いわき市では、食の安全・安心を確保するため、食品営業施設等への指導(営業施 設の許可及び監視指導、食品の収去検査)、食品に係る苦情調査、営業者・集団給食 関係者及び消費者に対する衛生教育を行っています。
また、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、食の安全・安心を確保するため、 水道水・井戸水を始めとして、一般家庭の食事、学校給食(食材及び食事)、保育所 給食(食材及び食事)、加工食品等について放射性物質の検査を実施しています。食 品の放射性物質汚染に対して多くの市民が不安を感じていることから、食品衛生法に 基づく基準値を超える食品が流通することがないよう検査体制の強化が必要です。
(1)食品の安全性に関する基礎知識を持っている市民の割合(16 歳以上の場合)
「健康に悪影響を与えないようにするために、どのような食品を選んだ方が良い かや、どのような調理が必要かについての知識があるか」については、「ある」と 答えた人は 63%となっています。健全な食生活の実践のためには、食品に関する リスクなど安全性に関する情報を受け止め、適正に食品を選択できる力を身に付け る必要があります。
5 食の安全・安心
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉
0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体
65歳以上
40~64歳
19~39歳
16~18歳
不明 67 33
35 5
54 1
9 13 8
40 15 58
58 55
5 3 35 7
26 34 22 2 5 28 4 5
(2)子どもの食生活についての悩みや不安(15 歳以下の子どもの保護者、複数回答)
約9割の方が、子どもの食生活について悩みや不安があると回答しています。 悩みや不安があると回答した人の約7割が「放射性物質」を挙げています。また、 「子どもの健康」、「食事のマナー」、「食品添加物」を挙げた人はそれぞれ約4割で
した。
【子どもの食生活についての悩みや不安の内訳】
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉 〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉
子どもの健康について 食事のマナーについて 食文化の継承について 食品の安全性(農薬) 食品の安全性(食品添加物) 食品の安全性(BSE) 食品の安全性(食中毒) 食品の安全性(放射性物質) 食品の安全性(その他) その他
45 42 9 31 41 15
25 72 2 6
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 悩みや不安を感じている人
悩みや不安を感じていない人 無回答
7%
(3) 自分の食生活についての不安(16 歳以上の場合、複数回答)
約9割の方が、自分の食生活について悩みや不安があると回答しています。 悩みや不安があると回答した人の約6割が、「自分の健康」、「放射性物質」を挙 げています。また、「家族の健康」を挙げた人は約5割、「食品添加物」、「農薬」を 挙げた人はそれぞれ約4割でした。
【自分の食生活についての悩みや不安の内訳】
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉 〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉
自分の健康について 家族の健康について 家計や食費について 将来の食糧供給について 食文化の継承について 食べ残しや廃棄など環境への影響について 食品の安全性(農薬) 食品の安全性(食品添加物) 食品の安全性(BSE) 食品の安全性(食中毒) 食品の安全性(放射性物質) 食品の安全性(その他) その他
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%
59 53 32 15 7 16 38 45 17
29 59 1 0.3
悩みや不安を感じている人 悩みや不安を感じていない人 無回答
9%
(4) 食物アレルギーに関する知識を持っている市民の割合
食物アレルギーに関する十分な知識を持っている人の割合は、18%となってい ます。食物アレルギーを持つ方が安全・安心な食生活を送れるように、食物アレル ギーに関する十分な知識を持っている方の割合を増やしていく必要があります。
● 食物アレルギーに関する講習会 ● アレルギー物質を含む食品の検査
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉
0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体
65歳以上
40~64歳
19~39歳
16~18歳
不明 33 34 33
37 20
66 15
19 21 18
35 5
64 55 60
3 2 16 1
14 12 17 3 4
17 23
(1) 食育に関心を持っている市民の割合(16 歳以上の場合)
「関心がある」、「どちらかといえば関心がある」と回答している人の割合は、 75%となっています。今後は更に食育への理解を深め、より実践に結びつけられ るような支援が必要です。
(2) 農林漁業体験を経験した市民の割合
農林漁業体験を経験した人の割合は、53%となっています。農林水産業の体験 活動は、食への関心や理解の増進を図るために有効であると思われることから、農 林漁業体験事業を今後も提供していきます。
6 食育への関心及び食育の推進に関わる人材
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉
0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体
65歳以上
40~64歳
19~39歳
16~18歳
不明 67 33
35 15 52 21 35 39 32 23 17 40 41 43 10 8 14 5
17 3 5 10 4 6 14 5 6
関心がある
関心がない 分からない どちらかといえば 関心がある どちらかといえば 関心がない
全体 65 歳以上 40~64歳 19~39歳 16~18歳 6(小1)~15歳 0~6(就学前)歳
ある ない
※体験した農林漁業体験の内容(複数回答)
(3) 食育の推進に関わる人材
現在、食育に関する取り組みは、医師・歯科医師・管理栄養士(栄養士)・歯 科衛生士等の保健・医療関係者、教育関係者、農林水産業及び食品関連事業者、 さらには、まちづくり団体や健康推進員など、さまざまな地域の人材により進め られています。
食生活の改善のため地域に密着した活動、その他の食育の推進に関する活動に 携わるボランティアが果たしている役割は重要です。今後も、食育の推進に関わ るボランティア団体等において活動している市民の数を増やしていく取り組み が必要です。
【いわき市健康推進員(=食生活改善推進員)】
市が実施する保健事業への協力や、食を通した自主的な活動を実践し、地域住 民の健康づくりの担い手となるボランティアとして活動しています。
(全国的には「食生活改善推進員」と称していますが、いわき市では、食生活 の改善を通じて広く市民の健康増進につなげる観点から「健康推進員」として活 動しています。
平成 25 年5月現在の健康推進員数(福島県は食生活改善推進員数)
人 数 人口10万人当たり
いわき市 171人 51.4人
〈平成 25 年度食育に関するアンケートより〉 「農業体験(田植え、野菜づくり、農作物の収穫など)
酪業の体験(牛などの乳しぼり、牛や豚などの世話など) 漁業の体験(地引網体験、漁船乗船や海産物の収穫体験) その他の収穫体験(果物狩り、潮干狩り、つりなど) 食品工場や農作物加工工場の見学や体験学習
その他 参加したことがない
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 32
7 7
34 19
1
食 育 コ ラ ム
「いわき市健康推進員協議会」
「いわき市健康推進員協議会」
いわき市健康推進員協議会は、地域市民の健康づくりを目的としたボランティ ア団体であり平方部、小名浜方部、勿来方部、常磐方部、内郷方部、四倉方部 の 6 方部から組織する会です。平成 25 年度の会員数は 171 名となっています。 本会は全国食生活改善推進員協議会及び、福島県食生活改善推進連絡協議会に属 し「私達の健康は私達の手で」をスローガンに、健康寿命の延伸、子どもから高 齢者まで生涯にわたる食育の推進、地域に根ざした健康文化のまちづくりを目指 し、地域住民とのふれあいや実践を通した活動を進めています。
活動内容としては、親と子が共食の大切さを感じることを目的とした「おや この食育教室」、カルシウム摂取量を高め、健康寿命の延伸と生活習慣病を予防 しロコモティブシンドローム予防を目的とした「生涯骨太クッキング」、団塊の 世代への自立支援や、30 歳代からの生活習慣病予防をテーマとした「男性のた めの料理教室」、家庭訪問による減塩活動や高齢者や単身者の住民とのつながり の強化を含む健康づくり活動から健康寿命の延伸を目指した「ヘルスメイトが 「TUNAGU」(繋ぐ)パートナーシップ事業」など、さまざまなライフステージ
の方を対象に事業を展開しています。
第
3
章
計 画 の 基 本 方 針
計 画 の 基 本 方 針
第2次いわき市食育推進計画の策定にあたり、国勢調査や福島県保健統計、福島県学校保健統計の他、市で実施した「食育に関するアンケート」などから現状と課題の 把握を行いました。市で実施した調査の概要を以下に示します。
〈平成 25 年度食育に関するアンケート〉
1 調 査 目 的:いわき市民の食生活や運動習慣などの生活習慣に関する状況や食 育についての意識を知る
2 調査の時期:平成25年5月
3 調 査 方 法:無作為抽出した客体2,500人〔乳幼児(0~6歳)の保護者、小 学生・中学生(7~15歳)の保護者並びに16~18歳の方、19~
39歳の方、40~64歳の方、65歳以上の方 各500人〕
〈いわき市立小学校児童・中学校生徒の朝食摂取状況調査〉
福島県教育委員会で実施している「朝食を見直そう習慣運動」により、いわき市 立小学校児童・中学校生徒の朝食摂取状況を調査するものである。
1 調 査 目 的:朝食摂取を基本とした望ましい食習慣の形成を図る
2 調 査 方 法:年2回(一定期間中の任意の1週間を設定)朝食摂取率などの調 査を行う
3 対 象:全市立小学校、全市立中学校
〈いわき市学校保健統計調査〉
いわき市の小学校児童・中学校生徒の発育及び健康状態を明らかにし、学校保健 行政上の基礎資料を得ることを目的に、健康診断の結果を基に毎年実施されていま す。いわき市の調査結果を全国や福島県の調査結果と比較しながらまとめたもので す。