1
第1 0 回 アミ ノ 酸代謝( 2 ) 、
窒素を含む化合物の代謝
日紫喜 光良
基礎生化学講義
2010.6.22
2
概要
• アミ ノ 酸代謝( 2 ) ( 第1 9 章)
– T C A サイ ク ル等の代謝系と の関係
• アミ ノ 酸から 窒素を外し た後の炭素骨格の処理
– 非必須アミ ノ 酸の生成
• 窒素を含む化合物の合成( 2 0 、 2 1 章)
• 核酸代謝( 2 2 章)
3
アミ ノ 酸代謝: 代謝系の中での位置
図20.1
4
アミ ノ 酸の代謝: ク エン酸回路と の関係
アミ ノ 酸の炭素
骨格はク エン酸
回路で処理さ
れる
図20.1 拡大
5
アミ ノ 酸の分類
Glucogenic ( 糖原性) : 糖
新生の原料になるアミ ノ 酸
Ketogenic ( ケト 原性) : アセ
ト 酢酸またはアセチル CoA
の原料になるアミ ノ 酸
必須アミノ酸 非必須ア ミノ酸
炭素骨格の処理のさ れ
かたから の分類
図20.2
6
アミ ノ 酸の分類
糖原性 糖原性かつ
ケト 原性
ケト 原性
非必須 アラ ニン、 アルギニン
アスパラ ギン、
アスパラ ギン酸、
システイ ン、 グルタ ミ ン酸、
グルタ ミ ン、 グリ シン、
セリ ン
チロシン
必須 ヒ スチジン
メ チオニン
ト レオニン
バリ ン
イ ソ ロイ シン
フ ェ ニルアラ ニン
ト リ プト フ ァ ン
ロイ シン
リ シン
図20.2
7
オキサロ酢酸を生成
• アスパラ ギン
( N )
• アスパラ ギン酸
( D )
アスパラ ギナーゼ
アスパラギンアンモニア
アスパラギン酸
アミ ノ ト ラ ンスフ ェ ラ ーゼ
α -ケトグルタル酸
グルタミン酸
オキサロ酢酸 図20.3
8
α - ケト グルタ ル酸を生成
• グルタ ミ ン酸 ( E )
• プロリ ン ( P )
• アルギニン ( R )
• ヒ スチジン ( H )
ヒスチジン
ヒ スチダーゼ
ウロカニン酸
N-ホルミニノ グルタミン酸 (FlGlu)
テトラヒドロ葉酸
5-ホルミニノ テトラヒドロ葉 酸
グルタミン酸
α -ケト グルタ ル酸 図20.4
9
ピルビン酸を生成
• アラ ニン ( A )
• セリ ン ( S )
• グリ シン ( G )
• システイ ン ( C )
• ト レオニン ( T )
グリシン
セリン
ピルビン酸
図20.5
10
フ マル酸を生成
• フ ェ ニルアラ ニン ( F )
• チロシン ( Y )
フェニアラニンチロシン
フマル酸
アセト酢酸
テトラヒドロビオプテリン
ジヒドロビオプテリン 図20.7
11
スク シニル CoA を生成
• メ チオニン ( M)
• バリ ン ( V )
• イ ソ ロイ シン ( I )
• ト レオニン ( T )
12
メ チオニンの代謝
ホモシステイ ン
メ チオニン
メ チオニン
シスタ チオニン
システイ ン
S- アデノ シルメ チオニン
N
5- メ チルヒ ド ロ葉酸
メ チルコ バラ ミ ン
ビタ ミ ン B
12ビタ ミ ン B
6ビタ ミ ン B
6図20.8より
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ホモシステイ ンと 動脈硬化と の関係
血漿ホモシステイン濃度 (μ mol/L)
10万人あ たりの心臓 血管疾患 が原因の 死亡率(人/ 10万人)
図20.9
14
アセチル CoA またはアセト アセチル CoA を生成
• ロイ シン ( L )
• イ ソ ロイ シン ( I )
• リ シン ( K )
• ト リ プト フ ァ ン ( W)
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分岐鎖アミ ノ 酸の代謝
ロイ シン バリ ン
イ ソ ロイ シン
アミノ基転移 アミノ基転移 アミノ基転移
α -ケトイソカプロン酸 α -ケトイソバレリアン酸
(α -ケトイソ吉草酸)
α -ケト-β -メチルバレ リアン酸
酸化的脱炭酸 酸化的脱炭酸 酸化的脱炭酸
イソバレリルCoA イソブチリルCoA α -メチルブチリルCoA
脱水素 脱水素 脱水素
プロピロニルCoA アセチルCoA メチルマロニルCoA
スクシニルCoA HMG CoA
アセト酢酸 + アセチルCoA 図20.10より
16
分岐鎖アミ ノ 酸代謝の特徴
• 肝臓より むし ろ末梢組織( と く に筋) でおこ な
われる。
• アミ ノ 基転移: 分岐鎖α - アミ ノ 酸アミ ノ ト ラ ンス
フ ェ ラ ーゼがおこ なう 。
– ビタ ミ ン B
6を必要と する
• 酸化的脱炭酸: 分岐鎖α - ケト 酸デヒ ド ロゲ
ナーゼ複合体がおこ なう 。
– チアミ ンピロリ ン酸、 リ ポ酸、 FAD 、 NAD
+、 CoA を
必要と する。
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アミ ノ 酸代謝と 葉酸
図20.11
テト ラ ヒ ド ロ葉酸( T H F )
葉酸の、 活性を有する
誘導体
1 個の炭素のキャ リ アー
ギ酸、メチル基、メタノール、ホルム アルデヒド、カルボキシル基、etc
(ただし、CO2のキャリアーはビオチン)
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非必須アミ ノ 酸の生成:
( A ) α ーケト 酸から
アラ ニン
アスパラ ギン酸
グルタ ミ ン酸
ピルビン酸
オキサロ酢酸
α −ケト グル
タ ル酸
アミ ノ 基転移反応によっ て。
グルタ ミ ン酸は酸化的脱アミ ノ 化の逆反応でも 生成。
図20.12
19
( B ) アミ ド 化反応によっ て
• グルタ ミ ン( ←グルタ ミ ン酸)
• アスパラ ギン( ←アスパラ ギン酸)
20
( C ) プロリ ンの生成
• グルタ ミ ン酸から 。
– 環状化反応
– 還元反応
グルタミン酸
グルタミン酸5-セミアルデヒド オルニチン
(5C)
プロリン
環状化 還元
21
( D ) セリ ン、 グリ シン、 システイ ン
• セリ ン
– 3 −フ ォ スフ ォ グリ セリ ン酸( ←解糖系) から アミ ノ 基転移
反応を経て
– グリ シンと のメ チル基交換
• グリ シン
– セリ ンと のメ チル基交換
• システイ ン
– ホモシステイ ンと セリ ンの結合→シスタ チオニン→α - ケト
酪酸+システイ ン
– ホモシステイ ンはメ チオニン( 必須アミ ノ 酸) から 生成
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( E ) チロシン
• フ ェ ニルアラ ニン( 必須
アミ ノ 酸) から 生成
• フ ェ ニルアラ ニンヒ ド ロ
キシラ ーゼ
– テト ラ ヒ ド ロビオプテリ ン
が補酵素と し て必要
– 欠損症: フ ェ ニルケト ン
尿症( P K U )
23
テト ラ ヒ ド ロビオプテリ ン (BH 4 ) が関与する反応
図20.16
チロシン合成 カテコラミン合成
セロトニン合成
ジヒドロビオプテリンレダクターゼあるいはBH4合成を司るいかなる酵素の 欠損も、高フェニルアラニン血症ならびにカテコラミン・セロトニンの合成低下 をもたらす。
24
アミ ノ 酸代謝異常
図20.14
例:
フェニルケトン尿症 メープルシロップ尿症
アルビニズム
ホモシスチン尿症
アルカプトン尿症
25
フ ェ ニルケト ン尿症( P K U )
• フ ェ ニルアラ ニンヒ ド ロキシラ ーゼ (PAH) の変
異・ 欠損
– 4 0 0 種類以上の変異が知ら れている
• 1 / 1 5 , 0 0 0 出生の発症率: 先天性アミ ノ 酸代
謝異常で最も 高頻度
• 世界中の国々で、 スク リ ーニング検査の対象
26
P K U の症状
• 高フ ェ ニルアラ ニン血症
– その結果、 正常ではほと んど検出できないフ ェ ニルアラ ニ
ンの代謝物が大量に発生
– スク リ ーニングは、 2 4 ∼4 8 時間以降に実施( 胎児期には
母体で処理)
• 中枢神経症状
– 精神発達遅滞( スク リ ーニングプログラ ムの普及の結果、
典型的な症状を有する患者は激減し た)
• 色素減少症
– チロシンを原料と し てメ ラ ニン( 色素) がつく ら れる。
• チロシナーゼ
– フ ェ ニルアラ ニンがチロシナーゼを競争的に阻害
27
フ ェ ニルアラ ニンの代謝
正常 フ ェ ニルケト ン尿症
図20.17
28
治療
• 出生後ただちにフ ェ ニルアラ ニン制限食開始
– ほと んどの自然界のタ ンパク 質にフ ェ ニルアラ ニ
ンが含まれる
• チロシンの補給
• アスパルテーム( 人口甘味料) の摂取不可
( フ ェ ニルアラ ニンを含む)
• 一生にわたっ て治療が必要
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窒素を含む化合物の代謝
• ポルフ ィ リ ンの合成・ 分解
• カ テコ ラ ミ ンの合成
• ク レアチンの合成
• 核酸の代謝( 1 )
– 核酸の種類
– 核酸の合成
第21章、22章に相当
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アミ ノ 酸プールと アミ ノ 酸回転
アミ ノ 酸プール
体のタ ンパク 質
体のタ ンパク 質
400g/ 日
400g/ 日
食餌から の
タ ンパク 質
平均 100g/ 日
(0∼600g/日)
非必須アミ ノ
酸の合成
変動する
含窒素物質の合成
∼ 30g/ 日
ポルフィリン、クレアチン、 神経伝達物質、プリン、ピリ ミジン、その他
変動する
グルコース、グリコーゲン ケトン体、脂肪酸、ステロイド
CO2
体重 70kg の男性で
およそ 12kg
90-100g
31
ポルフ ィ リ ンと は
• ピロール環が4 つ
環状に結合し てで
きた構造( ポルフ ィ
リ ン環) を含む物質
ピロール
ポルフィリン環
32
ポルフ ィ リ ン環への修飾
ウロポルフ ィ リ ン I
ウロポルフ ィ リ ン III
A: 酢酸 CH
3COOH P: プロピオン酸 CH
3
CH
2COOH
33
ポルフ ィ リ ンから 生成する物質の例
ヘム ヘモグロビン、 ミ オグロビンの補酵素
34
ヘムの生成経路( 1 )
ヘムの合成は、 肝臓と
骨髄で盛んにおこ なわ
れる。 肝臓ではチト ク
ロームP 4 5 0 の生成に、
骨髄ではヘモグロビン
の生成に関係し ている。
グリシン
スクシニルCoA
γ
-アミ ノ レブ
リ ン酸
(ALA)合成酵素
ヘミン ヘム 阻害
γ -アミノレブリン酸 (ALA)
鉛
阻害
γ
-アミ ノ レブリ ン酸
脱水酵素
(2分子縮合、脱水)
ポルフォビリノーゲン
35
ヘムの生成経路 (2)
4分子の ポルフォビリ ノーゲン
ウロポルフィ ビリノーゲン III
コプロポルフィビリ ノーゲンIII
プロトポルフィリンIX 4NH3
4CO2
(4分子が直 線状に結合)
(環状化)
ヘム (中心にFe
2+)
36
ヘムの合成経路 (3)
ヘム
プロトポルフィリンIX 2価の鉄イオン
鉛 阻害
37
ポルフ ィ リ ア
• ヘムの合成経路の酵素の異常によっ て、 中
間代謝物の濃度が高まるこ と による。
– 造血器( 骨髄) 性
– 肝性
• 急性
• 慢性
• 症状
– 光線過敏性( かゆみ、 火傷)
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慢性ポルフ ィ リ アの症状
• 皮膚炎
• 赤色尿
39
急性ポルフ ィ リ アの症状
• 腹痛
• 神経症状
• 薬剤投与後に発生するこ と も ある
– P 4 5 0 の活動活発化
– ヘムの需要高まる→ ALA シンタ ーゼの活動たか
まり 、 中間代謝物が蓄積する。
40
ヘムの分解
• 赤血球の寿命: およそ1 2 0 日
• 肝臓と 脾臓で赤血球を分解
• ビリ ルビン( 胆汁の色素) を生成
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ヘムの分解経路
古くなった赤血球
マクロファージが分 解してビリルビンを 生成
ビリルビン は肝臓へ 血流で輸送
肝でグ ルクロン 酸と結 合
胆汁に混 ざり小腸へ。 ビリルビン はウロビリ ノーゲンに。
再吸収
肝と腸を循環
腎でウロビリンに なって排出される。
ウロビリノーゲンが酸化され 茶褐色のステルコビリンに。
42
黄疸
• 血中のビリ ルビン濃度の増加→皮膚、 爪、 眼
球強膜( 白目) への沈着。
43
黄疸の主な分類
• 溶血性黄疸
– 赤血球の破壊が亢進し て、 より 多く のビリ ルビンが産生さ
れる( G 6 P D 欠損症など)
• 肝細胞性黄疸
– 肝細胞が破壊さ れ、 肝臓でのビリ ルビン処理能力が落ち
る。 また、 胆道系ではなく 血管に漏出するビリ ルビンが増
える。
• 閉塞性黄疸
– ビリ ルビンを小腸へ排出する胆道系が閉塞すると 、 ビリ ル
ビンの血管系への逆流がおこ る。
44
A. 溶血性黄疸 B. 新生児黄疸
溶血
グルクロン酸と結合し ないビリルビンの増加
グルクロン酸と結合し ないビリルビンの増加 溶血性黄疸
新生児黄疸
特に未熟児の場合に、ビリルビング ルクロニルトランスフェラーゼ(ビリル ビンをグルクロン酸に結合させる酵 素)の活性が出生後しばらくはまだ十 分でないことが原因
B:ビリルビン
BG:グルクロン酸ビリルビン U:ウロビリノーゲン
S:ステルコビリン
45
新生児黄疸の経過と 治療
1.ビリルビンをグルクロン酸と結合させる酵素(GT)の 活性が、未熟児では正期産児よりも低い
正期産児
未熟児
2.正期産児でも血中ビリルビン濃度が上昇するが危 険なほどではない。
3.未熟児では血中ビリルビン濃度の上昇は脳神経 系に危険なほどに上昇することがある。
光線療法によって、ビリル ビンは、より可溶性な形に なって腎臓から排出され やすくなる。
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カ テコ ラ ミ ン
• ド ーパミ ン、 エピネフ リ ン( アド レナリ ン) 、 ノ ル
エピネフ リ ンなど。
– ド ーパミ ン、 エピネフ リ ン: 神経伝達物質
– エピネフ リ ン、 ノ ルエピネフ リ ン: 副腎髄質で生成
さ れるホルモン
• エピネフ リ ン、 ノ ルエピネフ リ ンの機能
– グリ コ ーゲンやト リ アシルグリ セロールの分解を
促進する。
– 血圧や心拍数を上昇さ せる。
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カ テコ ラ ミ ンの生成
チロシン
ドーパ ドーパミン
ノルエピネフリン エピネフリン
チロシン
ヒ ド ロキ
シラ ーゼ
パーキンソン病:ドーパミン産生細胞の減少によるドーパミンの不足。治療とし て、L-ドーパを補充する。
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カ テコ ラ ミ ンの分解
MAO:
モノ アミ ンオキシダーゼ
COMT:
カテコ ール
-O-メ チルト ラ ンスフ ェ ラ ーゼ
MAO阻害剤:神経伝達物質の分解を 阻害することによって、ノルエピネフリ ン、セロトニンレセプターをもつ神経の はたらきを亢進→抗うつ効果
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ヒ スタ ミ ン
• さ まざまな効果をも つ化学的メ ッ センジャ ー
– アレルギー・ 炎症反応
– 胃酸分泌
– 神経伝達物質
• ヒ スチジンの脱炭酸反応で生成
– ピリ ド キサルリ ン酸を必要と する。
50
ヒ スタ ミ ンの生成
ヒスチジン
ヒスタミン
51
セロト ニンの生成
トリプトファン
セロトニン (5-ヒドロキシトリプタミン, 5-HT) MAOによって分解される
5-ヒドロキシトリプトファン
セロトニンは、小腸の 粘膜にもっとも多く、 次いで中枢神経系に、 存在する。神経伝達 物質としてはたらく。
52
ク レアチン
• ク レアチンリ ン酸: 高エネルギー物質。 ADP に
リ ン酸基を与えて ATP にする。
• 筋肉に貯蔵
• 運動開始直後数分間に消費さ れる。
• 分解さ れてク レアチニンになり 、 尿中に排出さ
れる。
– 血中ク レアチニン濃度の上昇: 腎不全の兆候
53
ク レアチンの生成と 分解
クレアチン
クレアチンリン酸 クレアチニン
ク レアチン
キナーゼ
グリシン アルギニン
オルニチン
グアニジノ酢酸
クレアチン
尿中クレアチニン排出量は筋肉量の推定 に利用される。
54
その他の含窒素物質
• メ ラ ニン
– 皮膚や色素
– チロシンから 生成
55
核酸代謝( 1 )
• 核酸の種類
• プリ ン塩基の合成
56
核酸( D N A またはR N A ) の構成
• 塩基
– アデニン
– グアニン
– シト シン
– チミ ン( D N A のみ)
– ウラ シル( R N A のみ)
• 5 炭糖
– リ ボース( R N A の場合)
– デオキシリ ボース( D N A の場合)
• リ ン酸基( 1 ∼3 個)
57
塩基: プリ ンと ピリ ミ ジン
プリン:DNAとRNAで共通
DNAのピリミジン:チミン(T)とシトシン(C) RNAのピリミジン:シトシン(C)とウラシル(U)
アデニン(A)とグアニン(G) 図22.1
58
塩基への修飾
シトシン N4
-アセチルシトシン
ウラシル ジヒドロウラシル
アデニン
N5,N6-ジメチルアデニン
59
ヌ ク レオシド
塩基+5 炭糖
リボース デオキシリボース
シチジン デオキシアデノシン
シトシン+リボース
アデニン+デオキシリボース 塩基+リボース→リボヌクレオシド
塩基+デオキシリボース→デオキシリボヌクレオシド
60
ヌ ク レオシド と 塩基
• 糖がリ ボースのと き、
– 塩基がアデニン→アデノ シン
– グアニン→グアノ シン
– チミ ン→チミ ジン
– シト シン→シチジン
– ウラ シル→ウリ ジン
61
ヌ ク レオチド
塩基+5 炭糖+リ ン酸( 1 ∼3 個)
=ヌ ク レオシド +リ ン酸( 1 ∼3 個)
例: アデノ シン二リ ン酸
= アデノ シン+リ ン酸基+リ ン酸基
= アデニン+リ ボース+リ ン酸基+リ ン酸基
62
ヌ ク レオチド の種類
図は、糖がリボースの場合。 塩基
高エネルギー結合
リボヌクレオシド 5’-一リン酸 (NMP)
以下、「リボヌクレオシド」には、ア デノシン、チミジン、グアノシン、シ チジン、ウリジンのいずれか、 NにはA, T, G, C, Uのいずれかが 入る
リボヌクレオシド 5’-二リン酸 (NDP)
リボヌクレオシド 5’-三リン酸 (NTP)
63
プリ ンの合成
グリシン アスパラギン酸
CO2
グルタミンン
N10-フォルミルテトラヒドロ葉酸 番号:環の原
子が加わる 順番
64
プリ ンの生成段階
• 5- ホスホリ ボシル -1- ピロリ ン酸( P R P P ) の生成
– リ ボース 5- リ ン酸と ATP から
– PRPP シンテタ ーゼ
• 5’- ホスホリ ボシルアミ ンの生成
– PRPP と グルタ ミ ンから
– グルタ ミ ン: フ ォ スフ ォ リ ボシルピロリ ン酸アミ ド ト ラ ンスフ ェ
ラ ーゼ
• イ ノ シン一リ ン酸 (IMP) の生成
– 多段階の反応
– IMP の塩基はヒ ポキサンチン
– 4 分子のA T P をエネルギー現と し て要する
– N
10- テト ラ ヒ ド ロ葉酸を要する
65
PRPP の生成
リボース5-リン酸 5-フォスフォリボシル-1-ピロリン酸 PRPP
シンタ ーゼ
66
プリ ン生成阻害剤
• 目的: 急速に分裂する細胞の成長を阻害
– がん細胞、 細菌など
• 例: 葉酸類似物質
– 葉酸代謝を阻害→プリ ン生成を阻害
– メ ト ト レキセート : がん細胞の成長をコ ント ロール
– ト リ メ ト プリ ム: 細菌のジヒ ド ロ葉酸リ ダク タ ーゼを
阻害
67
IMP から 各ヌ ク レオチド への変換
IMP
デヒ ド ロゲナーゼ
アデニルコ ハク
酸シンテタ ーゼ
IMP
AMP GMP
ATP GTP
ミコフェノール酸は GMP生成を阻害。 免疫細胞(T細胞、 B細胞)による移植 拒絶反応を阻止
68
リ ン酸基の追加
塩基特異的ヌクレオシド 一リン酸キナーゼ
アデニル酸キナーゼ グアニル酸キナーゼ
ヌクレオシド二リン酸キナーゼ
塩基非特異的
69
サルベージパスウェ イ
• 合成し た核酸の代謝、 または、 摂取し た核酸
の利用によっ て、 プリ ンを再利用する
ヒ ポキサンチン
I MP
グアニン G MP
アデニン A MP
PRPP Pi
PRPP Pi
PRPP Pi