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1~3までのPDF 広島高速道路公社〔企業・IR情報_二葉山自然環境保全対策検討委員会報告書〕 futaba p01 p19

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(1)

1.目的

この報告書は広島高速5号線のトンネル工事がシリブカガシを中心とした二葉山の 植生、生態系、景観に及ぼす影響について、調査結果に基づき予測を行い必要な対策 について検討したものです。

2.広島高速5号線と二葉山

2.1 広島高速5号線の概要について

路 線 名 : 県道温品二葉の里線

起 終 点 : 広島市東区温品町∼広島市東区二葉の里三丁目

延 長 : 約4.0km(うち尾長山、二葉山のトンネル延長約1.8km) 道 路 規 格 : 第2種第2級

設 計 速 度 : 60km/h 車 線 数 : 完成4車線

①広島市都心部と山陽自動車道広島東ICを自動車専用道路で直結し、広島空港へ の高速性と定時性を確保するとともに、東広島都市圏等との連携強化を図りま す。

②「広島駅北口地区開発計画」に基づく再開発事業との一体的整備による都市機能 の向上を図ります。

③慢性的な交通渋滞が発生している温品及び中山地区の渋滞を緩和し、都心部と広 島市北東部間の円滑な交通を確保します。

①高速5号線の整備により、紙屋町から広島東ICまでの所要時間は、現在の約3 4分から半分の約17分に短縮されます。

②慢性的な交通混雑が生じている中山踏切の立体交差化などにより交通渋滞が緩 和され、都心部と市北東部地区の円滑な連絡が図られます。

( 1) 高速5号線の概要

( 2) 整備の必要性

( 3 ) 整備効果

(2)

(3)

2.2 二葉山とシリブカガシ林について

二 葉 山 は J R 広 島 駅 の 北 側 に 位 置 す る 海 抜 139mの 山 で ,全 山 花 崗 岩 か ら な っ て い ま す 。 戦 争 中 は 山 頂 部 に 高 射 砲 陣 地 な ど が あ り ま し た 。 こ の 山 の 山 頂 東 側 に は 昭 和 41 年 に 完 成 し た 仏 舎 利 塔 が あ り ,付 近 は 公 園 と し て 整 備 さ れ ,市 民 の 憩 い の 場 と な っ て い ま す 。 ま た , こ の 山 は 江 戸 時 代 に 広 島 の 中 心 部 に 作 ら れ た 縮 景 園 の 借 景 と し て 利 用 さ れ ま し た 。

南 側 の 山 麓 に は 饒 津 神 社 ,明 星 院 ,鶴 羽 根 神 社 ,広 島 東 照 宮 ,尾 長 天 満 宮 ,国 前 寺 な ど 多 く の 寺 社 が あ り ま す 。 ま た 明 治 23 年 か ら 昭 和 20年 ま で は 山 の 南 側 に 旧 陸 軍 の 東 練 兵 場 と 騎 兵 隊 な ど の 軍 事 施 設 が あ り ま し た 。

二 葉 山 の 周 辺 部 は 昭 和 30 年 代 か ら 住 宅 開 発 が 進 み ,昭 和 50 年 に は 広 島 駅 北 口 が J R 新 幹 線 の 玄 関 口 と も な り , 大 き く 変 貌 し ま し た 。

そ れ ら の 変 化 に つ い て は 次 ペ ー ジ に 昭 和 14( 1939) 年 , 22( 1947) 年 , 49( 1974) 年 , 平 成 7( 1995) 年 の 空 中 写 真 を 示 し て い ま す 。

こ れ ら の 変 化 を 整 理 す る と 以 下 の よ う に な り ま す 。

・二 葉 山 は 昭 和 10 年 代 初 頭 に は ,人 工 的 な 改 変 が ほ と ん ど 見 ら れ な か っ た 。昭 和 20 年 ま で に , 道 路 , 軍 事 施 設 等 の 造 成 に よ り 大 き な 改 変 を 受 け ま し た 。

・ 戦 後 は 南 東 斜 面 下 部 の 大 部 分 が 開 発 に よ り 住 宅 地 等 に 変 化 し ま し た 。 北 東 側 に も 団 地 が 造 成 さ れ ,光 町 か ら 牛 田 へ の 峠 道 の 谷 筋 に も 学 校 等 が で き ,二 葉 山 の 南 東 部 や 北 東 部 で は 大 幅 に 緑 が 減 少 し ま し た 。

・ 植 生 は ア カ マ ツ 林 を 主 体 と し た 林 か ら 常 緑 樹 林 へ と 変 化 し て き て い ま す 。

・ 二 葉 山 と 尾 長 山 の 緑 は 連 続 し て い ま し た が , 現 在 で は 切 り 離 さ れ て い ま す 。

二 葉 山 の 現 況 ( 1 ) 二葉山

(4)

昭和 14(1939)年の空中写真 昭和 22(1947)年の空中写真

昭和 49(1974)年の空中写真 平成 7(1995)年の空中写真 空中写真による二葉山の変遷

(5)

本州(近畿地方以西),四国,九州,琉球,台湾・中国中南部に分布する常緑広葉樹。 カシの仲間よりむしろシイに近い植物で,シイやカシ類が春に開花するのに比べ,秋に開 花するのが特徴的です。瀬戸内海地方では沿岸部に分布しており,広島県では沿岸部と島 しょ部に広く分布しています。

二 葉 山 の シ リ ブ カ ガ シ 林 に つ い て は 「 日 本 の 重 要 な 植 物 群 落 − 中 国 版 − 」 ( 1979. 環 境 庁 ) に 「 二 葉 山 の シ リ ブ カ ガ シ 林 」 と し て 取 り 上 げ ら れ て い ま す 。

( 2 ) シリブカガシとは

( 3 ) シリブカガシ林

(6)

3.調査内容とその結果

3.1 植生の現況調査結果

二 葉 山 の 森 林 植 生

1

を 把 握 す る た め ,二 葉 山 と 尾 長 山 で 植 生 調 査 を 行 い ,種 類 組 成 に よ る 群 落

2

区 分 を 行 い ま し た 。 結 果 を 用 い て , 現 地 踏 査 に よ っ て 細 密 植 生 図 を 二 葉 山 全 域 で 作 成 し , 二 葉 山 の シ リ ブ カ ガ シ 林 や そ の 他 の 群 落 の 組 成 , 分 布 状 況 お よ び 遷 移 段 階 を 明 ら か に し ま し た 。

調 査 方 法 お よ び 時 期 を 表 に 示 し ま す 。

表 調 査 方 法 お よ び 時 期

調 査 項 目 調 査 方 法 調 査 時 期

植 生 調 査 植 物 社 会 学 的 調 査 法 ( コ ド ラ ー ト 法

3

) 平 成 13 年 4 月 ∼ 6 月 植

細 密 植 生 図

植 生 調 査 を 元 に 区 分 さ れ た 植 物 群 落 の 凡 例 を も と に , 現 地 で 群 落 を 判 定 し 植 生 図 を 作 成

平 成 13 年 7 月 ∼ 9 月

二 葉 山 と 周 辺 地 域 の 森 林 群 落 は 下 記 の 15 の 群 落 に 区 分 さ れ ま し た 。

植生単位の番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

種群6 ジイ

種群8

種群10 種群4

種群5

種群7

種群9

ワラビ,ナツハゼ,スス キ,ネズ

同左 種群1

種群2

種群3

コナラアベマキ,エゴノキ, オハダ,コシアブラ

アカマツ,アカマツ(立枯)ネジキ,バノツバツ ツジ,アセビ,シダ,ウブ,ヤマツツジ

同左 同左

表 二葉山と尾長山の森林群落の総合常在度表

表の見方:群落番号1の群落では種群1の種が出現し種群2∼9の種が見られない。群落番号2の群落では種群1の種が出 現し種群4∼9が見られない。このように群落毎に出現する種群,出現しない種群がありの組み合わせによって群落が区分さ る。

クレミアラカシ,ロキ,サカキ,サルトイバラヤマウルシ,ヤマガマズミウラジロ,ヤマハゼ,ネザサ 同右 ベニシダ,マンリウ,ヤブコウジ,シュンラン,ジャ

モウ チク 同右

シリブカガシ,ヤブツバキ,モチノキ, ロバイ,モッコク

シロダモ,イヌビワ,ナナメキ,カナメモチ,ネズミモチ,サカキ,ブノキ,ヤブニッケイ

( 1) 植生調査の方法

( 2) 二葉山の植物群落の区分結果

(7)

各 群 落 の 概 要 を 表 に 示 し ま す 。二 葉 山 で は 尾 根 筋 に ア カ マ ツ を 主 体 と す る 群 落 が 発 達 し , 斜 面 中 ∼ 下 部 に シ リ ブ カ ガ シ を 主 体 と す る 群 落 が 発 達 し て い ま す 。

表 各々の植物群落の概要 群落

番号 群落名 群落の概要

1 伐採跡群落 ススキやネザサからなり,木本類は少ない。斜面上部や人家

付近に見られる。 2 アカマツ-ネズ群落

コシダ型

二 葉 山 の 山頂 部 や 尾 根筋 の 乾 燥 した 立 地 に 生育 す る ア カマ ツ林。林床部はコシダが多い。

3 アカマツ-ネズ群落 マンリョウ型

斜面上部や尾根筋の乾燥した立地に生育する群落。尾長山に 広く分布し,二葉山ではみられない

4 アカマツ-コナラ群落 ウラジロ型

斜面上部∼中部の乾燥した環境に発達する。林床はウラジロ が優占し,他の植物は少ない。

5 アカマツ-コナラ群落 マンリョウ型

斜面上部に発達する。林床はウラジロが少なく,多くの植物 が生育する。

6 ア カ マ ツ-シ リ フ ゙ カ カ ゙ シ 群 落 コ ナ ラ 型

斜面上∼下部に発達する群落で,コナラなどの落葉広葉樹が 混じる。

7 アカマツ-シリブカガシ群落シリブ カガシ型

斜面上∼下部に発達する群落で,アカマツの枯死木が多く, シリブカガシは全層でみられる。

8 アラカシ-コナラ群落 二葉山の東側に広く発達する。コナラを主体とした群落。シ リブカガシがなく,南側斜面では落葉広葉樹が優勢である。

9 シリブカガシ-コナラ群落 二葉山の西側に発達する群落で,シリブカガシに落葉樹が混 生している群落。尾根筋などに点在する。

10 シリブカガシ群落 二葉山の西側に広く発達する群落。二葉山のシリブカガシ林 の中心となる部分。林床の植物は少ない。

11 コジイ群落 コジイの優占する群落であるが,二葉山では斜面中∼下部に

小面積で点在している。

12 ヒノキ植林混交型 アカマツ林や落葉樹林の構成種が多い植林で,二葉山では尾 長天満宮の北に見られる。

13 ヒノキ植林シリブカガシ型 二葉山の北側斜面に多く見られる植林。植栽されたヒノキが 直径50cmになる林分もある。

14 ヒノキ植林アカマツ型 斜面中∼下部や谷筋に植栽されている植林。アカマツ林構成 種が多く,二葉山では見られない。

15 竹林 マダケあるいはモウソウチクの植栽で,人家や耕作地周辺に

点在する。近年はあまり管理が行われていない

(8)

区 分 し た 群 落 が 二 葉 山 で ど の よ う に 分 布 し て い る か を 調 べ ま し た 。 土 地 利 用 も 含 め て 20 の 凡 例 で 植 生 図 を 作 成 し ま し た 。二 葉 山 に お け る 各 群 落 の 面 積 と 割 合 は 以 下 の と お り で す 。 最 も 発 達 し た 群 落 で あ る シ リ ブ カ ガ シ 群 落 は 7 .5 ha あ り ま し た 。 ま た , シ リ ブ カ ガ シ 群 落 は 二 葉 山 の 西 側 に 広 く 分 布 し て い ま す が , 東 側 で は 少 な い で す 。 ア カ マ ツ 林 は 尾 根 筋 に 帯 状 に 発 達 し て い ま す 。 ヒ ノ キ の 植 林 は , 二 葉 山 の 北 側 斜 面 に み ら れ ま し た 。

表 二 葉 山 に お け る 各 群 落 の 面 積 と 割 合 群落

番号 群落名 面積(m

2

) 割合(%)

1 伐採跡群落 6, 308 2. 0

2 アカマツ−ネズ群落コシダ型 1, 886 0. 6

3 アカマツ−ネズ群落マンリョウ型1) 0 0. 0

4 アカマツ−コナラ群落ウラジロ型 19, 577 6. 1

5 アカマツ−コナラ群落マンリョウ型 11, 019 3. 4

6 アカマツ−シリブカガシ群落コナラ型 11, 098 3. 5

7 アカマツ−シリブカガシ群落シリブカガシ型 10, 729 3. 3

8 アラカシ−コナラ群落 59, 633 18. 6

9 シリブカガシ−コナラ群落 24, 630 7. 7

10 シリブカガシ群落 75, 095 23. 4

11 コジイ群落 1, 302 0. 4

12 ヒノキ植林混交型 1, 840 0. 6

13 ヒノキ植林シリブカガシ型 8, 768 2. 7

14 ヒノキ植林アカマツ型1) 0 0. 0

15 竹林 10, 624 3. 3

16 草地 14, 198 4. 5

17 果樹・花木植栽 4, 348 1. 3

18 畑地 1, 660 0. 5

19 工場・住宅地 58, 286 18. 1

20 裸地 157 0. 1

合 計 321, 158 100. 0

注 1: 尾 長 山 の み で 確 認 さ れ た 群 落

( 3) 群落区分による植生図の作成

(9)
(10)

1 9 7 8 年 の 環 境 庁 の 特 定 植 物 群 落 調 査 で は 二 葉 山 の シ リ ブ カ ガ シ 林 は 2 .5 ha と あ り ま す が , 今 回 の 調 査 で は シ リ ブ カ ガ シ 群 落 の 面 積 は 7 .5 ha あ り ま し た 。 こ の こ と は 二 葉 山 周 辺 が 開 発 さ れ ,緑 が 減 少 す る 中 で ,こ の 30 年 ほ ど の 間 に シ リ ブ カ ガ シ の 優 占 す る 林 分 が 大 幅 に 増 加 し た こ と を 示 し て い ま す 。 こ れ は , 戦 後 伐 採 な ど の 人 為 的 影 響 を ほ と ん ど 受 け な か っ た た め に , ア カ マ ツ が 主 体 の 林 分 か ら シ リ ブ カ ガ シ の 優 先 す る 林 分 に 自 然 遷 移 し た も の と 考 え ら れ ま す 。

一 方 , 東 側 は シ リ ブ カ ガ シ の 優 占 す る 林 分 が 少 な く , ア カ マ ツ や コ ナ ラ , ア ラ カ シ な ど が 主 体 と な る 林 分 が 多 く , こ の 地 域 は 戦 後 し ば ら く は 農 用 林 と し て 利 用 さ れ て い た と 考 え ら れ ま す 。

現 地 調 査 お よ び 過 去 の 空 中 写 真 か ら ,二 葉 山 に お け る 植 生 遷 移

4

に つ い て 考 察 し , 図 に ま と め ま し た 。

1930 年 代 は ,二 葉 山 の ほ ぼ 全 域 が ア カ マ ツ 林 に 覆 わ れ て お り ,東 照 宮 周 辺 の み に 常 緑 広 葉 樹 林 ( シ リ ブ カ ガ シ 群 落 と 考 え ら ま す ) が 確 認 さ れ ま し た 。 そ の 後 , 次 第 に 常 緑 広 葉 樹 林 が 範 囲 を 広 げ ,1970 年 代 ま で に は ,斜 面 上 部 や 尾 根 部 を 除 く 西 側 斜 面 全 域 に 拡 大 し ま し た 。東 側 斜 面 で は ,1970 年 代 ま で ア カ マ ツ 林 が ほ ぼ 全 域 で 確 認 さ れ た が , 現 在 で は , ア カ マ ツ に 代 わ っ て , コ ナ ラ や ア ラ カ シ な ど が 生 育 す る 群 落 へ と 遷 移 し ま し た 。

以 上 の こ と か ら , 二 葉 山 に お け る 主 な 植 生 遷 移 は , ア カ マ ツ を 主 体 と し た 群 落 か ら 落 葉 広 葉 樹 が 混 交 す る 林 分 を 経 て , シ リ ブ カ ガ シ 群 落 へ と 遷 移 す る 方 向 性 を も っ て い る と 思 わ れ ま す 。

( 4) 二葉山の植生と遷移

( 5) 遷移による植生変化についての考察

(11)

アラカシ群落 アカマツ- ネズ群落コシダ型 アカマツ- ネズ群落コシダ型

アカマツ- ネズ群落ウラジロ型

アカマツ- コナラ群落ウラジロ型 アカマツ林

常緑広葉樹林 ( シリブカガシ林)

シリブカガシ群落

シリブカガシ群落 シリブカガシ- コナラ群落 管理放棄

松枯れ

コジイ群落 コジイ群落

アカマツ- ネズ群落

シリブカガシ- コナラ群落 アカマツ- シリブカガシ群落

撹乱地

アカマツ林

常緑広葉樹林 ( シリブカガシ林)

撹乱地 アカマツ- コナラ群落

マンリョウ型

アカマツ- シリブカガシ群落 コナラ型

アカマツ- シリブカガシ群落 シリブカガシ型

シリブカガシ- コナラ型

アラカシ- コナラ群落 アカマツ林

常緑広葉樹林

アカマツ- コナラ群落 アラカシ- コナラ群落 シリブカガシ群落

1 9 3 9 年 1 9 4 7 年 1 9 7 4 年 現 在

・全体にアカマツ林

・東照宮周辺に常緑広葉樹林

・南側斜面に一部伐採跡

・東側斜面:全体にアカマツ林

・西側斜面:斜面中∼上部にアカマツ林       斜面下部に常緑広葉樹林       常緑広葉樹林の中に撹乱地点在

・尾根:一部裸地化 

・東側斜面:全体にアカマツ林

・西側斜面:斜面上部にアカマツ林       斜面下∼中部に常緑広葉樹林

・東側斜面:主にアカマツ−コナラ群落、       アラカシ−コナラ群落

・西側斜面:全体にシリブカガシ林

      その中にアカマツ−シリブカガシ群落、       シリブカガシ−コナラ群落

・山頂部のみアカマツ林 尾根筋

伐採跡(低木) 東照宮

常緑広葉樹林 アカマツ林

将 来

アカマツ林 常緑広葉樹林

( シリブカガシ林)

撹乱地 裸地

アカマツ林 常緑広葉樹林

( シリブカガシ林)

シリブカガシ- コナラ群落

シリブカガシ群落 アラカシ群落 アカマツ- ネズ群落 N

(12)

二 葉 山 で は 貴 重 種 と し て オ ガ タ マ ノ キ を 確 認 し ま し た 。 自 生 と 考 え ら れ る 個 体 が 23 本 , 植 栽 と 考 え ら れ る 個 体 が 7 本 あ り ま し た 。

オガタマノキは本州(千葉県以西),四国, 九州,琉球諸島(沖縄諸島まで)に分布する 常緑高木で,花は3∼4月頃,葉の付け根部 分に黄白色で芳香のある花をつけます。神社 の境内などによく植えられます。広島県では 絶滅の恐れのある種として「危急種」にラン ク付けされています。

オ ガ タ マ ノ キ の サ イ ズ を 次 に 示 し ま す 。

自 生 と 考 え ら れ る オ ガ タ マ ノ キ は , そ の オ ガ タ マ ノ キ ほ と ん ど が 北 向 き 斜 面 で 確 認 さ れ ま し た 。

な お , 尾 長 天 満 宮 に は 比 較 的 大 き な 個 体 が 2 本 生 育 し て い ま す 。

0 2 4 6 8 10 12 14 16

0- 5 5- 10 10- 1515- 2020- 25 25- 3030- 3535- 4040- 4545- 50

胸 高 直 径 (c m)

個体数

植 栽 自 生

0 2 4 6 8

0- 2 2- 4 4- 6 6- 8 8- 10 10- 12 12- 14 14- 16 16- 18

樹 高 (m)

個体数

植 栽 自 生

オ ガ タ マ ノ キ の サ イ ズ 階 分 布 ( 6) 貴重種の植生状況について

(13)

ト ン ネ ル 工 事 に よ る 植 物 の 根 へ の 影 響 を 検 討 す る た め ,二 葉 山 に 生 育 す る 植 物 の 根 系

5

に つ い て 調 査 し ま し た 。

調 査 は 既 存 資 料 の 収 集 お よ び 整 理 と し ま し た 。対 象 と し て は ,ト ン ネ ル ル ー ト 沿 い で 確 認 さ れ た 大 径 木

6

( 直 径 約 50c m以 上 ) の 樹 種 と し ま し た 。 主 な 種 の 根 系 を 以 下 に 示 し ま す 。

種 名

根 の 最 大 深 さ ( c m)

左 記 胸 高 直 径 ( c m)

根 系 の 形 態 垂 直 分 布 マ テ バ シ イ

270 22 小 ・ 中 径 の 垂 下 根 型 深 根 型 ア カ マ ツ

290 26 大 径 の 垂 下 根 型 深 根 型

コ ナ ラ

280 26

中・大 径 の 斜 出 根・垂 下 根 型

深 根 型 ス ギ

240 32 中 ・ 大 径 の 斜 出 根 型 深 根 型 ア ベ マ キ

260 24

中・大 径 の 斜 出 根・垂 下 根 型

深 根 型 ア ラ カ シ

240 26

中・大 径 の 斜 出 根・垂 下 根 型

中 間 型 タ ブ ノ キ

210 26

中・大 径 の 斜 出 根・垂 下 根 型

中 間 型 オ ガ タ マ ノ キ

120 18

小・中 径 の 斜 出 根・水 平 根 型

中 間 型 ヒ ノ キ

150 36

小・中 径 の 斜 出 根・水 平 根 型

浅 根 型 ナ ナ メ ノ キ

130 24

中・大 径 の 斜 出 根・水 平 根 型

浅 根 型 参考資料:「新装版 樹木根系図説」、1998 年、苅住 昇

※ 関東ローム層での調査に基づいたもの

シリブカガシについての情報は得られなかったため,同じ属であるマテバシイにつ いての情報を参考としました。

マ テ バ シ イ の 根 は 深 根 型 に 区 分 さ れ ,関 東 ロ ー ム 層 で の 調 査 で は ,最 大 270c m

( 胸 高 直 径 22c m の 場 合 ) で し た 。 そ の 他 , 深 根 型 の 樹 種 と し て は , ア カ マ ツ , コ ナ ラ , ス ギ , ア ベ マ キ で し た 。 最 も 多 く 確 認 さ れ た ヒ ノ キ は 浅 根 型 で し た 。 ( 7) 二葉山に生育する植物の根系について

(14)

3.2生態系の現況調査結果

シ リ ブ カ ガ シ の 群 落 を 中 心 と し た 、 二 葉 山 及 び 周 辺 に お け る 生 態 系 を 把 握 す る た め 、 既 存 資 料 調 査 及 び 現 状 調 査 に よ り 二 葉 山 に 形 成 さ れ て い る 食 物 連 鎖 と 、 生 息 状 況 の 模 式 図 の 推 定 を 行 い ま し た 。

調査内容 調 査 方 法

既存資料調査 調査対象範囲での調査資料の収集・整理

現状調査

猛禽類(聞取り調査)、 ネズミ類、菌類(現地調査)

猛禽類 ( 動物食) フクロウ、ハイタカ

大型哺乳類 ( 雑食)

イノシシ

小型猛禽類 ( 動物食)

モズ 中型哺乳類

( 雑食) タヌキ、テン

哺乳類 ( 雑食) アカネズミ ヒミズ

鳥 類 ( 雑食) ハシボソガラス、ハシブトガラス

は虫類 ニホントカゲ、カナヘビ、ヤモリ、アオダイ ショウ、マムシ

両生類 ニホンアマガエル 鳥 類

( 動物食) ツバメ、ホトトギス、 ウグイス、サンコウチョ

陸上昆虫類

(動物食)

ホソミオツネントンボ、シオカラトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、オオカマキリ、ヒナカマキリ、オオク ロツヤヒラタゴミムシ、ハンミョウ

陸上昆虫類

(植物食)

オナガササキリ、オンブバッタ、ツチイナゴ、セスジツユムシ、ヒシバッタ、カネタタキ、クルマバッタモ ドキ、エンマコオロギ、ナナフシ、ツマグロオオヨコバイ、アオバハゴロモ、モリチャバネゴキブリ、ア ブラゼミ、ドウガネブイブイ、ミカドアゲハ、アオスジアゲハ、キアゲハ、キチョウ、スジグロ シロチョウ、ヒメアカタテハ、ツバメシジミ

陸上植物 ( 樹林地)

シリブカガシ群落,コナラ群落,アカマツ群落等

鳥 類 ( 植物食・雑食) コジュケイ、ヤマドリ、アオ ゲラ、コゲラ、キジバト、 エナガ、ヒヨドリ、ジョウ ビタキ、ルリビタキ、ツグ ミ、シロハラ、ウグイス、メジ ロ、カシラダカ、アオジ、カワ ラヒワ、スズメ

高次捕食者

消費者

生産者

( 1) 現況調査の内容

( 2) 食物連鎖について

(15)

二 葉 山 の 生 産 者 と し て は , 最 も 広 い 面 積 を 占 め る シ リ ブ カ ガ シ 群 落 や ア ラ カ シ − コ ナ ラ 群 落 が 主 体 で あ り , 草 地 は あ ま り 見 ら れ ま せ ん 。 尾 長 山 な ど の 周 辺 部 に は ア カ マ ツ を 主 体 と す る 群 落 が 広 く 見 ら れ ま す 。 消 費 者 と し て は , 広 島 市 周 辺 に 普 通 に 見 ら れ る 種 が 多 い で す 。 ま た , フ ク ロ ウ , ハ イ タ カ な ど の 高 次 捕 食 者 は 二 葉 山 と 周 辺 地 域 を 生 息 の 場 と し て い ま す 。 な お , 二 葉 山 に は 河 川 が な い た め , 魚 類 は 見 ら れ ず , 両 生 類 な ど は 少 な い で す 。

二 葉 山 及 び 周 辺 地 域 に お け る 植 物 群 落 と , 群 落 を 利 用 す る 動 物 種 の 模 式 図 を 示 し ま す 。

図 基 盤 環 境 と 生 物 群 集

尾 根 筋 は ア カ マ ツ 林 を 主 体 と し た 生 物 群 集 が 見 ら れ ま す 。 ま た , 斜 面 で は 主 に シ リ ブ カ ガ シ 群 落 を 主 体 と し た 生 物 群 集 が 見 ら れ ま す 。 な お , 二 葉 山 で は 山 麓 か ら 斜 面 下 部 に か け て 住 宅 地 が 見 ら れ ま す が , 南 西 部 で は 山 麓 部 ま で シ リ ブ カ ガ シ 群 落 を 主 体 と し た 生 物 群 集 が 見 ら れ ま す 。

( 3) 基盤環境と生物群集について

二葉山

尾長山 高速 5 号線

模式図の位置関係(概略図)

※ 7

(16)

3.3 地質,地下水の現況調査結果

二 葉 山 の 浅 層 部 の 地 質 構 造 を 把 握 す る こ と を 目 的 と し て ボ ー リ ン グ 調 査 を 行 い ま し た 。 調 査 地 点 は 以 下 の と お り で す 。

調 査 地 点 の 概 要

調 査 項 目 調 査 地 点 の 概 要

ボーリング調 査

BW1:北側斜面におけるシリブカガシの主要植生域を含む集水域(谷 状地形)

BW2:二葉山の稜線部に位置し,山頂付近の地下水を把握するため に設置

BW3:南側斜面におけるシリブカガシの主要植生域を含む集水域(谷 状地形)

BW4:南側斜面におけるシリブカガシの主要植生域を含む集水域の 尾根部

地 下 水 位 の 変 動 状 況 な ど を 把 握 す る こ と を 目 的 に 4 地 点 で 行 い ま し た 。下 記 に 調 査 方 法 と 調 査 期 間 を 示 し ま す 。

調 査 方 法 お よ び 時 期

調 査 項 目 調 査 方 法 調 査 時 期

地 下 水 調 査

( 浅 層 )

地 下 水 観 測 井 に 自 記 水 圧 式 水 位 計 を 設 置 し , 地 下 水 位 の 変 化 を 連 続 観 測 す る。

平 成 13 年 6 月 26 日

平 成 15 年 5 月 21 日

BW3 BW4

BW2 BW1 地下水位( 浅井戸)

図 調 査 箇 所 図 ( 1) 地質調査について

( 2) 地下水調査について

(17)

調 査 の 結 果 は 下 図 の と お り で す 。

BW1 のボーリング図

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天端高T L ;GL +0.50m

水位計センサー部

セ ン サ ー 設置深度;GL - 6.95m 最高水位(H.W.L )

GL - 3.00m

深度[ m]

- 7 - 4.00

- 5.00

- 7.00(59.05) - 6

最低水位(L .W.L )GL - 4.97m

- 1

花崗岩

k=1.87×10- 4c m/ s 現場透水試験

- 1.60(64.45)

- 2.10(63.95) - 1.30 現場透水試験

- 5 - 3

- 4 - 2 1.0

0.5

地質区分

崖錐堆積物 k=1.62×10- 4c m/ s

キャッ

0.00(66.05)

地盤GL 自記水位計

深度(標高)[m]

- 0.50 0

BW2 のボーリング図

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深度[ m] - 18

自記水位計

0

- 1

- 2

- 10 - 6

C M C L - 3

- 9 - 4

- 5

- 7

- 8

セ ン サ ー 設置深度;GL - 18.66m 最高水位(H.W.L )

GL - 13.84m - 0.40(123.55)

- 1.30

- 2.30 - 2.00(121.95) 深度(標高)[ m]

地盤GL 地質区分

天端高T L :GL - 0.05m 0.00(123.95)

表土

コンクリート

現場透水試験

現場透水試験 - 12

- 13

- 14

水位計セ ン サ ー 部 - 15.30(108.65)

- 17 - 9.00(114.95)

- 16 - 11

- 16.80(107.15) - 15

- 19.00(104.95) - 19

k=4.03×10- 5c m/ s

最低水位(L .W.L )GL - 18.66m以下 - 18.00

- 17.35(106.60) k=1.43×10- 5c m/ s

DH DM

C L

C M

BW3 のボーリング図

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k=1.49×10- 7c m/ s

最高水位(H.W.L ) GL - 0.81m

C M

C L

C H

C L 0

キャッ

0.00(78.44)

地盤GL 自記水位計

深度(標高)[m]

天端高T L ;GL +0.60m

水位計センサー部 - 1

表土

- 1.00

- 8.00(70.44) - 7

- 8

- 2 1.0

0.5

- 1.50 - 1.80(76.64) - 0.10(78.34)

現場透水試験

地質区分

- 9.80(68.64)

セ ン サ ー 設置深度;GL - 9.93m 崖錐堆積物

最低水位(L .W.L )GL - 2.57m

- 4.90(73.54)

- 4.90(73.54) k=2.74×10- 3c m/ s

深度[ m] - 6

- 3.00(75.44) - 3

- 9

- 10.00(68.44) DL

DM

- 10 - 5 - 4

- 9.00(69.44)

現場透水試験 C L

花崗岩

BW4 のボーリング図

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最低水位(L .W.L )GL - 9.00m以下

深度[ m] - 6

- 6.60(71.76)

- 8 現場透水試験

k=2.33×10- 3c m/ s

最高水位(H.W.L ) GL - 7.37m

k=7.19×10- 5c m/ s

- 5.40 - 4.65(73.71)

- 6.00(72.36) - 5

- 9 - 1

- 2.00

- 3.00(75.36)

- 8.00

DL

- 3.50 - 1.00

- 2 0 1.0

0.5

- 3

- 4

- 7

DH

C L

C M

水位計センサー部

セ ン サ ー 設置深度;GL - 9.00m キャッ

0.00(78.36)

地盤GL 自記水位計

深度(標高)[m]

天端高T L ;GL +0.63m

- 9.00(69.36)

DM

花崗岩 地質区分

表土 崖錐堆積物

現場透水試験 現場透水試験

k=1.10×10- 4c m/ s - 0.20(78.16)

- 0.60(77.76)

( 3) 地質、地下水の調査データ

(18)

二 葉 山 の 浅 層 部 の 地 質 構 造 を 推 定 す る と ,表 土 お よ び 崖 錐 堆 積 物

8

は 比 較 的 薄 く 最 大 で も 約 2m 程 度 で , そ の 下 位 に 花 崗 岩 基 盤 が 分 布 し ま す 。 花 崗 岩 の 表 層 部 は 強 風 化 し ,い わ ゆ る マ サ 土 と な っ て い ま す 。風 化 層 の 分 布 は ,谷 部 で 薄 く , 尾 根 部 で 厚 い 傾 向 が あ り ま す 。 ま た 山 頂 を 東 西 に 結 ぶ 稜 線 で 観 察 す る と , 仏 舎 利 塔 付 近 を 含 む 頂 部 で は 風 化 層 は 薄 く 硬 質 岩 盤 が 地 表 に 露 出 し て い ま す が , BW2 の よ う な 鞍 部 で は 比 較 的 風 化 層 が 厚 く 分 布 す る 傾 向 が 見 ら れ ま す 。 浅 層 地 下 水 は ,主 に 薄 い 表 土・崖 錐 層 と 花 崗 岩 の 強 風 化 層 を 帯 水 層( 地 下 水 を 含 む こ と が で き る 透 水 層 ) と し て い る と い え ま す 。

ま た ,ト ン ネ ル の 設 計 の た め に 行 っ た 深 層 部( ト ン ネ ル 通 過 深 度 付 近 )の ボ ー リ ン グ 結 果 か ら 、二 葉 山 の 深 層 部 に お け る 岩 盤 の 状 況 を 整 理 す る と , ほ と ん ど 硬 質 の 岩 盤 か ら な っ て い ま す 。透 水 性 は 10

− 6

∼ 10

− 8

c m/ s 以 下 で ,ほ ぼ 不 透 水 性 岩 盤 と 考 え ら れ ま す 。な お 一 部 に は 破 砕 帯

9

も 存 在 し て い ま す が ,そ の 出 現 頻 度 は 低 い と 考 え ら れ ま す 。地 下 深 部 の 亀 裂 や 破 砕 帯 は , い ず れ も 亀 裂 に 沿 う 酸 化 が な く ,少 な く と も 浅 層 地 下 水 の 直 接 の 供 給 ・ 循 環 は な い と 考 え ら れ る 状 況 で す 。

土の透水性と排水性

二葉山の浅層部の地下水は,中腹以下の谷部では浅い(BW1, BW3 地点、地表付近

∼- 5m 以浅)深度に分布しますが,尾根部∼稜線部を含む斜面では,比較的深い

(BW2, BW4 地点、GL- 7∼- 19m)深度に分布することが確認されました。 ( 4) 地質の調査結果について

( 5) 地下水の調査結果について

以深

(19)

3.4 景観の現況調査結果

景観は3地点(東照宮およびJR広島駅新幹線屋上駐車場とコンコースの2地点)で 調査しました。東照宮からはトンネル出口付近は見えません。トンネル出口付近がもっ ともよく見える新幹線屋上駐車場からの景観を示します。

J R 広 島 駅 新 幹 線 屋 上 駐 車 場 か ら 見 た ト ン ネ ル 坑 口 計 画 付 近

こ の 地 点 は ,駐 車 場 利 用 者 に 利 用 が 限 ら れ て い ま す が ,こ こ か ら は 、駐 車 場 の ネ ッ ト と 二 葉 山 、 周 辺 の 建 築 物 で 構 成 さ れ て い ま す 。

二 葉 山 は ビ ル や 住 宅 が 立 ち 並 ぶ 都 市 景 観 の 中 に あ り ,近 年 の マ ン シ ョ ン 建 設 な ど に よ り 山 裾 か ら 徐 々 に 侵 食 が 進 み ,視 野 に 占 め る 森 林 の 面 積 は 減 少 し ,人 工 物 が 占 め る 割 合 が 多 く な っ て い ま す 。

( 1) 景観の現状

参照

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○水環境課長

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