ソフトウェアシンポジウム
2010
ソフトウェアエンジニアリングの呪縛
2010
年
6
月
10
日
濱 勝巳
株式会社アッズーリ
アジャイルプロセス協議会会長
大槻 繁
株式会社一
討議の狙い
•
「神話」という簡潔なメッセージにまとめる
自己紹介
•
竹内 雅則
株式会社ヴィクサス
•
綿引 琢磨
デライトテクノロジーズ
•
芝元 俊久
日立システムアンドサービス
•
夏目 和幸
デンソー
•
羽生田 栄一
豆蔵
•
時本 永吉
•
本橋 正成
•
萩原 正義
マイクロソフト/公開講演者
•
高野 明彦
国立情報学研究所/
WG
公開講演者
•
山田 正樹
メタボリックス/ソフトシンポ
PC
委員長
•
大槻 繁
株式会社一(いち)/呪縛
WG
コーディネータ
呪縛:祈祷師の言葉
• ソフトウェアエンジニアリングの限界というよりは、それを使う人の限界を
感じます。 (夏目氏)
• ソフトウェアエンジニアリングの本当の対象は、我々自身ではないかと思
います。ソフトウェアエンジニアリングを隠れ蓑にした、根拠のない束縛が
この業界を支配しているのがあほらしい(山田氏)
• ソフトウェアエンジニアリング全体が人間の理解の限度に落とし込みが可
能という仮定で成立している。 (萩原氏)
• ソフトウェア開発が工学という切り口で妥当に説明できる行為なのか(羽
生田氏)
• 理論のための理論、論拠のない標準化が蔓延し、ソフトウェアエンジニア
リングの本質的困難に効くアプローチがなされていない。 (大槻氏)
• 何気なく使っている言葉にこそ私たちを束縛している呪縛がある。 (濱
討議
1
呪縛をもたらす単語は?
•
ソフトウェアエンジニアリング
•
上流工程、要求(要件)定義、モデリング(設計)、ソフト
ウェア開発、テスト
•
大規模プロジェクト、プロジェクト管理、プロセス改善、ア
ジャイル
•
高品質、高生産性、高機能
•
見積り、請負、委任、派遣契約
神話の候補
(1/2)
• 全体は部分の総和であるから分割可能だ
• ソフトウェアつくりは創造的活動である
• 要求はユーザが知っている
• 全ては機能に帰着する
• 良いソフトウェアつくりにはモチベーションが必要だ
• モデリングによって形式知化できる
• 人と月とは入れ替え可能だ
• 建築のメタファで表現できる
• 海外の事例は正しい
• 属人化は排除すべき
• 動いているコードは変更するな
• コード行数と障害発生件数で品質の評価が可能だ
• プログラミングは教育、訓練可能で誰でもできるようになる
• ソフトウェアには自由度がある
神話の候補
(2/2)
• 資産を活用すれば生産性はあがる
• 人間は間違うが機械は間違いを起こさない
• デファクトスタンダードやグローバルスタンダードに従えば間違いはない
• プラクティスを実践すれば上手くいく
• ソフトウェアは最短でつくる事が良い
• バグのないソフトウェアを作る事ができる
• 曖昧な自然言語より形式的な言語が適している
• 実行可能でない言語で書き下ろすことができる
• 多くのテストを実施することによって品質を上げることができる
• ソフトウェアをつくるやり方は予め計画することができる
• 文書化することによって保守が容易になる
• 作り直しは無駄であり、作り直しをなくさなければならない