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市立病院の今後のあり方検討報告書

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Academic year: 2018

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(1)

市立病院の今後のあり方

平成21年2月24日(火)

(2)

1 本検討会の目的

本検討会は保健福祉部、財務部、市長公室の関係職員12名の構成で社会 情 勢 の 変化 に 対 応 した 効 率 的な 市 立 病 院の 実 現 を 推 進す る た め、「市 立病 院 の将来における運営形態に関すること」、「市立病院の運営のあり方」等につ いて検討を行った。

検討に当たっては①市立病院の経営状況、②市立病院運営審議会の答申、 ③総務省の公立病院改革ガイドライン等を踏まえて検討を行った。

2 市立病院の経営状況

(1)過去5か年間の収益的収支の概況

(単位:百万円)

Aのうち 補助金等が

A収 益 一般会計から B費 用 純 損 益 ない場合の

の補助金等 A-B 純損益

15年度 772 192 774 ▲2 ▲194 16年度 706 170 739 ▲33 ▲203 17年度 713 168 710 3 ▲165 18年度 492 202 533 ▲41 ▲243 19年度 527 226 508 19 ▲207

21年1月末 461 225 408 53 ▲172

(20年1月末) (442) (196) (406) (36)(▲160) (2)過去5か年間の一般会計からの繰出し状況

(単位:百万円) 負担金 補助金 出資金 合 計 備 考 15年度 78 114 9 201

16年度 75 95 7 177

17年度 66 102 7 175 18年度 73 129 42 244 19年度 41 186 16 242 20年度 47 178 17 242

(3)過去5か年間の1日平均入院・外来患者数

(単位:人、%) 1日平均 病 床 1日平均 医師数 看護師数 総職員数

入院患者数 利用率 外来患者数(正職員)(正職員)(正職員)

15年度 26.9 56.0 171.4 5 24 41 16年度 25.8 53.8 148.2 4 21 35 17年度 26.9 56.0 148.4 4 16 29 18年度 19.4 40.4 63.0 2 15 25 19年度 23.4 48.9 57.8 2 15 25

21年1月末 26.4 54.9 52.2 2 15 25

(3)

(4)リハビリ科設置に伴う収益状況

(単位:円)

実施 実施 1日当り 1件当り 20年度

件数 診療報酬額

日数 人数 件 数 診療報酬額 収入予定額

20年4月 4.5 22 62 13.8 49,600 800

5月 4.0 27 61 15.3 48,800 800

6月 2.0 16 32 16.0 25,600 800

7月 5.0 31 63 12.6 50,400 800

8月 4.0 28 57 14.3 45,600 800

9月 5.0 15 37 7.4 29,600 800

10月 4.0 19 41 10.3 32,800 800

11月 3.0 20 43 14.3 34,400 800

12月 4.0 28 62 15.5 49,600 800

1月

2月

3月

合 計 366,400 488,533

(5)ソーシャルワーカー導入に伴う収益状況

(単位:円)

実施 相談 他病院 1件当り 20年度

との 計 診療報酬額

日数 件数 連携件数 診療報酬額 収入予定額

20年4月 5 3

5月 4 1 1名入院 222,730

6月 4 1 2名転院 408,140

7月 5 3 394,350

8月 4 2 348,200

9月 4 1名紹介 310,200

1名転院

10月 4 2 1名介護 158,140

11月 3 1 162,620

12月 2 2 1名入院 430,370

1月

2月

3月

合 計 2,434,750 3,246,333

(6)今後の収支改善の見込み

これまで、窓口部門、給食部門、診療報酬請求などの民間委託、リハビリ 科設置、ソーシャルワーカー導入などの改善に取り組み、現在においても病 院内に経営改善委員会を設置し、必要な改善に取り組んでいる。

(4)

3 市立病院運営審議会の答申

(1)答申の内容

運営審議会の答申(平成18年7月)の中で6つほどの提案がなされてい るが、主なものとしては次のとおりである。

①可能な限り経営を安定させることを考慮すべきであり、病床稼働率は年間 平均90%を確保して収入増加を目指すとともに、支出の削減に努めるべ きである。

②病院への繰入れについては、自治体病院の経営基盤を強化する為、地方財 政計画による国の繰出基準に基づき、年間9千万円の繰入金を必要とする が、更に繰入金の削減に努める。

③経営形態は現状のまま継続するが、経営分析の結果及び社会環境の変化い かんでは、2年ないし3年後には公設民営或いは民間移譲への経営形態の 変更を考慮するものとする。

(2)答申への対応

1 ペ ージ 目 の 「 2 市 立 病 院 の経 営 状 況 」か ら す ると 、 ① の 病床 稼 働率 を 年間平均90%にすること、また②の一般会計からの繰入れを国の繰出基準 に基づく年間9千万円だけで病院運営することは非常に難しい状況にある。 よって、答申が出されて2年余を経過した現在、③の公設民営或いは民間 移譲への経営形態の変更を考慮するとした答申を尊重すべきと考えられる。 また、その他つくば市にとって必要かつ実現可能な経営形態についても検討 する必要があると思われる。

4 総務省の公立病院改革ガイドラインについて

総 務 省か ら 示 さ れた ガ イ ドラ イ ン に おい て は 、「公 立 病 院の 果た す べき 役 割は、地域に必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供 が困難な医療を提供すること」としている。

例えば、

①山間へき地、離島などの過疎地における一般医療の提供

②救急、小児、周産期、精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供 ③県立がんセンター、県立循環器病センター等の高度・先端医療の提供 ④研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点としての機能

これらのことを踏まえて、ガイドラインでは「特に民間医療機関が多く存 在している都市部における公立病院は、果たすべき役割について精査した上 で、必要性が乏しくなっているものについては、廃止などを検討していくべ きである。」としている。

◎ガイドラインから市立病院の果たすべき役割について考慮すると

(5)

(2)②の救急については、民間病院等の協力でその体制は整っていると思わ れる。また、精神については市内の病床数は少ない状況にあるが、茨城県内 の病床数は全国並にその体制が整っているので問題はないと思われる。

小児、周産期についての本市の状況は下表のとおりである。特に産科は全 国的にも不足しており、つくば市内においてもその影響が現れているため、 民間医療機関による提供が困難な医療として、自治体として周産期医療に取 り組む必要があると思われる。

つくば市内における小児科、産科数等調べ

市立病院周辺 つくば市内 茨城県内

(半径2.0キロ)

小児科(病 院) 6 92 0

産 科 〃 2 4 0

小児科(一般診療所) 45 498 3

産 科 〃 2 5 0

総合周産期医療センター 1 2 0

地域 〃 0 4 0

小児科 計 51 590 3

産 科 計 4 9 0

(県内は平成18年10月現在で茨城県統計から)

※ 産科数には,産婦人科を標榜している医療機関は含まれていません。

各種経営形態のメリット・デメリット

・・・資料1参照(8ページ)

市立病院の今後のあり方についての提案

当病院は昭和26年に北条 地方国保病院として開設され、開設当初は周辺 地域に医療施設がほとんどない状態であり、そのなかで地域の中核的な医療 を担ってきた。

その後学園都市の整備 に伴い、つくば市における 人口の急激な増加ととも に、下記の表のとおり医療機関の数も大幅に増加した。また、市立病院周辺 においても多くの医療機関が立地している。

つくば市内における病院、診療所数等調べ (平成20年9月現在 )

人口1万人当たり 市立病院周辺

市内実数

つくば市 茨城県 全 国 (半径2.0キロ)

病院(数) 14 0.71 0.61 0.6 2 1

一般病床(数) 2,428 122.73 66.23 71.3 0 52

一般診療所(数) 151 7.63 5.71 7.7 2 5

一般診療所病床(数) 141 7.13 9.55 12.5 1 0

医師(人) 828 41.85 14.67 20.6 3

(6)

このように、医療供給体制が質的・量的に大きな環境の変化を遂げている ことなどから、つくば市は全国的にも恵まれた医療環境地域にあると言って も過言ではない状況にあります。その中で市立病院の経営状況、審議会の答 申、総務省の公立病院改革ガイドラインなども含めて検討した結果、市立病 院の今後のあり方について、次のとおり提案します。

(1)診療所

現在の外来・入院患者数等の実態に見合った運営を行うため、診療所にし てスリム化することが考えられる。

診療所としてスリム化しても、他市の診療所の経営状況を見ると赤字補填 を必要としている状況にある。なお、有床と無床を比較すると無床の方が赤 字補填額を大幅に縮減できると見込まれる。

(2)廃止

市内に限らず当病院周辺においても医療機関が多く立地しており、仮に市 立病院が閉院となっても市民が医療サービスを受けるのに困る状況にはない と思われる。

このような中で、独立採算的に経営がなされているならばまだしも、毎年 多額の赤字補填をしなければ、市立病院の運営に支障を来すのであるならば、 存続していく理由を見出すことは難しい。

また、建物・設備が老朽化しているので、市立病院を存続していくとする ならば、近い将来、全面建替え若しくは大規模修繕工事を行わなければなら ず、多額の財源を必要とする。これらを総合的に考慮すると廃止すべきと思 われる。

(3)周産期医療対策の取組み(廃止に伴う繰出金相当分の財源活用)

つくば市には、筑波大学附属病院に総合周産期医療センターが設置されて いる。また、土浦市にある土浦協同病院にも総合周産期医療センターが設置 されているが、全国的にも市内においても周産期医療機関が少ない状況であ り、少子化対策及び市民の安心・安全をさらに推進するため、周産期医療対 策に取り組む必要がある。

取り組みにあたっては、市立病院内に産科を設けること、若しくは周産期 医療センターを設けることは、次の点から難しいと思われる。

①全国的に産科医が不足している中、公立病院であることから定まった雇用 条件しか提示できないので、その確保が難しい。

②病棟が老朽化していることなどから、十分なサービスが提供できない。

したがって、分娩を扱う産科医院開業資金の助成制度や地域周産期医療セ ンターの設置及び女性産科医が継続して働けるような育児支援の助成制度な どを設け、民間活力を引き出すことによって、周産期医療の充実を図ること を検討すべきと思われる。

参照

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