公共経済学 第 5 講 講義ノート 1/ 2
5 なぜ公共経済学が必要か 1 :ただ乗り問題と市場の失敗
5.0 今回のアウトライン
A. 公共財の意味と課題、ただ乗り問題を理解する
5.1 公共経済学における市場の補完とは実際何か
A. ミクロ経済学・マクロ経済学の前提は市場で競争的に取引されること B. 実際には市場取引に限界があることを(1)
1. 財の所有や使用等の限定が上手に設定できないと購入者と利用者がズレる 2. 交換取引という行為が成立しない中で起きる相互影響活動もある
3. 生産技術など様々な理由で、競争がうまく機能しない市場環境に陥る 4. 需要と供給を満たすように財が市場を網羅しきれない場合がある
5.2 公共財とただ乗り問題
A. 財の所有や使用をうまく限定するのが難しい条件とは 1. 非排除性:所有者以外でも自由に使えてしまう性質
2. 非競合性:一つの財を取り合うことなく同じく使用できる性質 B. 両者の性質が備わるものを(2) という
1. 両者の性質が同時に備わったものを(3) という
2. 一方、通常の市場取引される財のことを(4) という
3. 純粋公共財と私的財の中間の財を(5) という C. 公共財には次のような例がある
1. 純粋公共財:国防、治安、一般道路、灯台、公衆衛生 2. 排除性のある準公共財:高速道路、科学知識
3. 競合性のある準公共財:公共トイレ、図書館の書籍 D. 公共財は私的財に比べ基本的に供給が行き届かない
1. ただ食いならぬ(6) (ただ乗り問題) という
Ver. 2.8 Masumi Kawade, 2017
公共経済学 第 5 講 講義ノート 2/ 2
5.3 政府のない公共財供給をモデル ( ストーリー ) で表現
✓設定 ✏
• 2つの家計 (i = A, B)、私的財と公共財の 2 財 :xi, G
• 家計は私的財と公共財から効用:u(xi, G)
• 家計は公共財の量と私的財の配分を決定:F (gi) = xi
• 公共財は両者の供給量の総和が供給 G = gA+ gB
✒ ✑
A. 各家計は相手の供給量に応じ決定 ⇒ 相手の供給量を固定して決定 (グラフ 1) 1. 家計 A の限界代替率 ∠A が生産可能性フロンティアの傾き (すなわち、限界
変形率)∠P に等しい ∠A = ∠P
B. すべての人の限界代替率が限界変形率に等しい
Aの限界代替率 = 公共財と私的財の限界変形率 (5.1) 1. この関係は複数の家計でも同じ結果が得られる
Aの限界代替率 = B の限界代替率 = C の限界代替率 · · ·
=公共財と私的財の限界変形率 (5.2) グラフ1
x
G
GB
5.4 確認問題:次の文章の正誤について答えなさい
A. パン、チョコレート、ミルクなど自然原料でできている財を純粋公共財という B. 無政府状態での公共財の私的供給では公共財と私的財の間の限界変形率と、家
計の限界代替率が等しくなる
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