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会長巻頭言
総合戦略と図書館の「見える化」
千葉県公共図書館協会長
鵜 澤 堅 治
はじめに、平成 28 年度関東甲信越静地 区図書館地区別研修が、11 月 29 日(火) から 12 月2日(金)まで千葉市生涯学習 センターを主会場に開催されました。
「地域を支える情報拠点をめざして~
「これからの図書館像」報告から 10 年
~」と題し、慶應義塾大学文学部教授の 糸賀雅児氏に基調講演をいただいたほか、 これまでの取組や時代の変化、地域のニ ーズを踏まえた内容の濃いプログラムで 充実した研修会となりました。
本協会の会員の皆様のご参加とご協力 に、改めて感謝申し上げます。
さて、国立国会図書館では「図書館利 用者の情報行動の傾向及び図書館に関す る意識調査」を平成 26 年 12 月に実施し ています。それによると、公共図書館利 用の主な目的は、「図書館の資料を借りる
/返す」が 81%、「資料の閲覧」が 49% で、「図書館員に支援、情報、示唆を求め る」が、わずか2%でした。また、図書 館サービスの重要度は、「図書館員による 調べ物のサポート」を「とても重要」と 回答した人は 14.9%で、資料の貸出、情 報提供、インターネットや場所の提供よ りも低い結果となっています。
調査回答者に、図書館の利用経験がな い方も含まれるとは言え、レファレンス や課題解決支援をはじめとする図書館の 様々な機能が住民に十分に認知されてい ないのは明らかです。
あまり利用していない地域住民や地方 公共団体職員、児童・生徒に対し、図書 館を活用し、読書だけでなく「調べる」、
「学ぶ」ことをより身近に感じられるよ うな使い方を、目に見える形でPRする
など図書館サービスを「見える化」して いくことが大切です。
平成 26 年 12 月の「まち・ひと・しご と創生法」に基づき、人口減対策として の長期ビジョンとそれを踏まえた今後5 カ年の政策目標・施策となる地方版総合 戦略が各地で策定されています。
そのなかで、小さな拠点における住民 の主体的な地域課題解決・まちづくりの 基盤となる「学び」と「行動」の支援に おいて、「課題解決のための土台づくり」 の一翼を図書館が担うことが期待されて います。
図書館の役割・機能は、図書館単体で 考えるのでなく、地方創生・まちづくり という大きな視点で捉え、様々な施策に からめながら図書館事業を総合戦略に位 置づけている自治体が数多くあります。 図書館サービスの「見える化」を図り、 多くの利用者の支持を得るとともに、地 域の創生・活性化につながる施策を研究 し、実現していこうではありませんか。
最後に、来年度は本協会の創立60周年 にあたります。創立当初の加盟館は17 館、現在の図書館の設置数も当時は夢の また夢だったかもしれません。しかし、 ライブラリアンの志は脈々と受け継がれ、 今に至っています。
今後も会員各位の叡智を結集し、研修 事業の充実や、図書館ネットワークの強 化、先進的サービスの開発・普及など、 より充実した活動を目指して参りたいと 考えておりますので、皆様の積極的な参 画をよろしくお願いいたします。
(千葉県立中央図書館 館長)