Ⅹ Ⅰ 市 民 セ ン タ ー
1 . 泉 ヶ 丘 市 民 セ ン タ ー
1 施設の概要
( 1) 施設の設置目的及び経緯
地域住民の教養及び文化の向上を図り、社会福祉の増進に資するための総合 施設として設置された。
昭和 40 年前後から泉北地域において大規模な宅地開発が行われ、人口が急増 した当時、公共施設の整備が不十分で、住民から図書館をはじめ多目的ホール や福祉施設等の整備の要望が大阪府及び堺市にあった。
そのため、本施設の設置場所である堺市茶山台 1 丁 7 番 1 号において、大阪 府企業局が市民センターを建設して、それを堺市に無償譲渡して、昭和 58 年 7 月 1 日、地域住民のコミュニティ形成の場として、泉ヶ丘市民センターが開所 された。
なお、昭和 58 年 3 月 26 日、堺市立市民センター条例が制定されている。
( 2) 施設の設備概要
敷地面積 5, 001 ㎡ 延床面積 5, 053 ㎡
構造 鉄筋コンクリート造 3 階建 開館年月日 昭和 58 年 7 月 1 日
内部施設
1階 老人集会所、障害者集会所 2階 泉ヶ丘図書館
3階 図書館ホール、集会室
( 3) 施設内で実施されている事業内容 ①老人集会所(貸館事業)
老人(60 歳以上)の方の心身の健康増進、教養の向上、レクリエーショ ンなどの場として貸し出している。
②障害者集会所(貸館事業)
市民の文化活動の場として、読書会、講演会、研修会、映画会などの 催しを開催するための場として貸し出している。
( 4) 施設運営に関する条例等 堺市立市民センター条例
堺市立市民センター条例施行規則
( 5) 施設の管理状況
市民人権局の市民生活部による直営の管理が行われている。防火管理につい ても市民生活部が施設全体を一括で行っている。
平成 15 年度の職員体制は非常勤職員 5 名(うち 3 名が再任用職員)であるが、 館長が管理運営の統括事務を行うほか、他の者が、維持管理事務、庶務事務、 運営事務を行っていて、ローテーションを組んで 1 日あたり 2、3 人が勤務して いる。
開館時間は施設によって統一ではないが、老人集会所と障害者集会所が午前 9 時から午後 5 時 15 分までで、図書館ホール及び図書館が火曜日∼土曜日は午 前 10 時から午後 7 時 30 分まで、日曜日は午前 10 時から午後 5 時まで、集会室 が午前 9 時から午後 9 時までとなっており、休館日は、月曜日、祝日、年末年 始となっている。ただし、老人集会所については敬老の日を除く。
警備体制としては、外部委託しており、駐車場と館内で各 1 名が警備業務を 行っている。
本施設は、所管部として市民生活部と教育委員会の 2 つが存在しているが、 定期的な両者の会議等は特に行われていない。
( 6) 業務委託
平成 15 年度においては 11 件の業務について外部委託を行っており、委託料 の合計は金 22, 564, 942 円である。
委託業務と委託料は以下のとおりである。
委託業務 委託料(円)
清掃警備業務 19, 107, 900
エレベーター保守点検業務 783, 720
機械警備業務 346, 500
委託業務 委託料(円)
樹木管理業務 235, 200
自家用電気工作物保安業務 265, 980
冷暖房設備保守点検業務 525, 000
鼠族・害虫駆除業務 182, 920
自動ドア保守点検業務 219, 975
環境衛生管理業務 416, 997
敷地内除草業務 171, 000
( 7) 施設の決算状況
①直近 3 年間の歳入の概要は、以下のとおりである。
(単位:円)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 目的外使用料(自動販売機) 25, 200 25, 200 25, 200
光熱水費徴収金(自動販売機) 296, 269 291, 173 233, 403 公衆電話取扱収入 14, 436 3, 386 2, 520
拾得金 1, 000 0 0
歳入合計 345, 905 319, 759 261, 123
②直近 3 年間の歳出の概要は、以下のとおりである(再任用職員の人件費を除く)。 (単位:円)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度
報酬 14, 036, 170 6, 931, 711 4, 948, 475
旅費 10, 620 8, 800 5, 220
需用費 22, 080, 245 21, 767, 469 20, 455, 041 役務費 791, 370 883, 689 849, 685 委託料 22, 919, 256 22, 919, 256 22, 564, 942
使用料及び賃借料 14, 910 0 0
工事請負費 0 0 152, 250
原材料費 2, 788 0 3, 925
負担金・補助及び交付金 4, 000 0 4, 000
( 8) 受益者負担(使用料)の現状
本施設は、福祉関係施設であり、また、公民館(無料)との整合性もあり、 有料化は適当ではないとの考えから、貸館事業については無料としている。
( 9) 利用状況
市民人権局の市民生活部が行っている貸館事業における利用件数及び利用者 人数の推移は、以下のとおりであり(但し、集会室については図書館ホールと の合算)、横這い状態であるが、推計で 25%の方が南地区以外から訪れている。 なお、施設利用に当たっては登録制度により利用者の確認等を行っている。
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 老人集会所
1, 144 件 29, 402 人
1, 052 件 29, 206 人
950 件 28, 200 人 障害者集会所
1, 038 件 15, 010 人
1, 071 件 14, 362 人
1, 053 件 14, 608 人 図書館ホール、集会室
1, 240 件 28, 083 人
1, 222 件 28, 955 人
1, 245 件 27, 780 人 利用手続
① 老人集会所:堺市立市民センター条例施行規則第 5 条( 使用の申込等) によ り使用申込書の提出が必要であり、個人は当日に申込を受け、 団体は使用日の 3 ヶ月前に当たる月の初日から受付となって いる。
② 障害者集会所:老人集会所と同様である。
③ 集会室:使用日の 3 ヶ月前に当たる日から受付となっている。
2 監査の結果 ( 1) 施設の必要性
本施設は、周辺には老人集会所の未整備校区が多いことや障害者団体等が無 料で利用できる公共施設もないことから、その利用率が高く、開設当時に比べ て、約 2 倍の利用状況となっており、本施設がなくなったとした場合には、利 用者にとって影響が大きいと考えられる。
る。
( 2) 管理体制
① 泉ヶ丘市民センターは、市民人権局の市民生活部による直営の管理がな されている。
これは、本施設には、図書館が併設されているが、図書館は管理委託を 条例上認めておらず、また、職員配置や運営方針について図書館との整合 性を保つ必要があるなど、集会所と図書館との複合施設においては、管理 委託は適当でないとの判断からであり、特に指摘する点はない。
本施設は、全体としては市民人権局の市民生活部が一括で管理をしてい るが、内部では、その他に、教育委員会が図書館事業を行っている。 このように、本施設はいわゆる複合施設になっているが、施設の効率的 な運営のための各所管部間の連携や意思疎通の方策としては、各所管部間 において適宜連絡は取っており、現状では、特に問題も発生していない。 しかし、管理運営をそれぞれの窓口で行っており、窓口の一本化など運営 方法や施設の維持管理の検討が必要であると考えられる。また、施設の効 率的な運営のために、より一層各所管部間の連携や意思疎通を密にするこ とが望ましい。抜本的には、意見の項で述べるとおり、一体的な管理運営 のため、指定管理者制度の導入を検討することが望ましい。
② 平成 15 年度の職員体制は、非常勤職員 5 名(うち 3 名が再任用職員)と なっており、再任用職員等への切換えを行って、スリム化を図ってきてい る。
このように、効率的な運営を図るために職員体制及び運営体制について 一定の改善が行われていると認められる。
③ 本施設については、築 21 年が経過して全体が老朽化している。そのため、 今後は、本施設全体の大規模修繕計画の策定を検討する必要があると思わ れる。また、駐車場が狭いために、図書館を利用する者のみが 1 時間を限 度として駐車場を利用することができることになっているが、図書館以外 の施設を利用する者も駐車場を利用できるような体制作りも検討すること が望ましい。
( 3) 受益者負担及び利用状況
① 本施設は、貸館事業については無料としている。
であることから、有料化すると、利用者が減少する可能性も高く、有料化 は適切ではないと考えられる。
しかし、集会室については、利用者に限定はないことから、有料化を検 討することが望ましい。
② 本施設の利用人数は、近時は横這い状態になっているが、施設の設置目 的の達成のためには、利用人数の増加を目指して、更なる市民間の交流活 動を推進していく必要があると思われる。
また、利用者にアンケートを取ってはいないが、今後は、一定の時期に 利用者に対してアンケートを実施して利用者の生の声を業務に反映させて いくことも検討すべきではないかと思われる。
なお、施設利用に当たって登録制度を取って利用者の情報をファイルに して保管しているが、今後もファイルの管理等の徹底を図って、個人情報 等の管理には十分配慮すべきである。特に、障害者の方の利用については 情報管理を徹底する必要がある。
3 意見
本件施設は集会所と図書館との複合施設であるから、本来はその一体的、効果 的な管理運営が求められ、指定管理者制度の導入が望ましい。もっとも、併設し ている図書館については、図書館法第 13 条が「公立図書館には館長を置く。」と 規定し、図書館法が特別法として地方自治法に優先して適用されるので、館長を 含めた包括的な指定管理者への委任はできないのではないかと考えられてきた。 しかし、Ⅵ 公民館の意見の項で述べたとおり(94 頁)、文部科学省は法律の解釈 の整理により、現行規定によっても図書館など社会教育施設について包括的に指 定管理者制度を適用することができるとの見解を明確にした。
2 . 新 金 岡 市 民 セ ン タ ー
1 施設の概要
( 1) 施設の設置目的と経緯
地域住民の教養及び文化の向上を図り、社会福祉の増進に資するための総合 施設として設置された。
昭和 40 年前後から新金岡地域において大規模な宅地開発が行われ、人口が急 増した当時、公共施設の整備が不十分で、住民から図書館を始め多目的ホール や福祉施設等の整備の要望が大阪府及び堺市にあった。
そのため、本施設の設置場所である堺市新金岡町 4 丁 1 番 8 号において、大 阪府住宅公社が市民センターを建設して、それを堺市に無償譲渡して、昭和 56 年 7 月 15 日、地域住民のコミュニティ形成の場として、新金岡市民センターが 開所された。
なお、昭和 58 年 3 月 26 日、堺市立市民センター条例が制定されている。
( 2) 施設の設備概要
敷地面積 1, 300 ㎡ 延床面積 2, 452 ㎡
構造 鉄筋コンクリート造 3 階、地下 1 階 開館年月日 昭和 56 年 7 月 15 日
内部施設
1階 老人集会所(新金岡和楽荘)、障害者集会所 2階 統計調査担当分室
3階 新金岡公民館
( 3) 施設内で実施されている事業内容 ①老人集会所(貸館事業)
老人(60 歳以上)の方の心身の健康増進、教養の向上、レクリエーション などの場として貸し出している。
②障害者集会所(貸館事業)
心身障害者(児)の方の交流の場として貸し出している。 ③公民館(貸館事業:教育委員会生涯学習部の所管)
堺市立市民センター条例施行規則
( 5) 施設の管理状況
市民人権局の市民生活部による直営の管理が行われている。防火管理につい ても市民生活部が施設全体を一括で行っている。
平成 15 年度の職員体制は非常勤職員 3 名(うち 2 名が再任用職員)、臨時職 員 2 名であるが、館長が管理運営の統括事務を行うほか、他の者が、維持管理 事務、庶務事務、運営事務を行っていて、ローテーションを組んで 1 日あたり 2、3 人が勤務している。
開館時間は施設によって統一ではないが、老人集会所と障害者集会所が午前 9 時から午後 5 時 15 分までで、公民館が午前 9 時から午後 9 時までとなってお り、休館日は、月曜日、祝日、年末年始となっている。ただし、老人集会所に ついては敬老の日を除く。
警備体制としては、外部委託しており、館内で 1 名が警備業務を行っている。 本施設は、所管部として市民生活部と教育委員会の 2 つが存在しているが、 定期的な両者の会議等は特に行われていない。
( 6) 業務委託
平成 15 年度においては 10 件の業務について外部委託を行っており、委託料 の合計は金 9, 872, 364 円である。
入札に関しての問題は生じておらず各委託先との契約は単年契約としている が、契約を解除するほどの重大な契約違反は発生していない。
業務委託と委託料は以下のとおりである。
委託業務 委託料(円)
清掃警備技術業務 6, 883, 129
エレベーター保守点検業務 819, 000
機械警備業務 472, 500
防災設備保守点検業務 319, 200
樹木管理業務 83, 370
電気設備保守点検業務 171, 600
冷暖房設備保守点検業務 861, 000
委託業務 委託料(円)
自動ドア保守点検業務 97, 650
受水槽・高架水槽清掃業務 75, 915
( 7) 施設の決算状況
直近 3 年間の歳入の概要は、以下のとおりである。
(単位:円)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 公衆電話取扱収入 1, 260 3, 276 1, 260
歳入合計 1, 260 3, 276 1, 260
直近 3 年間の歳出の概要は、以下のとおりである(再任用職員の人件費を除く)。 (単位:円) 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 報酬 14, 531, 620 5, 361, 790 2, 706, 320 需用費 5, 059, 214 6, 366, 623 5, 290, 610 役務費 269, 288 337, 746 264, 460 委託料 13, 742, 139 10, 337, 378 9, 872, 364 使用料及び賃借料 32, 554 36, 928 32, 289
工事請負費 0 4, 126, 500 0
負担金・補助及び交付金 0 0 4, 000 歳出合計 33, 634, 815 26, 566, 965 18, 170, 043
( 8) 受益者負担(使用料)の現状
本施設は、福祉関係施設であり、また、公民館(無料)との整合性もあり、 有料化は適当ではないとの考えから、貸館事業については無料としている。
( 9) 利用状況
市民人権局の市民生活部が行っている貸館事業における利用件数及び利用者 人数の推移は、以下のとおりであり、横這い状態である。
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 老人集会所
1, 021 件 12, 760 人
1, 074 件 13, 439 人
1, 114 件 13, 947 人 障害者集会所
220 件 2, 728 人
201 件 2, 581 人
168 件 2, 107 人
利用手続
①老人集会所:堺市立市民センター条例施行規則第 5 条( 使用の申込等) により 使用申込書の提出が必要であり、個人は当日に申込を受け、団 体は使用日の 3 ヶ月前に当たる月の初日から受付となっている。 ②障害者集会所:老人集会所と同様である。
2 監査の結果 ( 1) 施設の必要性
本施設は、昭和 56 年の開設以来、地元 4 小学校校区(新金岡校区、新金岡東 校区、大泉校区、光竜寺校区)の地域会館の役割を担ってきており、地域住民 の教養及び文化の向上を図り、社会福祉の増進に資するための総合施設として その必要性が認められ、指摘すべき点はない。
( 2) 管理体制
① 新金岡市民センターは、市民人権局の市民生活部による直営の管理がなさ れている。
これは、本施設には、公民館が併設されているが、公民館は管理委託を条 例上認めておらず、また、職員配置や運営方針について公民館との整合性を 保つ必要があるなど、集会所と公民館との複合施設においては、管理委託は 適当でないとの判断からであり、特に指摘する点はない。指定管理者制度の 導入については意見の項で述べる。
本施設は、全体としては市民人権局の市民生活部が一括で管理をしている が、内部では、その他に、教育委員会が公民館事業を行っている。
より一層各所管部間の連携や意思疎通を密にすることが望ましい。
② 平成 15 年度の職員体制は、非常勤職員 3 人(うち 2 人が再任用職員)と臨 時職員 2 名としており、臨時職員への切換えを行って、スリム化を図ってき ている。
このように、効率的な運営を図るために職員体制及び運営体制について一 定の改善が行われている。
③ 本施設については、平成 12 年 10 月に金 8, 998, 500 円をかけてエレベーター 工事を行い、同年 12 月に金 4, 288, 200 円をかけて手すりの工事を行っている が、築 23 年が経過して全体が老朽化している。
特に出窓については強い雨が降ると雨漏りがしているし、空調についても 一元管理となっているために、冷暖房の利き具合が芳しくなく、利用者から 苦情を受けることもある。今後は施設全体の大規模修繕計画の策定を検討す ることが望ましい。
( 3) 受益者負担及び利用状況
本施設の利用人数は、近時は横這い状態になっているが、施設の設置目的の 達成のためには、利用人数の増加を目指して、更なる市民間の交流活動を推進 していく必要があると思われる。
また、現在も、利用者にアンケートを取っているが、今後も、一定の時期に 利用者に対してアンケートを実施して利用者の生の声を業務に反映させていく ことも検討すべきではないかと思われる。
なお、施設利用に当たって登録制度を取っていないが、利用者の情報の管理 の徹底を図って、個人情報等の管理には十分配慮すべきである。特に、障害者 の方の利用については情報管理を徹底する必要がある。
3 意見
本件施設は集会所と公民館との複合施設であるから、本来は一体的、効果的な 管理運営が求められ、指定管理者制度の導入が望ましい。もっとも、併設してい る公民館については、社会教育法第 27 条に「公民館には館長を置く。」とされ、 同法第 28 条により市町村の設置する公民館の館長、主事その他の必要職員は当該 市町村が任命するとされ、社会教育法が特別法として地方自治法に優先して適用 されるので、館長を含めた包括的な指定管理者への委任はできないのではないか と考えられてきた。
が公表した文部科学省の見解及び平成 17 年 1 月の文部科学省全国生涯学習社会教 育主幹部課長会議において、公民館においても指定管理者制度を適用し、民間事 業者に館長業務を含め全面的管理を行わせることができることが明確に明示され た(94 頁、130 頁)。