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新年を迎えて 「特技懇」誌のページ(特許庁技術懇話会 会員サイト)

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2008.1.30. no.248

新年を迎えて

特許庁技術懇話会 常任委員

  

久島 弘太郎

 新年明けましておめでとうございます。

 とうとう平成も20年代に入りました。今年は年号の数 字の切が良いだけでなく、いろいろな意味で節目となりそ うな気がします。まず、審査請求期間が7年の出願が、今

年10月に審査請求期間の満了を迎えます。それに伴い、「審

査請求のコブ」も終わりを迎えます。また、平成16年か ら開始された任期付審査官の採用も、今年が最後の年とな ります。

 思えば21世紀に入って以来、審査、審査官をめぐる状 況は大きく変わってきました。特許審査迅速化・効率化の ために、任期付審査官の採用、先行技術調査外注の拡大等、 様々な取組が実施されました。また、サーチ専用の端末が 廃止され、審査官は自分の机ですぐにサーチが出来るよう になり、勤務段階もきめ細かく選択可能になる等の勤務時 間の見直しが行われる等、審査官の執務環境も大いに変化 しました。そして、これは私見ですが、私が入庁したおよ そ10年前と比べ、審査官の皆さまの意識や雰囲気が件数 にも重きを置くように変化してきたように感じます。  その結果、2002年には約21万件だった一次審査件数 は、昨年は約29万件へと急増することが出来ました。今 年度も約31万件の一次審査目標件数(前年度比6.9%増) と、審査順番待ち期間28月台の達成を目指し、特技懇会 員の皆様は日々頑張っておられることと思います。  このように、近年は、主に審査順番待ち件数増加への対 応として審査の迅速化・効率化に大きく舵を切ってきたと ころです。しかし、それも間もなく変わります。先にも述 べましたように、「審査請求のコブ」は今年終わります。 今後数年は2013年の審査順番待ち期間11月(世界最高 水準)の達成に向けて、現在のように審査の迅速化により 大きな重点が置かれることと思いますが、そろそろ審査官 1人1人のレベルで「ポスト迅速化の時代」について考え てみる時期なのかも知れません。

「ポスト迅速化の時代」はどのような時代になるのでしょ

うか。これまでは、ある意味一次審査件数を「売り」にす ることが出来た時代であったと言えるでしょう。しかし、 もはやそれを売りに出来なくなったとき、何を特許庁の「売 り」にするのでしょうか。ひたすら迅速化に邁進し、今度 は最終処分期間で見ても圧倒的に欧米特許庁より早いこと を売りにするという選択もあるかも知れませんし、「迅速」 の次は「的確」に重心を移し、権利の安定性で他庁を圧倒 することを売りにするという選択もあるかも知れません。 あるいは、「迅速」や「的確」はもうこの辺りで良いから、 グローバル出願を促進させる前提として、途上国等におけ る模倣品対策に、もっと審査官として出来ることを考えて くれ、というのが産業界からの要望になるかも知れません。 変化の潮目に次の時代のことを想像するのは楽しいことで す。年の初めにぴったりです。

 少し話は変わりますが、ときどき「最近の審査室はとて も静かだ。聞こえるのは対話型審査の声くらいだ。」、「担 当外のサーチ範囲も机上の端末で調べられるために、以前 ほど他室に質問しに行くこともなく一日中一言も話すこと なく帰る審査官が増えた。」、あるいは、「大量の案件を抱 えて審査処理以外のことを考える余裕が審査官になくなっ ている。」と心配する声を聞くことがあります。このよう なことで、これからの時代の変化に対応していけるのか、 と心配されているようです。しかし、私は楽観しておりま す。今年度は特技懇の常任委員を努めさせていただくこと になり、外部の方々と意見交換会を持つ機会に恵まれたの ですが、そういう場に積極的に参加しようとする審査官・ 審査官補の方々は少なからずおられます。特技懇以外にも 独自に外部の方々と接触し、いろんな意見を吸収していく 若手の皆様の姿には感動させられます。好奇心を持ち続け る方々の存在は、明るい材料です。

参照

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