二種類のみである。
酵素は嗅覚のように瞬時に分子を認識できるが、嗅 覚のように無限の分子を認識できる訳ではない。一
方、抗体は無限の分子を認識できるが、嗅覚のよう に未経験の分子でも瞬時に認識できる訳ではない。
「無限の種類の分子の認識」と「瞬時識別」の両方
が可能な方法は既知の形状認識法には存在しない。 このように形状認識で分子を識別すると仮定すると、
既知の形状認識法では、臭気分子の識別の特性を説 明できない。この矛盾を指して「匂いをかげるはず
演習
問題
NMR の四重線 (quartet: q) の各共鳴線の積分値比をシミ
ュレーションで求めなさい。
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 3 ppm
のシグナルの絶対共鳴周波数は何 Hz か。
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、
500002500 Hz のシグナルの化学シフト値は何 ppm か。
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 10
金属棒の切り出し誤差 (ppm) =
規程長: L0
実際の切り出し長: L1
L1 - L0
L0 X 106
化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
化学シフト値の定義(重要!)
L1 - L0
0 MHz
基準共鳴周波数 (= 0 ppm の周波数 )
各シグナルの共鳴周波数
各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 3 ppm
のシグナルの絶対共鳴周波数は何 Hz か。
化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
= 3ppm シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
基準共鳴周波数 = 500(MHz) = 500 X 106(Hz) = 500,000,000(Hz) 題意より、化学シフト値 = 3 ppm
3ppm = 各シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
500,000,000(Hz) X 10
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 3 ppm
のシグナルの絶対共鳴周波数は何 Hz か。
3 ppm =3ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
500,000,000(Hz) X 106
3 ppm =3ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
500(Hz)
約分
3(ppm) X 500(Hz) = 3 ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
1,500(Hz) = 3 ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
3 ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz) = 1,500(Hz)
3 ppm シグナルの共鳴周波数 = 500,000,000(Hz) + 1,500(Hz)
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、
500002500 Hz のシグナルの化学シフト値は何 ppm か。 化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
基準共鳴周波数 = 500(MHz) = 500 X 106(Hz) = 500,000,000(Hz) 題意より、各シグナルの共鳴周波数 = 500002500(Hz)
化学シフト値 =500,002,500(Hz) - 500,000,000(Hz)
500,000,000(Hz) X 106 約分
化学シフト値 =2,500(Hz)
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 10
ppm のシグナルは 0 ppm から何 Hz 離れているか。 化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
=10ppm シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
基準共鳴周波数 = 500(MHz) = 500 X 106(Hz) = 500,000,000(Hz) 題意より、化学シフト値 = 10 ppm
10 ppm = 10ppm シグナルの共鳴周波数 - 500,000,000(Hz)
500,000,000(Hz) X 10
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 10
ppm のシグナルは 0 ppm から何 Hz 離れているか。
10 ppm シグナルの共鳴周波数 = 500,005,000(Hz)
0 ppm シグナルの共鳴周波数 = 基準共鳴周波数
= 500,000,000(Hz)
0 ppm から何 Hz 離れているか = 0 ppm からの周波数差
0 ppm からの周波数差 = 10 ppm シグナルの共鳴周波数
− 0 ppm シグナルの共鳴周波数(基準共鳴周波数)
= 500,005,000(Hz) − 500,000,000(Hz)
= 5,000 Hz
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 10
ppm のシグナルは 0 ppm から何 Hz 離れているか。 化学シフト値 =各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
基準共鳴周波数 X 106
ここで、各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数 = 0 ppm からの周波数差
化学シフト値 = 0 ppm からの周波数差
基準共鳴周波数 X 106
別解
0 MHz
基準共鳴周波数 (= 0 ppm の周波数 )
各シグナルの共鳴周波数
各シグナルの共鳴周波数 - 基準共鳴周波数
演習
問題
1H の共鳴周波数が 500 MHz の NMR 分光器では、 10
ppm のシグナルは 0 ppm から何 Hz 離れているか。
10 ppm = 0 ppm からの周波数差
500,000,000(Hz) X 10
6
化学シフト値 = 0 ppm からの周波数差
基準共鳴周波数 X 106
約分
10 ppm = 0 ppm からの周波数差
500 (Hz)
0 ppm からの周波数差 = 10(ppm)X500(Hz) = 5000 Hz
別解