2015年10月23日 担当:佐藤 ほ
看護過程 看護方法論 第5回:情報 分析 統合
☆情報(データ)の分析のステップ☆
充足・未充足の判別→未充足の要因・原因の検討→情報(データ)分析・解釈の文章化
・未充足の要因・原因の検討:気がかりな未充足状態に関連する情報(データ)を統合 未充足状態を引き起こしている要因・原因を考える 統合した情報(データ)を丁寧に分析・解釈する
・情報(データ)分析・解釈の文章化
1. 充 足 未 充 足
項目 分類 情報 寧 読 取 解釈 基本的欲求 各項目 充足 い 充足 い い 未充足 検討
充足 未充足
入院前 日 風呂 入 髪を洗え い いう発言 自力 清潔を保持
こ い 考え
入院後 さ 自力 清潔保
持 頭髪 汚 そ 伴う不
快感 訴え 見 こ 皮膚
清潔不足 いう未充足状態 あ 考え 清潔 関 情報
S-1 髪 気持 悪い
S-2 く 3日間髪 洗 い い 入院前 日 風呂 入
髪 日洗 い O-1 頭髪 臭気あ
充足 未充足
ゆ 苦手 いう発言 朝食 1/「
摂取 あ こ さ 家 朝
パ ンを 食 い こ 食 事 満 足 感 い い う未 充足 状 態 あ 考 え
飲食 関 情報 S-1 ゆ 苦手
S-2 家 朝 食べ い O-1 朝食 1/2摂取
充足 未充足
S− 1 主治 医 病気 関 発言 内容 疑 問 や 不 安 を 感 い 考 え
ま 今後 こ い も不 安を 示 言 動 見 い 主 治医 関 係性 懸 念を 抱い 自 分 病気
対 不 安を 親 確 認 い け あ 不 安 いう 未充 足状 態 あ 考え
コミュ ケ ョ 関 情報 S-1 先 生 病気 貧 血 言
い け 同
言 い ?
S-2 担 当 先生 気 難 そう 心 配
S-3 退 院 い い
焦点アセスメントを 通して行う
2015年10月23日 担当:佐藤 ほ 2. 情 報 統 合
セ メ 整理 内容 基 深く考え 必要 あ い 焦点
セ メ 行う
焦 点 セ メ 基 本 的 進 方
。1 気 =未充足状態 明確化
セ メ 充足 未充足 基 気 =未充足状態
明
※未充足状態 気 /気 看護問題
。「 未充足状態 原因 要因 検討
★ 整理分類 情報 統合 行う
未充足状態 気 こ 関連 情報 セ メ 出
未充足状態 関連 情報 い セ メ 明 焦点
セ メ イ ル 付け 例:便秘 転倒 転落 清潔保持
付け イ ル 関連 情報 抜 出 不要 情報 関連 い情報 抽出 いこ
未充足状態 引 起 い 要因 原因 考え 情報 出 いく
常在条件 病理的状態 未充足状態 関わ 原因・要因 関 情報 出 未充足状態 常在条件や病理的状態 間 う 関連 あ 考え 常在条件や病理的状態 含 何 未充足 引 起 い
常在条件や病理的状態 基本的欲求 充足状況 う 影響 い
常在条件 分析 解釈 患者 年齢 応 発達段階や発達課題 特徴 整理 病理的状態 適正 理解 把握
ポイント
(1) 気がかりなこと(=未充足状態)の明確化 (2) 未充足状態の原因・要因の検討
★情報を統合して行う
①未充足状態に関連する情報をデータベースから抽出
②常在条件、病理的状態から、未充足状態の原因・要因に関する情報を抽出 ③抽出した情報を焦点アセスメントシートの[情報]欄に記載
(3) 焦点アセスメントシートの情報欄に並べた情報を改めて詳しく丁寧に分析・解釈する。 人間:基本的欲求に基づく活動を体力、意思力、知識を用いて自立して充足できる 全体的な存在
患者:体力、意思力、知識のいずれかが不足していて、欲求を満たすことができない 状態体力、意思力、知識の不足には常在条件や病理的状態が影響
看護師:不足している体力、意思力、知識を補い、未充足の基本的欲求を充足へ導く
2015年10月23日 担当:佐藤 ほ
身体面 精神面 社会面 通常 日常生活行動様式 病理的状態 体力 意思力
知識 不足 未充足状態 引 起 い 検討
出 情報 焦点 セ メ お情報が欄
種類 未充足状態 気 い 記述 複数種類
未充足状態 混在 記述 い う 注意 例:1 便秘 低栄養 関連
情報 混 記載 い
不要 情報 関連 い情報 記載 い
。」 情報欄 並べ 情報 分析 解釈 文章化 お分析・解釈が欄 記述 お情報が欄 記載 情報全 い 寧 作業 行う
情報 分析 解釈 時 以下 【分析・解釈の視点】 必 え
① 現在の状況:現在どのような状態にあるのか
② 何が問題か:どのような問題を抱えていると考えられるのか。
③ 問題の原因:その問題を引き起こしている要因や問題に影響している要因は何が考えられるのか。
④ 問題の大きさ:問題はどのくらい緊急、危険、深刻、重要なのか。
⑤ 経過の予測:未充足状態をこのまま放置すると今後どのような事態が起こると予測できるのか。 分析・解釈の視点
例えば・・・
洗面と口腔ケアが未充足状態にある患者の場合、上肢の筋力低下(体力の不足)が原因なのか、 面倒だという気持ち(意思力の不足)が原因なのか、洗面と口腔ケアの必要性を知らない
(知識の不足)が原因なのかを情報から分析、解釈する。
例: 利き腕である右腕の可動域に限界があり、自力でスプーンを口元まで運ぶことができない状況に あると考えられる。 体力の不足
2015年10月23日 担当:佐藤 ほ
• 対象に関心を持ち、対象の発言や表現にどのような意図がこめられているのかを考える
• 気がかりなこと、気になることは相手に直接確認する
• データについて、正常か異常かを判断するためには専門的知識や理論を活用する
• 収集したデータとデータの関連性を検討する
• 分析した内容同士の関連性を検討する
参考文献
茂野香 . (2015). 基礎看護技術Ⅰ, 医学書院.
ルフ ロ, R. (2014). 基本 学ぶ看護過程 看護診断, 医学書院. ソ . 看護 基本 ,日本看護協会出版会.
秋葉公子ほ . (2014). 看護過程 使 ソ 看護論 実践, ル ロカワ. 分析・解釈
常在条件より、患者は 19 歳女性であり入院 前までは自力での身体清潔保持行動を取ること ができていたが、病理的状態からを見ると治療 上の活動制限があるため、現在は自力で清潔保 持ができない。
しかし、S-1 より頭髪の汚れや不快感を感じ ていること、O-1 より頭皮の清潔が保てていな いものと予測されることから、清潔行為への不 満足感、皮膚・粘膜の清潔不足という未充足状 態にあると考えられる。
O-2 より Hb が減少していることが原因とな り、倦怠感が強く(S-2)患者の体力が不足し ており、洗髪ができないものと考えられる。 さらに、O-2 より Hb 減少により O2運搬能が 低下していること、PLT 減少により出血傾向に あることから活動が制限されていること(体力 の不足)も洗髪ができない原因と考えられる。 このまま頭髪の清潔を保てずにいると皮膚・ 粘膜への感染の危険性も高まる。また、患者は 19 歳女性であること、入院前は毎日入浴、洗 髪の習慣があったこと、S-1、S-2 より清潔へ の欲求を示していることから、このまま洗髪が できないと患者は強いストレスを感じることが 推測される。
常在条件
19歳女性、大学生
入院前の清潔習慣:入浴、洗髪は毎日(自力) 病理的状態に関する情報
O-1)入浴禁止(治療上の活動制限) O-2)Hb 6.8g/dl, PLT 6 万/μl 清潔に関する情報
S-1)「髪がにおって気持ち悪い」
S-2)「だるくて 3 日間髪を洗っていない。 入院前は毎日お風呂に入って、 髪も毎日洗っていたのに。」 O-3)頭髪に臭気あり
姿勢・体位保持に関する情報
S-3)「ベッドから起き上がるのもつらい」 例
確実な分析を行うためには