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景観形成に係る太陽光発電設備の取扱い

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Academic year: 2018

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-平成27年3月10日 宮崎県県土整備部都市計画課 景観形成に係る太陽光発電設備の取扱い

1 背景と目的

本 県 で は 、 昭 和 4 4 年 に 全 国 に 先 駆 け て 「 宮 崎 県 沿 道 修 景 美 化 条 例 」 を 制 定 し 、 ま た 、 平成 16 年の 景 観 法施 行 を 受 け、 平 成 19年 4月 に「 宮 崎 県 景観 形 成 基本 方 針」 を策 定し 『自 然 と 人 々 の 生 活 が 融 合 し た “ 美 し い み や ざ き ” の 創 造 』 を 景 観 形 成 の 将 来 像 と し て 、 良 好な景観形成に向けて取り組んでい る。

一 方 で は 、 平成 23年 に発 生し た東 日本 大震 災 以降、「 原 発 へ の 依存 度 低 減 」を 目 指 して 国 が 推 進 す る 新 た な エ ネ ル ギ ー 政 策 の 一 環 と し て 、 全 国 各 地 で 太 陽 光 発 電 設 備 の 設 置 が 盛ん に 計 画さ れ て い る。 本 県 も日 照 時 間が 全 国 第3 位と い う 恵ま れ た 日照 環 境 を 活か すべ く、 平 成 25年 3月 に 策定 し た 「宮 崎 県 新エ ネ ル ギ ービ ジ ョ ン」 に お いて 重 点 的に 取り 組む 新エネルギーの一つに太陽光発電設 備を掲げ、「 みやざきソーラーフロンティア構想」(平 成2 1年 3月 )の さ ら なる 事 業 展開 を 図 るこ と と し てい る 。 この よ う な中 、 近 年、 富士 山周 辺、 塚 原 高原 周 辺 ( 大分 県 由 布市 湯 布 院町 )、 西 都原 古 墳 群周 辺 の 例に 見 ら れる よう に、 県 内 外 で 太 陽 光 発 電 設 備 が 景 観 に 与 え る 影 響 が 問 題 視 さ れ て お り 、 景 観 と の 調 整 が 課 題 となっている。

本取扱いは『自然と人々の生 活が融合した“ 美しいみやざき”の 創造』の実現に向け、 海 岸 や 山 々 が 織 り な す 自 然 景 観 や 歴 史 と 日 向 神 話 ゆ か り の 景 観 等 を 、 地 域 の 宝 と し て 後 世 に 残 し て い く こ と を 目 的 と し 、 ま た 、 景 観 行 政 の 主 体 で あ る 市 町 村 の 一 助 に な る こ と を期待し、定めるものである。

2 適用の範囲・用語の定義

太 陽 光 発 電 設 備 と は 、 太 陽 光 を 電 気 に 変 換 す る た め の 設 備 ( 太 陽 電 池 モ ジ ュ ー ル 、 太 陽 光 発 電 パ ネ ル 、 ソ ー ラ ー パ ネ ル 等 ( 以 下 「 モ ジ ュ ー ル 」 と い う 。)) 及 び そ の 附 属 設 備 ( 支 柱 や 基 礎 、 変 圧 器 、 蓄 電 設 備 、 送 電 線 等 ) を い う 。 一 般 的 に 、 建 築 物 の 屋 根 ・ 屋 上 に設置する場合と土地に自立して設置する場合に分類され、建築基準法及び景観法上の位 置づけは以下のとおりとなる。

【建築 物の屋根 ・屋上 に設置す る場合 】 国 住 指 第 1152号 平 成 24年 7月 4日 参 照

架台下の空間が [建築基準法] [景観法]

屋内的用途に該当する → 建築物 → 建築物

〃 に該当しない → 建築設備(確認申請不要) → 建築物の一部

【 土地 に自 立し て設 置す る場 合】 国 住 指 第 4936号 平 成 23年 3月 25日 参 照

架台下の空間が [建築基準法] [景観法]

屋内的用途に該当する → 建築物 → 建築物

〃 に該当しない → 工作物(法適用除外) → 工作物

また、パワーコンディショナ(太陽電池発電設備において発電された直流の電気を交流 の電 気 に 変換 す る 設 備を い う。)を 収 納す る 専 用 コン テ ナ に係 る 各 種法 律 上 の位 置 づけ は 以下のとおりとなる。

【 パワ ーコ ンデ ィシ ョナ を 収納 する 専用コ ンテナ】 国 住 指 第 4253号 平 成 24年 3月 30日 参 照

専用コンテナ内が [建築基準法] [景観法]

最小限・無人に該当する → 工作物 → 工作物

(2)

3 本取扱いの考え方

【対象物の指定】

・建築物の屋根・屋上に設置する場合 ・土地に自立して設置する場合

県:取扱いを提示

市町村:対応を選択

(1)景観法の枠組み(景観条例、景観計画等)による対応

(2)景観法の枠組み以外(自主条例等)による対応

【行為の制限の内容】 ※3 ・形態意匠の制限

(色彩・反射・形態・修景) ・高さの限度

【追加する制度の内容】 ・事前協議 ※1

・所有者等の管理責務 ※2 ・届出制度

・行為の制限

【対象地の設定】

・自然、歴史、神話、文化、沿道等の 視点場となるエリアを設定

・視対象や対象場となる緩衝地帯 (バッファゾーン)を設定

【対象物の規模の指定】

・設置面積(モジュール、敷地) ・高さ

〈事例〉

・風力・太陽光発電施設に係る届出事務取扱~ふるさと島根の景観づくり条例~(島根県) ・金沢市景観計画(石川県金沢市)

・富士宮市景観計画(静岡県富士宮市) 〈ポイント〉

・条例又は規則の用語の定義に太陽光発電設備を明文化することが望ましい。

・形態意匠の制限は、太陽光発電設備の利用を不当に制限するものではないように定める。 (景観法施行令第5条)

→ 保全すべき景観を明確に示すためにも、対象地を具体的に適正に設定することが必要である。

・立地規制を目指した抑制(抑止)地域の設定

〈ポイント〉

・環境部局、開発部局との連携を図る。

〈事例〉

・由布市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例 (大分県由布市)

・大規模な太陽光発電設備及び風力発電設備の設置に関する取扱い(静岡県富士宮市)

※1 事前協議については、太陽光発電設備に限らず行政が早期に情報を入手でき、開発者も不利 益を避けることができる有効な手続と考えられるが、法に規定されない手続のため、届出制 度と二重手続にならないよう注意が必要である。条例とは別に、要綱や事務取扱等で定める ことも考えられる。

※2 景観重要建造物の所有者等の管理義務は法で規定されているが、その他に関しては規定がな い。特に土地に自立して設置する太陽光発電設備は、稼働時は無人であるケースが多く、適 正管理が行われず、その結果、良好な景観が損なわれることが危惧されるため、条例に規定 することが望ましい。ただし、空き家(廃墟)問題等を包括することを勘案すると、義務化 するには更なる検証が必要と考えられるため、本取扱いでは、努力義務を想定している。 ※3 適合しない場合、勧告ができる。形態意匠の制限については、条例に定めることにより変更

命令ができる。

(3)

3 -4 景観法の枠組みによる対応

以下に挙げる記載例は、県外の事例を参考に作成した一例であり、今後市町村が策定又

は改正する際に、その内容を縛るものではない。

4-1 景観計画の記載例

① 届出対象行為

建築物の 建 築 物 の 新 築 、 増 築 、 改 築 若 し く は 移 転 、 外 観 を 変 更 す る こ と と な る 修

新築など 繕若しくは模様替又は色彩の変更で、以下に掲げる要件に該当するもの

・ 太 陽 光 発 電 設 備 の 設 置 で 、 モ ジ ュ ー ル の 設 置 面 積 の 合 計 が ○ ㎡ を 超 え

るもの

(設置面積の他には、敷地の合計面積や電力量による定義も考えられる。)

工作物の 工作物(垣、柵、擁壁その他これらに類する物件を除く)の新設、増築、

新設など 改 築 若 し く は 移 転 、 外 観 を 変 更 す る こ と と な る 修 繕 若 し く は 模 様 替 又 は

色彩の変更で、以下に掲げる要件に該当するもの

・太陽光発電設備で、モジュールの設置面積の合計が○㎡を超えるもの

(設置面積の他には、敷地の合計面積や電力量による定義も考えられる。)

② 行為の制限

②-1 建築物の新築など

壁面、屋根 ・ 太 陽 光 発 電 設 備 を 屋 根 材 又 は 外 壁 材 と し て 使 用 す る 場 合 は 、 そ の 他 の

の色彩 屋根材又は外壁材と調和するものとする。

塔屋・設備 ・ 壁 面 の 配 管 類 、 バ ル コ ニ ー の 室 外 空 調 機 器 、 屋 外 用 パ ワ ー コ ン デ ィ シ

類 ョナなどは、建築物と一体化するか、又は、通りから見えない位置に設

置する。それが困難な場合は、壁面と同系色にするなどの修景を図る。

・アンテナ類は共同化、集約化する。

・ モ ジ ュ ー ル の 色 彩 は 、 黒 色 又 は 濃 紺 色 若 し く は 建 築 物 と 一 体 に 見 え る

低明度かつ低彩度の目立たないものを使用し、低反射で、できるだけ模

様が目立たないものを使用する。

・ モ ジ ュ ー ル の フ レ ー ム の 色 彩 は 、 で き る だ け モ ジ ュ ー ル 部 分 と 同 等 の

ものとし、低反射のものを使用する。

・ 太 陽 光 発 電 設 備 を 勾 配 屋 根 に 設 置 す る 場 合 は 、 最 上 部 が 建 築 物 の 棟 を

超えないものとし、屋根と一体化させる。

・ 太 陽 光 発 電 設 備 を 陸 屋 根 に 設 置 す る 場 合 は 、 最 上 部 を で き る だ け 低 く

し、建築物と一体化させるか、又は、ルーバーなどにより修景を施す。

〈例示〉 勾配屋根の場合 陸屋根の場合

(4)

②-2 工作物の新設など

設置条件 ・尾根線上、丘陵地、高台での設置は避ける。

・ 太 陽 光 発 電 設 備 の 最 上 部 は 、 で き る だ け 低 く し 、 周 囲 の 景 観 か ら 突 出

しないようにする。

・ 歩 行 者 及 び 周 辺 の 景 観 へ 影 響 の あ る も の は 、 敷 地 境 界 か ら で き る だ け

後退し、必要に応じ植栽などにより修景を施す。

・ 主 要 な 眺 望 点 、 主 要 な 道 路 な ど か ら 見 た 場 合 に 、 ○ ○ 山 麓 へ の 景 観 を

阻害しないよう配置の工夫や植栽などにより修景を施す。

色彩 ・ モ ジ ュ ー ル の 色 彩 は 、 黒 色 又 は 濃 紺 色 若 し く は 周 辺 の 景 観 と 調 和 す る

低明度かつ低彩度のものを使用し、低反射で、できるだけ模様が目立た

ないものを使用する。

・ モ ジ ュ ー ル の フ レ ー ム の 色 彩 は 、 で き る だ け モ ジ ュ ー ル 部 分 と 同 等 の

ものとし、低反射のものを使用する。

・ パ ワ ー コ ン デ ィ シ ョ ナ な ど 附 属 設 備 の 色 彩 は 、 周 囲 の 景 観 と 調 和 す る

ものを使用する。

〈例示〉

植栽で目隠し

道 路 等 後 退 道 路 等

適合〇 不適合×

③ 対象地の設定

特 に 自 然 、 田 園 、 歴 史 、 神 話 、 文 化 、 沿 道 修 景 等 に 関 連 し た 景 観 の あ る 地 域 の 設 定 が

考えられる。

【設定の例】

〇視 点場となるエリア

・特定の指定地区や施設を包

括する地域や集落など

・近景:小規模なものも指定

〇視 点場となる道路

・観光バスが通行する幹線等

※景観重要公共施設に指定す

ることが望ましい

〇 視 対 象 や 対 象 場 と な る 緩

衝 地帯(バッファ ゾーン)

・ 視 点 場 か ら 見 る 山 の 稜 線

・遠景:大規模のみ指定

注 : 掲 載 図 は 設 定 の 方 法 を わ か り や す く す る た め の 参 考 例 と し て 示 し た も の で あ り

(5)

5 -4-2 景観条例の記載例

① 太陽光発電設備の追加

○○市景観条例

(定義)

第2条 (略)

3 この条例において「工作物」とは、建築物以外のもので規則で定めるものをいう。

(適用除外)

第12条 前条の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。 (1)(略)

(2) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの

○○市景観条例施行規則

(工作物)

第2条 条例第2条第3項の規則で定める工作物は、次に掲げるものとする。

(1)~(7) (略)

(8) 太陽光発電設備その他これに類するもの

(届出を要しない行為等)

第11条 条例第12条第2号の規則で定める行為は、次に掲げるものとする。(1)(略)

(2) 工作物の新築、増築、改築、移転又は撤去(増築後又は改築後において、その高

さ 又 は 面 積 が ア か ら オ ま で に 規定 す る 高さ 又 は 面積 を 超 え るも の と なる 場 合 にお け

る増築又は改築を除く。)で次に掲げるもの

ア・イ (略)

ウ 第2条第7号から第12号までに掲げる工作物のうち、高さが〇メートル以下で、

かつ、築造面積(同条第8号にあっては、設置面積の合計)が〇平方メートル以下の

もの

② 事前協議の追加

○○市景観条例

(事前協議)

第 1 0条 法第 1 6条 第 1項 又 は 第2 項の 規 定 によ る 届 出 に係 る 行 為を し よう とす る者 (以

下「行為者」という。)は、当該届出を行う〇日前までに、市長と協議を行わなけれ

ばならない。

2 行 為 者 は 、 前 項 に 規定 す る 協議 を 行 うに 際 し て、 協 議 書 その 他 規 則で 定 め る図 書

を提出しなければならない。

(助言又は指導)

第 1 1 条 市 長 は、 前 条 第1 項 に 規定 す る 協議 に 際 して 、 行 為 者に 対 し 、必 要 な 助言 又

は指導をすることができる。

(事前協議の完了)

第 1 2条 市長 は 、 第1 0条 第 1 項に 規 定 する 協 議 が完 了 し たと 認 め る とき に は 、行 為者

に対し、当該協議が完了した旨を記載した書面を交付するものとする。

○○市景観条例施行規則

(協議書)

第3条 条例第10条第2項に規定する規則で定める図書は、計画概要書及び別表に掲げ

(6)

2 前 項 の 規 定 に か か わら ず 、 市長 は 、 同項 に 掲 げる 図 書 の うち 特 に 添付 の 必 要が な

いと認める図書を省略させることができる。

(協議済書)

第4条 条例第12条に規定する書面は、協議済書とする。

(行為の届出等)

第 5 条 法 第 16 条 第1 項又 は 第 2項 の 規 定に よ る 届出 は 、 景観 計 画 区 域内 行 為 (変 更)

届出書により行うものとする。

2 条 例 第 13条 に 規 定 する 規 則 で定 め る 図書 は 、 別表 に 掲 げ る行 為 の 区分 に 応 じて 規

定 す る 図 書 と す る 。 た だ し 、 行為 の 規 模に よ り 、同 表 に 規 定す る 縮 尺の 図 面 によ っ

て は 適 切 に 表 示 で き な い 場 合 には 、 当 該行 為 の 規模 に 応 じ て、 市 長 が適 切 と 認め る

縮尺の図面をもって、これらの図面に代えることができる。

3 市長は、条例第10条の規定による協議を行った建築物の建築等及び工作物の建設等

に係る第1項の届出書について、前項に掲げる図書の添付が必要ないと認めるときは、

前項の規定にかかわらず、これを省略させることができる。

※ 波線部分については、事前協議と届出制度との二重手続きにならないよう配慮

したもの。

③ 所有者等の管理責務の追加

○○市景観条例

(建築物の所有者の管理責務等)

第12条 建築物又は工作物の所有者及び管理者は、当該建築物若しくは工作物の外観

及 び そ の 敷 地 が 、 周 辺 の 良 好 な景 観 に 対し て 支 障と な ら な いよ う 適 切な 管 理 に努 め

なければならない。

5 景観法の枠組み以外による対応

本 来 、 景 観 法 は 立 地 規 制 を 目 的 と し た 法 律 で は な い た め 、 太 陽 光 発 電 設 備 の 立 地 規 制

を 目 指 す の で あ れ ば 、 環 境 部 局 や 開 発 部 局 ( 宅 地 開 発 や 林 地 開 発 ) と い っ た 他 部 局 と の

連 携 を 図 り 、 抑 制 ( 抑 止 ) 地 域 を 設 定 す る こ と を 目 的 と し た 自 主 条 例 等 の 制 定 が 考 え ら

れる。

例 : 由 布 市 自 然 環 境 等 と 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 発 電 設 備 設 置 事 業 と の 調 和 に 関 す る 条 例

6 別添資料

・景観法(平成16年6月18日法律第110号)抜粋

・景観法施行規則(平成16年12月15日政令第398号)抜粋

・国住指第1152号 平成24年7月4日

「既存建築物の屋上に太陽電池発電設備を設置する際の建築基準法の取扱いについて」

・国住指第4936号 平成23年3月25日

「太陽光発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて」

・国住指第3762号 平成26年1月28日

「農地に支柱を立てて設置する太陽光発電設備の建築基準法上の取扱いについて」

・国住指第4253号 平成24年3月30日

「パワーコンディショナを収納する専用コンテナに係る建築基準法の取扱いについて」

・国都開第2号 平成24年6月8日

参照

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