計量経済学#10
計量分析ソフト gretl
鹿野繁樹
大阪府立大学
2017 年 11 月更新
鹿野繁樹 (大阪府立大学) 計量経済学#10 2017 年 11 月更新 1 / 21
Outline
1 計量分析ソフトgretl
テキスト・参考書。
テキスト:鹿野繁樹 [2015]、付録 1。 参考書:加藤久和[2012]。
前回の復習
1 OLS 推定量の分布 2 回帰係数の仮説検定
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Section 1
計量分析ソフト gretl
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計量分析ソフト gretl について
フリーウェアの計量分析ソフトgretl(グレーテル)。
“Gnu Regression, Econometrics and Time-series Library” の略。 計量分析の練習用に開発される。⇒ 練習用のデータを多数 持つ。
要約統計や散布図、ヒストグラムの作成、回帰分析から、上 級の分析手法まで実行可能。
詳しくは加藤久和[2012] 参照。
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インストール
gretl の公式サイトおよび OS 毎のダウンロードページ 公式サイト:http://gretl.sourceforge.net/
Windows 版:http://gretl.sourceforge.net/win32/ Max 版::http://gretl.sourceforge.net/osx.html
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Windows 版の場合:上記ダウンロードページを開き、latest release
(最新版)の箇所を見つける。 3 通りのファイル。
1 ‘self-installer (32-bit)”
2 “self-installer (64-bit)”
3 “zip archive (no admin rights)”。
“zip archive (no admin rights)” はパソコンへのインストールが 不要なポータブルバージョン。こちらを推奨。
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ポータブルバージョン“gretl-1.10.1-win32.zip” をクリック
⇒sourceforge 特有のダウンロードが始まる。
ダウンロードが終了したら、ファイルを解凍。
“gretl” というフォルダを、適当な場所へ置く。(USB メモリ などに入れて使うことも可能性。)
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起動と初期設定
“gretl” フォルダを開く。
“gretl.exe” というアイコン(女の子の横顔の絵)をダブルク リック ⇒gretl が起動。
パソコンが日本語OS ならば、インターフェイスは全て日本語 化される。
図1:日本語 gretl のメイン画面(GUI)。
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図1 : gretlのメイン画面
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画面上部ツールバーから「ツール(T)」→「設定(P)」→「一般
(G)」と進み、設定画面を開きます.
「小数点の表示に言語設定を反映」という項目を確認し、 チェックが外れていることを確認。
外国語でgretl を使いたい場合は、同画面の「言語設定」で言 語を選択。
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上部ツールバーから「ツール(T)」→「設定(P)」→「等幅フォ ント(F)」と進み、フォントの設定。
デフォルトの「Consolas」ではなく、「MS ゴシック」など日 本語フォントを選択。(出力画面の文字化けを防ぐ。) 英語で利用する場合は「Consolas」のままで OK。
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データの用意と gretl への読み込み
データはMicrosoft Excel で準備すると便利!
図2:マンション価格のデータを記録した Excel ファイル
“apartment.xlsx”(講義ノート#01 以来たびたび登場)。 自分でデータを用意する場合、次の点に注意。
1 最初の列に変数名を、半角英語・アルファベットで付ける。
(半角=幅の狭い、欧文用の文字。)
2 データ中の数字は全て半角で入力。全角(日本語入力)は避 ける。
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図2 : マンション価格のデータ(Excelファイル)
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Excel ファイルを gretl の画面にドラッグ ⇒gretl が「インポートす るシート」を聞いてくるので、Sheet1(データの入っているシー ト)を選択。
メッセージ「インポートされたデータは日付なし(クロスセ クション)データとして解釈されました。このデータを時系 列あるいはパネルデータとして解釈し直しますか?」
⇒「いいえ(N)」を選択。
データの読み込みが終わると、変数名が画面上に並ぶ。⇒ 基 本統計量やヒストグラムを計算できる。
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回帰分析
上部ツールバーから「モデル(M)」→「最小二乗法(O)」を選ぶ
⇒OLS 推定の被説明変数 Yiと説明変数Xiを指定するウィンドウ が現れる(図3)。
gretl の「従属変数」は、被説明変数を指す。
Yiにprice を、Xiにmin、area、oneRK を選び、「OK(O)」 をクリック。
デフォルトで入っているconst は、定数項のこと。
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図3 : 説明変数と被説明変数(従属変数)の設定
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表4:OLS 推定の結果を示すウィンドウ。⇒ 見るべきものは、次 の通り。
出力ウィンドウの、ここに注目
1 「観測」:使用したサンプル数。
2 「係数」:各説明変数に関する、回帰係数のOLS 推定値。
3 「標準誤差」:各説明変数に関する、係数の標準誤差。
4 「t 値」:各説明変数に関する、係数の有意性を示すt 値。
5 「Adjusted R-squared」:自由度修正済み決定係数。
このウィンドウは「ファイル」→「名前を付けて保存(S)」 でテキスト保存可能。
レポートや論文作成の際は、分析結果を保存しておく。
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図 4 : 推定結果ウインドウ
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この分析例は、テキスト第7 章、p130 の (7.4) 式。 pricei = 1896.26
(10.03)
−544.81
(−3.38) D
i−36.7941
(−3.68) min
i− 61.31
(−13.35)agei
+ 60.14
(27.19)areai, n = 194,
R¯2 = 0.89. (7.4)
統計ソフトで分析を行った際は(gretl に限らず)、必要な(見 せるべき)統計値をピックアップし、式または表にまとめて 提示。
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今回の復習問題
今回はお休み。
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References
加藤久和. gretl で計量経済分析. 日本評論社, 2012. 鹿野繁樹. 新しい計量経済学. 日本評論社, 2015.
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