中小企業の明副こ向けて、経営の本質l こ迫るヒューマンドキュメント
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賢胃。01
中小企業経営者最大の懸案事項
『後継者問題』をドラッカーの
教えで乗り越えろ!
【ビジネスニューフロンティア】
健康長寿国家戦略の切り札となるか
「機能性食物」を開発せよ!
秀氏・柊拓志氏
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●農水省農林水産技術会議事務局/前田
【トップ・インタビュー】
FRC砕石で地域活性化を狙う
産廃物を資源に変えよ!
●酒井鈴木工業㈱
●酒田FRC有限責任事業組合/霜藤茂氏
【特別企画】
成功の秘訣は「価値経営」にあり!
利益を分かち合うことこそ、
仕事の深い歓びである。
● ㈱ジエー.ピー.イー/工藤武和氏
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﹃ 東 北 公 益 文 科 大 学 ﹄
J un,2014 No,187
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東 北 が 誇 る ◆ 知 の 巨 人 ◆
経 論
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公 密
百 号
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8 回
瞥
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(右)東北公益文科大学外観
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(左)300人収容でき、最先端の遠隔講義にも対応した大教室
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題 出 題 寒 雲 嚢 嚢 繋 嚢 :∴繋 :「 ∴ ∴
講 離 籍 学 〝 理 事 長 新 田 嘉 ■ 氏
● プロフィール
にった・かいち氏… 昭和8年山形県 平田町生まれ。山形県立直内患業 高校卒業後、養豚を始める。昭和42 年平田牧場設立。平敬三元豚を開 発し、豚肉のトップブランドに育て上げ る。現在平田牧場グループ会長。学 校法人東北公益文科大学理事長。
●学校法人東北公益文科大学
〒998−8580
山形県酒田市飯森山3−5−1 TELO234−41−1111
ht t p://www.koekトU.aC.j p/
●株式会社平田牧場
〒998−0853
山形県酒田市みずほ2−17−8 TELO234−22−8612 ht t p://www.hi r ab°ku.i nf °/
伝 説 の 経 営 者 ・
新 田 嘉 。 氏 が 挑 む
大 学 再 生 !
東北公益文科大学︵以下、公益
大︶ は、21世紀に入ってから開校
したばかりのまだ新しい大学であ
る。
地方分権が叫ばれる中、東北で
は新しい地域づくりの先頭に立つ
若い人材が求められているが、そ
の人材育成のために山形県と庄内
14市町村が設置費用を拠出し、学
校法人東北公益文科大学が運営す
る公設民営の大学が、この公益大だ。
現在、理事長を務めるのは新田
嘉一氏。
新田氏と言えば、たった2頭の
豚から養豚業を起こし、平田牧場
を日本有数のブランドに成長させ
た起業家であり、庄内発展のため
多くの功績を残してきた地元の名
士でもある。もちろん、公益大開
校にも、積極的にかかわってきた。
﹁庄内地方00万人が幸せに生き
ていくためには高等教育が不可
欠である、というのが私の持論で
す。お隣の秋田県も産業は乏しい
ところだが、秋田大学とその出身
者が地域の産業界を支えていると 言っても過言ではない。だからこ
そ庄内にも学校が必要だったので
す。大学は次代を支える人材を作
る場所。そういう場所をどうして
も作り上げたかった。もちろん庄
内のみならず広く東北六県の若者
に学んで欲しい。だからこそ﹃東北﹄
を冠しているのです﹂
そして校名にある﹃公益﹄ にか
ける思いは深い。
﹁校名に入れた﹃公益﹄は、一般
的には﹃公共の利益﹄という意味
で使われますが、私は本当の公益
とは、一人の人間が社会で自立し
て利益を上げ、きちんと納税して
社会に貢献することだと思ってい
ます。今こそ、この公益の原点に
立ち戻るべき時なのです。公益大
とは本来、そうした人材を輩出す
る使命を担っているはずなのです
が、大学の取り組みはまだまだ足
りない部分があると感じていまし
た。そこで今年から新カリキュラ
ムによる社会のニーズに沿った教
育を実施しています﹂
これは何も公益大に限ったこと
ではないが、特に地方の小規模大
学を取り巻く環境は厳しい。少子
化が続く現在、18歳人口はピーク 時のたった6割という状況だ。そ
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安心安全な食材にこだわった学生食堂。一般市民も利用可能
んな中、規制緩和で新設大学の開
校が相次ぎ、大学全体の定員は増
加しているというのだ。その結果、
少ないパイの取り合いは地方大学
に不利に働いている。
﹁現在の偏差値教育と大学選択
のブランド信仰をどうにかしたい
ものです。ただ単に偏差値の高い
大学に行きたい、卒業後は名の通っ
た企業に就職したい、というのが
子供たちの現状ですからね。大学
側もただ自分の学校の偏差値を高
めることばかりが目的になってい
る。これでは都市部の大規模大学
に学生が集中し、地方が空洞化し
てしまいますよ。学ぶということ
は、必ずしもテストの点数を取れ
ばいいわけじゃない。そんなもの
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じゃ量れない価値が特色ある地方
大学にはあるんです。それを東北
の高校生にはぜひ理解してもらい
たい﹂
そこで、公益大が取り組んだの
が﹃地︵知︶ の拠点整備事業﹄ へ
の応募だ。これは、文科省が実施
しており、自治体と連携し、全学
的に地域を志向した教育・研究・
地域貢献を進める大学を支援する
ものだ。
課題解決に資する様々な人材や
情報・技術が集まる、地域コミュ
ニティの中核的存在としての大学
の機能強化を図ることを目的とし
ている。
公益大は、﹃地域力結集による
人材育成と複合型課題の解決−庄
内モデルの発信﹄をテーマに申請、
見事に採用された、。これは東北・
北海道地域の私大として、当該年
度唯一という結果だった。
この事業の大きな柱として立ち
上げたのが﹃庄内経営者塾﹄だ。
﹁公益大の学生と地域の若者を
受講生として迎え、地元企業の経
営者が定期的に登壇。指導教員
と起業家ネットワークの支援を受
けて、受講生がビジネスアイデア
をプラン化し、スタートアップま
10
でつながるよう支援していきます。
5月に行われたのか、地元経営者
によるセミナーの第一弾。理事長
でありこの塾の塾長でもある私が
講演しました﹂
ここを巣立っていく起業家が地
元で旗揚げし、新田氏が経営する
平田牧場以外にも、東北発の優良
企業をもっと作ろうというのが大
目標である。
﹁東北全体に売上規模100億
円以上の会社をもっと増やしてい
きたい。それくらいの企業になれ
ば、銀行だっておいそれとつぶし
たりはできませんから。私のよう
な起業家が増えれば、地域の雇用
も増えていくのです。我が社︵平
田牧場グループ︶ は地元を中心に
1000人を雇用しています。私 の友人に、中村恒也セイコーエプ
ソン名誉相談役︵山形出身︶とい
う方がいますが、この会社︵東北
エプソン︶ が3000人雇用して
いる。つまり我々二人がこの地域
の雇用を下支えしているわけです。
事業に対して夢がある人間、そ
してそれをやり遂げられる人材を、
これから公益大で育て上げていき
ます﹂
もちろん学生の本分である授
業は魅力にあふれている。例えば
教員。新田氏の、事業家としての、
あるいは地元の名士としての華麗
なる人脈によって、一般の地方私
立大学では考えられないような豪
華な客員教授陣を実現し.ている
のだ。地元酒田出身の評論家やシ
ンクタンク理事長、元東京大学総
長、NHK解説委員、Iリーグク
ラブの元ゼネラルマネージャーな
ど、まさに多士済済だ。
その他、研修や講演で招かれる
弁士も実にバラエティに富んでい
る。元日弁連会長、有名私大塾長、
最大手自動車会社前社長、世界的
建築家、NHKでも紹介された工
業デザイナーといった鈴々たる顔
ぶれは、学生たちにとっても貴重
な出会いとなったに違いない。
公 蓋 大 改 革 の た め に
大 録 を 振 る う ー 。
前述の通り、地方大学の悩み、
それは学生集めだ。公益大とて例
外ではない。もちろん、新設大学
という歴史の浅さや規模感、酒田
という地域柄も大いに関係してい
ることだろう。
だが、新田氏はそういった条件
もポジティブにとらえている。
﹁学校には余計なしがらみがない
方がいいんです。運営の資源があ
るとか、累積した文化があるとか、
あるいはお金があるとか、そんな
ものは重要じゃないんです。大事
なことは、大学で何を考え、何を
するか、です。今、その根源的な
部分が子供たちに欠けている。も
ちろん、それは我々大人にも欠け
ているんですが。ここは何もない
場所だからこそ、人間が羽ばたい
ていくのにふさわしい。ここでの
教育で多くのものを得て、巣立っ
ていって欲しいのです﹂
平成21年に新田氏が理事長に就
任して以降、思い切った改革に着
手している。
﹁正直申し上げて学校を取り巻
く環境は厳しい。だからこそ私 が理事長を仰せつかったわけです。
そこから大学改革を始めました。
まず私の﹃経営方針﹄ に賛同いた
だけない教職員には身を引いてい
ただきました。このご時世、先生
のなり手はいくらでもいます。象
牙の塔に閉じこもるような経営感
覚のない教員は、学校経営健全化
の妨げになりますし、大学が標梼
する﹃リーダーシップを持って地
域課題に果敢に取り組む人材﹄ の
育成にはふさわしくありませんか
らね﹂
教職貝も並々ならぬ努力をしな
がら、公益大は黒字化に向けて動
いている。
新田氏も、ただリストラクチャ
リング︵再構築︶だけを断行して
いるのではない。
﹁毎週月曜日には大学に行き、そ
こで教職員に訓示しています。学
生にも直に語りかける機会が増え ていますが、彼らに小難しい時事
問題なんかを語ることはありませ
ん。若者には生きる力を身に付け
て欲しい。社会で自立して生きて
いくためには何が必要かを語って
います﹂
当面の目標は、1学年200人
を確実に入学させること。それが
大学を活性化し、発展させていく
スタートラインだ。
東 北 の 衰 退 を
黙 っ て 見 過 ご す こ と は
で き な い − 。
そもそも、公益大開校の目的は、
地域の活性化にある。
﹁私は子どものころから、﹃家庭
があって、地域があってこそ、国
がある﹄という考えを持っていま
す。庄内は今、人口の減少が著し
く、これを何とかしなくではいけ ない、この地域を何とか守らなく
てはいけないと思っている。庄内
に生まれ育った若者が、東京に出
たきり戻ってこないのは、庄内に
働く場がないからでしょうが⋮⊥
こういった現実は何も庄内に限
らず、東北全体が抱える問題だ。
だからこそこの思いは、地元庄内
だけでなく、東北六県にもあまね
く広めなければならないと考えて
いる。
﹁東北に生まれた子どもたちが、
ずっとこの地に住み続けることが
できるのか理想です。そのために
は、社会的なインフラの整備、そ
して大学等での人材育成が大事に
なるんです。また、既存の企業に
入らなくても自立して生きて行け
る社会を作ることが大事です﹂
公益大が進むべき道はハッキリ
と見えてきている。庄内を、山形を、
そして東北をリードし、万人の幸
(上)ドミトリー‥・キャンパスから徒歩3分のコテージ風の 学生研究寮/(中央)メディアセンター… 約14万冊の 収蔵能力をもつ国富館/(下)太陽光発電システム… 教員研究棟の上にあり、大学の全電力の約6%を供給
福を実現する人材を育
成すること。
きっと数年のうちに、
より多くの学生が希望
に胸膨らませてこの大
学の門をくぐつていく
ことだろう。その日ま
で新田氏の奮闘は続く。
(次号では、新田氏の築き上げた平田牧場について伺います)