• 検索結果がありません。

生活困窮者支援の現場から(別ウィンドウで開きます) 人権学習講座の記録|江東区

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "生活困窮者支援の現場から(別ウィンドウで開きます) 人権学習講座の記録|江東区"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1 生活困窮者支援制度の背景

生活保護受給者は全国で 216 万人、年々増

えています。そのうち64歳までの働ける年代

の増加が顕著であり、こどもの 6人に1人が

貧困です。ある調査によると生活保護受給者

の世帯主の約 25%は親の世代も生活保護だっ

たという結果があります。国の統計でも、大

学卒よりは高校卒、さらには中学校卒業にな

るにつれて貧困率が高くなり、貧困家庭にお

いては虐待のリスクも高くなると言われてい

ます。生活保護受給世帯の高校中退率は一般

世帯の約3.5倍です。

2 江東区の現状

江東区の平成26年度末における生活保護受

給世帯は7,807世帯、受給者数は10,155人で

引き続き増加しています。保護受給世帯の分

類は、「高齢者世帯」「傷病者世帯」「障害者世

帯」「母子世帯」「その他世帯」の5つあり、「そ

の他世帯」というのは働ける可能性が比較的

高い世帯で、1,310世帯、全体の16.9%です。

高校進学状況は、江東区の生活保護受給者の

定時制に進学する割合は25.8%で、東京都全域

では 4.1%です。定時制しか受からなかったの

で定時制に行っているという方が結構多く、

高校を中退することが多いのも実情です。

生活困窮者の人数の算定は難しいのですが、

生活保護の相談に来られた方のうち生活保護

に該当しなかった方は毎年 1,600 から 2,000

人位です。

3 第2のセーフティネット

全国でも同じ状況であるため、国は生活保

護に至る前の自立支援策を強化する仕組みと

してつくったのが、生活困窮者自立支援制度

です。第 2 のセーフティネットとも言われて

います。第1は雇用保険制度や年金制度など

で、第3(最後)のセーフティネットが生活保

護制度です。

生活困窮者自立支援法は、平成27年4月に

施行されました。対象者は、「現に経済的に困

窮し、最低限度の生活を維持することができ

なくなるおそれがある者」で、具体的な所得、

資産要件を設けていません。つまり、「制度の

狭間」に陥らないよう、できる限り幅広く対

応することが求められています。

4 江東区における取組状況

生活困窮者自立支援法に基づく事業は主に 6 つです。1番目の「自立相談支援事業」は、

生活困窮者からの相談を受け、支援計画を策

定し、自立に向けた支援を行うもので、簡単

に言うと、相談して、計画を立てて一緒に頑

張りましょうという事業です。江東区では、

個別の相談者への対応は事業委託を行い、保

護第一課と保護第二課に支援員を 4 名ずつ配

置しています。また、ネットワークの関係や

制度の枠組みについては、区の職員が行って

います。27 年度の実績は786件、延べ2,442

件です。中高年の男性が多く、家族構成とし

ては、ひとり暮らしの方が半分以上です。相

談内容で多いのは仕事や収入や住宅に関する

ことです。

2番目の「住居確保給付金」は、離職により

住宅を失った、又は失う恐れがある就労能力

と就労意欲のある生活困窮者に対し、一定期

間家賃補助を行う事業で、就職活動している

間は家賃の全額または一部を補助する制度で

す。いろいろな制限、所得要件があり、給付

期間は最長9カ月です。

3番目の「就労準備支援事業」は、一定期間、

生活訓練や就労訓練などを実施する事業で江

東区就労支援センターが行っています。所内

作業や就労体験、農業体験等の所外作業、自

己分析やビジネスマナーのセミナー等があり

ます。

4番目の「一時生活支援事業」は、住居のな

い方に対して宿泊場所や食べ物の提供を行う

【前期】第1回 6月16日(木)講演要旨

生活困窮者支援の現場から

~私たちにできること~

【講師】江東区保護第一課

自立支援担当係長 根本

ねもと

将司

まさし

さん

自立相談支援員 金山

かなやま

訓兵

くんぺい

(2)

事業です。単身や路上生活者が多く、ネット

カフェ難民と呼ばれる方もいます。

5番目の「家計相談支援事業」は、失業や債

務問題などを抱える生活困窮者に対して、家

計管理に関する相談支援や貸付のあっせん等

を行う事業です。一時生活支援と家計相談支

援事業は、江東区では直接実施していません。

同じような事業を東京都が行っているので、

そちらを案内しています。

6番目の「子どもの学習支援事業」の概要は、

「貧困の連鎖防止のため学習支援を行い、学

力の向上などを図る」ということです。江東

区では、「まなびサポート事業」と名づけて、

大きく2つの取り組みを行っています。1点目

は、福祉事務所にまなび支援員を配置して家

庭訪問や面接を行い、学習環境の整備や高校

進学への支援を行っています。対象者は小学

生から高校年齢相当で、学力に問題がある子

という前提です。この事業では、学力の向上

だけではなくて、人とのコミュニケーション

スキルや自信をつけてもらいたいということ

で取り組んでいます。2点目が、居場所づくり

の機能をあわせ持つ学習の場・機会を提供す

る「まなび塾」を開設し、学習支援や相談等

を行っています。夜間の開催なので、対象者

は中学生にしています。勉強以外にも様々な

イベントを行っています。

5 関係機関とのネットワーク

相談者は複合的な問題を抱えていることが

多いため、既存の事業へのつなぎがポイント

となります。一方で、税金や保険料の部署な

どから困窮状態初期の段階でこの事業につな

いでもらうことも重要です。実際には相談に

来られた方の半数以上が区役所の他の課や関

係機関に用事があって相談に行ったときに、

自立支援担当を案内されて来ています。

また、この制度独自の取り組みとしてフー

ドバンクと連携をしています。フードバンク

活動とは、賞味期限内であるにもかかわらず、

様々な理由で市場に流通できない食品を引き

取り、食料を必要とする方へ無償で提供する

活動のことです。具体的には、セカンドハー

ベストジャパンという団体と連携し、生活困

窮者に支給しています。継続的に食べ物に困

るという方には、生活保護を案内します。

6 「私たちにできる(かもしれない)こと」

区役所の担当者としてお願いしたいことは

3点です。1点目は、地域で気になる方を見

かけたときにこの相談窓口の案内をしていた

だきたいということです。もし、本人が病気

等で区役所まで行けない場合であっても、本

人の了解があればこちらから、自宅訪問でき

ますので、ご相談ください。ただし、本人か

らの連絡するようにお願いします。個人情報

の問題もありますが、本人が「相談しよう」「解

決したい」と思ってくれないとうまくいかな

いからです。

2点目が、就労準備支援事業による職場体

験やボランティア体験先の確保です。体験先

として地元の企業や地域のお祭りなど、体験

先として受け入れる企業や団体がありました

らご紹介をお願いします。

3点目が、既存の支援団体への協力です。

団体へのお金や時間、食べ物の寄附とボラン

ティアでの参加です。貧困対策として無料の

学習教室や子ども食堂等が最近クローズアッ

プされています。そういった団体に協力する

ことが生活困窮者の支援にもつながります。

区役所では、「まなび塾」でのボランティアを

募集しています。中学校卒業程度の学習を教

えられる方でしたらどなたでも大歓迎です。

ただし、先ずその前に、ご自分が生活困窮

状態にならないように気をつけてください。

現役世代の年収が 1千万円でも、貯金 2千万

円でも生活困窮状態になる人もいます。今の

うちから人生設計を考えておくことが大切で

す。万が一危なくなったら早目に相談に来て

ください。

7 地域づくりが大切

生活に困っている方は、単に経済的な問題

だけではなくて、社会的に孤立している方も

多いという実情があります。一方で、本人の

自立においては、何より本人が頑張って生き

ていこうとすることが大切です。そのために

は、本人が地域の中で居場所や役割を確保し、

参加できるようにしていかなければなりませ

ん。地域におけるコミュニケーションが活発

になって、地域の人々がお互いに支え合う地

域づくり、差別や偏見のない地域づくりを行

参照

関連したドキュメント

(5) 子世帯 小学生以下の子ども(胎児を含む。)とその親を含む世帯員で構成され る世帯のことをいう。. (6) 親世帯

⑧ 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金事業 0

Q4-1 学生本人は児童養護施設で生活( 「社会的養護を必要とする者」に該当)してい ます。 「生計維持者」は誰ですか。. A4-1

・座長のマイページから聴講者受付用の QR コードが取得できます。当日、対面の受付時に QR

2. 「早期」、「予防」の視点に立った自立支援の強化

1人暮らし 高齢者世帯 子世帯と同居 独身の子と同居 長期入所施設 一時施設 入院中 その他

意向調査実施世帯 233 世帯 訪問拒否世帯 158/233 世帯 訪問受け入れ世帯 75/233 世帯 アンケート回答世帯 50/233 世帯 有効回答数 125/233

(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)