萩原印刷コンテンツメディア部 村田和彦
萩原印刷株式会社
・出版印刷をメインに扱う印刷会社(文芸書・ビジネス書)
・2009 年から本格的に電子書籍制作を開始
・XMDF、dotBook、MCBook、movilibo STUDIO、(EPUB3)
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Indesign から EPUB3 を作る
=萩原印刷のフロー(案)のご紹介=
【萩原印刷の EPUB 制作の実績】
● EPUB を制作した実績なし
社内で検証用に作成した程度、流通するデータの実績はゼロ
●「緊デジ」「電書協」仕様の案件
現在のところ、ほぼノープラン(時間がない)
↓
今までの電子書籍制作の経験だけ(会社が喋れと言うので…)
※ EPUB のフローはまだ未完成(案)
Indesign からの電子書籍制作するには?(文芸書・ビジネス書)
1. タグ付きテキスト → 電子書籍(萩:やってられない) 2. XML 書き出し → 電子書籍(萩:基本)
3. EPUB 書き出し → 電子書籍(萩:たまに使う)
さまざまな DTP アプリケーションからさまざまなフォーマットの電 子書籍を制作するのには XML 変換が一番便利なので「2. XML 書き 出し」「3. EPUB 書き出し」のどちらかで制作。
制作工程でオペレーターになるべく負担をかけたくないのでフォー マットに限らずフローを一本化。
XML を使ったフローは 2009 年頃からずっと変えてない。
簡単なフロー説明1
① Indesign のチェック・修正
↓
② Indesign の XML
(段落スタイル・文字スタイル+ ルビ)
↓
③中間の XML
↓
④ EPUB(XHTML / CSS)
②で既に構造化されているので各フォーマットに置換していく。 EPUB の作成には Fusee の使用を予定。
簡単なフロー説明2
① Indesign のチェック・修正
↓
② Indesign の XML
(段落スタイル・文字スタイル+ ルビ)
↓
③中間の XML
↓
④ EPUB(XHTML / CSS)、MCBook、XMDF(XML)、ttx
③を作成することができれば、いろんなフォーマットを作成可能。
テキスト MC-B2
Q.X.
Edicolor Indesign
入力 TXT ※ 1 つめのルビが飛ぶかも?
① Indesign のチェック・修正(検索置換クエリ)
・スタイルが使用されていない → スタイル適用
・段落行頭スペースがない → 段落行頭スペースを入れる
・不要な行中スペース/行中スペースがない → 適宜対応
・不要な行末スペース → 削除
・インラインオブジェクト → 適宜対応
・特殊文字の有無 → コード化不能な文字
・CID 文字の有無 → コード化不能な文字
・未使用スタイル → 削除
印刷用の完璧な DTP データ ≠ 電子書籍用の完璧なソース
(※近づける努力は最低限必要!)
② Indesign の XML
・段落スタイル/文字スタイル → XML タグにマッピング
↓
③中間の XML
・Indesign のややこしいルビタグを簡単な記述に置換
・XML ファイルを 1 ファイルにまとめる
・XML タグの抽出 → 変換用のテーブルを作成
※元データが Indesign 以外の場合、この「中間の XML」を作成
↓
④ XHTML への変換
・変換用のテーブルと中間の XML から XHTML を作成
(萩原印刷のフローをご紹介するだけです。ゴメンナサイ)
③中間の XML
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Root>
< ストーリー >
< 章 > 一 午後の授業 </ 章 >
< 本文 >「ではみなさんは、そういうふうに川だと ...</ 本文 >
< 本文 > カムパネルラが手をあげました。...</ 本文 >
< 本文 > ところが先生は早くもそれを見つけたのでした。</ 本文 >
< 本文 >「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう」</ 本文 >
< 本文 > ジョバンニは <ruby><rbase> 勢 </rbase><rtop> いきお </rtop></ruby> いよく立ちあが りましたが、...</ 本文 >
</ ストーリー >
</Root>
④ XHTML(EPUB3) ↓
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE html>
<body>
<h2> 一 午後の授業 </h2>
<p>「ではみなさんは、そういうふうに川だと ...</p>
<p> カムパネルラが手をあげました。...</p>
<p> ところが先生は早くもそれを見つけたのでした。</p>
<p>「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう」</p>
<p> ジョバンニは <ruby> 勢 <rt> いきお </rt></ruby> いよく立ちあがりましたが、...</p>
</body>
</html>
デモ
【最後に】 実際にはこんなに簡単ではない。
「デジタルデータは簡単に電子書籍に変換できる」という誤解
● DTP データはたとえアプリが同じでも組み方が全然違う! (→電子書籍用に変更する手間/他社データはもっと大変)
● DTP アプリケーションはいろいろとある。
(→全てに対応できる訳ではない。作るのは大変)
●単純な構造をした文芸書は少ない。ビジネス書とかは大変。
(→スタイルも多いし、画像も多い。文芸書ほど簡単じゃない)
●ちゃんとファイルを開いてデータを確認してますか?
● DTP データを扱えないと思わぬ事故のもとになる可能性 電子書籍制作 or 電子書籍変換?
効率化にも限度がある!!(あとは丁寧に作るのみ)
以上です。
ありがとうございました。