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藤枝市空き家等対策計画

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(1)

藤枝市空き家等対策計画

平成 30 年 3 月

(2)

本市では、平成27年度に「第5次藤枝市総合計画(後期計画)」及び「ふじえだ

健康都市創生総合戦略」を策定し、「元気共奏・飛躍ふじえだ」の基本理念のもと「“選

ばれるまち ふじえだ”づくり」を行動姿勢として、人口減少・少子高齢社会を見据

えた政策の方向性を打ち出し、他市に先駆けて定住人口の拡大に重点的に取り組み、

成果を出してきたところであります。

しかし、これまで増加傾向にあった本市の人口も、人口減少や少子高齢の更なる進

行等といった社会情勢の変化に伴い、今後、この状態を維持していくのは困難な状況

にあります。

こうした社会情勢の変化の中、平成25年の住宅・土地統計調査によると、本市の

空き家率は10.2%であり、県平均の空き家率16.3%と比べて低い状況ではありますが、

将来的には、空き家の増加が予想されます。

管理不十分な空き家は、防災・防犯・安全・環境・地域の活性化・景観の保全な

ど様々な面から市民の生活に悪影響を及ぼします。

このため、空き家にしないための予防・発生抑制、空き家となった場合の適正管

理と利活用、管理不全となった空き家の解消などの空き家対策を、総合的かつ計画的

に実施するため「藤枝市空き家等対策計画」を策定しました。

今後、本計画に基づき、市民の皆様や関係団体の方々などと連携しながら、空き

家等対策を推進し、安全で安心なまちづくりに努めてまいります。

(3)

第1章 はじめに

1 計画策定の背景 ……… 1

2 計画の目的 ……… 1

3 計画の位置付け ……… 2

4 計画期間 ……… 3

5 計画の対象とする地区、対象とする空き家の種類 ……… 3

第2章 本市の空き家の状況

1 住宅総数と空き家数 ……… 4

2 住宅総数及び空き家率等の推移 ……… 4

3 種類別の空き家の状況の推移 ……… 5

4 空き家の調査 ……… 6

5 本市の人口・世帯の状況 ……… 8

6 まとめと考察 ……… 11

第3章 空き家等対策に係る方針

1 基本理念 ……… 12

2 基本方針 ……… 12

第4章 空き家等対策の具体的な取り組み

1 空き家の発生の抑制(予防) ……… 14

2 適正な管理の推進 ……… 15

3 活用・流通の促進 ……… 18

4 推進体制の構築 ……… 19

第5章 計画の見直し・公表・目標値

1 計画の見直し及び公表 ……… 25

2 計画の目標値 ……… 25

3 計画の進行管理 ……… 26

(4)

- 1 -

第1章 はじめに

1 計画策定の背景

人口減少や既存建築物の老朽化、首都圏への一極集中、核家族化等に伴い、居住その 他の使用がされていない空き家等が全国的に年々増加しています。その中には、適切な 管理が行われていない結果として、火災の危険性や倒壊のおそれなどの安全性の低下、 公衆衛生の悪化、景観の阻害等多岐にわたる問題を生じさせるものがあります。今後、 空き家等が増加すれば、これらの問題が一層深刻化することが懸念されます。

このような状況を背景として、「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「法」 という。)が平成27年5月26日に施行されました。

本市においては、平成26年度に策定したまちづくりの基本指針である「第5次藤枝市 総合計画・後期計画」で「良好な住まいづくりの推進」を掲げ、空き家等対策について 市民生活の安心・安全を確保する重要な政策課題と位置付け取り組んできました。法の 施行を契機として、本市における空き家等対策の方向性をさらに明確化するため、本計 画を策定し、空き家等対策検討委員会において協議、検討を重ね、効果的・効率的な対 策を推進してまいります。

2 計画の目的

(5)

- 2 -

3 計画の位置付け

藤枝市空き家等対策計画は、法第6条第1項の規定に基づき、定めるものです。

図表1

空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実行するための基本的な指針

上位計画

第5次藤枝市総合計画

ふじえだ健康都市創生総合戦略

部門計画

【住宅部門】

藤枝市住生活基本計画

整合・連携

れん

【空き家等対策部門】 藤枝市空き家等対策計画

【関連計画】

・都市計画マスタープラン ・環境基本計画

・景観計画 ・その他の計画

連携

静岡県住生活基本計画 県

空家等対策の推進に関する特別措置法

整 合

根 拠

(6)

- 3 - 4 計画期間

計画期間は、第5次藤枝市総合計画の計画期間に合わせ、平成29年度から平成32年度 までの計画とします。

5 計画の対象とする地区、対象とする空き家の種類

⑴ 対象地区

空き家等に関する対策の対象とする地区は、藤枝市内全域とします。

また、今後空き家等の増加に伴い、他の地区と比べ、著しく空き家率が高い等の理 由により、空き家等に関する対策を重点的に推し進める地区や、立地適正化計画の居住 誘導区域の設定に合わせ、重点的に取り組む地域について検討を行います。

⑵ 対象とする空き家の種類

(7)

- 4 -

第2章

本市の空き家の状況

1 住宅総数と空き家数

平成25年の住宅・土地統計調査(調査基準日:平成25年10月1日)によると、本市の住 宅総数は、56,180戸で、空き家数は、5,720戸で空き家率は、10.2%となっています。

この空き家率は、全国(13.5%)、静岡県(16.3%)及び近隣市よりも低くなってい ます。

図表2 全国・静岡県・県内各市の空き家数 (資料 住宅・土地統計調査)

区 分 平成25年

住宅総数(戸) 空き家数(戸) 空き家 率(%) 全 国 60,628,600 8,195,600 13.5

静岡県 1,659,600 270,900 16.3

藤枝市 56,180 5,720 10.2

焼津市 55,530 6,550 11.8

島田市 38,000 4,470 11.8

静岡市 319,200 43,480 13.6

2 住宅総数及び空き家率等の推移

本市では、住宅総数が世帯総数を上回り、空き家率も増加しています。

図表3 本市の住宅総数・世帯総数・空き家数・空き家率の推移(資料 住宅・土地統計調査)

(単位:戸・世帯) (単位:%)

45,930

49,870

56,180

41,190 44,520

50,200

4,370 4,250 5,720

空き家率9.5%

8.5% 10.2% 0 2 4 6 8 10 12 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

H15 H20 H25

(8)

- 5 -

3 種類別の空き家の状況の推移

平成15年には、「その他の住宅」の空き家の戸数は、1,470戸であったものが平成25年 には、2,590戸と1.76倍に増加しています。また、空き家総数に占める割合も、平成15年 の33.6%から平成25年の45.3%と増加しています。

※その他の住宅とは、図表5空き家の分類と内訳を参照

図表4 種類別空き家数、その他の住宅の空き家率の推移

※藤枝市は、平成21年1月1日から旧岡部町を編入しています。(資料 住宅・土地統計調査) ※空き家率とは 空き家数÷住宅総数のパーセント数値です。

図表5 空き家の分類と内訳

H15 H20 H25

その他の住宅 1,470 1,540 2,590

売却用の住宅 50 130 80

賃貸用の住宅 2,470 2,200 2,850

二次的住宅 280 380 210

空き家率 9.5 8.5 10.2

その他の住宅の空き家 総数に占める割合

33.6 36.2 45.3

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

(戸) (%)

空き家の種類

居住している住宅

二次的住宅

売却用の住宅

賃貸用の住宅

その他の住宅

別荘など避暑、保養などの目的で使用される 住宅

売買を予定している住宅

賃貸を予定している住宅

転勤、入院等により長期にわたり不在の住宅 戸

(9)

- 6 -

4 空き家の調査

⑴ 実態調査の結果

住宅・土地統計調査は標本調査であるため、実際の戸数と差異があります。そのため、 空き家の実態を把握するため、平成27 年度に自治会による調査報告や、住所情報、建 物位置情報を突合した空き家実態調査を実施し、571戸の一戸建住宅の空き家を確認 しました。

空き家の地域別分布状況は、下記のとおりであり、藤枝地区、青島地区、岡部地区で 空き家の戸数が多くなっています。

(10)

- 7 -

⑵ 意向調査の結果

空き家の実態調査の結果を踏まえ、空き家の所有者等に対して意向調査を実施した ところ、回答のあった空き家294戸のうち、93戸の空き家は、利活用を希望しています。

また、回答のなかったものも含め、159戸の空き家は、今後の利活用が未定となって いることが分かりました。

図表7 空き家建物活用意向調査 調査対象571 戸

図表8 今後の空き家の利活用の回答結果

⑶ 今後の実態調査の方針

自治会、市民等からの空き家等の通報による個別調査、既存データベースの更新を 行っていきますが、5年毎に実施される住宅・土地統計調査の結果に合わせ、必要に 応じ空き家の実態調査を実施します。

回答あり

294戸51% 未回答

240戸42% 送達不明

20戸4%

所有者不明

17戸3%

自ら又は親族 が使用42戸

14%

利活用を予定

46戸16%

入居者を募集 中47戸16% 活用方法未定

126戸43% 回答なし

(11)

- 8 -

5 本市の人口・世帯の状況

⑴ 人口・世帯の推移

本市の人口は、昭和29年の市制施行当時、人口56,421人、世帯数9,720世帯、1世帯 あたりの人員5.80人でしたが、人口及び世帯ともに増加し続け、平成27年国勢調査で は、人口143,605人、世帯数52,315世帯となっています。平成22年の国勢調査は、旧岡 部町との合併(平成21年1月1日)により、人口が増加しています。

図表9 人口世帯の推移 国勢調査結果各年10月1日現在

⑵ 将来人口推計

本市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)の将来 人口推計(図表10)によると、平成22年をピークに人口減少に転じる推計となってい るものの、合計特殊出生率の上昇や近年の社会動態(社会増)の継続(平成42年以降均 衡)を実現することにより、平成72年ふじえだ健康都市創生総合戦略人口ビジョンでは、 約28,200人減少した115,821人になると推計しています。

また、高齢化率は、年齢3区分別人口の将来展望(図表11)のとおり平成22年に 23.8%であったものが、平成72年人口ビジョンでは、33.1%まで上昇するとされていま す。

また、性別・年齢階級別人口移動の長期的動向(図表12)から見て分かるとおり 15歳から24歳までの転出超過人数はそれほど変化が見られないものの25歳から34歳ま での転入超過人数が減少しており、依然としてUターン人口の減少が確認できます。

56,421 143,605 9,720 52,315 5.80 4.13

3.87 3.75 3.57 3.34

3.13 2.99

2.86 2.75

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000

人口

(人)

世帯数

1世帯あ

たりの 人員 人口

(人)

世帯数

1世帯あ たりの人 員(人)

(12)

- 9 -

3,259 6,159 8,153

10,124 11,895 14,001

16,206 18,682 21,360 24,091 140,677 137,843

133,837 128,912 123,244 117,152 110,898 104,629 98,244 91,730 142,151 143,936 144,002 141,990 139,036

135,139

131,153 127,104

123,311 119,604 115,821 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 110,000 120,000 130,000 140,000 150,000 160,000

政策誘導人口 社人研による推計人口 人口ビジョン ふじえだ健康都市創生 総合戦略人口ビジョン

19,603 19,393 19,075 18,398 17,307 17,277 17,690 18,045 18,036 17,693 17,367 88,090 84,573 80,915

78,522 76,756 72,972

67,280 63,093 60,467 59,336 60,081 33,846 39,970

44,012 45,070 44,973 44,890 46,183 45,966

44,808 42,575 38,373 23.8

27.8

30.6 31.7 32.3

33.2 35.2

36.2 36.3 35.6 33.1 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000

年少人口 生産年齢人口 老齢人口 高齢化率

図表10 将来人口推計

(単位:人)

図表11 年齢3区分別人口の将来展望

(単位:人) (単位:%)

(13)

- 10 -

図表12 性別・年齢階級別人口移動の長期的動向

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

男性

1985年→1990年 1995年→2000年 2005年→2010年

純移動数(人)

1985年→1990年

1995年→2000年

2005年→2010年

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

女性

1985年→1990年 1995年→2000年 2005年→2010年

純移動数(人)

1985年→1990年

1995年→2000年

2005年→2010年

平成7年→平成12年

昭和60年→平成2年

平成 17 年→平成 22 年

平成7年→平成12年

昭和60年→平成2年

平成 17 年→平成 22 年

(14)

- 11 -

6 まとめと考察

⑴ まとめ

・近隣市町に比較して、空き家率は低いこと ・空き家は増加傾向にあること

・市場に流通していない「その他の住宅」の増加が著しいこと ・空き家の所有者の約半数は、今後の活用方法を決めていないこと

・今後、人口は減少傾向に転じるため、さらに空き家の増加が想定されること

⑵ 考察

・人口減少や、少子高齢化による空き家の発生は、地域の魅力を喪失させ、更なる 空き家の発生原因となるため、空き家の発生を抑制し、活気のある賑わいのある まちをつくる必要がある。

・適正な管理が行われている住宅は、定住人口を呼び込む器として早期に市場に出 す必要がある。

・所有者による適正な維持管理により、空き家を管理不全な状態にさせない必要が ある。

・管理が不十分な空き家にあっては、皆が協働して地域の安全・安心を守るため、 その状況を改善し、特定空家等にさせないことが必要である。

・特定空家等にあっては、その状況を速やかに改善するよう所有者に強く働きかけ ることが必要である。

特定空家等とは、そのまま放置すれば、倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著

しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不

適切である状態にあると認められる空家等(建築物又はこれに附属する工作物であって、居

住その他使用がなされていないことが常態(概ね年間を通して建築物等の使用実績がないこ

と)であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。))をいいます。(法

第2条第2項)

(15)

- 12 -

第3章 空き家等対策に係る方針

1 基本理念

安全・安心で活気のあるまちづくり

適切に管理されていない空き家等が防災、景観等の面で地域住民の生活環境に深刻な 影響を及ぼす場合もあることから、地域住民の生命、身体又は財産を保護するために、空 き家等の発生を抑制し、適正管理を促します。また、安全で誰もが住みたいと思う人が集 う活気のあるまちをめざします。

目標

⑴ 安全・安心なまちを創る

空き家の発生を抑制するとともに、安全・安心なまちを実現するため、所有者に適 正な管理の必要性を周知し、管理不全な空き家等の防災、防犯、景観上の問題解決を図 ります。

⑵ 人が集う活気のあるまちを創る

居住がない家屋は老朽化の進行が早いため、早期の対応により空き家を市場に流通 させ、移住・定住による地域の人口対策や賑わいを維持します。

⑶ 皆が協働して住みよいまちを創る

空き家対策は、行政だけでなく様々な団体が、それぞれの役割や責務を認識し、相 互に協力、協働、連携して取り組みます。

2 基本方針

⑴ 空き家の発生の抑制(予防)

空き家が長期にわたり管理不全に陥らないよう、所有者等に対し管理責任の意識啓 発を図るとともに、専門家による相談体制を整えます。

⑵ 適正な管理の推進

空き家の状況把握と一元的管理により情報の共有化を図り、情報を有効活用し、地 域の安全安心のため、所有者等に対する注意喚起や改善指導を行います。

⑶ 活用・流通の促進

(16)

- 13 -

⑷ 推進体制の構築

(17)

- 14 -

第4章

空き家等対策の具体的な取り組み

1 空き家の発生の抑制(予防)

⑴ 適正管理に関する意識啓発

空き家として放置され老朽化が進むと空き家の耐久性、耐震性に大きな影響を及ぼ します。このため、空き家となった場合の管理方法や活用を予め親族等と話し合って おくなど、適正管理に関するパンフレットを作成し、相談窓口での配布や所有者への 個別配布、ホームページへの掲載等により意識啓発を図ります。

⑵ 相談体制の構築

① 相談窓口の一元化

空き家等に関する相談は、空き家の所有者等や近隣住民 からなど様々な立場の方からの相談が考えられます。これ らの相談については、空き家対策室で一元的に受け付けま す。

相談の内容によっては、庁内各部署による是正指導や専 門家の対応を求める必要があるため、必要に応じて適切な 機 関 や 窓 口 を 紹 介 す る な ど 早 期 の 解 決 に 向 け 取 り 組 み ま す。

② 専門家による個別相談・総合相談会の実施

空き家の売買、賃貸の方法、リフォームなどの利活用の方法が分からないといっ た所有者等が多いことが、空き家が放置される原因の一つと言われています。その ため、司法書士会、土地家屋調査士会、建築士会等と連携し、専門家による個別相 談を実施します。また、空き家問題は、多岐にわたることも踏まえ、各種の専門家 と空き家所有者が、様々な相談を同一会場にてワンストップで実施する総合相談会 も行います。

⑶ 住宅の長寿命化の促進

住宅を長期にわたり良好な状態で使用可能な構造、設備を持った長期優良住宅の普 及を促進することも重要な対策の一つです。長期優良住宅は計画的な管理を求められ た住宅であるため、市場での需要が高くなることが予想され、空き家の発生の抑制に 寄与すると期待されています。

(18)

- 15 -

⑷ 老朽住宅の除却の促進

老朽化した空き家を放置すると、周辺に建材の飛散や、雑草の繁茂による害虫の発 生等、近隣住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。このため、特定空家 等の勧告を受ける前に自主的に除却を行う所有者等への、補助制度の創設を検討しま す。

また、空き家を除却すると固定資産税・都市計画税の住宅用地の特例(図表13) による軽減措置が適用されなくなり、税負担が増大することが、空き家の除却が進ま ない一因と言われているため、本市独自の減免制度の創設を検討し、特定空家等にさ せないよう予防に努めます。

図表13 固定資産税・都市計画税の住宅用地の特例

住宅用地の区分 住宅用地区分の範囲

特例率

固定資産税 都市計画税 小規模住宅用地

面積が200㎡ 以下の 住 宅用地(200 ㎡を 超える場合は1戸当り200㎡までの部分

1/6 1/3 一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 1/3 2/3

2 適正な管理の推進

⑴ 空き家等の情報把握及び一元的管理

空き家対策を推進するためには、まず本市の空き家 の実態、現状把握や進行管理が重要であるため、定期 的に調査を実施し、空き家の状況を把握します。

また、平成27年度に実施した空き家現状実態調査、 自治会による空き家の情報提供により把握した空き家 情報や、その後の近隣住民からの情報提供、職員によ る現地調査の結果について、データベースによる一元 的管理を行います。

⑵ 相談体制の構築(再掲)

⑶ 空き家管理・活用相談員派遣制度の構築

(19)

- 16 -

⑷ 所有者等への指導、助言

空き家等の管理については、一義的には、所有者等が自らの責任により適切に対応 することが前提です。自治会・市民等からの通報により情報提供があった空き家等に ついては、現地調査を行い、所有者等に対し空き家の現状を伝えるなど、文書により 注意喚起を行います。文書による注意喚起に応じない場合には、所有者等の自宅訪問 を行うなど、適正管理を行うよう指導、助言を行います。

特に夏季において、空き家等における樹木雑草等の繁茂が近隣に迷惑を及ぼすため、 文書による注意喚起を行い、立木の伐採や剪定等の実施を指導します。

⑸ 所有者等へ注意喚起ができない空き家等への対応

相続人 不存 在な どに より空 き家 等の 所有 者に対 し文 書に よる 注意喚 起が でき ない 場合については、司法書士会等各種団体と連携、協力し、家庭裁判所等による諸手続 きにより、財産管理人による不動産処分も含めた積極的な対応を行います。

⑹ 適正管理に対する支援

空き家等の所有者は、居住地が遠方である等の理由により、空き家等の状況を把握 することができず、管理不全となってしまう場合があります。そのため、民間企業と 連携し、所有者が遠方にいても空き家等の現状把握や空き家等を管理することが可能 な空き家等管理サービスの情報を提供します。

⑺ 特定空家等への対応

特定空家等に該当するおそれがあるものについては、除却、修繕、立木の伐採等そ の他近隣周辺の生活環境の保全を図るため、必要な措置を講じるよう助言、指導を行 います。また、改善が認められない場合には、所有者等に対し、猶予期間を設け必要 な措置をとる旨の勧告を行うなど段階に応じた措置を講じます。勧告等を受けても改 善されない場合は、空き家の管理不全状態、近隣環境への影響、所有者の対応状況等 を勘案し、命令・行政代執行について法に定めるところに従い、遅滞なく実施します。 代執行に要した費用については、所有者等に支払いを求めます。

特定空家等の改善については、計画的な解体、撤去を促すとともに、解体、除却に 対する助成等の支援制度についても検討を行います。

空き家等が特定空家等に該当するかどうかの判断は、諮問機関である空き家等対策 協議会(外部有識者で構成された協議会 詳細は22ページに掲載)の意見を踏まえ適 正かつ厳正に行います。なお、法に基づく勧告を行うことにより、図表13の固定資 産税・都市計画税の住宅用地の特例が解除されます。

(20)

- 17 -

○特定空家等に対する措置のフロー

図表14 措置に関する業務の基本的な流れ

法2条2

法10条1・3

法2条1

法9条1

相談等

外観調査 近隣への聞取り調査

所有者等の把握

空家等の確認

登記簿・戸籍・固定

資産税情報他

電気・ガス・上下水道等使用状

況確認(1年間の使用状況)

面談・文書送付 所有者へのお知らせ(管理不全状態)

立入調査実施通知及び立入調査

特定空家等の判断

法9条2・3

法14条2 法14条1

面談・文書等送付(助成等の案内)

事前通知 面談・文書

意見書の提出又は公開による意見

の聴取

法14条4

法14条3

法14条11

法14条9

法14条9

「助言・指導」から「代執行」

までの市による措置について

は、所有者等が空家等の管理不

全な状態を改善し、本市が確認

次第、措置終了となります。

助言・指導

勧告

命令

標識設置・公示

勧告書による通知

代執行令書による通知

代執行の実施

費用の聴収 空き家等対策協議会

への意見聴収 空き家等対策検討委員会

(21)

- 18 -

3 活用・流通の促進

⑴ 空き家バンク制度の充実

空き家バンクとは、自治体が主体となり空き家を紹介する制度で、空き家の所有者 と利用希望者のマッチングを行うためのものです。空き家の市場への流通促進のため、 公益社団法人宅地建物取引業協会や公益社団法人全日本不動産協会と相互に連携、協 力し、空き家バンク制度の充実を図ります。

空き家バンク制度の利用を促進させるためには、制度の認知度の向上が重要である ため、空き家所有者等に対しパンフレットによる啓発活動や相談会における積極的な 登録促進により登録物件の増加を図り、制度利用を促します。また、全国空き家バン クにも積極的に参加し、空き家を活用した移住、定住の拡大を図ります。

図表15 「空き家バンク」フロー

⑵ 空き家の情報公開による流通促進

空き家の買主等が必要とする情報は、物件の豊富さに加え、建物の品質、性能など の情報です。空き家は、新築時の品質や性能の違いに加え、その後の維持管理や環境 等の状況により物件ごとに大きな差が生じるため、売主、買主が安心して建物の取り 引きが出来るよう空き家の品質や性能についての建物状況調査(インスペクション) を推奨し、空き家の流通を促します。

⑶ 空き家の利活用による子育て世帯等への助成

子育て世帯等の居住環境の向上と、持家取得を支援するため、空き家の取得・改修 に要する経費や移転に要する経費等への一部助成を行い、空き家の活用により持家の 取得を支援します。

さらに、付加価値の高い古民家の活用や空き家を改修し三世代同居等とする場合へ の支援についても検討し、世代間で引き継ぐことにより空き家の利活用を図ります。

●空き家活用・流通促進事業 ※1(27 ページ用語解説参照)

●中山間地域活性化推進事業 ※2(27ページ用語解説参照) 連携

空き家バンク登録・契約フロー

宅地建物取引業者 登録

相談 情報発信

相談

仲介 仲介

ホームページ掲載

藤枝市

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⑷ 空き家を他用途に利活用する場合の支援

空き家の福祉や子育て、地域コミュニティーの向上を図る施設への利活用について は、空き家等の所有者と利用希望者とのマッチングや国の助成制度の紹介により有効 活用へと導きます。

また、新規起業者による店舗、事務所としての利活用、現代の新しい住まいの形で あるシェアハウスへの利活用など、民間企業による多様な利活用形態への空き家の再 生、リノベーションへの取り組みに対し支援を行い、地域の魅力の向上や地域の活性 化に取り組みます。

●空き家再生等推進事業 ※3(27ページ用語解説参照)

●空き家対策総合支援事業 ※4(27ページ用語解説参照)

⑸ 空き家の除却後の跡地の活用

除却した空き家等にかかる跡地は、所有者等の財産であることはもちろんのこと、 地域においては、賑わいにつながる有効な資産です。所有者等に対し跡地の有効活用 を促し、地域コミュニティー等による空き地の管理や利活用について研究するととも に、空き地バンク制度等により、跡地の市場流通を促します。

4 推進体制の構築

⑴ 自治会等各種関係団体等との連携

① 自治会との連携

空き家の状況を把握するためには、地元をよく知る自治会の協力が必要です。空 き家に関する問題意識を共有し、自治会と連携し情報収集に取り組みます。

② 警察との連携

適切に管理されていない空き家等は、不審者の侵入などによる犯罪や建物倒壊等 による事故の発生の危険があります。防犯上の観点から藤枝警察署と空き家等に関 する情報を共有し、連携し取り組みます。

③ 消防との連携

空き家等の敷地内に繁茂している草木が枯れるなど適正管理が行われていない 空き家等は放火や不審火による火災の危険性を秘めています。

このため、志太消防本部と空き家等に関する情報を共有し、連携し防災対策に取 り組みます。

④ 不動産関係団体との連携

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⑤ 司法書士会との連携

司法書士は、不動産の相続、売買等に関する登記手続きや成年後見人、相続財産 管理人選任の申立てなどの手続きを行う法律の専門家であることから、そのような 法律上の課題のある空き家等の相談について連携し取り組みます。

⑥ 建築士会との連携

建築士は、建物の建築やリフォームの設計及び工事監理や、建物の診断を行う専 門家であることから、空き家の耐震性能やリフォーム等の相談について連携し取り 組みます。

⑦ 土地家屋調査士会との連携

土地家屋調査士は、測量や不動産の表示に関する登記の専門家であることから、 空き家を流通させる際の土地の境界に関する諸問題について、連携し取り組みます。

⑧ 静岡不動産流通活性化協議会との連携

静岡不動産流通活性化協議会は、不動産関係団体、労働金庫、建設業者等の各種 団体から構成されたもので、本市も参加自治体として空き家対策部会に加入してい ます。空き家等の所有者に対し空き家等の活用のアドバイスやワンストップ相談会、 空き家活用セミナー等を実施しており、今後も協議会と連携し取り組みます。

⑨ 空き家等の対策に取り組む地域団体等への支援及び連携

空き家の早期発見や見回り、地域資源としての活用など、地域の安全、安心や魅 力づくり等に積極的に取り組む地域団体等の設立の働きかけや、活動を支援すると ともに、相互に連携し取り組みます。

⑩ その他関係団体との連携

その他金融、経済等関係団体、住宅メーカー等といった民間企業とも必要に応じ て相互に連携を図り、空き家の流通や利活用などの空き家対策に向け取り組みます。

⑵ 相談体制の構築(再掲)

⑶ 空き家対策検討委員会・協議会の設置

① 空き家等対策検討委員会

空き家等がもたらす問題が多岐にわたることから関係する各部署と連携するこ とにより、問題の早期解決を図り、空き家の他用途への利活用に向けた協議や検討 を行います。

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図表16 空き家等対策検討委員会 構成組織及び役割

各部署名 役割分担

空き家対策室 総合窓口

空き家等対策計画実施主体

建築住宅課 保安上危険な建築物等に対する措置

都市政策課 著しく景観を損なった空き家への措置

中心市街地活性化推進課 中心市街地の空き家の利活用

建設管理課 交通に支障を及ぼす空き家等への措置

総務課 代執行等の手続き支援

危機管理課 災害に係る空き家の緊急措置

企画政策課 シティ・プロモーション及び移住・定住対策の立案 財政課 代執行等の予算措置

課税課 勧告を受けた特定空家等への措置

協働政策課 空き家の地域コミュニティー等への利活用の検討

市民活動団体支援課 地域による空き家対策活動団体等への働きかけ

市民相談センター 空き家にかかる専門家相談の実施

市民課 空き家所有者等の戸籍・住民記録による確定支援

福祉政策課 福祉分野での空き家の利活用の検討

児童課 子ども・子育て支援にかかる空き家の利活用の検討

介護福祉課 介護分野での空き家の利活用の検討

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各部署名 役割分担

農林課 空き家に棲みつき、周辺に被害を与えている有害鳥獣及び 狩猟鳥獣対策への指導

中山間地域活性化推進課 中山間地域の空き家の利活用

生活環境課 著しく衛生上有害な空き家への措置(害虫等)

生活環境の保全を図るための空き家への措置(立木等) 上水道課 上水道の閉栓等の情報による空き家の確認

志太消防 予防課

空き家の火災発生予防への措置

② 空き家等対策協議会

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第5章 計画の見直し・公表・目標値

1 計画の見直し及び公表

⑴ 計画の見直し

第1章4 計画期間に記載のとおり、本計画については、概ね5年ごとに見直しを行 います。

また、本計画の指標である住宅土地統計調査は5年に一度調査が行われ、次回は平成 30年に実施予定であり、それに合わせ空き家の実態を把握し、本計画に反映させます。

なお、計画期間中であっても、法令や国の補助制度等の改正や社会情勢の変化等に あわせ、随時必要な見直しを行います。

⑵ 公表

空き家等対策計画を作成又は変更したときは、法第6条第3項に基づき、市のHPに 掲載することなどにより、公表します。

2 計画の目標値

図表18

目標1 安全・安心なまちを創る (累計)

指標名 指標の説明 平成29年度 平成30年度 平成31年度 平成32年度 特 定 空 家 等 の 件

特 定 空 家 等 の 発 生予防と解消

0件 0件 0件 0件

目標2 人が集う活気のあるまちを創る (累計) 指標名 指標の説明 平成29年度 平成30年度 平成31年度 平成32年度 空 き 家 活 用 ・ 流

通 促 進 事 業 申 請 件数

空 き 家 活 用 ・ 流 通 促 進 事 業 の 事 業実績数

15件 20件 25件 30件

目標3 皆が協働して住みよいまちを創る (累計) 指標名 指標の説明 平成29年度 平成30年度 平成31年度 平成32年度

総 合 相 談 会 参 加 者数

専門家が一堂に 会して行う空き 家に関する総合 相談会参加者数

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3 計画の進行管理

各種施策の進捗状況や目標達成状況を点検・評価するために、計画、実施、点検・評 価、改善・見直しのPDCAサイクルの考えに基づき計画の進行管理を行います。各施 策の目標は、年度毎の進捗状況や達成状況の点検評価を行い、概ね5年毎に見直しを行 います。また、本計画については、今後の社会情勢の変化などを踏まえ必要に応じて見 直しを行います。

計画 (Plan) 空き家等対策計画

の策定

実施 (Do) 計画に沿って

施策を実施

点検・評価 (Check) 施策の進捗状況

の点検・評価 改善・見直し

(Action) 点検・評価を踏まえた

計画の改善・見直し

PDCAサイクルに基づく進行管理のイメージ

・空き家等対策検討委員会による点検

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用語解説

※1 空き家活用・流通促進事業

市内に住む子育てファミリー又は市外居住者が空き家を取得・改修に要する経 費、若しくは、空き家の所有者が市内に住む子育てファミリー又は市外居住者を、 入居させる際の建物改修に要する経費の一部を助成するほか、市外居住者が空き 家への移転に要する経費等の一部を助成する事業

※2 中山間地域活性化推進事業

空き家バンクに登録された物件の改修等に要する経費の一部を助成するほか、 市外に居住する中学生以下の子どもを含む世帯を対象に同物件への移転に要する 経費の一部を助成する事業

※3 空き家再生等推進事業

空き家等対策計画に基づき実施する空き家住宅又は空き建築物を滞在体験施設、 交流施設等の用に供するための改修事業や不良住宅又は空き家住宅の除却を行い ポケットパーク、避難場所の確保等跡地を地域活性化のための活用する事業を実 施する市町に対して、国が行う支援事業

※4 空き家対策総合支援事業

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発行:藤枝市 都市建設部 空き家対策室 〒426-8722

静岡県藤枝市岡出山一丁目11番1号 TEL:054-643-3481(直通)

参照

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