画像の性質と濃淡変換
( 2017 年 11 月 13 日)
浅井紀久夫
1
本日のポイント
• 画像の統計量
• 濃淡変換
• トーンカーブ
教科書 濃淡変換
とフィルタリング
2
ヒストグラム
• 目的:画素値の分布を調べることで、画像の
性質を把握する
• ヒストグラム
– 各画素値の分布を棒グラフで表したもの
0 255
画素値(輝度値) 頻度
3
0 255
0 255
0 255
カラー・ヒストグラム
カラー画像
画素値(Rチャンネル)
画素値(Gチャンネル) 画素値(Bチャンネル) 頻度
頻度
頻度
4
最小値・最大値・平均値・分散・
中央値・最頻値
• ある画像の画素値の中で
– 最小のもの 最小値
– 最大のもの 最大値
– 画素値分布が釣り合う重心の位置 平均値
– 画素値分布のバラツキ具合 分散
– 画素値の小さい(または大きい)方から数えて、
真ん中に位置する画素値 中央値
画素値分布を半分に分ける中央の位置
– 最も頻度が高い画素値 最頻値
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それぞれの関係
頻度
0 255
画素値
最小値 最大値
最頻値
平均値 中央値
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コントラスト
• 画像の濃淡分布の広がりに関する性質
min max
min max
I
I
I
C I
+ −
=
:画素値の最大値
:画素値の最小値
I
maxI
min0 画素値 255
頻度
頻度
頻度
頻度
7
濃度変換関数
• 画像の各画素は、その濃淡を表す値(画素値、
濃度値、輝度値)を持つ
• 画像の濃淡を変化させるには、入力画像の
それぞれの画素値に対し、出力画像の画素
値をどのように対応づけるか指定
– >濃度変換関数
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トーンカーブ
• 濃度変換関数を、入力画素値 x を横軸、出力
画素値 y を縦軸に表したもの
– y=x の直線上では、入力画素値と出力画素値が
等しい
– 直線より上:明るくなる
– 直線より下:暗くなる
0 255
255
入力画素値 出力画素値
入力画像の明るいところはより明るく、 暗いところはより暗く変換される
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折れ線型トーンカーブ (1)
• 折れ線で表されるトーンカーブ
255 0 255
0 画素値 画素値
頻度 頻度
画像が全体的に明るくなる 出力
入力
10
折れ線型トーンカーブ (2)
255
0 画素値
頻度 頻度
255
0 画素値
全体的に明るさが抑えられる 入力 出力
11
折れ線型トーンカーブ (3)
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度
コントラストが下がる 入力 出力
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折れ線型トーンカーブの欠点
• トーンカーブが折れ曲がっている点の前後で、
変換の性質が急激に変化する
• トーンカーブが水平な部分では、出力画像の
画素値がすべて一定になる
– 濃淡変化が完全に失われる
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ガンマ補正(ガンマ変換)
• 入力画像の画素値 x 、出力画像の画素値 y と
すれば、
• ガンマ値 が のときは上に凸、 の
ときは下に凸
• もともとは、 CRT ディスプレイなどの画像出力
装置の特性を補正するために用いられてい
た
γ 1
255 255
= x
y
γ γ > 1 γ < 1
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ガンマ補正の例
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度
全体的に明るくなる 入力 出力
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S 字トーンカーブ
中間調が引き伸ばされ、画像のコントラストが上がる 255
0 画素値
頻度
入力 出力
255
0 画素値
頻度
16
ヒストグラム平坦化
• 出力画素値のヒストグラムが、画素値の全域
にわたって均等に分布するように変換する
– 画像サイズを M × N 画素、出力画像の濃淡レベ
ル数を L
– 出力画像のヒストグラムが完全に平坦になれば、
各画素値の頻度は MN/L となるはず
画素値の小さい方から頻度を積算
その数が MN/L に達するまでの画素値をひとまとめ
出力画像の画素値に割り当てる
– 画素値の頻度が MN/L に等しくなることは稀
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ヒストグラム平坦化
• ヒストグラムは、完全に全域にわたって均等
に分布するように変換されるわけではない
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部分的に平均すると、
頻度値がほぼ一定している。 ヒストグラムの分布を
大きく崩すのは難しい。
ヒストグラム平坦化の例
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度
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完全に平坦になるわけではない 一般に、コントラストが高くなる
画素数がゼロの画素値が存在する
濃淡の反転
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度 入力
出力
濃淡が反転し、ネガフィルムのような画像が得られる
20
ポスタリゼーション
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度 入力
出力
出力画素値が数段階に制限される
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ソラリゼーション
255
0 画素値
頻度
255
0 画素値
頻度 入力
出力
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ネガ画像とポジ画像が混ざり合った ような特殊な効果を出す
擬似カラー
• グレースケール画像に、擬似的に色を付ける
– RGB の各チャンネルに対して異なるトーンカーブ
を用いる
グレースケール画像では区別がつきにくい微妙な濃淡の違いを、 色の違いとして表現している
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課題の予定
• 11 月 20 日 通常授業
• 11 月 21 日 補講
• 12 月 18 日 課題の提案
– どんな作品、あるいは機能とするのか、概要を
一枚物レポートとして提出
– 必要事項
名前、学籍番号
タイトル、概要(ポイントは何か、面白いところはどこ
か、どの手法を使って、どういう手順で進めるのか)
• 1 月 22 日 課題の提出
24課題例
• 写真と実物との合成
• 立体写真でも OK
– でも、ディスプレイがない
名前:高専太郎 番号:0000
タイトル:た、立った! 概要
ポイント:1つのカメラで撮影した写真に、 画像処理を施す
面白いところ:フィギュア(本物)と実写(パ ソコンに提示)の融合において、照明効果 を考慮する
手法:デジカメを使って素材を取得し、画 像処理ツールで輝度や色を修正する。実 写と実物が違和感なく見えるようにする。 手順:フィギュアを用意、背景画像を設定、 デジカメで撮影、画像処理ツールで編集、 調整
原理図など
SDガンダム
講義ノート
• 以下の URL から取得できる
– https://sites.google.com/site/asaizlaboratory/
imagemedia2017
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