• 検索結果がありません。

OHBG 02 最近の更新履歴 ボードゲーム読書会@高田馬場

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "OHBG 02 最近の更新履歴 ボードゲーム読書会@高田馬場"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

he Oxford History of Board Games

2. ダイスの役割

伝統的ボードゲームでは、ダイス使用のゲームは二種に大別される。ひとつはレースゲームであり、もうひとつはス テークボードゲームだ。後者ではボードは単に賭金を置くためだけに使われる。

ダイスレースゲームは「不完全情報」だが、これはカードやドミノを用いる際の「不完全情報」とは異なる。プレイ 過程で部分的に明らかになった情報をもとに行動選択する(過去の不完全情報)のではなく、頼れるものは確率だけ(未 来の不完全情報)である。しかし行動を選択するという点で技術介入の余地がある。

ただし選択の余地のないカードゲームやレースゲームというのもあって、この場合は過去も未来もない。ゲームにお ける情報は選択に影響を与えるという意味においてであるので、情報は意味を失っている。

ゲームのロットは占いや予言から持ち込まれたものだと信じられてきた。第二段階に発展した占いや予言は、決定を 公平に行うために用いられた。タイラーによれば、第一段階と第二段階との本質的な差異は will(個人意志)と shall

(神意・当為)である。占いの結果に従って行動するかもしれないし、しないかもしれない(will)が、信心が強ければ、 従う方が賢明だと考えることができる(shall)。

第二段階の例としては古代ローマの十分の一刑やキリストの衣服をくじ引きで分ける例が挙げられるが、ここで当事 者たちは、手出しできない、すなわち公平な意志決定装置の働きにより、だれか一人がものを「勝ち取る」という約 定に参加しているのだ。これを「ゲーム」と呼べるかどうかは議論の余地がある。「賭博」と「プレイ」のつながり は実に強く、宗教指導者たちは幾時代にもわたって「プレイ」を「ロットを振る」ことをもって非難し続けた。

占い、意志決定、ゲームの境界はぼんやりとしているが、ロットを振るという行為は一般的なものであり、それが様々 な状況に合わせて行われてきたと考える方が合理的だろう。一つは確かに他のものに先行しているのだろうが、実際 の発展過程は、立証できるほど近接していたわけではないと私[Parlett]は考える。

○二面ロット

最も原始的なロットは(機能的に)二面であり、多くの文明で木製のかまぼこ型ロットが用いられた。キューリンの 報告では、アメリカ原住民のロットは骨や象牙、貝殻や皮など様々な材料からつくられている。二面ロットを複数振 ることで、多様な数値を表すことができる。とはいっても六面ダイスと同様というわけにはいかず、例えば 2d6 と 10d2 の合計値の各確率をグラフ化すると、後者は 5 の目が非常に高く、0 や 10 は低い。立方体ダイスが用いられ たところでは二面ロットは駆逐される傾向にあったが、これは便利なためというだけではなく、レアな目がより出や すいという理由もあっただろう。

原始的文化に属するプレイヤーたちに確率の素養はなかったが、レースゲームでは多くの報酬をレアな目に与えてい た。たとえばホワイトマウンテン・アパッチのゲームにおけるルール上の報酬と、確率で導いたそれとを比較すると 以下のようになる。

丸い面の数    0 1 2 3 コマを進める数  5 2 3 10+ 確率で出した数  6 2 2 6

(2)

2

ここでの「+」は「もう一度ロットを振れる」ことを意味する。これに類する報酬は、ロットを振るゲームのあると ころどこにでも登場する。六面ダイスの場合、一個なら 6 の目で、二個ならゾロ目で得られる。これは普遍的といっ てよく、特定のゲームや文化に遡ることは不可能だ。

○アストラガルス

アストラガルスは古代ギリシャ語の踝骨の意味で、四面のロットである。かたちとしては六面だが、形状の都合で四 面しか使用できない。有史以前から踝骨は遊戯具として用いられてきた。現在のジャックスの祖先的なゲームは紀元 前 800 年の、ふたりの少女の彫像に描かれている。ロットとしての使用はパレスチナの王墓から、また古代の著述に よって示される。

ローマ人は踝骨のものをタルスと、木などで作ったものをアレアと呼んだ。レースゲームに用いる場合は各面に 1,3,4,6 の数を振り、ダイスゲームの場合は合計値ではなく組み合わせを競った。アストラガルスはローマにおける バックギャモンの祖先である「十二列のゲーム」でも使用された。

○棒ダイス

インダス河流域で発掘された棒ダイスは四面であり、現在でもネパールのパサカ(パサ)等で使われている。韓国の ゲーム(Game of Dignitaries)では八面の棒ダイスを用いるし、イギリスの伝統ゲームロング・ローレンスは六面である。

○立方体ダイス

ヘロドトスは立方体ダイスの発明を小アジアのリュディア人によるものとし、マレーもこれを確かめている。紀元前 七世紀のエジプトまでは例がなく、ローマ時代に多く用いられた。インドには 6 世紀にペルシアのナルドとともに伝 わったが、パサに取って代わることはなかった。

エトルリア人のダイスは反対面のペアが多様だったが、古代ギリシア人がこれを七にし、普遍的なものとなった。た だし右回り・左回りの統一性はとれていない。

六面ダイスの各面の伝統的な英語名はノルマンフランス語もしくはアングロノルマン語のもので、エース、ドゥース、 トレイ、クォーター、シンク、シスである。この呼び名は失われて久しいが、最初の三つはトランプに残っている。 ただしドゥースとトレイはポーカーのようなギャンブルゲームのみであり、イギリスよりはアメリカで多く使われる。

○ティートウタム

最初のティートウタムは六面ダイスに芯棒を通し、四面しか出ないようにしたものだった。これは十六世紀ドイツの 人気ギャンブルゲームに用いられ、ブリューゲルの『子どもの遊び』の左下隅にも描かれている。この道具はフラン ス語のトトンの名で知られており、各面には PNJF の文字が振られ、出目により賭金を取ったり失ったりする。この ゲームはドライデルの名で、現在でもユダヤ人の子どもたちがハヌカの期間に遊んでいる。

イギリスでは十八世紀初頭に、正方形の厚紙を芯棒に通したコマが現れた。三側面は空白で、一つだけに T と書かれ ており、なので T-totum と名付けられた。空白面が出る度に賭金が積み重ねられ、T を出した者が総取りした。 十八世紀の終わりには、家庭用ボードゲームに、ダイスに代わって六角形ティートウタムが用いられるようになった。 理由として、家庭にギャンブルの空気を持ち込まないためだとされている。また当然、製造費も安価であった。

○ステークボードゲーム

ステークボードゲームは位置ゲームではない。よく知られているものとしては王冠と錨が挙げられる。類似のゲーム として中国の魚蝦蟹がある。

(3)

3

この種のゲームは十六世紀にまで遡れる。コメニウス(1592-1670)はダイスゲームを、目的から二種に大別した。 ひとつは高い数を出そうとするもの、もうひとつは様々な数値が書かれたボードを用いるものだ。16 世紀ドイツの ゲームグリュックスハウスは 2-12 の数字のマスで区切られたボードを用い、プレイヤーは 2d6 を振って、出目のマ スが空なら賭金を置き、すでに置かれているならそれを取る。ただし七の目は別で賭金を置くだけであり、1 ゾロを 振ったものが七のマスの金を得る。また 6 ゾロはボード上のすべての賭金を獲得する。このゲームはさまざまな改変 を経ながら 19 世紀までプレイされた。

この種のゲームではマス目に数字だけでなくトランプカードや、その単純な組み合わせが描かれたものがある。バイ エルンの国立博物館には、美麗な「カードルーレット」ボードが収蔵されている。

他の著名なゲームとして、ノルマンディ沿岸を行き来する船乗りたちに二世紀以上にわたって愛好されているとされ るシャット・ザ・ボックス(トリック・トラック)がある。ボードには 1-9 の数字が振られたマスがあり、プレイヤ ーは 2d6 を振り、ボードの全マスを埋めようとする。どこも埋められなくなったら手番終了で、空のまま残ったマス の数字がペナルティとなり、これが 45 に達したら脱落する。

参照

関連したドキュメント

通常は、中型免許(中型免許( 8t 限定)を除く)、大型免許及び第 二種免許の適性はないとの見解を有しているので、これに該当す

注:一般品についての機種型名は、その部品が最初に使用された機種型名を示します。

② 特別な接種体制を確保した場合(通常診療とは別に、接種のための

また、完了後調査における鳥類確認種数が 46 種で、評価書(44 種)及び施行 前(37

 「世界陸上は今までの競技 人生の中で最も印象に残る大 会になりました。でも、最大の目

 よって、製品の器種における画一的な生産が行われ る過程は次のようにまとめられる。7

これまた歴史的要因による︒中国には漢語方言を二分する二つの重要な境界線がある︒

﹁ある種のものごとは︑別の形をとる﹂とはどういうことか︑﹁し