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資料置場 発見の歴史(物理学)

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(1)

原子核に関する発見

https://sites.google.com/site/hakkennorekishibutsurigaku/

(2)

サブアトミックチャート

http://sites.google.com/site/sciencechat/

(3)

ラザフォード散乱

+ ほとんどが原子核の

まわりを周回している 電子と散乱

時々原子核と衝突

H. Geiger and E. Marsden,

Proceedings of the Royal Society of London, A82, 495-500 (1909) 辻 哲夫 訳  物理学古典論文叢書9 原子模型 より

(4)

原子核とは

ラザフォードによって明らかにされた、原子の極小の質量中心: 原子の核

原子核の構造にかんする手掛かり

1920年 チャドウィック

原子番号は原子核の電荷の数と等しい

原子の質量(原子量) おおよそ水素原子の質量が基準

原子番号 原子核中にふくまれる陽子の数

原子番号は原子量のおおよそ半分

原子番号=原子量な → 原子核は陽子でできている

原子番号<原子量 → 原子核は陽子以外べつの粒子を含む

中性の粒子が、

陽子と同じくらいの質量分存在する

(5)

ベリリウム線の発見

1930年 ボーテ、ベッカー ベリリウム線の発見

ベリリウムにアルファ線を照射すると透過性の強い放射線が放射する

ベリリウム線 電気的に中性(電荷をもたない)

高エネルギーのガンマ線? イレーヌ・ジョリオ=キュリー

フレデリック・ジョリオ=キュリー

ベリリウム線をパラフィンに当てると陽子が放出される事を発見

1954年 

マックス・ボルン 量子力学、特に波動関数の確率解釈の提唱

ワルサー・ボーテ コインシデンス法による原子核反応とガンマ線に関する研究

(6)

中性子の発見

1935年 ジェームス・チャドウィック 中性子の発見

ベリリウム線を様々な原子核に衝突させ 陽子とほぼ同じ質量

中性電荷

の粒子が原子核中に存在する事を発見 中性子 となづけた

(7)

原子核の構造

陽子 中性子

電荷 +1 0

スピン ½ ½

陽子 中性子

電荷 +1 0

スピン ½ ½

Z

A B

原子番号=陽子の数 原子量=陽子+中性子の数

元素名

6

12 C

(8)

原子核を作る力:核力の発見

陽子 中性子

電荷 +1 0

スピン ½ ½

陽子 中性子

電荷 +1 0

スピン ½ ½

陽子・中性子(核子)を結びつける力 核力 1935年 湯川秀樹

・ 粒子間の相互作用 = 力を媒介する粒子(中間子)の交換

『中間子のキャッチボール』

・ 力の到達距離(原子核の大きさ) → 中間子の質量を予言

重い粒子 短距離間力 → 核力・弱い相互作用 軽い粒子 長距離間力 → 電磁力

陽子・中性子(核子)を結びつける力 核力 1935年 湯川秀樹

・ 粒子間の相互作用 = 力を媒介する粒子(中間子)の交換

『中間子のキャッチボール』

・ 力の到達距離(原子核の大きさ) → 中間子の質量を予言

重い粒子 短距離間力 → 核力・弱い相互作用 軽い粒子 長距離間力 → 電磁力

1949年 湯川秀樹

核力の理論的研究による中間子の存在の予言 なぜ 陽子と中性子が 10-14m の大きさに 束縛されているのか?

(9)

力を伝える粒子: 中間子

中間子のキャッチボール

力の種類 中間子 質量 到達距離

電磁力 光子 0 無限遠

核力 パイ粒子 陽子の0.15倍 ~ 10-15 m 弱い力 W・Z粒子 陽子の約90倍 ~ 10-18 m

力の種類 中間子 質量 到達距離

電磁力 光子 0 無限遠

核力 パイ粒子 陽子の0.15倍 ~ 10-15 m 弱い力 W・Z粒子 陽子の約90倍 ~ 10-18 m

パイ中間子

1947年に発見

1948年には人工的に生成 到達距離 → 原子核の大きさ

軽い粒子は遠くまで

重い粒子は近くだけ

1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見

(10)

原子核の内部を探る: 原子核崩壊・壊変

アルファ崩壊

アルファ線(ヘリウム原子核) 陽子2個+中性子2個

ベータ崩壊

ベータ線(電子)

ニュートリノ

核力で結びつけられていた陽子2個・中性子2個が分離する過程

『弱い力』により中性子が陽子に変化する際、 電子とニュートリノを放出する過程

(11)

226Ra 226Ra

230Th 230Th

234U 234U

234Pa 234Pa 238U

238U

234Th 234Th

222Rn 222Rn

218Po 218Po

214Pb 214Pb

218At 218At

214Bi 214Bi

210Tl 210Tl

214Po 214Po

210Pb 210Pb

206Hg 206Hg

210Bi 210Bi

206Tl 206Tl

210Po 210Po

206Pb 206Pb

U ウラン

Pa プロトアクチニウム Th トリウム

Ac アクチニウム Ra ラジウム Fr フランシウム Rn ラドン

At アスタチン Po ポロニウム Bi ビスマス Pb

Tl タリウム Hi 水銀

安定

アルファ崩壊 ベーター崩壊

原子核の崩壊: ウラン系列

(12)

核融合・核分裂

1938年 エンリコ・フェルミ

中性子衝撃による新放射性元素の発見と熱中性子による原子核反応の発見

1944年 化学賞 オットー・ハーン 原子核分裂の発見

1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

(13)

原子核の反応: 融合

+ 1938年 エンリコ・フェルミ

中性子衝撃による新放射性元素の発見と熱中性子による原子核反応の発見

中性子を原子核に衝突させる事で、新しい原子核を生成

→ 40種類以上の人口放射性同位元素を生成

陽子は、クーロン障壁

(同符号の電荷の間では斥力)

により原子核近くに近づく事ができない

中性子は電荷を持たない 原子核に近づくことが可能

→ 核力で新しい原子核を作る

(14)

フェルミの業績

ベータ崩壊

ベータ線(電子)

ニュートリノ

『弱い力』により中性子が陽子に変化する際、 電子とニュートリノを放出する過程

“フェルミ相互作用”

“フェルミ相互作用”

同じ『スピン』の粒子は、同じ状態を取れない

→ 『パウリの排他原理』

“フェルミ統計”

“フェルミ統計”

原子核中の陽子・中性子は

“フェルミ統計”に従う

→ “価”陽子は特定の運動をする

“フェルミ運動”

“フェルミ運動”

フェルミ統計に従う粒子で較正される気体

“フェルミ気体”

“フェルミ気体”

フェルミ統計に従う粒子

“フェルミ粒子・フェルミオン”

“フェルミ粒子・フェルミオン”

その他色々...

(15)

陽子による原子核反応

1932年にローレンスによって開発された サイクロトロン(陽子を1MeV以上に加速)

The Physical Review 40 19 (1932)

1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

陽子を高エネルギーに加速させる

→ クーロン障壁を破る

→ 陽子による核融合反応

(16)

サイクロトロン

1932年にローレンスによって開発された サイクロトロン(陽子を1MeV以上に加速)

The Physical Review 40 19 (1932)

1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

“MeV" とは?

(17)

電子ボルト eV

荷電粒子の加速

・ 陰極線 電子が陰極から陽極に移動 電位差によって、加速する  ※ ブラウン管

0 V 1 V 電子

加速エネルギーの単位

電子1つを1Vの電位差で加速させる

1電子ボルト (エレクトロンボルト1 electron volt: 1 eV )

TeV (テラeV、テブ)  =1012 eV GeV (ギガeV、ジェブ) =10 eV MeV (メガeV、メブ) =10 eV KeV (キロeV、ケブ) =10 eV

(18)

最初のサイクロトロン

1932年にローレンスによって開発された サイクロトロン(陽子を1MeV以上に加速)

The Physical Review 40 19 (1932)

1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

1 MeV = 100万電子ボルト 陽子を

100万ボルトの電位差で加速させた 電子と同じエネルギー

まで、サイクロトロンで加速する事に成功 陽子が原子核のクーロン障壁を越えた

(19)

加速器の発見

1951年 ジョン・コッククロフト、アーネスト・ウォルトン 加速荷電粒子による原子核変換の研究

KEK陽子加速器の前段加速器。到達エネルギー750 keV。 http://www.kek.jp/newskek/2002/marapr/evolt.html

(1932年、コッククロフトとウォルトンにより開発)

p

7

Li

4

He

4

He

陽子を700 keVに加速し、原子核反応を観測

加速器を用いて観測した、最初の原子核反応

コッククロフト-ウォルトン型加速器 静電型加速器

(20)

静電型加速器

ヴァンデグラーフ型加速器

(21)

例) 東工大バンデグラーフ加速器

最高到達エネルギー

陽子、重陽子 4.75 MeV 3He、4He、N、Ne 9.5 MeV

(22)

静電型加速器

タンデム型加速器

筑波大学・タンデム型加速器

http://web2.tac.tsukuba.ac.jp/uttac/

(23)

線形加速器

~

~

+ ー

~

ー→+

+→ー

1931年、スローン、ローレンスは30段の加速器で、水銀イオン 1.26 MeV への加速に成功 1961年 

ロバート・ホフスタッター 線形加速器による高エネルギー電子散乱の研究と 核子の構造に関する発見

(24)

線形加速器

アメリカ・スタンフォード線形加速器センター(SLAC)

3 km, 電子を 45 GeV まで加速

東海村・J-PARC 大強度陽子加速器施設

陽子線形加速器 600 MeV まで加速

(25)

陽子の構造の発見

1961年 

ロバート・ホフスタッター 線形加速器による高エネルギー電子散乱の研究と 核子の構造に関する発見

波長 エネルギー

可視光 > 300nm < 10 eV

X線 1 pm ~ 10 nm 3 < eV < 30 keV 電子線

線形加速器 数10 fm 以下 MeV ~ GeV

可視光

2  E =ℏ c ~197 MeV fm

E ~30 MeV fm

E ~30 keV pm

E ~30 eV nm

光の波長と解像度

短波長 → 高解像度 短波長 → 高エネルギー

※ ラザフォード散乱

アルファ線の典型的なエネルギーは 数MeV → 数10 fm の物体を見る事が出来た 原子核の大きさ 数10 fm

(26)

高エネルギー電子散乱

数百 MeV から 数 GeV に加速した電子を

・ 水素、炭素等の標的に照射

・ 散乱される電子を測定 1961年 

ロバート・ホフスタッター 線形加速器による高エネルギー電子散乱の研究と 核子の構造に関する発見

電子のエネルギーが低い 時は、『点状』の粒子との 散乱しているように見える。

エネルギーが高くなると、

『点状』の粒子との散乱から 次第にずれてくる

(27)

大角度に散乱する粒子が減少 大角度に散乱する粒子が減少

(28)

原子核内部の電荷分布

(29)

サイクロトロン

1932年にローレンスによって開発された サイクロトロン(陽子を1MeV以上に加速)

The Physical Review 40 19 (1932)

1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

(30)

サイクロトロンの歴史

1932年にローレンスによって開発された サイクロトロン(陽子を1MeV以上に加速)

The Physical Review 40 19 (1932)

Rutger大学のサイクロトロン

理研のサイクロトロン第2号機

(1944年)

http://www.kagakucafe.org/inoue100213.pdf 初期のサイクロトロン覚え書き(井上 信)

国内のサイクロトロンの多くは 戦後に破壊された

(31)

サイクロトロン続き

相対論的効果によるサイクロトロンの等時性の破れ

→ 加速周波数を調整 FMサイクロトロン

→ 磁場による調整(磁場を強くする)

+ ビーム集束性への考慮 AVFサイクロトロン

大阪大学 RCNP リングサイクロトロン(1974年)

http://www.sai-un.com/weblog/?p=158

理化学研究所 リングサイクロトロン(2006年) 超伝導方式のリングサイクロトロン

(32)

円形加速器

シンクロトロン

軌道半径を一定に保ちながら加速 →加速中に磁場強度を上げる

加速部分

軌道部分

粒子の軌道を曲げる

「位相安定性の原理」 ~

(ヴェクスラー,マクミラン 1945年)

粒子の周回周期に合わせ、加速電場を印加 Sより速く到達した粒子Aは、より強く加速され

→ 回転半径がSより大きく

→ 次の周期ではよりSにより近づく Sより遅く到達した粒子Bは、より弱く加速され

→ 回転半径はSより小さく

→ 次の周期ではよりSに近づく 点Sを安定点として復元力が働く

裳華房テキストシリーズ「原子核物理学」より

「強集束の原理」

(クーラン、リビングストン 1952年) 集束・発散を繰り返す事で、

全体として集束の効果を得る

アメリカ・ブルックヘブン国立研究所

Alternating Gradient Synchrotron (AGS)

(強集束型シンクロトロン)

1957年建設

http://www.bnl.gov/bnlweb/photos/strong-focusing-w.gif

(33)

BNL-AGS加速器

http://www.bnl.gov/bnlweb/history/AGS_history.asp

http://www.bnl.gov/bnlweb/history/images/AGS-5-141-57-sm.jpg

現在のBNL

AGS

1976年 バートン・リヒター、サミュエル・ティン J/ψ中間子の発見

1988年 レオン・レーダーマン、メルヴィン・シュワルツ、ジャック・シュタインバーガー ニュートリノビーム法、およびミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証 1980年 ジェームス・クローニン、ヴァル・フィッチ

中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見

(34)

その他のシンクロトロン

Large Hadron Collider LHC

テバトロン

フェルミ国立研

(FNAL)

CERN-LHC 半径 ~ 4km

FNAL-Tevatron テバトロン 半径 ~ 1km

(35)

原子核に関するノーベル物理学賞

1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見 1963年

ユージン・ウィグナー 原子核および素粒子に関する理論への貢献、 特に対称性の基本原理の発見とその応用 マリア・ゲッパート・メイヤー、ヨハネス・ハンス・イェンゼン

原子核の殻構造に関する研究(殻模型の提唱) 1967年 ハンス・ベーテ

原子核反応理論への貢献、特に星の内部におけるエネルギー生成に関する研究

1975年 オーゲ・ニールス・ボーア、ベン・ロイ・モッテルソン、レオ・ジェームス・レインウォーター 核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、

およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発(集団運動模型の提唱) 1983年 

スブラマニアン・チャンドラセガール 星の構造および進化にとって重要な 物理的過程に関する理論的研究 ウィリアム・ファウラー 宇宙における化学元素の生成にとって重要な

原子核反応に関する理論的および実験的研究

宇宙・天体物理学への 展開

原子核の内部構造の 解明

(36)

原子核の内部構造: 液滴模型

原子核は

『非圧縮性流体』

の性質をもつ

液滴

密度が一定

はっきりした 『表面』 をもつ

液滴の振動・回転の様子 →  原子核内での核子の集団運動

1963年 マリア・ゲッパート・メイヤー、ヨハネス・ハンス・イェンゼン

原子核の殻構造に関する研究(殻模型の提唱) に至るまえに...

原子核の液滴模型

(37)

液滴の振動モードと原子核の液滴模型

~ 10-15 m

(38)

原子核内部の構造

裳華房テキストシリーズ-物理学 「原子核物理学」より抜粋

1963年 マリア・ゲッパート・メイヤー、ヨハネス・ハンス・イェンゼン 原子核の殻構造に関する研究(殻模型の提唱)

原子核の性質を詳しく調べると、 原子とどうような 『殻構造』 が ある事が明らかになってきた

(39)

原子核の殻模型と魔法数

元素の存在比

原子核の魔法数:

2, 8, 20, 28, 50, 82, 126, 184

原子核の魔法数:

2, 8, 20, 28, 50, 82, 126, 184

陽子・中性子の数が『魔法数』になる原子核 同程度の他の原子核に比べて

・ より安定している

・ 存在比が多い

(40)

量子数(n) 軌道 電子の数

1 K殻 1s 2

2 L殻 2s 2p 2 + 6 = 8

3 M殻 3s 3p 3d 2 + 6 + 10 = 18

軌道と軌道の数

s p d f g

1 3 5 7 9

エネルギーの高さと軌道の関係 7s 5f 6d 7p

6s 4f 5d 6p 5s 4d 5p 4s 3d 4p

3s 3p

2s 2p

1s

エネルギー大

エネルギー大

K 1s 2s 2p L

K 1s 2s 2p L

元素の周期律と電子軌道

(41)

原子核の魔法数と陽子・中性子のスピン

裳華房テキストシリーズ-物理学

「原子核物理学」より抜粋

原子核の魔法数:

2, 8, 20, 28, 50, 82, 126, 184

原子核の魔法数の再現

・ 核子の軌道

・ 核子のスピン

スピンと軌道運動の干渉

『スピン軌道相互作用』

1963年 マリア・ゲッパート・メイヤー、ヨハネス・ハンス・イェンゼン 原子核の殻構造に関する研究(殻模型の提唱)

(42)

集団運動模型 (Collective model)

原子核の電荷分布 球形?

裳華房テキストシリーズ-物理学 「原子核物理学」より抜粋

1975年 オーゲ・ニールス・ボーア、ベン・ロイ・モッテルソン、レオ・ジェームス・レインウォーター 核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、

およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発(集団運動模型の提唱)

1975年 オーゲ・ニールス・ボーア、ベン・ロイ・モッテルソン、レオ・ジェームス・レインウォーター 核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、

およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発(集団運動模型の提唱)

(43)

ノーベル物理学賞に見る原子核物理の発展

1950年 セシル・パウエル

写真による原子核崩壊過程の研究方法の開発および諸中間子の発見

1963年

ユージン・ウィグナー 原子核および素粒子に関する理論への貢献、特に対称性の基本原理の発見とその応用

マリア・ゲッパート・メイヤー、ヨハネス・ハンス・イェンゼン 原子核の殻構造に関する研究(殻模型の提唱) 1967年 ハンス・ベーテ

原子核反応理論への貢献、特に星の内部におけるエネルギー生成に関する研究

1975年 オーゲ・ニールス・ボーア、ベン・ロイ・モッテルソン、レオ・ジェームス・レインウォーター

核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発(集団運動模型の提唱) 1983年 

スブラマニアン・チャンドラセガール 星の構造および進化にとって重要な物理的過程に関する理論的研究

ウィリアム・ファウラー 宇宙における化学元素の生成にとって重要な原子核反応に関する理論的および実験的研究 1939年 アーネスト・ローレンス

サイクロトロンの開発および人工放射性元素の研究

1961年 ロバート・ホフスタッター

線形加速器による高エネルギー電子散乱の研究と核子の構造に関する発見 1951年 ジョン・コッククロフト、アーネスト・ウォルトン

加速荷電粒子による原子核変換の研究 1938年 エンリコ・フェルミ

中性子衝撃による新放射性元素の発見と熱中性子による原子核反応の発見

1944年 イジドール・イザーク・ラビ

共鳴法による原子核の磁気モーメントの測定法の発見 1948年 パトリック・ブラケット

ウィルソンの霧箱による原子核物理および宇宙線の分野における発見 1935年 ジェームス・チャドウィック

中性子の発見

1954年 

マックス・ボルン 量子力学、特に波動関数の確率解釈の提唱

ワルサー・ボーテ コインシデンス法による原子核反応とガンマ線に関する研究

発見研究手法の確立原子核構造理論の完成応用・発展

(44)

宇宙進化における元素生成

1983年 

スブラマニアン・チャンドラセガール 星の構造および進化にとって重要な 物理的過程に関する理論的研究 ウィリアム・ファウラー 宇宙における化学元素の生成にとって重要な

原子核反応に関する理論的および実験的研究

(45)

元素の存在比は 宇宙全体でほぼ同じ

→ 同じ起源によるもの

「一家に一枚元素表」より

Subatomic physics より

(46)

元素の存在比: Abundance

・ 重量比:

水素 71%, He 27% 残りは 2%

・ 質量数の増加に従い、桁違いに少なくなる

・ Li, Be, B は HeやCに比べて極端に少ない

・ A ~ 56 (Fe) のあたりに「山」

・ 重量比:

水素 71%, He 27% 残りは 2%

・ 質量数の増加に従い、桁違いに少なくなる

・ Li, Be, B は HeやCに比べて極端に少ない

・ A ~ 56 (Fe) のあたりに「山」

(47)

宇宙における元素合成:二段階過程

I. ビッグバンから数分後までに起きた、軽い元素の合成過程 II. ビッグバンから数億年程度経ってからの、

星の中での元素合成による重い元素の合成

I.

II.

(48)

粒子・反粒子の生成・消滅:熱平衡

宇宙が高温 → 宇宙を満たしている光子のエネルギーが高い

ボルツマン係数 k 8.617 × 10-5 eV K-1

k T eV = 8.6×10

−5

T eV

宇宙の温度 光子のエネルギー

1012 K 108 eV = 100 MeV π中間子対、ミューオン対生成停止 1010 K 106 eV = 1 MeV (反)ニュートリノが熱平衡から外れる

陽子↔中間子の熱平衡が破れる

→ 陽子:中性子 = 7:1 109 K 105 eV = 100 keV

電子・陽電子対生成 停止 宇宙の温度 光子のエネルギー

1012 K 108 eV = 100 MeV π中間子対、ミューオン対生成停止 1010 K 106 eV = 1 MeV (反)ニュートリノが熱平衡から外れる

陽子↔中間子の熱平衡が破れる

→ 陽子:中性子 = 7:1 109 K 105 eV = 100 keV

電子・陽電子対生成 停止

(49)

ビッグバンでの元素合成

p n d 2.22 MeV

宇宙の温度が 2.22 MeV ~ 2.6×1010 K より

十分低くないと、光子によって重陽子は分解される ビッグバンより 約225秒後 宇宙温度は 100 keV以下に → 重陽子ができはじめると

p d 

23

He 5.49 MeV

n d  t 6.29 MeV

t p 19.1 MeV

2

3

He n  20.58 MeV

t d n17.59 MeV

d d  23.85MeV

t

37

Li 2.47 MeV

質量数 5, 8 の安定原子核がない ビッグバンでの元素合成が止まる

わずかながら Li が生成

ビッグバンより約30分

宇宙温度は 3×108 K (~ 30 keV) 元素合成はほぼ終了

中性子はほぼ4Heの生成に利用

4Heの生成比は 

2 Nn / (Np + Nn) ~ 0.25

Np : Nn = 7 : 1

中性子はほぼ4Heの生成に利用

4Heの生成比は 

2 Nn / (Np + Nn) ~ 0.25

Np : Nn = 7 : 1

(50)

星の進化

重力収縮 → 内部温度の上昇

> 0.1 M

中心温度 107 K (~ 1 keV) で、”水素燃焼”

→ α粒子生成

> 0.25 M

中心温度 108 K (~ 10 keV) で、”ヘリウム燃焼”

→ C原子核の生成

> 4 M

中心温度 6 ×108 K (50 keV) で、”炭素燃焼”

→ 酸素燃焼 → ネオン燃焼 → ケイ素燃焼

→ マグネシウム燃焼

> 10 M

鉄のコアが形成

3×109 K (250 keV) で 鉄 → ヘリウムへ分解

→ 超新星爆発

(51)

より重い元素の合成

Subatomic Physics より

6

12

C

126

C

23

Na p2.23 MeV

6

12

C

126

C

20

Ne 4.6 MeV

6

12

C

126

C

23

Mg n

8

16

O

816

O

31

P p

8

16

C

816

C

31

S n

8

16

C

816

C

28

Si 

星の温度 109 K、密度 2×105 g/cm3 程度

→ 炭素燃焼

星の温度 ~ 4×109 K  → 酸素燃焼

星の温度 さらに上昇  → ネオン燃焼、ケイ素燃焼

→ 鉄のコアを形成

鉄より重い元素は 「中性子捕獲反応」により生成

参照

関連したドキュメント

方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より

に転換し、残りの50~70%のヘミセルロースやリグニンなどの有用な物質が廃液になる。パ

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経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

廃棄物の再生利用の促進︑処理施設の整備等の総合的施策を推進することにより︑廃棄物としての要最終処分械の減少等を図るととも

社会学研究科は、社会学および社会心理学の先端的研究を推進するとともに、博士課

都市国家から世界国家へと拡大発展する国家の規 道徳や宗教も必要であるが, より以上に重要なもの