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求釈明申立書 過去の発言等/沖縄県

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(1)

平成27 年(行 ケ) 第3号

地方自治 法第2 45 条の8第 3項の 規定 に基づく 埋立承 認処 分取消処 分取消 命令 請求事件

原 告 国土交 通大 臣 石 井 啓 一 被 告 沖縄県 知事 翁 長 雄 志

求釈明申立書

平成 28年 1月 7日

福岡高等 裁判所 那覇 支部民事 部ⅡC 係 御 中

被告 訴訟 代理人

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被告指定 代理人

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1

これま での原 被告 のそれぞ れの主 張及 び裁判所 による 釈明 により争 点が次 第に 明 らかにな ってき たと ころであ るが、 なお 原告の主 張には 不明 確であっ たり、 いま だ 詳らかに されて ない などの点 が存す るこ とから、 次のと おり 原告の主 張を明 らか に するよう に釈明 され ることを 求める 。

第1 1号要件・取消制限・代執行要件たる公益侵害に共通する事項について 1 普天間飛行場の危険性の除去

【求釈明事項1】

原告は、本件承認取消処分による不利益に関し、「航空機事故や騒音被害とい った普天間飛行場周辺住民等の生命・身体に対する重大な危険は現実化し、現在 も継続しているところ、人の生命・身体を保護する必要性は他のどの法益よりも 大きく、周辺住民等の生命・身体に対する具体的な危険性は、一刻も早く除去さ れなければならない。」(訴状 43 頁)とするところ、「現実化」している「生 命・身体に対する重大な危険」を「一刻も早く除去」するという必要性について、 次のとおり明らかにすることを求める。

(1) 国は、かかる認識をいつ有するに至ったのか。

(2) 国は、その認識を有するに至ってから今日までいかなる除去策を講じてき たのか。

(3) 前項における除去策は、住民に現実化している生命・身体に対する重大な 危険という重大な法益侵害の一刻も早い除去の方策として必要十分たりうるも のであったか。

(4) 原告のいう除去策としての辺野古新基地建設に伴う普天間飛行場の閉鎖は、 新基地の運用開始後であるか。

(5) 本件埋立による新基地の運用開始時期は、現時点ではいつ頃と想定してい るのか。

(4)

2

〔求釈明の理由〕

普天間飛行場の運用によってどの法益よりも大きい住民に現実化している生命 ・身体に対する具体的な危険性を除去するというのが、その「公益」であったり、 本件承認取消処分による「不利益」であるというのが原告の主張である。しかし、 原告の主張を額面通り受け止めるのであれば、国民の生命身体の保護に第一の責 任を有する国としては、何もない場所に極めて大規模な埋立工事を始めて飛行場 を新設し、同所に代替施設を建設するまで普天間飛行場を運用し続けるというの ではなく、まさに「一刻も早く」実現するための他の方策を執るはずである。か かる観点から、原告の主張する柱となる「普天間飛行場周辺住民等の生命・身体 に対する重大な危険」は、国にとっては、真意から出たものではなく、新基地を 建設するための方便というほかない。原告がこれを公益の冒頭に掲げてその重要 性を主張するのであれば、上記の普天間飛行場の危険性除去について、現在行お うとしている本件埋立を主とした施策との整合性が明らかにされなければならな い。

2 沖縄県の負担軽減 【求釈明事項2】

原告は、本件承認取消処分による不利益に関し、「普天間飛行場の機能が、本 件代替施設等に移転すれば、その規模は現在の半分以下に縮小されることとなり、 沖縄県全体からみた負担の軽減も図られることとなる。」「本件承認処分が取り 消され、本件埋立事業が頓挫することになれば、国は沖縄県の負担軽減を進めら れなくなる上、これに対する社会の信頼も裏切られるのであるから、その不利益 は極めて大きい。」(訴状 49 頁)とするところ、次のとおり明らかにすること を求める。

(1) ここにいう「負担軽減」とは誰にとっての負担の軽減なのか。沖縄県民も しくは沖縄県ということでよいのか。

(5)

3

ための方策をとるというのであれば、「負担」を受けている側の意向を尊重 をしつつ行うのが当然といえるところ、国は、現時点において沖縄県ないし 沖縄県民が「負担軽減」の策として本件の新基地建設を受け入れていると認 識しているのか。

〔求釈明の理由〕

原告は、本件承認取消処分の取消しを求めるにあたって、同処分による不利益 の筆頭に「普天間飛行場の早期移設が実現できないことによる不利益」(訴状4 1頁∼)を挙げ、普天間飛行場の危険性の除去は、宜野湾市の跡地利用、沖縄県 の負担軽減を挙げる。これらはいずれも、普天間飛行場周辺住民及び沖縄県ない し沖縄県民の利益にかかるものである。

また、「国際的視点からの不利益」(訴状 51 頁∼)も、約束した合意が履行 できなくなるというだけのものであって、現在の普天間飛行場が米軍の運用その ものに対して支障があるから新基地建設をするというのではなく、結局この点も 移設がなされなければ現在の普天間飛行場の運用が継続するのみであって米軍の 運用そのものに新たな制約が生じるものではないことから、「国際的視点から不 利益」も畢竟普天間飛行場の危険性除去等といった負担軽減の問題に帰着する。 (結局、原告が主張している不利益で、沖縄県や沖縄県民の利益と異質なものは 「本件埋立事業のために積み上げてきた膨大な経費等が無駄になり、個別の契約 関係者に与える不利益が大きいこと」のみとなる。)

そもそも「負担軽減」は、軽減の受益者である、負担を受け、これを感じてい る側に配慮してなされるべきものであるから、負担を受けている側の視点で検討 されなければならないはずである。負担を受けている側が、「それでは負担軽減 にはならない」と主張しているのに、負担を与えている側が、「あなたは負担軽 減とは感じていないかもしれないが、客観的には負担軽減なのだ。」として一定 の方策を強要するのは傲岸といえよう。

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4

意に反する一方的な「負担軽減」は、その公益としての価値を損なわせるものと なるはずである。

原告は、その主張する「負担軽減」が、誰にとっての負担軽減であり、その受 益者の意思をどのように反映させているのか明らかにすべきである。

3 国際的視点からの不利益 【求釈明事項3】

原告は、本件承認取消処分による不利益に関し、「国際的視点からの不利益」 として、「本件取消処分は、我が国の存立ないし安全保障にとって、過去、現在 及び将来にわたり極めて重要な意味を持つ日米両国間の信頼関係に大きな亀裂を 生じさせ、これを崩壊させかねないものであ」る(訴状 57 頁)とし、さらに「 我が国と米国との間において、辺野古沿岸域に本件代替施設等を建設する合意は くり返し確認されてきたものである。上記で述べたとおりの外交の性質に照らす と、この合意を我が国側の事情で履行できないことは、米国との信頼関係を崩壊 させかねないものであり、著しい公益侵害といえる。」(原告第3準備書面 224 ∼225頁)という。

被告が代替施設建設計画は度重なる変遷があったことを指摘したこと(被告第 5準備書面 3∼4 頁)に対しても、原告は、「その基本方針は一貫しており、変 更されたのは代替施設の具体的な場所であったり、工法であったり、埋立の形状 であるにすぎない。… 我が国と米国との関係が今に至るまでの間揺るぎなく深化 してきたのは当然である。」(原告第3準備書面225頁)とする。

そこで、次のとおり釈明を求める。

(1) 代替施設建設計画にあたり、変更された「代替施設の具体的な場所」、「 工法」、「埋立の形状」は、いったん日米合意がなされたものについて、「我 が国側の事情」で履行できずに変更されたものではないのか。米側の事情があ ったというのであれば、それはどのような事情か。

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5

内に普天間飛行場を返還するとの合意がなされたのに対して、その期限をはる かに越えても実現していないのは、「我が国側の事情」ではないのか。それに ついて、日米間において、「信頼関係を崩壊させかねない」亀裂が生じた事実 はあるか。

〔求釈明の理由〕

原告は、「国際的視点からの不利益」を主張し、これを批判する被告の主張に 対し、「外交を全く理解しないもの」とか「外交についての理解を欠いたもの」 とか非難する(例えば原告第3準備書面223、226頁)。ところが、このように 上からものをいうような主張をしつつも、そこでいう不利益の内容は、何ら具体 的な事実にもとづく現実的なものではなく、空疎な主張のくり返しである。さま ざまな外交関係における合意の変遷や不履行、条約機関からの勧告不履行がある 中(例えば、国連女性差別撤回委員会が性差別として法改正を勧告してきた夫婦 別姓についても政府はこれまで応じようとしていない)で、本件承認取消処分が、 なぜ原告が主張するような「我が国が受ける国際的な不利益は、計り知れない 」(訴状58頁)とまで断言できるのか、まったく明らかではない。

そこで、本件新基地建設に至る過去の経過の変遷について、より具体的にその 外交上の不利益の有無を問うものである。

第2 普天間飛行場代替施設の県内移設の必要性の存否について 1 第31海兵遠征部隊の任務

【求釈明事項4】

被告は、どの書面の何頁において「ARGによる強襲揚陸作戦のみが、第 31 海 兵遠征部隊(31ST MEU)の任務」であると主張しているというのかを、該 当頁を端的に示されたい。

〔求釈明の理由〕

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6

が、第 31 海兵遠征部隊(31ST MEU)の任務ではない」(原告第3準備書 面・138頁。同書面における同旨の主張は144、167頁。)と主張しているが、被 告はかかる主張はしていないと認識しているので、この点について釈明を求める。 2 「抑止力」として求められる任務

【求釈明事項5】

以下の1∼7の海兵隊の任務について、それぞれ「抑止力」に含まれると主張 するものであるか否かについて釈明を求める。個別に結論を端的に答えられたい。 (1) 平時における人道支援

(2) 自然災害発生時における捜索救難活動や物資輸送 (3) 危機発生時の民間人の救出活動

(4) 人質の奪還 (5) 海賊対処

(6) 隠密裏に遂行する敵地での偵察・監視活動 (7) 強襲揚陸(上陸)作戦

〔求釈明の理由〕

原告は、「抑止力とは、侵略を行えば耐え難い損害を被ることを明白に認識さ せることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすもの」(原告第3 準備書面 179、186 頁)で「その意味内容は明確」(同 187 頁)であるとした上 で、「在沖米軍海兵隊が沖縄県に駐留することは、抑止力を維持し、安全保障体 制を確保するために必要であることは明らか」(同 192 頁)と主張している。ま た、訴状・67 頁においては、「沖縄県にある普天間飛行場の代替施設を同じ沖縄 県に建設することにより抑止力の維持が図られるといえ、本件埋立事業を実施す る公益は大きい」とし、「抑止力」を根拠としている。

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したがって、具体的にどの任務が「抑止力」であるのか、原告の主張を明確に する必要がある。(具体的な意味内容が特定されないならば、まさにマジック・ ワードを振りかざしているにすぎないことになる。)。

3 「矛」として求められる任務 【求釈明事項6】

以下の1∼7の海兵隊の任務について、それぞれ海兵隊の「矛」としての役割 に含まれると主張するものであるか否かについて釈明を求める。個別に結論を端 的に答えられたい。

(1) 平時における人道支援

(2) 自然災害発生時における捜索救難活動や物資輸送 (3) 危機発生時の民間人の救出活動

(4) 人質の奪還 (5) 海賊対処

(6) 隠密裏に遂行する敵地での偵察・監視活動 (7) 強襲揚陸(上陸)作戦

〔求釈明の理由〕

原告は、求釈明事項4に示した主張をし、抑止力について求釈明事項2に示し た定義を示した上で、「米国が攻勢作戦を担当することで、我が国の抑止力が担 保されるのであって、即応性・機動性を有する米軍海兵隊はこの「矛」の極めて 重要な部分を占めることになる」(原告第3準備書面・191 頁)と主張している。

したがって、具体的にどの任務が「矛」としての役割を担うものであるのか、 原告の主張を明確にする必要がある。

4 災害救援活動 【求釈明事項7】

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する海兵隊にあっては、海軍艦隊による支援を要さない次のような部隊運用も行 われる… 人道支援・災害救助への対応」などとし、同 14 頁は「強襲揚陸艦が米 海兵隊の配備に関する決定的な要素にはなり得ない」とし、本訴訟において原告 は「強襲上陸作戦の遂行のみが米軍海兵隊の任務ではないから、強襲揚陸艦の母 港との位置関係において、米軍海兵隊にとっての沖縄本島の地理的優位性を云々 することは意味がない」(原告第3準備書面・167頁)と主張している。

そして、原告は、原告第3準備書面・141 頁において、前記第1次回答を示し た上で、平成 25 年の台風30 号による台風被害の救援活動について、「実際の運 用においても、例えば、平成 25 年11 月8日にフィリピン中部で発生した台風被 害に救援作戦『ダマヤン』において、在沖米軍海兵隊の航空部隊が運用するMV ‐ 22 オスプレイが、普天間飛行場からフィリピンまで、陸上部隊を米他軍の支援 を受けることなく輸送している」と主張している。

そこで、下記の点について、釈明を求めるので、端的に答えられたい。 記

(1) 台風 30 号による被害の救援活動において、MV‐ 22 オスプレイは、沖縄 からフィリピンに、何名の海兵隊員を輸送したのか。

(2) 台風30 号による被害の救援活動において、揚陸艦ジャーマンタウンは、沖 縄からフィリピンに、何名の海兵隊員を輸送したのか。

(3) 台風30 号による被害の救援活動において、揚陸艦アシュランドは、沖縄か らフィリピンに、何名の海兵隊員を輸送したのか。

(4) 台風 30 号による被害の救援活動において、KC‐ 130 は、沖縄からフィリ ピンに、何名の海兵隊員を輸送したのか。

(5) 平成 25 年 11 月8日の台風被災後、在日米軍の航空機が最初にフィリピン で活動にあたったのは、青森県・三沢基地に配備されたP‐ 3哨戒機による捜 索飛行と思われるが、その理解で良いか。

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れた空母ジョージ・ワシントンが平成 25 年 11 月 14 日に現地に到着して救援 活動を開始したものと思われるが、その理解で良いか。

(7) 台風 30 号による被害の救援活動において、東京都・横田基地所属のC‐

130は、具体的にどのような活動を行ったのか。

(8) 台風30 号による被害の救援活動において、わが国の自衛隊は、どの基地に 配備されている部隊、どのような艦船や飛行機が、具体的にどのような活動を 行ったのか。

5 海兵隊の洋上展開と海軍艦船との関係 【求釈明事項8】

原告は、甲A178(防衛省「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」)及び甲A179 (防衛省「在日米軍及び海兵隊の意義・役割について」)を提出し、原告第3準 備書面において、甲A178 の 12 頁、甲A179 の 19、20 頁の図を引用して主張を している。

すなわち、「米軍海兵隊員は、米国本土における錬成のための訓練や、沖縄県 等における錬成維持のための訓練を行った上、さらには、洋上に展開して即応態 勢を維持する実任務を遂行し、その後、編成の解除と次の展開準備の段階に至る (甲A第178 号証 12ページ、甲A第 179 号証19 ページ及び 20 ページ。)。な かでも、上記②の『展開』の段階においては、編成されたMAGTAF(MEF、 MEB又はMEU)において、司令部、陸上部隊、航空部隊、兵站部隊の各部隊 が連携し、共同して前方展開し、訓練や演習、実任務などを行うことから、この 『展開』段階において上記4要素が一体的に訓練や任務遂行に当たることは、米 軍海兵隊の即応性・機動性の確保の見地からは特に重要である」(原告第3準備 書面・125~126頁)と主張している。

他方で、原告は、「海兵遠征部隊(MEU)と米海軍の強襲揚陸艦とが共同す るARGの運用の問題とは、全く別の問題である」(同143 頁)と主張している。

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(1) 海兵隊は、「洋上に展開」する際には、海軍艦船(揚陸艦)に搭乗するの か、しないのか。

(2) 海兵隊は、「洋上に展開」し、コブラゴールド(タイ)、バリカタン(フ ィリピン)、フォールイーグル(韓国)などにおける訓練・演習に参加する 際には、海軍艦船(揚陸艦)に搭乗するのか、しないのか。

6 在沖海兵隊の洋上展開の期間 【求釈明事項9】

被告は、「31MEU の平成21 年(2009 年)の洋上展開をみると、1月 27 日∼ 大平洋訓練、2月4日∼2月 17 日までタイ訓練、3月 25 日∼3月 31 日まで韓 国訓練、4月 16 日∼4月 30 日までフィリピン訓練、7月6日∼7月 26 日オー ストラリア訓練、8月台風被災の支援活動(台湾)、10 月 14 日∼10 月 20 日フ ィリピン訓練、10 月 14 日∼10 月 20 日自然災害の支援活動(インドネシア・フ ィリピン)、11 月韓国訓練を行っている 。東日本大震災のあった平成 23 年(

2011 年)の活動をみると、2月7日∼2月 19 日タイ訓練、2月 27 日∼3月2

日カンボジア訓練、3月12日∼4月7日トモダチ作戦(東北)、7月11 日∼7 月 29 日オーストラリア訓練、10 月9日∼10 月 16 日能力検証訓練(フィリピン )、10 月 17 日から 10 月 28 日フィリピン訓練を行っている 」(被告第3準備 書面・281∼282頁)と主張している。

この主張について、下記のとおり、釈明を求める。 記

(1) 被告の主張する上記事実については、認めるのか、否認するのか。

(2) 認めるとした場合、上記の 31MEUの洋上展開は、海軍艦船(揚陸艦)に 乗船したのか、していないのか。

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原告は、原告第3準備書面・179 頁以下において「抑止力の意義について」主 張し、181~183 頁には「我が国を取り巻く国際情勢」と題した主張がなされ、こ れを受けて183 頁において「我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、我が国の周 辺地域における上記のような様々な安全保障上の課題や不安定要因、これらに起 因する不測の事態に対し、抑止力として機能する」と主張している。

原告は、同準備書面・189~190 頁(「米海兵隊が沖縄県内に駐留する必要性」 の項目)においては、「我が国の周辺においては、朝鮮半島や台湾海峡といった 潜在的紛争地域があり、東シナ海から南シナ海を中心として、様々な安全保障上 の課題や不安定要因が存在していることから、わが国の防衛政策にとって南西諸 島のほぼ中央に位置する沖縄本島は、これらの潜在的紛争地域に相対的に近い( 近すぎない)位置にある」と主張している。

また、原告は、「沖縄の地理的優位性」などを立証趣旨として甲A178(防衛 省「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」)及び甲A179(防衛省「在日米軍及び 海兵隊の意義・役割について」)を提出している。

そこで、下記のとおり、上記の原告主張及び原告提出にかかる国作成の書証( 甲A178、179)に関して、釈明を求める。

(1) 原告第3準備書面・181~183 頁(我が国を取り巻く国際情勢)は北朝鮮、 中国という国家についてのみ述べ、同準備書面・189~190 頁(「米海兵隊が沖 縄県内に駐留する必要性」の項目)においても朝鮮半島及び台湾海峡という地 域についてのみ述べられており、いずれもロシアや北方領土などその周辺の地 域については一切触れていない。

ア 日本国は、ロシアや北方領土などその周辺地域については、「様々な安全 保障上の課題や不安定要因」は存在していないと認識しているのか、存在す ると認識しているのかを端的に明らかにされたい。

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ついて、原告第3準備書面の上記項目において触れない理由は何かを、具体 的に明らかにされたい。

ウ 存在していないと認識しているとするならば、我が国との間で領土問題が あり、平成 26 年度の対中国機に対する自衛隊機の緊急発進よりも、対ロシ ア機に対するそれの方が回数が多いなどの事情があるにもかかわらず、なぜ、 存在していないと認識しているのか、その理由を具体的に明らかにされたい。 (2) 国(防衛省)作成の平成 22 年2月付「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」

(甲A178)は、「我が国周辺の安全保障環境」として、「北朝鮮情勢」(3 ∼4頁)、「中国関連情勢」(5∼6頁)及び「ロシア関連情報」(7∼8頁 )の項目を設けている。

これに対し、平成 23 年5月7日に防衛大臣が沖縄県知事に提供した防衛省 「在日米軍及び海兵隊の意義・役割について」(甲A179)には、「安全保障 環境―北朝鮮の動向―」(3頁)及び「安全保障環境―中国の動向―」(4頁 )という項目はあるが、「ロシアの動向」という項目はない。

「在日米軍及び海兵隊の意義・役割について」(甲A179)において、安全 保障環境についてロシアという項目を省いた理由は何か、具体的に明らかにさ れたい。

(3) 原告は、原告第3準備書面・189~190 頁(「米海兵隊が沖縄県内に駐留す る必要性」の項目)において、「我が国の周辺においては、朝鮮半島や台湾海 峡といった潜在的紛争地域があり、東シナ海や南シナ海を中心として、様々な 安全保障上の課題や不安定要因が存在している」と主張している。

ア 朝鮮半島は日本海に面しているにもかかわらず、上記主張は日本海を挙げ ていないが、日本海には「安全保障上の課題や不安定要因」は存在していな いと認識しているのかを明らかにされたい。

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13

した日本海には「安全保障上の課題や不安定要因」は存在していないとする 理由を、具体的に明らかにされたい。

ウ 日本海には「安全保障上の課題や不安定要因」は存在していると認識して いるとするならば、上記主張において日本海を挙げない理由を具体的に明ら かにされたい。

(4) 原告は、原告第3準備書面・190 頁(「米海兵隊が沖縄県内に駐留する必 要性」の項目)において、「朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的紛争地域があ り、東シナ海や南シナ海を中心として、様々な安全保障上の課題や不安定要因 が存在していることから、わが国の防衛政策にとって南西諸島における防衛体 制の確保が重要な課題である」と主張している。

ア 九州は沖縄県よりも朝鮮半島に近接し、佐賀県、長崎県、熊本県及び鹿児 島県は東シナ海に面しているが、九州については防衛体制の確保は重要な課 題ではないと認識しているのかを明らかにされたい。

イ 九州については防衛体制の確保は重要な課題ではないと認識しているので あれば、その理由を具体的に明らかにされたい。

ウ 九州について防衛体制の確保は重要な課題であると認識しているのであれ ば、上記主張において、九州について触れない理由を具体的に明らかにされ たい。

(5) 原告は、原告第3準備書面・190 頁(「米海兵隊が沖縄県内に駐留する必 要性」の項目)の4において括弧書で引用した主張に続けて「沖縄本島は、こ れらの潜在的紛争地域に相対的に近い(近すぎない)位置にある」と主張する。 ア 我が国周辺の潜在的紛争地域は、「朝鮮半島や台湾海峡」のみか否か。 イ 仮に「朝鮮半島や台湾海峡」が例示であるならば(甲A67・第1次回答の

1頁参照)、他に具体的にどのような地域があるのか。

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ウ ロシアや北方領土などその周辺地域が「潜在的紛争地域」に該当しないと するのであれば、その理由を具体的に明らかにされたい。

エ ロシアや北方領土などその周辺地域が「潜在的紛争地域」に該当するので あれば、上記の主張において、北方領土及びその周辺地域について触れない 理由を具体的に明らかにされたい。

第3 2号要件について 1 2号要件の要件裁量 【求釈明事項11】

原告第3準備書面において、原告は、第2号要件の意義について、一方で、「 この審査は専門技術的知見を踏まえた価値判断を含むことから要件裁量が相当程 度広範に認められ」ると主張する(原告第3準備書面8頁)。原告は、他方で、 第2号要件の判断枠組み(要件裁量の程度)に関しては、「第1号要件とは異な り、第2号要件は政策的見地から総合的な比較考量を行うものではなく、事業者 が実施する具体的な環境影響評価及び環境保全措置等に係る審査を求めるもので ある。」と主張する(原告第3準備書面236頁)。

原告においては、第2号要件の要件裁量の幅(程度)は、第1号要件のそれと 比較すれば狭いと考えるとの理解か。

【求釈明事項12】

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過程において考慮すべきことを考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照 らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、裁量権の範囲を逸脱し又 はこれを濫用したものとして違法となると解するのが相当である」との基準で判 断すべきとする(訴状 63 頁及び 64 頁、同 85 頁及び 86 頁、原告第1準備書面

13頁ないし15頁、原告第2準備書面19頁)。

原告の主張を前提にしても、第1号要件と第2号要件の間には、要件裁量の程 度について相違があるにもかかわらず、なぜ、司法統制密度については相違がな いのか、理由を明らかにされたい。なお、原告は、第1準備書面 13 頁ないし 15 頁において、この点について若干の回答をしているものの、依然として明確では ないことから改めて釈明を求める。

2 ジュゴンの地域個体群の保全 【求釈明事項13】

(1) 国は、沖縄におけるジュゴンの地域個体群の保全を政策として有している のか否か。

(2) 前項につき、ジュゴンの地域個体群保全を政策として有しているというの であれば、本件事業について、その政策との整合性につき、所管の環境省と調 整を行ったのか。行ったとすればその結論はどうか。

(3) 地域個体群の存続可能性を検討するとき、現在生息しているもののその行 動領域が確認されていない可能性のある個体、将来の繁殖によって存続する個 体の行動領域の可能性について検討したのか。

〔求釈明の理由〕

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潮流、底質などの環境条件を十分踏まえて行われる科学的な知見に基づいた再 生の取組とあわせ、科学的知見に基づく海洋保護区の設定とその適切な管理を 含む措置により生息環境が改善され、干潟、藻場、サンゴ礁などの沿岸域生態 系が台風など自然の攪乱を受けつつ豊かに確保されている。… 南の海ではジュ ゴンが泳ぐ姿が見られるなど、人間と自然の共生のもとに健全な生態系を保っ ている。」としている(乙F3の 67 頁)。 また、同戦略の他の箇所(195 頁)でも、ジュゴンについて、「引き続き、生息環境・生態等の調査や漁業者 との共生に向けた取組を進めるとともに、種の保存法の国内希少野生動植物種 の指定も視野に入れ、情報の収集等に努めます。(環境省)」としている。

他方では、沖縄における地域個体群は極めて少なく絶滅の危機にあるところ、 いまだにその生態の全容が解明されたとは言いがたい状況にある。生物多様性 の保全、種の保全が極めて重要な価値とされているなかで、ジュゴンの絶滅を 招くということは絶対に避けなければならないものであり、このような状況下 においては、予防原則の適用が極めて重要である。予防原則は、「環境と開発 に関する宣言(リオ宣言 1992 年)」第 15 原則に、「環境を保護するために は、予防的取組方法が各国の能力に応じてそれぞれの国で適用されなければな らない。重大なあるいは取り返しのつかない破壊が発生するおそれがある場合 には、科学的確実性が十分でないということを、環境劣化を予防するために費 用対効果の高い手法を適用することを延期する理由とすべきでない。」と明ら かにされている。また、生物多様性条約前文にも、「生物の多様性の著しい減 少又は喪失のおそれがある場合には、科学的な確実性が十分にないことをもっ て、そのようなおそれを回避又は最小にするための措置をとることを延期する 理由とすべきではないことに留意し」、と明記されている。

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性条約、法の理念と真っ向から対立することとなる。そこで、その整合性を明 らかにすべきである。

第4 昭和43年判決の法理の代執行訴訟への転用について 【求釈明事項14】

原告は、本件代執行訴訟においていわゆる昭和43年判決の法理が適用される べきであると主張する。被告としては、当該主張そのものが失当であると考える が、それは別論として次の点について釈明を求める。

1 まず、代執行訴訟においては、法定受託事務の執行が所管法令の規定に反して いる必要があるところ、国が昭和43年判決の法理の元で比較考量を主張する下 記①乃至⑤の利益は、公水法が保護する利益、あるいは埋立承認処分により形成 される権利義務関係ではないと考えられる。

そのため、なぜこのような利益を考量することが要求され、その結果、公水法 に違反する承認処分を取り消すことが公水法の規定に反していると評価できるの か。その根拠は何か。

このとき考量しなければならない利益(公益)が処分の根拠法規が保護してい るか否かとは関わりなく定まるというのであれば、どのような根拠により、また、 いかなる範囲で画されるのかを明らかにされたい。

①普天間飛行場の周辺住民等の生命・身体等の利益 ②日米外交等における有形無形の不利益

③国際社会からの信頼低下による不利益 ④沖縄県の負担軽減ができない不利益

⑤普天間飛行場早期返還による経済発展が阻害される不利益

(20)

18

具体的には、原告は、処分の根拠法規が保護しているわけではない公益と、違 法な処分を法律による行政の原理に基づいて取り消すことによる公益とを考量す る主張を行っているところ、その場合に、該処分を放置することが著しく公益に 反する場合にのみ取り消すことが許される、というような対立利益にウェイトを 置いた比較考量が要求される根拠を明らかにされたい。

殊に、代執行訴訟においては、法定受託事務の執行が根拠法規の規定に反して いなければならないこととの関係で、なぜ処分の根拠法規が保護しているわけで はない公益にウェイトを置いた比較考量が要求されるのかを明確にされたい。 〔求釈明の理由〕

代執行訴訟においては、法定受託事務の執行が所管法令の規定に違反していな ければならない。そのため、なぜ処分の根拠法規が保護しているわけではない利 益(上記①ないし⑤の公益)を考量することが要求され、かかる考量の結果、公 水法の要件を充足しない違法な承認処分の取消が制限されるのか、そして、かか る制限に反することが公水法の規定に反すると評価できるのかについて釈明を求 めるものである。

(21)

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らかではない。

第5 代執行要件における他の方法による是正困難性 1 裁決を自ら行わない理由

【求釈明事項15】

原告は、御庁からの沖縄防衛局長からの行政不服審査法に基づく審査請求につ いて原告が裁決していない理由の釈明事項に対して、「司法に対する国民の信頼 に鑑み、本件代替施設等の建設を巡る国と沖縄県との紛争を解決するためには、 政府として司法の判断を仰ぐのが相当であると判断したからである。」と回答し ているところ(原告第3準備書面 229 頁)、これでは回答が不十分であるから、 改めて次のとおり明らかにすることを求める。

(1) 原告は行政行為に対する国民の信頼を訴状においてしきりに強調している ところ、同じく国の機関である司法と立法との間で、原告自らの裁決よりも司 法による判断の方が国民の信頼が厚いと考えているのか。

(2) そうだとすれば、なぜ、本件について原告自らが裁決することが司法によ る判断より国民の信頼の観点から劣っていると判断したのか。

(3) また、原告は、「司法の判断を仰ぐのが相当」と判断したにもかかわらず、 なぜ本審査請求にあたって、早急に手続が進行する枠組となっている代執行訴 訟での結論を待たずに、執行停止処分のみは自ら行ったのか。

参照

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