統計学 第3週 – 1 / 64
統計学 第3週 確率
担当者: 高木 真吾
質問等は, [email protected] までお願いします.
URL: http://sites.google.com/site/hustat2017/
October 13, 2017
なぜ確率か?
なぜ確率か?
なぜ統計学で確率か? 本日の講義
集合と事象 確率
条件付き確率
統計学 第3週 – 2 / 64
なぜ統計学で確率か?
統計学 第3週 – 3 / 64
■ データを整理(記述統計)する観点からは確率は不要.
■ データ(標本)からデータが出てきた背景(母集団)を推測するに は両者に何らかの関係が必要
◆ 「無作為」に対象を抜き出す(すべての対象が等しく選ばれる)
◆ このとき,出てくるであろう値が何になるかを抜き出す前に考 える
■ どの値がどういう出やすさで選ばれるかを考える
◆ 必然的に確率変数の考え方が必要とされる
■ 確率および確率変数という道具がその関係を記述する上で重要
■ したがって統計学(推測統計)では確率を最初に学ぶ
なぜ確率か?
統計学 第3週 – 4 / 64
■ 確率はそれ自体も重要
◆ 結果に不確実性を伴う現象をモデル化するための重要な道具
◆ 例)人の反応,自然現象などなど
本日の講義
なぜ確率か?
なぜ統計学で確率か? 本日の講義
集合と事象 確率
条件付き確率
統計学 第3週 – 5 / 64
■ 事象と標本空間
■ 確率の公理的定義
■ 条件付確率
■ 事象生起の独立性
■ ベイズの定理
集合と事象
なぜ確率か? 集合と事象
集合
集合の演算 確率
条件付き確率
統計学 第3週 – 6 / 64
集合
統計学 第3週 – 7 / 64
■ 集合:いくつかの要素の集まり
◆ 確率論では,「起きうる可能な事柄」をひとつのまとまり=集合 とみなす
■ 抽象的に,二つの集合 A,B を考える
◆ 空集合:∅(含まれる要素がなにもないあつまり)
◆ A ⊆ B:A に含まれる要素は常に B にも含まれる
◆ A = B:A ⊆ B かつ B ⊆ A が成り立つ
集合
統計学 第3週 – 8 / 64
■ 抽象的に,二つの集合 A,B を考える
◆ 補集合:A¯(集合 A には含まれない要素の集まり,Ac と書くこ ともある)
◆ 和集合:A ∪ B(集合 A または B に含まれる要素の集まり)
◆ 積集合:A ∩ B(集合 A かつ B に含まれる要素の集まり)
◆ 差集合:A \ B(集合 A には含まれるが,B には含まれない要
素の集まり)
◆ 排反 :A ∩ B = ∅
図解( Venn diagram) :集合 A と補集合 A ¯
統計学 第3週 – 9 / 64
A
集合: A(全体は Ω) Ω
図解 (Venn’s diagram) :集合 A と補集合 A ¯
統計学 第3週 – 10 / 64
A A
補集合: A (= Ω \ A) Ω
図解 ( ベン図 ) :和集合と積集合
統計学 第3週 – 11 / 64
A B
和集合: A ∪ B Ω
図解( Venn diagram ) :和集合と積集合
統計学 第3週 – 12 / 64
A B
積集合: A ∩ B Ω
図解(ベン図) :差集合と排反
統計学 第3週 – 13 / 64
A B
Ω 差集合:A \ B (= A ∩ B)
図解( Venn’s diagram ) :差集合と排反
統計学 第3週 – 14 / 64
A B
排反:A ∩ B = ∅ Ω
集合の演算1
統計学 第3週 – 15 / 64
■ 分配則:問題)下の二つの関係式をベン図を用いて確認してくだ さい.
◆ (A ∪ B) ∩ C = (A ∩ C) ∪ (B ∩ C)
◆ (A ∩ B) ∪ C = (A ∪ C) ∩ (B ∪ C)
図解: (A ∩ B) ∪ C = (A ∪ C) ∩ (B ∪ C)
統計学 第3週 – 16 / 64
A
B C
(A ∩ B) ∪ C
図解: (A ∩ B) ∪ C = (A ∪ C) ∩ (B ∪ C)
統計学 第3週 – 17 / 64
A
B C
(A ∪ C) ∩ (B ∪ C)
図解: (A ∪ B) ∩ C = (A ∩ C) ∪ (B ∩ C)
統計学 第3週 – 18 / 64
A
B C
(A ∪ B) ∩ C
図解: (A ∪ B) ∩ C = (A ∩ C) ∪ (B ∩ C)
統計学 第3週 – 19 / 64
A
B C
(A ∩ C) ∪ (B ∩ C)
集合の演算1
統計学 第3週 – 20 / 64
■ {Bi}ni=1 と Ω という集合を考え,
◆ A, {Bi}ni=1 ⊆ Ω とする.
◆ Ω = Sni=1 Bi を満たしているとする このとき,
◆ A = Sni=1(A ∩ Bi)
◆ 問題)上の関係をベン図を用いて確認してください.
図解: A = (A ∩ B
1) ∪ (A ∩ B
2) ∪ · · · ∪ (A ∩ B
5)
統計学 第3週 – 21 / 64
B1 B2 B3 B4 B5 Ω
図解: A = (A ∩ B
1) ∪ (A ∩ B
2) ∪ · · · ∪ (A ∩ B
5)
統計学 第3週 – 22 / 64
A
A ∩ B2A ∩ B3A ∩ B4
B1 B2 B3 B4 B5 Ω
集合の演算2
統計学 第3週 – 23 / 64
■ de Morgan の法則
◆ (A ∪ B) = ¯A ∩ ¯B
◆ (A ∩ B) = ¯A ∪ ¯B
◆ 問題)上の二つをベン図を用いて確認してください
■ de Morgan の法則の一般化:集合列 {Ai}
n
i=1 について,
◆ (Sni=1 Ai) = Tni=1 A¯i
◆ (Tni=1 Ai) = Sni=1 A¯i
図解: de Morgan の法則
統計学 第3週 – 24 / 64
A B
A ∩ B Ω
図解: de Morgan の法則
統計学 第3週 – 25 / 64
A B
A ∪ ¯¯ B / (A ∪ B) = ¯A ∩ ¯B Ω
証明
統計学 第3週 – 26 / 64
■ 二つの集合が等しいこと(A = B)の証明
◆ A ⊂ B かつ A ⊃ B を示す
◆ A ⊂ B の証明:集合 A に含まれる要素(x ∈ A)は,必ず 集合 B に も含まれることを示す
◆ A ⊃ B の証明:集合 B に含まれる要素(x ∈ B)は,必ず 集合 A に も含まれることを示す
証明
統計学 第3週 – 27 / 64
■ (A ∪ B) ∩ C = (A ∩ C) ∪ (B ∩ C) の証明
◆ (A ∪ B) ∩ C ⊂ (A ∩ C) ∪ (B ∩ C) を示す
■ ある要素 x について,x ∈ (A ∪ B) ∩ C とすると,x ∈ (A ∪ B) か つ x ∈ C が成り立つ(x は (A ∪ B) に含まれており,同時に C に は必ず含まれている)
■ 前者から,x は A か B の少なくとも一方に含まれている
■ 上二つを合わせると,x は「A と同時に C に含まれる
(x ∈ (A ∩ C))」か「B と同時に C に含まれる(x ∈ (B ∩ C))」の 少なくとも一方が成り立っている
■ 以上より,x ∈ (A ∪ B) ∩ C ならば x ∈ (A ∩ C) ∪ (B ∩ C) なので (A ∪ B) ∩ C ⊂ (A ∩ C) ∪ (B ∩ C)
証明
統計学 第3週 – 28 / 64
■ (A ∪ B) ∩ C ⊃ (A ∩ C) ∪ (B ∩ C) を示す
◆ 本日の演習問題参照
■ 以上,両方の結果を踏まえ,(A ∪ B) ∩ C = (A ∩ C) ∪ (B ∩ C) が成り立つ.
■ (A ∩ B) ∪ C = (A ∪ C) ∩ (B ∪ C) については,上の結果と下のド・モルガ ンの法則を合わせれば証明可能.
証明
統計学 第3週 – 29 / 64
■ de Morgan の法則 (A ∪ B) = ¯A ∩ ¯B の証明
◆ (A ∪ B) ⊂ ¯A ∩ ¯B を示す
■ x ∈ ¯A ∩ ¯B のとき,x は A に含まれておらず,かつ B にも含まれ ていない
■ したがって,x ∈ ¯A ∩ ¯B
◆ (A ∪ B) ⊃ ¯A ∩ ¯B を示す
■ x ∈ (A ∪ B) のとき,x は A に含まれておらず,かつ B にも含ま れていない
■ 言い換えると,A か B の範囲(A ∪ B)には決して含まれていない
■ したがって x 6∈ (A ∪ B),あるいは x ∈ (A ∪ B)
確率
なぜ確率か? 集合と事象 確率
事象
公理による確率 確率の性質 問題
条件付き確率
統計学 第3週 – 30 / 64
確率への応用:事象
統計学 第3週 – 31 / 64
■ 標本点:起こりうる個々の結果
■ 標本空間:すべての標本点の集まり(起こりうる結果全体)
■ 事象:標本空間の一部(部分集合)
■ 全事象:標本空間(通常 Ω で表現する)
事象
統計学 第3週 – 32 / 64
■ 例 1)(区別できる) さいころを2つ投げたときの目の数
◆ 標本点:(1, 1) (1, 2), . . ., (6, 6) の 36 個の各点
◆ 標本空間=全事象:36 個の点の集合
◆ 事象:
1. 両方とも偶数の目
2. 二個目のさいころが 3 の目 3. (3, 5) の目
4. 両方とも0以上
◆ 事象は,全事象の部分集合なので標本空間全体や標本点の1点, あるいは標本点のいくつかといったものがすべて考えられる.
事象
統計学 第3週 – 33 / 64
■ 例2)明日の最高気温
◆ 標本空間=全事象:Ω = { x | x ∈ [−50, 50] }
◆ 標本点:上の区間のどこか
◆ 事象:
■ 最高気温が氷点下 A = { x | x ∈ [−50, 0) }
■ 最高気温が 10 度以上 20 度未満 B = { x | x ∈ [10, 20) }
確率:公理による確率の定義
統計学 第3週 – 34 / 64
■ 以下の関係を満たす Pr[•] を確率と呼ぶ
公理 1 任意の事象 A について,Pr[A] ≥ 0 公理 2 全事象 Ω について,Pr[Ω] = 1
公理 3 任意の (i, j) について Ai ∩ Aj = ∅ であるとき, Pr
" ∞ [
i=1
Ai
#
=
∞
X
i=1
Pr [ Ai]
■ 逆に言うと上の関係を満たしさえすればどんなものでも「確率」と 考えることができる
■ 他にも「頻度による確率の定義」「主観確率による確率の定義」「等 価性原理」
確率:公理による確率の定義
統計学 第3週 – 35 / 64
■ 例)サイコロ
◆ それぞれの目の数の出る確率に 1/6 を割り当てる
◆ 標本空間:{1 の目, 2 の目, 3 の目, 4 の目, 5 の目, 6 の目 }
◆ 事象 A の要素数を #A で表現し,Pr[A] = #A · (1/6) とする.
◆ このとき,
■ 上の1,2は満たされる.
■ 3についても排反な事象の要素数を足してから6で割るか, 個々の要素数を同じ6で割ったものを足しているかだけ.
確率の性質
統計学 第3週 – 36 / 64
■ 上の公理から以下の関係が成り立つ 1. Pr[∅] = 0
2. A と B が排反のとき,Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B] 3. 任意の事象 A について,Pr[A] + Pr[ ¯A] = 1
(Pr[ ¯A] = 1 − Pr[A])
4. 加法定理
5. 劣加法性
図解:互いに排反な A , B について,
Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B]
統計学 第3週 – 37 / 64
A B
排反:A ∩ B = ∅ Ω
図解: Pr[ ¯ A ] = 1 − Pr[A], Pr[Ω] = 1
統計学 第3週 – 38 / 64
A A
補集合: A (= Ω \ A) Ω
確率の性質
統計学 第3週 – 39 / 64
4. 加法定理
◆ Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B] − Pr[A ∩ B]
◆ Pr[A ∪ B ∪ C] = Pr[A] + Pr[B] + Pr[C] − Pr[A ∩ B] − Pr[A ∩ C] − Pr[B ∩ C] + Pr[A ∩ B ∩ C]
5. 劣加法性
Pr [ A ∪ B] ≤ Pr [ A] + Pr [ B]
図解:加法定理 Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B] − Pr[A ∩ B]
統計学 第3週 – 40 / 64
A B
加法定理: A ∩ B が2回加わっている Ω
図解:加法定理 Pr[A ∪ B ∪ C] = Pr[A] + Pr[B] + Pr[C] −
Pr[A ∩ B] − Pr[A ∩ C] − Pr[B ∩ C] + Pr[A ∩ B ∩ C]
統計学 第3週 – 41 / 64
A
B C
問題
統計学 第3週 – 42 / 64
■ Pr[A] = 0.24, Pr[B] = 0.52, Pr[A ∩ B] = 0.12 のとき,
◆ (1) Pr[ ¯A], (2) Pr[ ¯B]
◆ (3) Pr[A ∪ B]
◆ (4) Pr[ ¯A ∪ ¯B]
◆ (5) Pr[ ¯A ∩ ¯B]
◆ (6) Pr[A \ B] をそれぞれ求めよ.
問題:解答1
統計学 第3週 – 43 / 64
■ Pr[A] = 0.24, Pr[B] = 0.52, Pr[A ∩ B] = 0.12 のとき, 1. P r[ ¯A] = 1 − Pr[A] = 1 − 0.24 = 0.76
2. Pr[ ¯B] = 1 − Pr[B] = 1 − 0.52 = 0.48 3.
Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B] − Pr[A ∩ B]
= 0.24 + 0.52 − 0.12 = 0.64
問題:解答 2
統計学 第3週 – 44 / 64
■ Pr[A] = 0.24, Pr[B] = 0.52, Pr[A ∩ B] = 0.12 のとき, 4. de Morgan の法則より
■ A ∪ ¯¯ B = (A ∩ B) = Ω \ (A ∩ B) したがって
Pr[ ¯A ∪ ¯B] = 1 − 0.12 = 0.88
問題:解答 3
統計学 第3週 – 45 / 64
■ Pr[A] = 0.24, Pr[B] = 0.52, Pr[A ∩ B] = 0.12 のとき, 5. de Morgan の法則より
■ A ∩ ¯¯ B = (A ∪ B) = Ω \ (A ∪ B) したがって
Pr[ ¯A ∩ ¯B] = 1 − Pr[A ∩ B] = 1 − 0.64 = 0.36 6. A \ B = A \ (A ∩ B) なので
Pr[A] − Pr[A ∩ B] = 0.24 − 0.12 = 0.12
図解:差集合
統計学 第3週 – 46 / 64
A B
ΩA \ B = A \ (A ∩ B) = A ∩ B
条件付き確率
なぜ確率か? 集合と事象 確率
条件付き確率
条件付確率 問題
問題 問題
事象の独立性 事象の独立と排反 ベイズの定理 演習問題 演習問題
統計学 第3週 – 47 / 64
条件付確率
統計学 第3週 – 48 / 64
■ Pr[A] > 0 なる事象 A を考える.この A が生起したうえに 事象 B も生起する確率を次のような条件付確率によって定義する.
Pr[B|A] = Pr[A ∩ B]
Pr[A] · · · 1
◆ A が生起したことは 条件 として与えられた下で,事象 B が生 起する確率を考えている
■ 乗法公式:条件付き確率から次の関係が成立することもわかる
(Pr[A] · Pr[B] 6= 0)
Pr[A∩B] = Pr[A|B]·Pr[B] = Pr[B|A]·Pr[A] · · · 2
図解
統計学 第3週 – 49 / 64
A A ∩ B B
条件付き確率:事象 A の下で,同時に B が生起 Ω
問題
統計学 第3週 – 50 / 64
文系 (A) 理系 (B) 職員 (C) 合計 男性 (D) 350 550 700 1600 女性 (E) 150 150 100 400
合計 500 700 800 2000
■ 偶然出会った人が,理系の女性である確率
■ 偶然出会った人が,学生である確率
■ 偶然出会った人が,文系か女性のいずれかである確率
■ 偶然出会った人が,女性であったとき,その人が職員である確率
問題
統計学 第3週 – 51 / 64
■ 出会う人が,文系という事象を A,理系を B,職員を C. これらは 互いに排反.
■ 男性なら D,女性なら E とすると,D と E は互いに排反.
◆ 理系の女性である確率:
Pr[B ∩ E] = 150 2000
◆ 学生である確率:
Pr[A ∪ B] = Pr[A] + Pr[B] = 500 2000 +
700 2000 =
3 5
問題
統計学 第3週 – 52 / 64
■ 出会う人が,文系という事象を A,理系を B,職員を C. これらは 互いに排反.
■ 男性なら D,女性なら E とすると,D と E は互いに排反.
◆ 文系か女性のいずれかである確率:
Pr[A∪E] = Pr[A]+Pr[E]−Pr[A∩E] = 500 + 400 − 150
2000 =
3 8
◆ 女性であったとき,その人が職員である確率:
Pr[C|E] = Pr[C ∩ E] Pr[E] =
100/2000 400/2000
事象の独立性
統計学 第3週 – 53 / 64
■ 二つの事象 A,B が独立であるとは以下の関係が成り立つこと
■ 定義:(A,B どちらか一方の事象の生起確率が0の場合も含む) Pr[A ∩ B] = Pr[A] · Pr[B] · · · 3
■ 条件付確率から考えると理解しやすい(ただし一方の事象の生起確 率が0の場合を除く):
Pr[B|A] = Pr[A ∩ B]
Pr[A] = Pr[B] · · · 4
■ 事象 A の生起に対して,事象 B はなんら関係を持たないことを示 している.
■ 問)事象 A,B が独立であり,Pr[A] · Pr[B] 6= 0 なら, Pr[B|A] = Pr[B] かつ Pr[A|B] = Pr[A] の成立を示せ.
事象の独立と排反
統計学 第3週 – 54 / 64
■ 独立:二つの事象の生起が,互いに無関係 (確率を通じて考える 性質)
■ 排反:二つの事象の同時には起きない (事象そのものの性質)
◆ 一方が起きるときは必ず他方は実現しないという関係を持つ可 能性もあり,無関係とは限らない
■ 例)52 枚のトランプ(ジョーカーを除外)から一枚を無作為に抜き 出す.
◆ 事象A:引いたカードがスペード柄
◆ 事象B:引いたカードが絵札 (J,Q,K,A)
◆ 事象C:引いたカードがハート
◆ 事象D:引いたカードが黒色 (スペードかクラブ)
◆ 事象E:引いたカードがジョーカー
事象の独立と排反
統計学 第3週 – 55 / 64
■ このとき,
◆ Pr[A],...,Pr[E],Pr[A ∩ B],...,Pr[A ∩ E] は?
◆ 事象Aと事象Bは独立か否か?(独立・not 排反)
◆ 事象Aと事象Cは独立か否か?(not 独立・排反)
◆ 事象Aと事象Dは独立か否か?(not 独立・not 排反)
◆ 事象Aと事象Eは独立か否か?(独立・排反)
ベイズの定理
統計学 第3週 – 56 / 64
■ Pr[A] Pr[B] > 0 なる二つの事象 A,B を考える.
■ 条件付確率:Pr[B|A] = Pr[A ∩ B]/ Pr[A]
■ 乗法公式:Pr[A ∩ B] = Pr[B|A] Pr[A] = Pr[A|B] Pr[B]
■ Ω = Sni=1 Bi なる {Bi}ni=1 を考えると
Pr[A] =
n
X
i=1
Pr[A∩Bi] =
n
X
i=1
Pr[Bi] Pr[A|Bi] · · · 5
ベイズの定理
統計学 第3週 – 57 / 64
■ 乗法公式:Pr[A ∩ B] = Pr[B|A] Pr[A] = Pr[A|B] Pr[B]
■ Ω = Sni=1 Bi なる {Bi}ni=1 を考えると
Pr[A] =
n
X
i=1
Pr[A∩Bi] =
n
X
i=1
Pr[Bi] Pr[A|Bi] · · · 6
■ ベイズの定理:
Pr[Bi|A] = Pr[Bi ∩ A] Pr[A] =
Pr[Bi] · Pr[A|Bi] Pn
k=1 Pr[Bk] · Pr[A|Bk]
· · · 7
ベイズの定理
統計学 第3週 – 58 / 64
■ A 観測される事柄
■ Bi 原因のひとつ(n 個のうちの i 番目)
■ ベイズの定理:A が観測されたとき,その原因の要因 i である確 率は?
■ 解釈:
◆ 先見的に Bi である確率は Pr[Bi] であるが,A という観測事実 を用いた上で Bi である確率はどのように更新されるか.
図解
統計学 第3週 – 59 / 64
A A ∩ B3
観測結果 A /原因 B3
B1 B2 B3 B4 B5 Ω
ベイズの定理
統計学 第3週 – 60 / 64
■ ある製品の部品を 工場1, 2,3 から入荷(割合は5:3:2)
◆ 同じ規格で製作しており,見かけ上の区別はない
■ 不良品率:工場1(1%),工場2(2%),工場3(5%)
■ その製品を無作為に選んだところ,部品に不備があった.どこの工 場のものと考えられるか?
無作為に選んだ製品に工場1の部品が含まれているという事象を B1 と し,工場2ならば B2,工場3ならば B3 とする.また,製品が故障し ているという事象を A とすると
ベイズの定理
統計学 第3週 – 61 / 64
無作為に選んだ製品に工場1の部品が含まれているという事象を B1 と し,工場2ならば B2,工場3ならば B3 とする.また,製品が故障し ているという事象を A とすると
Pr[B1] = 50
100 , Pr[A|B1] =
1 100 , Pr[B2] = 30
100 , Pr[A|B2] =
2 100 , Pr[B3] = 20
100 , Pr[A|B3] =
5 100
ベイズの定理
統計学 第3週 – 62 / 64
ベイズの定理から Pr[B1|A]
= Pr[B1] · Pr[A | B1]
Pr[B1] · Pr[A | B1] + Pr[B2] · Pr[A | B2] + Pr[B3] · Pr[A | B3]
= 50/100 × 1/100
50/100 × 1/100 + 30/100 × 2/100 + 20/100 × 5/100
≈ 5/21
つまり,無作為に選んだ製品が故障していたとき,これが工場1のもの である確率は 5/21 .
■ 同じく,工場2については 6/21
■ 同じく,工場3については 10/21
シェアが低くても故障率の高い工場3である確率が一番高い
演習問題
統計学 第3週 – 63 / 64
宿題は5,6番のみ.A4 用紙に記載して,次週水曜日 13 時までに提出して下 さい.
1 ド・モルガンの法則をベン図を用いて確認してください
2 集合演算に関する分配則の証明を完成させてください(ページ 28参照) 3 次の二つの意見のおかしさを指摘し,正しい確率計算に基づいて正しい文
章に直してください.
◆ 「勝率 1/5 のくじを3回引いて,一回でも当たりが出れば自分の勝 ち」というゲームよりも「勝率 1/25 のくじを 16 回引いて,一回でも 当たりが出れば自分の勝ち」というゲームの方が勝率が高そうだ
◆ 「1つのサイコロを4回投げて、6の目が一度でも出れば自分の勝 ち」というゲームを何回もしたときは、自分が勝つことが多かったか かわらず,「2つのサイコロを 24 回投げて、両方とも6の目が一度で も出れば自分の勝ち」というゲームを何回もしたときは、自分が負け ることが多かったのは不思議だ.
演習問題
統計学 第3週 – 64 / 64
4 トランプの例を用いて,独立と排反に関係がないことを確認してください
(ページ 55参照)
5 Pr[A] = 0.4, Pr[B|A] = 0.3, Pr[ ¯B| ¯A] = 0.2 のとき,
◆ Pr[ ¯A], Pr[B| ¯A], Pr[ ¯B|A], Pr[A ∩ B], Pr[B], Pr[A|B] をそれぞれ求 めよ.
6 AB 型は,知的に優れているが,変人である傾向も強い,と血液型診断で よく言われる.血液型別の変人と普通の人の分布が以下のように与えられ るとするなら,「変人」と思われる人を見たとき,その人が AB 型であると 考えることは合理的と言えるか.ただし,それぞれの血液型ごとの変人で ある確率は Pr[変人 |A 型] = 0.375,Pr[変人 |B 型] = 0.5,
Pr[変人 |O 型] = 0.5,Pr[変人 |AB 型] = 0.8 (確かに AB 型に変人が多く, A 型に普通の人が多い)であり,血液型の比率は4:3:2:1である.