浦 情 個 審 第 1 号 平成 26 年4月 11 日
浦安市長 松崎 秀樹 様
浦安市情報公開・個人情報保護審査会 会 長 髙 木 徹
浦安市情報公開条例第 19 条の規定に基づく諮問について(答申)
平成 25 年 11 月 29 日付け浦固第 154 号による下記の諮問(第 28 号)について、別 紙のとおり答申します。
記
「平成 24 年1月及び平成 24 年7月 31 日に○○管理組合が申請したり災証明申請 書に添付された書類すべて」の不開示決定に対する異議申立てについての諮問
諮問第 28 号 別紙
答 申
第1 審査会の結論
浦安市長(以下「実施機関」という。)が、平成 25 年 11 月8日付け浦固第 147 号で、異議申立人に通知した公文書不開示決定処分を取り消し、当該処分に係る 公文書は、別表に掲げる部分を除き開示すべきである。
第2 本件事案の経緯
諮問に至る経過は次のとおりである。
1 開示請求
異議申立人は、平成 25 年 10 月 30 日、浦安市情報公開条例(平成 13 年条例 第3号。以下「条例」という。)第5条の規定により実施機関に対し、「平成 24 年1月及び平成 24 年7月 31 日に○○管理組合が申請したり災証明申請書に 添付された書類すべて」の開示請求(以下「本件開示請求」という。)をした。
2 不開示決定
実施機関は、本件開示請求から、平成 24 年1月に○○における家屋の被害認 定を行った際に、当該団地の管理組合(以下「管理組合」という。)から提出 された書類を特定し、当該公文書(以下「対象公文書」という。)が条例第7 条第1号に該当するとして「開示請求のあった公文書は、地方税法(昭和 25 年 法律第 226 号)第 22 条に基づき守秘義務が課せられている情報であるため。」 と理由を付し、不開示決定処分(以下「本件処分」という。)を行い、その旨 を平成 25 年 11 月8日付け浦固第 147 号で異議申立人に通知した。
3 異議申立て
異議申立人は、平成 25 年 11 月 20 日、本件処分を不服として実施機関に対し、 行政不服審査法(昭和 37 年法律第 160 号)に基づく異議申立てを行った。
4 諮問
実施機関は、条例第 19 条第1項の規定により平成 25 年 11 月 29 日付け浦固第 154 号で当審査会に諮問した。
第3 異議申立人の主張趣旨
異議申立書、意見書及び口頭意見陳述による異議申立人の主張の要旨は、次の とおりである。
1 異議申立ての趣旨
異議申立ての趣旨は、本件処分を取り消し、開示請求した全ての公文書の開 示を求めるというものである。
2 異議申立ての理由
(1) 地方税法上の守秘義務を理由に不開示とされたことについて
異議申立人は、以下の3点で実施機関が不開示の根拠としている地方税法 の規定は、全く根拠の無いものであるとしている。
① 管理組合からの『り災届』は、市の広報(平成 23 年 12 月 15 日号)で
「東日本大震災に伴う住宅支援」の記事が掲載されたことを受けて、平 成 24 年1月 10 日に実施機関に出されたものであるが、この広報の記事 には、地方税ということは一言も書かれていない。
② 異議申立人は、自らも『り災証明書』の発行を受けているが、その証 明書に記載されたり災の程度の欄には「居宅 一部損壊」と記載されて いた。
異議申立人が、当審査会へ提出した『国・千葉県・浦安市の住宅支援補 助金チェックフロー』という住宅支援制度の資料には「一部損壊」に係る 内容が記載されており、その記載中には「居宅」という表記もある。一方、 同じく審査会へ提出した『固定資産税納税通知書の送付について』という 市からの通知文書及び『固定資産税賦課決定(変更)通知書』には「一部 損壊」に係る記載はない。地方税の書類に「一部損壊」という言葉がない にも関わらず、地方税法の守秘義務を根拠に不開示としているのは理解で きない。
③ 以前に市から受け取った被害認定調査に係る案内には、対象不動産の 被害認定調査を行わないでり災の被害認定をすることができると記載さ れていない。市が調査しなければならないと義務になっている。
平成 24 年1月 10 日に管理組合が『り災届』を提出して、同日付けでり 災の被害認定がされているということは、市が実際に対象不動産を調査し ないで認定していることになり、それで認定されたのはおかしい。
また、異議申立人は、管理組合の組合員であると同時に所有者であって、 地方税法でいう納税義務者であり、第三者ではない。管理組合が第三者で ある。
(2) 対象公文書の特定について
異議申立人が開示を求めたのは、異議申立人が意見書に添付した『平成 24 年1月 13 日発行の○○広報号外』に「1月 10 日に必要資料を添えて
『り災届』を提出しました。」と記載されている『り災届』とそれに添えら れた必要資料の2点と、平成 24 年7月 31 日に○○管理組合が行った『り災 証明申請書』とその添付書類の2点の、4種類の文書(以下「4文書」とい う。)であるが、実施機関から通知された不開示決定通知書の公文書の名称 は「○○管理組合が申請したり災証明申請書に添付した書類」となっており、 求めた4文書のうち、1種類の文書についてのみの処分であり、理解しがた く納得できない。
第4 実施機関の説明趣旨
異議申立てに対する実施機関の説明の要旨は、次のとおりである。
1 地方税法上の守秘義務を理由に不開示としたことについて
東日本大震災に伴う家屋の被害認定については、内閣府(防災担当)『災害に 係る住家被害認定基準運用指針』に基づき行うこととされており、本市では、こ の運用指針に基づく調査や被害状況等の申請により、家屋の被害の認定作業を行 ったところである。
また、この被害認定の状況に応じて、平成 23 年度から平成 25 年度においての 固定資産税の減免措置の対応を行っており、総務省自治税務局資産評価室長より 平成 23 年 10 月 14 日付総税評第 46 号で通知された『東日本大震災により被害を 受けた地方団体等における平成 24 年度固定資産税の固定資産の評価替えについ て』によって、固定資産評価の算定の際の損耗残価率を求めるに当たり、『災害 に係る住家の被害認定基準運用指針』等に基づく被害認定の判定結果に対応する 被害状況に応じた損耗残価率を適用した家屋評価の算定が図られたところである。
このようなことから、東日本大震災により被害を受けた家屋のり災調査につい ても、固定資産税の新築家屋の調査や他の地方税に関する調査と同様に税務調査 として取り扱っている。
地方税法において、地方税に関する調査に関する事務に従事している者がその 事務に関して知りえた秘密を第三者に知らせることは地方税の賦課徴収に必要な 限度を超えるものである。そのため、今回の管理組合から提出された書類につい ては、その代表者である理事長又は理事長から委任された者以外の者は第三者で あり、開示を求められても、守秘義務が課されているので開示できない。
2 対象公文書の特定について
実施機関は、開示請求書に記載された「開示請求する公文書の名称又は具体的 な内容」から、実施機関が平成 24 年1月に○○における家屋の被害認定を行っ た際に、管理組合から実際に提出された『「○○震災復旧工事」という名称の当 該団地における被害状況が分かる書類』を対象公文書として特定した。
なお、管理組合から上記書類が提出された際、実施機関には定められた『り災 届』の様式はなく、その書面を提出しなければならない手続にもなっていないの で、異議申立人が求めているような『り災届』というものは存在しない。また、 平成 24 年7月 31 日に管理組合が行った『り災証明申請書』とその添付書類の2 点については、当該申請書を提出する際に、り災の認定を受けている事実があれ ば、他に必要な添付書類はないので、『り災証明申請書』のみが存在し、その添 付書類は存在しない。
第5 審査会の判断
審査会は、異議申立人の意見及び実施機関の説明等により、本件処分について検 討した結果、以下のように判断する。
1 条例第7条1号の法令秘情報の該当性と本件事案に係る公文書の特定等につ いて
(1) 条例第7条1号の法令秘情報(地方税法第 22 条)の該当性等について 対象公文書は、実施機関も述べているように、実施機関が当該団地の家屋の 被害の認定作業を行う際に提出されたものであり、地方税法の規定により出さ れたものではない。
また、当該認定作業を固定資産税の担当課が行い、その課で対象公文書が保 有されているからといって、当該対象公文書そのものを地方税に関する調査に 関する事務に係る公文書とみるのは妥当ではない。
したがって当審査会は、条例第7条1号には該当しないものと判断する。 しかし、対象公文書を見分すると、管理組合が、当該団地の災害復旧工事の 施工業者から受け取った『見積書』と当該工事の発注に当たり管理組合と施工 業者との間で取り交わした『注文書』等が含まれており、これら書類の中にあ る別表に掲げる当該施工業者等の名称等の第三者情報や管理組合に係る個人の 氏名等については、条例第7条2号個人情報及び3号法人の内部情報に該当す る不開示情報として保護すべきであると判断する。
(2) 異議申立人が主張する4文書の特定等について
異議申立人が、本件に係る異議申立書等により主張し、求めている4文書の 開示に関し、当審査会で当該開示請求書を確認したところ、その文言から4文 書を求めていることが明確ではなく、実施機関が4文書の開示請求であると認 識しなかったことについてはやむを得ないものである。
しかしながら、当審査会において異議申立人からの陳述を聴取した際に、異 議申立人が4文書を求めていたことの主張があり、当審査会に4文書全てにつ いての見解を求めていたことから、残る3点の文書について以下のとおり示す。
異議申立人が平成 25 年 10 月 30 日に行った開示請求に対し、実施機関が対 象公文書を特定したところであるが、対象公文書が提出されていることをもっ て、管理組合が、市に対し、り災の再認定を求めた事実は確認でき、異議申立 人が求めているような『り災届』の書面は存在しないという実施機関の説明に は不自然な点はない。
また、異議申立人が求めている平成 24 年7月 31 日に管理組合が行った『り 災証明申請書』とその添付書類の2点についてであるが、当該申請書を提出す る際に、り災の認定を受けていれば、添付書類は必要ないという実施機関の説 明から、当該申請書の添付書類が不存在であることにも不自然な点は認められ ない。したがって上記『り災届』及び7月 31 日に管理組合が行ったり災証明 申請の添付書類についての不開示理由は当該公文書の不存在を理由とすべきで あったが、不開示決定そのものについては誤りがないといえる。一方、『り災 証明申請書』については、本件開示請求より前の平成 25 年 10 月9日に異議申 立人が開示請求を行っており、実施機関は、同年 10 月 23 日付け浦復第 260 号 をもって当該公文書に係る部分開示決定処分をしている。当審査会は、実施機 関に対し当該部分開示決定通知書及び公文書の提出を求め、見分したところ、 当該申請書には、申請者の氏名、電話番号及び住所が記載されていることから、 当該個人の権利利益を害するおそれのある個人情報に当たるとして条例第7条
2号の規定により保護すべきであると考える。したがってこの書面については、 実施機関が平成 25 年 10 月 23 日付け浦復第 260 号をもって行った部分開示決 定と全く同様の部分開示決定とすべきである。
2 結論
以上により、冒頭の「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
別表 対象公文書の不開示部分
1 ○○震災復旧工事と題する書面
箇 所 ページ 不開示部分 該当条項
『数量根拠図』 及び『駐車場 標準断面図』
の部分
8~10 設計事務所の名称 第7条第3号
『御見積書』 の部分
11
見積者の住所、名称及びその印並び
に金額 第7条第3号
見積者の職名及び氏名 第7条第2号 見積部署、電話番号及びFAX番号
の内容 第7条第3号
担当者及びE-mailの内容並び
にその他個人名及び個人の印 第7条第2号 12 金額及び見積者の名称 第7条第3号 13~18 単価、金額及び見積者の名称 第7条第3号
『注文書』
の部分 19
請負者の名称、請負代金額、工事価
格及び消費税額 第7条第3号
注文者の職名及び氏名並びにその他
個人の印 第7条第2号
『注文請書』
の部分 20
請負者の住所、名称及びその印 第7条第3号 請負者の職名及び氏名 第7条第2号 請負代金額、工事価格及び消費税額 第7条第3号
その他個人の印 第7条第2号
2 り災証明申請書
箇 所 不開示部分 該当条項
申請者欄 住所の一部(住居番号)、電話番号
及び氏名 第7条第2号