1
第 4 期 プ ロ ・ ナ ト ゥ ー ラ 7 7 ン ド 肋 成 成 果 報 告 害 ( 1995)
サンゴ礁干潟の環境変化と保全
サンゴ礁環境研究グループ
山内秀夫o・長谷川均2)・目崎茂和o.
9
目−
前
晃4)・藤本 潔5)
St udy of Env i r onm ent a1 Changes and Cons er v at i on of Cor a1 Ti del and
H i deo Yam anouc hi o , H i t os hi H as egaw a≒Shi gek az u M ez ak げ
Ak i r a M aek ado‰Ki y os hi F uj i m ot o5)二
本 報 告 は 、 サ ン ゴ 礁 干 潟 が 形 成 さ れ て い る 石 垣 島 の 2 地 区 ( 名 蔵 、 宮 良 ) で 実 施 し た 地 形 、 表 層 堆 積 物 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 形 成 、 水 質 な ど に 関 す る も の で あ る 。
名 蔵 地 区 で は 、 ア ン パ ル 周 辺 で ボ ー リ ン グ を 行 い 試 料 分 析 や 年 代 渕 定 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 の 形 成 は 、 過 去 2000年 間 に 海 水 準 変 勣 の 影 響 を 受 け な が ら 海 側 に 移 動 し た こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 現 在 の ア ン パ ル の 堆 積 物 に は 、 流 人 河 川 の 影 響 が 認 め ら れ た 。
宮 良 地 区 で は 、 干 潟 の 表 層 堆 積 物 の 調 査 を 行 い 粒 度 組 成 な ど を 測 定 し た 。 そ の 結 果 、 宮 良 川 河 口 付 近 の 東 側 や 磯 辺 川 河 口 の 前 面 で 紬 粒 の 堆 積 物 が 多 く 、 こ の こ と は 底 質 の 汚 濁 度 か ら も 確 認 さ れ た 。 ま た 、 宮 良 川 河 口 付 近 の マ ン グ ロ ー ブ 林 に つ い て も 調 査 し た 結 果 、 流 入 土 砂 の 堆 積 と 樹 種 と の 対 応 が 認 め ら れ た 。
保 全 に 関 し て は 、 名 蔵 ア ン パ ル で は 今 後 の 流 入 土 砂 に よ る 環 境 の 変 化 が 懸 念 さ れ 、 官 良 湾 で は 赤 土 の 流 入 が 極 め て 深 刻 な 事 慈 を 招 い て お り 早 急 な 防 止 対 策 が 必 要 で あ る 。
名蔵川河口域におけるマングロ一プ林の形 成過程
名蔵川河口域には、サンゴ礁の礁原上に発達 した砂州によって境された干潟化したラグーン 内に、約54haのマングローブ林が存在する。空 中写真判読によれば、マングローブ林背後の沖 積低地上にも、同様に南側から2列の旧砂州が
見 薮 燧 ’ 匹 閤
頂 耀 づ 哺 順
or es t Pr oduc l s Res eaec h l ns t j t ul e
伸 び て い る こ と が 認 め ら れ る ( 図 1 ) 。 こ の う ち 内 陸 側 の も の は 、 浦 田 原 排 水 路 付 近 ま で 、 約
1. 5k mに わ た っ て 明 瞭 な 微 高 地 と し て 追 跡 で き る 。 本 報 告 で は 、 こ れ ら の 砂 州 を 内 陸 側 の も の か ら 、 砂 州 I 、 砂 州 Ⅱ 、 砂 州 Ⅲ と 呼 ぶ こ と に す る 。
・ こ の ラ ダ ー ン 内 に 存 在 す る マ ン グ ロ ー ブ 林 は 、 こ れ ら 砂 州 列 の 形 成 と も 関 連 し 、 後 期 完 新 世 の
図1 名蔵川沖積低地の地形とマングロープ林 の分布
相 対 的 海 水 準 変 動 や 集 水 域 か ら の 土 砂 流 入 に 大 ・ き く 影 響 さ れ な が ら 現 在 ま で 発 達 し て き た も の と 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 の 形 成 過 程 を 沖 積 低 地 の 発 達 過 程 と 関 連 さ せ な が ら 考 察 す る た め に 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 の 海 側 林 縁 部 か ら 林 内 へ 向 か う 200mの 測 線 沿 い に ボ ー リ ン グ 調 査 お よ び 植 生 観 察 を 行 う と 共 に 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 背 後 の 淡 水 涅 地 上 の 3 地 点 で も ボ ー リ ン グ 調 査 を 行 い 、 堆 積 物 の 観 察 と ' 4 C 年 代 測 定 試 料 の 採 取 を 行 っ た 。
林 内 の ボ 一 リ ン グ に は 、 ヒ ラ ー 型 サ ン プ ラ ー を 、 林 外 に お け る ボ ー リ ン グ に は 、 軽 量 エ ン ジ
m恥−J’1−j
司刈丿一。−J一
に
/ 一 詞 aj l as i aMj T l s で
よ 即
ン付きの北見土質製簡易ボーリング機(内経6 c m)を用いた。年代測定試料は計4点採取し、 現時点で3点の計測結果が得られた。
調査結果および年代測定結果は以下の通りで ある。
①現在のマングローブ林域における堆積構造と 植生配列
林内におけるボーリング調査と植生観察は、 浦田原排水路の放水口のやや南側を起点とする 約2㈲mの測線沿いに行った。その結果を図2に 示す。
楠生は、起点から10mまでが樹高2m以下 ( 周辺には所々に最大樹高3mに達する群集が 島状に存在する) のヤエヤマヒルギ( RMz 昴面Γ α s りh) z ) の疎林、1{ } m地点から60m地点までが 樹高2. 5m前後のものが密生するヤエヤマヒ ルギの純林、60m地点から100m地点の間が樹高
2∼3mのものが密生するオヒルギ( 渥昭辰ga g郊wr r Mz a) の純林j 00m地点から140m地点 の間が比較的立木密度が低い樹高3m前後のオ ヒルギの純林、140m地点から160m地点の 聞は樹高3m前後のオヒルギとヒルギモドキ ( 治naz er α Γ ac eus a) の混交林となる。160 m地点から200m地点の間には、高さ1m程度、 直径2m前後のアナジャコの塚が存在し、塚上 には非マングローブ植物が、塚と塚の間の凹地
S 4j g We g g y f 71j Qr 哨 j Z −
7圖目’
で 回 削 聡
c i ay EEl s l nd に ; EI Nat [ 亘 ] c ol al l r a91me nt
図2 測線Aの楠生と地質柱状図
ヱ 圓 圖 目 印
2QQm
にはオヒルギまたはヒルギダマシが生育する。 ボーリングは50mおきに4地点で行った。地 点1はサンゴ映を含む海成砂舗を厚さ5 c m程の 明黄褐色の粘土層が覆う。地点2も表順10c mは 明黄褐色の粘土眉が堆積レその下位には厚さ
5c mの泥炭質砂層、さらにその下位にはサン・ゴ 疎混じり砂層が堆積する。
調査を行った前日(1994年6月19日)には、 降り始めからの総雨量が多いところで400m を越える集中豪雨があり、大量の土砂が河川か ら流出した。、地点1および地点2の粘土層は、 この様な集中豪雨時に運搬されてきたものが根 茎によって捕捉され堆積したものと考えられる。 特に地点1の粘土眉は明らかに圧密を受けてい ないことから、そのほとんどは前日の出水に伴 い堆積したものである可能性が高い。
地点2から岫点3にかけては、徐々に表層の 粘土層は薄くなり、地点3付近にはその堆積は 認められない。地点3はサンゴ錬混じり砂層を 覆い、厚さ20c mの泥炭混じり砂質ロームが堆積 する。地点4も同様の堆積構造がみられるが、 泥炭混じり砂質ロームの層厚は30c mとやや厚く なる。
②マングローブ林背後の湿地における堆積物と oC年代
S 1 「 − ゜ a
図 3
・ヨ毎※昌回贈・宍諮パズブツ・・.mmmm
? g 佃l 躬 m im O Q
3 4
0 8 ・
1 2 0
1? . 留 犀
こ酉朧一ヨ ー鮑貳府≒謬語
○,
I S ・
邪 舶 帥 W 叩四
7
韻 謳 賜 閲 鸚 麿
マングローブ林背後の湿地におけるボーリン グ往状図は図3に示した通りである。以下その 結果について記載する。
地 点 5 : 砂 州 I よ り 200m程 内 睦 側 の 浦 田 原 排 水 路 左 岸 に 位 置 す る 。 昨 年 度 の ボ ー リ ン グ 地 点 27・ と ほ ぼ 同 地 点 で あ る 。 昨 年 度 の 掘 削 で は マ
ン グ ロ ー ブ 環 境 で の 堆 積 物 は 確 認 で き な か っ た が 、 今 回 は さ ら に 詳 紬 な 層 相 観 察 を 行 う こ と に よ り 、 マ ン グ ロ ー ブ 起 源 の 有 機 物 含 有 層 を 見 い だ す こ と を 目 的 に 再 度 ボ ー リ ン グ を 試 み 、 深 さ 193c mま で の コ ア を 採 取 し た 。
層 相 は 、 深 度 0∼ 49c mが 黄 褐 色 の 辣 混 じ り シ ル ト ロ ー ム で 表 層 部 は 攬 乱 を 受 け た 耕 作 土 、 49
∼ 53c mは 褐 色 の ロ ー ム 、 53∼ 68c mが 掲 色 ∼ 黄 褐 色 の 砂 、 68∼ 76c mが 下 郎 に 炭 化 物 を 混 入 す る 黄 褐 色 ロ ー ム 、 76∼ 78c mが 有 機 物 混 じ り の 黒 色 粘 土 、 78∼ 95c mが 黒 色 の 有 鎮 物 混 じ り ロ ー ム 、 95
∼ 143c mが 有 機 物 を や や 含 む 暗 灰 色 の 砂 ( 102∼ 112c mは 採 取 で き ず ) 、 143∼ 193c mは 貝 殼 や サ ン ゴ 疎 を 含 む 砂 質 粘 土 ロ ー ム で 、 マ ン グ ロ ー ブ 起 源 の 有 機 物 ( 細 根 等 ) を 伴 う 。
こ の 地 点 に マ ン グ ロ ー プ 林 が 存 在 し た 時 期 を 推 定 す る た め に 、 深 度 143∼ 160c mか ら 採 取 し た 有 機 物 混 じ り 砂 質 粘 土 ロ ー ム を 年 代 測 定 し た と こ ろ 1920士 100 y r s BP ( I づ 7858) と い う 年 代 値
憬 昌 ? 別 測 申 i 雪 『
¶4CS l t ・ 宣 誠 誦
S l l i l ン ゴ ・ そ の 他 11欄 鷲 1 賜 恥 a 匪 p n t
巨 目 丿 紗 爽 粘 土 ロ ー ム E ; ] シ ル ト ロ ー ム
Cヨ 。 − ム 既 ] 。 s 。 。 ム
回 1タ 回 s
回 木 n 区 : Z I 炭 a
E Ξ] n
巳 21マ ン グ D一 フ ゚ 起 凋 有 一 物 Gj i ] 跨 融 に 枚 鴫
│互 亘 ] 践 l 佃 貝 ) E a サ ン 9
マングローブ林背後の湿地における地質柱状図
が 得 ら れ た 。
地 点 6 ; 砂 州 I の や や 海 側 、 浦 田 原 排 水 路 左 岸 の 牧 草 地 内 に 位 置 す る 。 咋 年 度 の ボ ー リ ン グ 地 点 25に 近 接 す る 地 点 で あ る 。 こ こ で は 深 度 120c m ま で 搦 削 し た 。
層 相 は 、 深 度 O∼ 13c mが 掲 色 の 粘 土 、 13∼ 34 c mが 黒 色 の 砂 質 粘 土 、 34∼ 58c mが 貝 殼 や サ ン ゴ 映 を 伴 う 砂 質 粘 土 ロ ー ム 、 58∼ 120c mが 貝 殼 や サ ン ゴ 疎 を 含 む 砂 と な っ て い る 。 こ こ で は マ ン グ ロ ー ブ 起 源 の 有 機 物 は 認 め ら れ な か っ た 、
地 点 7 : 本 地 点 は 、 地 点 6 よ り 100m程 海 側 の 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 背 後 の 淡 水 湿 地 上 に 位 置 す る 。 こ こ で は 深 度 108c mま で 掘 削 を 行 っ た 。 懸 相 は 、 O∼ 15emが 褐 色 の 粘 土 、 L 5∼ 35c nl が 炭 化 物 を 混 入 す る 砂 質 粘 土 、 35∼ 48c mが や や 有 ・ 機 物 を 混 人 す る 暗 褐 色 の 砂 質 粘 土 ロ ー ム 、 48∼
60c mが 木 片 や 炭 化 物 を 混 入 し 、 貝 殼 や サ ン ゴ 疎 を 伴 う 青 灰 色 の 砂 質 粘 土 ロ ー ム 、 60∼ 80c mが サ ン ゴ ㈱ や 貝 殼 を 含 む 青 灰 色 の 砂 、 80∼ 100c mが 貝 殼 や サ ン ゴ 辣 を 含 む オ リ ー ブ 黒 色 の 砂 質 粘 土 ロ ー ム で 、 マ ン グ ロ ー ブ 起 源 の 有 機 物 が 認 め ら れ る 。 100∼ 108emは サ ン ゴ 疎 を 伴 う 明 青 灰 色 の 砂 で あ る 。
こ こ で は 、 深 度 75∼ 80c mか ら 採 取 し た サ ン ゴ 弾 か ら 4690士 110 y r s BP ( I - 17810) 、 深 度 95c m か ら 採 取 し た サ ン ゴ 辣 か ら 470( け 110 y r s BP ( I - 178H) と い う 年 代 値 が 得 ら れ た 。
2、名蔵川沖積低地とマングロープ林の形成過 程
地点5のボーリング調査により、砂州1背後 の湿地でもマングローブ起源の有機物の存在が゜ 確認できた。また、同地点のマングローブ有機 物を含む堆積物から得られた年代値から、1900 y r s BP頃までは砂州I背後のラグーンにマング ローブ林が存在していたと考えられる。当時、 砂州Iの前面にはマングロープ林は存在せず、 サンゴ礁の礁原が広がーっていたであろう。この 頃に相対的な海面低下が起こ、ったために、砂州
I が 取 り 残 さ れ 、 そ の 背 後 の マ ン グ ロ ー ブ 林 も 離 水 し た も の と 考 え ら れ る 。 砂 州 1 背 後 に マ ン
グ ロ ー ブ 林 が 形 成 さ れ 姶 め た 時 期 を 推 定 す る 資 料 は 今 の と こ ろ 得 ら れ て い な い 。
そ の 後 、 海 側 に 新 た な 砂 州 が 形 成 さ れ る と 共 に 、 砂 州 I の 海 側 に マ ン グ ロ ー ブ 林 が 形 成 さ れ て い っ た と 考 え ら れ る 。
地 点 7 で は 、 サ ン ゴ 疎 か ら 、 約 4700 y r s BPを 示 す 2 つ の 自 C 年 代 値 が 得 ら れ た 。 こ れ ら は 内 陸 側 の 地 点 5 か ら 得 ら れ た マ ン グ ロ ー ブ 堆 積 物 の 年 代 値 よ り 明 ら か に 古 い 値 を 示 し て お り 、 こ 、 れ ら を 試 料 が 得 ら れ た 層 準 の 堆 積 年 代 と す る と 明 ら か に 矛 盾 が 生 じ る 。
こ こ で 図 2 を み る と 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 の 内 陸 域 に は 、 ア ナ ジ ャ コ の 塚 が 存 在 す る こ と が わ か る 。 こ れ ら が 分 布 す る 場 所 の 地 衷 面 に は ア ナ ジ ャ コ が 塚 を 造 る 過 程 で 地 下 か ら 運 び 出 し て き た と 考 え ら れ る サ ン ゴ 疎 や 貝 殼 を 多 数 見 る こ と が で き る 。 す な わ ち 、 こ れ ら マ ン グ ロ ー ブ 堆 積 物 中 の サ ン ゴ ㈱ や 貝 殼 は 、 現 地 性 の も の で は な く 、 ア ナ ジ ャ コ 等 の 生 物 活 勣 に よ っ て 下 位 の 堆 禎 物 中 か ら も た ら さ れ た 二 次 堆 積 物 で あ る 可 能 性 が 高 い 。 現 在 AMS法 で 年 代 測 定 中 の サ ン プ ル も 、 同 様 の 理 由 か ら 下 位 の 堆 積 物 を 混 人 し て い る と 考 え ら れ る が 、 マ ン グ ロ ー ブ 環 境 堆 積 眉 ( 深 度 80
∼ 100c m) の 下 位 に 存 在 す る 砂 朋 は 有 機 物 を 混 入 し て い な い こ と か ら 、 古 い 有 機 物 の 二 次 的 な 混 人 の 可 能 性 は 低 く 、 AMS法 に よ る 年 代 測 定 結 果 が 得 ら れ れ ば 、 地 点 7 付 近 の マ ン グ ロ ー ブ 林 が 離 水 し た 時 期 を 推 定 す る こ と が 可 能 と な る 。 そ の 時 期 は 、 地 点 5 の 年 代 測 定 結 果 か ら 、 1900 y r s BPよ り 新 し い 時 代 で あ る こ と は 明 ら か で あ る 。 砂 州 n は 砂 州 I や 砂 州 m に 比 べ 明 ら か に 長 さ
が 短 い レ こ れ は 、 海 岸 線 の 位 置 が 安 定 し て い た 期 開 が 比 較 的 短 か っ た こ と を 意 味 す る 。 地 点 7 付 近 の マ ン グ ロ ー ブ 林 が 離 水 し た 時 期 と 砂 州 H が 離 水 し た 時 斯 と は 、 同 時 期 で あ る 可 能 性 が あ
る 。 す な わ ち 、 1900 y r s BP以 降 の あ る 時 期 に 相 対 的 な 海 面 低 下 が 起 こ り 、 砂 州 1 の 前 面 に 形 成 さ れ 姶 め て い た マ ン グ ロ = ブ 林 と 砂 州 H が 同
時 に 離 水 し た 可 能 性 が 指 摘 で き る 。
そ の 後 、 砂 州 Ⅲ の 形 成 が 姶 ま り 、 一 方 マ ン グ ロ ー ブ 林 も 現 在 の 位 置 に 成 立 し 姶 め た 。 ボ ー リ ン グ 往 状 図 か ら も わ か る よ う に 、 現 在 の マ ン グ ロ ー ブ 林 域 に お け る マ ン グ ロ ー ブ 有 槙 物 含 有 層 は 内 陸 側 の 厚 い と こ ろ で も 30c m程 度 で あ り 、 比 較 的 薄 い こ と が わ か る 。 石 垣 品 に 隣 接 す る 西 表 島 の 浦 内 川 河 口 部 の マ ン グ ロ ー ブ 林 で は 、 厚 い と こ ろ で 50c m程 の 泥 炭 質 堆 積 物 が 堆 積 し て お り 、
そ の 下 部 か ら 約 260 y r s BPの 年 代 値 が 得 ら れ て い る こ と か ら ぺ 藤 本 ほ か 、 1993) 、 石 垣 島 に お い て も 現 在 の マ ン グ ロ ー ブ 林 は 、 200∼ 300 y r s BP以 降 に 成 立 し た 比 較 的 新 し い 森 林 で あ る と 考 え ら れ る 。
以 上 の よ う に 、 こ の 地 域 の マ ン グ ロ ー ブ 林 は 、 過 去 2000年 開 に 相 対 的 な 海 水 準 変 動 の 影 響 を 披 ・ り な が ら 、 そ の 成 立 場 所 を 徐 々 に 海 側 に 移 勤 さ せ 、 現 在 に 至 っ て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。 さ ら に 近 年 は 集 水 域 か ら の 土 砂 の 流 人 が 顕 著 で 、 測 線 A の 地 点 I や 地 点 2 で 認 め ら れ た よ う に 、 マ ン グ ロ ー ブ 林 の 前 縁 部 に 顕 著 な 粘 土 眉 の 堆 積 が 認 め ら れ 、 そ れ と 共 に マ ン グ ロ ー ブ 林 が 海 側 へ 進 出 し て い っ て い る こ と が わ か る 、
3.名蔵湾干潟の現成堆積物の調査結果 名蔵湾における調査地点を図4に示す。
① 堆積物の中央粒径
表層堆積物の中央粒径(Mφ )は、図5に示 す。アンパルでは名蔵川の流入地点から北寄り に湾□に向かい名蔵大橋の南部にかけて、より 粗粒の卓越地区が拡がっているが、アンパル南 部の湾奥中央部では1、Oφ よりも細粒が占め ているところが多い。また、東側の流入小河川 の出口と西側の砂州の一部ではやや粗粒となっ ている。外干潟では、北東側の汀線付近に細粒 の地点と粗粒の地点とが近接してみられるが、 全体として北西方の沖側へと細粒の地区が拡が っている。第2朋では地域差がより明瞭となり、 アンパルで名蔵川流入地点に粗粒が認められる ものの、ほかの大部分の地点では細粒が多く大
名 蔵 湾
’〔 外 干 潟 〕 I I ` ヽ
0 2 C -
図 4 名 蔵 湾 に お け る 調 査 地 点
図 5 堆 稽 物 の 中 央 粒 径 ( 表 眉 )
Z‘4︲4︲︲'.
部分l . 0φ よりも紬粒である(図O。とくに湾 奥の東側の流入小河川の出口では1. 5φ より
1 . 5
図 6 淮 積 物 の 中 央 粒 径 ( 第 2 層 )
細粒に富んでいて、表層とは異なっている。し かし湾奥の砂州に近い西側では、表層と同様に 0. 5φ と粗粒になり、さらに名蔵大橋をはさむ一 帯も0、5φ 前後の粗粒を示している。この付近は 波浪の影響を受けやすいためであろう。外干潟 も沖寄りに移るにつれ細粒が卓越し1. 0∼l . 5φ の地域が拡がっている。これらのうち細粒の部 分は黒灰色の泥炭質のところが多くなっていた。
② 堆 積 物 の 分 級 度
分 級 度 ( び φ) に つ い て は 、 表 層 で 分 級 が 良 い の は 名 蔵 大 橋 北 部 か ら 外 干 潟 に か け て 汀 線 付 近 で 0. 5φ以 内 で あ っ た ( 図 7 ) 。 ア ン パ ル の 中
は 全 体 的 に み て 分 級 が あ ま り 良 く ・ な く 、 と く に 湾 奥 部 で は 粒 度 組 成 に ば ら つ き が 多 く 、 L 5φ以 上 の 地 点 も み ら れ る 。 一 般 に 、 第 2 層 の 分 級 も 表 層 と 類 似 し た 分 布 傾 向 を 示 し ( 図 8 ) 、 ア ン
パ ル の 湾 奥 中 央 部 で 2. 0φと と く に 分 級 が 悪 い 地 点 も あ る ほ か 、 名 蔵 川 流 入 地 点 付 近 で も 表 層 に 比 べ 分 級 が 悪 く 、 名 蔵 川 と 湾 奥 に 流 人 し て い る 小 河 川 に よ り ア ン パ ル 内 の 水 流 の 流 れ 方 に
地域差が生じていることが推測される。また、 外干潟での第2層は概して分級は良く、表眉も 第2層もLOφ 以内のところが多かった。 広くサンプリングをおこなって得た試料のう ち、とくに3φ 以下の細粒分について、その組 成を判別するため、示差熱分析を応用した分析
心
図 7 堆 積 物 の 分 級 度 ( 表 眉 )
・ : ・ ! ・ 9: ・ ! , 1・ 1・ ! ・ ! , ? , ! ・ ! . - .
0 2 C
←
図8‥ 堆積物の分級度(第2層)
を 行 な っ た 。 サ ン プ ル を 表 層 と 多 く の 地 点 で 明 瞭 に 異 な る そ の 下 の 第 2 層 と に 分 け 、 そ れ ぞ れ に つ い て 2 g 程 度 を 対 象 に 電 気 炉 で 加 熱 し た 。 ま ず 、 G00c Cま で の 減 量 の 大 部 分 は 有 機 物 の 燃 焼 に よ る も の と み な し た 。 さ ら に 、 そ れ か ら 900℃ ま で の 減 量 の 多 く は 石 灰 分 が 、 そ し て 残 量 は 非 石 灰 質 の 造 岩 鉱 物 に よ っ て 占 め ら れ る も の と 考 え た 。 こ の よ う な 観 点 か ら 減 量 率 を 求 め て 考 察 し た 。
③ 堆積物中の有朧物
表眉の有機物(図9)についてみると、全体 としてアンパル中央部では2∼3%と少ないが、
周辺部には多く、とくに湾奥部に5∼6%のと ころが見られこれらの地点には有機物の集積が 生じていると考えられる。外千潟では北東側と・ 沖寄りでは多いが、概して西側には少なく、非 対称性が認められる。第2層の有機物(図10) についてはアンパル中央部で3∼5%と相対的 に少ないのに対し、名蔵川の流入部と湾奥から 西側の砂州にかけてとくに多く、この付近では
図 10 有 槙 物 の 含 有 率 ( 第 2 圈 )
は北東側と西側の沖寄りにとくに多くて、表層 と類似した傾向を示している。
粒度組成は粗粒が多いが、3φ 以下の細粒分に ④ 堆積物中の石灰分 は有機物が他よりも多くなっている。外干潟で
図 9 有 楠 物 の 含 有 率 ( 表 層 )
表 層 の 石 灰 分 ( 図 H ) は ア ン パ ル の 西 側 に 多 く 、 東 側 に は 少 な い 。 西 側 は お そ ら く 海 成 砂 が 主 体 を な し て い る 砂 州 り 影 響 や 、 ア ン パ ル 内 の 古 い r eef r oc k の 存 在 も 関 連 し 、 東 側 に は 河 川 か ら の 石 灰 質 で な い 岩 石 に 由 来 し た 土 砂 供 絶 が 多 い た め と 考 え ら れ る 。 外 千 潟 に つ い て も 中 央 部 に 少 な い の は 、 ア ン パ ル か ら 沖 へ 向 う 流 れ が あ る こ と と 関 連 し て い る と み ら れ る 。 そ し て 、 西 側 の 沖 寄 り に は 20% 以 上 と 極 端 に 多 く な る が 、 こ れ は こ の 付 近 か ら r eef r oc k が 多 く な る た め で あ ろ う 。 第 2 眉 の 石 灰 分 ( 図 12) も 表 層 の 場 合 と 同 様 ア ン パ ル 中 央 部 で 少 な く 、 砂 州 に 近 い 西 側 に 多 く な っ て い る 。 ま た 、 外 千 潟 で は 中 央 部 が 少 な い が 、 そ れ を 囲 む よ う に 流 心 部 か ら 離 れ た と こ ろ ほ ど 多 く な っ て お り 、 と く に 名 蔵 大 橋 北 の 汀 線 付 近 や 西 の 沖 寄 り で は 15% 以 上 に 達 し て い た 。
4
図 H 石 灰 分 の 含 有 率 ( 表 胆 )
妙︰︰陥︰︰︰沁ぞ.︰.f
侭松おか1‘
圏 毘 巨
Jj7;こに有横物の運搬経路が推定で当るようである。 第2層の残留分(図14)は、やはり名蔵川か らの流入が明瞭であるが、外千潟ではあまり連 続性がなく、むしろ沖側では海岸線に平行する 分布を示している。
?4−T
L _ − 。 。 2oり ’
み
図 13 残 留 分 の 含 有 率 ( 表 層 )
i _∠2, ・, リド
図14 残留分の含有率(第2層) 図 12 石 灰 分 の 含 有 率 ( 第 2 層 )
⑥ 堆 積 物 中 の 残 留 分
つ ぎ に 、 残 留 分 に つ い て 検 討 す る 。
表 層 の 残 留 分 ( 図 13) は 、 全 体 と し て 70% 以 上 を 占 め て い る が 、 と く に 名 蔵 川 の 流 入 と 大 橋 付 近 を 除 い て 外 干 潟 に も 連 続 性 が 認 め ら れ 、 こ
7Q
ぬ 首 暴
Q ・
4 . 宮 良 湾 干 潟 に お け る 現 成 堆 積 物 の 調 査 結 果 官 良 湾 に は 、 石 垣 島 の ほ か の 海 岸 と 同 じ よ う に サ ン ゴ 礁 が 発 途 す る 。 宮 良 川 河 口 東 の 海 域 の サ ン ゴ 礁 は 礁 原 が 海 岸 に 接 続 す る サ ン ゴ 礁 で あ り 、 海 岸 か ら 沖 側 は 1000m付 近 ま で 礁 原 が 広 が
る 。 宮 良 川 河 □か ら 西 の 海 域 は 海 岸 側 に 礁 池 、 沖 側 に は 礁 原 が 発 達 す る 。 サ ン ゴ 礁 原 の 沖 側 は 礁 斜 面 と な り 、 急 に 深 く な る 。 宮 良 川 と 磯 辺 川 の 河 口 か ら 沖 側 は サ ン ゴ 礁 の 発 達 が と ぎ れ て お り 、 深 い 海 が 河 口 近 く ま で の び て い る 。 宮 良 湾 の 海 岸 近 く に は 、 多 数 の リ ー フ ブ ロ ッ ク が み ら れ 、 こ れ ら は 過 去 の 大 当 な 津 波 に よ っ て サ ン ゴ 礁 原 に 打 ち 上 げ ら れ た も の で あ る 。 リ ー フ ブ ロ ッ ク は 宮 良 川 の 河 口 西 側 の 海 岸 か ら 大 浜 に か け て の 海 岸 に 多 く み ら れ る 。 大 浜 付 近 の リ ー フ ブ ロ ッ ク の サ ン ゴ 化 石 年 代 は 、 210 士 75 y r s BPを 示 し ( 加 藤 ・ 木 村 、 1983) 、 1771 年 の 明 和 津 波 に よ っ て 運 ば れ た も の で あ る と 推 定 さ れ て い る 。 宮 良 湾 は 、 海 域 ・ 陸 域 で 生 産 さ れ た 土 砂 が 堆 積 し や す い 環 境 で あ る と い え る 。
宮 良 湾 に お い て は 、 1994年 G 月 20∼ 23日 の 干 潮 時 に 、 千 潟 の 表 層 堆 積 物 を 採 集 し て 分 析 を 行 な っ た 。 対 象 と し た 地 域 は ほ ぼ 湾 内 全 域 の 汀 線 か ら 300∼ 舶 Omま で の 範 囲 で 、 と く に 宮 良 川 の 河 口 付 近 と 磯 辺 川 の 河 □付 近 と で は 100m間 隔 に 調 査 地 点 を 設 定 し た が 、 両 者 の 中 開 で は 間 隔 を 20mに と っ た と こ ろ も あ る 。
宮 良 湾 に お 、 け る 調 査 地 点 を 図 15に 示 す 。
① 堆 積 物 の 粒 度
河 口 付 近 を 中 心 に 粗 粒 が 多 く 、 と く に 縫 辺 川 に そ の 傾 向 が 顕 普 と い え る ( 図 託 ) 。 宮 良 川 に つ い て は 、 河 口 正 面 の 沖 寄 り 200∼ 300m付 近 の 両 側 で 中 央 粒 径 が o φほ ど の 粗 粒 と な っ て お り 、 そ こ か ら 東 西 に 離 れ る に つ れ て 広 く 赤 色 土 が 表 面 を 覆 っ て い て 、 河 川 か ら 排 出 す る 水 の 流 速 の 減 少 と の 関 連 が 考 え ら れ る 。 ま た 、 細 粒 分 が 多 い 地 点 は 宮 良 湾 全 体 の 東 端 と 西 端 と に と く に 目 立 っ て お り 、 ど ち ら も 堆 積 環 境 と し て 水 流 の 流 心 か ら 側 方 に あ っ て 静 穏 域 に 当 た っ て い る た め
図 15 宮 良 湾 に お け る 調 査 地 点
5 0 0 m
1 1
1 卜 』 − ・
15
○
4
Q
ぷ l ご ぶ
Q ○ ○
訃
O
Q OX2&Q。0
・ 1
図 16 堆 積 物 の 中 央 粒 径
Z。9︲︲F
11, 諌
●− 琲
f 』 』 7
@
4
・
{ e0
○ ぶ y ょ
と考えられる。磯辺川河口付近を注目すると、 河口を中心に東側では100m沖まで1∼−1 φ の粗粒のものが多く堆積し、西側では20{ } m沖側に3φ より細粒のものが堆積している。 これらの紬粒物は赤色土であり、サンゴ礁原を
1∼2c mの厚さで覆って堆積しているが、これ らは海域で生産されたものではなく、磯辺川の 流域から生産され流出したものである。従って 磯辺川が運搬した土砂のうち粗粒分は河口から やや東に、細粒分は西側の沖寄りに偏って堆積 していることが分かる。
② 堆 積 物 の 分 級 度
堆 積 物 の 分 級 の よ い と こ ろ は 細 粒 分 が 多 い 地 点 に ほ ぼ 相 当 し 、 反 対 に 粗 粒 分 が 多 い 地 点 で は 分 級 が 悪 く な っ て い る ・ ( 図 17) 。 と り わ け 磯 辺 川 河 口 付 近 の 岸 寄 り で は 分 級 が 悪 く 粒 度 の 不 揃 い な 堆 積 物 か ら な っ て い る 。 海 岸 近 く で は 分 級 度 が 2 ∼ 3 φと な っ て い る が 、 沖 側 に 向 か う に つ れ て 分 級 が よ く な り 1 φと な る 。 ま た 河 □ 西
②o
ヅ愕:
心.
③
0500m
ゝ &・ s J O O
Q O
600m
. ぞ て ) 、
の細粒物も1φ と分級がよい。一方、宮良川河 方の200m沖側で表面に薄く堆積する赤色土 口付近一帯でも分級度が1φ 以下となっている ところが多い。
③ 堆 積 物 の 透 視 度
堆 積 物 を シ リ ン ダ ー に 投 人 し 透 視 度 計 を 用 い て 測 定 し て み た 結 果 で あ る た め 、 各 地 点 に お け る 水 の 濁 度 そ の も の で は な い が 、 堆 積 物 の ー 特 性 と し て そ の 地 域 的 差 異 を 見 る こ と に し た ( 図 18) 。 宮 良 川 河 口 前 方 の 河 川 水 流 出 部 付 近 で は 透 視 度 は む し ろ 良 好 と な っ て お り 、 前 日 の 豪 雨 の 後 に も か か わ ら ず 、 引 き 潮 の た め か 水 の 濁 り の 原 因 と な る 紬 粒 分 は 側 方 の 流 れ の 弱 い 地 点 に 拡 散 し て い る た め と 思 わ れ る 。 一 方 、 磯 辺 川 河 口 付 近 一 帯 は 多 く の 地 点 で 5c m以 下 と 透 視 度 は 非 常 に 低 く 悪 か っ た 。 磯 辺 川 河 口 の 東 西 の 海 岸 近 く で は 、 20c m以 上 の 透 視 度 の と こ ろ も あ る が 、 河
□か ら 沖 側 、 と く に 西 側 の 赤 色 土 の 細 粒 物 が 堆 積 し て い る と こ ろ で は 透 視 度 は 5c m以 下 と な っ
;6 0 0 0
O
温
X ,
々 O C Q
回 ツ
○ ○
図17 堆積物の分級度
ド為
ヅ
y ' s ゴ
1 0
Q ●
図18j 堆積物の懸濁度
言 よ
●
o 一
●f
β
.1吋
寿 ‘
顛 郵 七 、
Nj4−TN44−−Tており、磯辺川が運搬した土砂のうち細粒分が 海岸から離れた沖側に堆積しているためである。
④ 堆積物の酸化と還元
堆積物中の酸化・還元の程度を手がかりにし て堆積環境の差を推定するため、ORPメータ によって試料を測定した(図19)。相対的にみ て、還元傾向が強いと思われる300mv 以下の地 点は河□付近や細粒分の多い地点においてみら れる。反面、400mv 以上で酸化傾向のある地点
は5箇所に点在していたが、とくにはっきりし た分布傾向をつかむには至らなかった。
⑤ 堆 積 物 中 の 有 橋 物
試 料 の う ち か ら 3 φ以 下 の 細 粒 分 を 対 象 に 、 600℃ の 加 熱 に よ る 有 機 物 の 燃 焼 を 考 え て 重 量 咸 少 率 を 求 め て み た 結 果 、 堆 積 物 中 の 有 機 物 含 有 率 の 分 布 に は 4 % か ら 12% の 地 域 差 が み ら れ る こ と が 確 認 さ れ た ( 図 20) 、 と く に 減 少 率 が 高 か っ た の は 、 宮 良 川 阿 □南 西 約 200m沖 と 4卯
④。
5 0 0 m抑
m 沖 付 近 で あ っ て 、 10% 以 上 と な っ て い た 。 ま た 、 磯 辺 川 河 口 の 沖 約 300m付 近 で も 10% 以 上 の 高 い 地 点 が あ っ た 。 こ れ に 対 し て 、 逆 に 低 い と こ ろ は 6 % 以 下 の と こ ろ を 注 目 す る と 、 河 口 の 前 面 に み ら れ 官 良 川 で は 河 口 出 口 と 河 口 沖 約 200∼ 300mの と こ ろ で 5 % 弱 の 地 点 が 2 ケ 所 に あ り 、 磯 辺 川 で も 100m沖 に 5 % ほ ど の 地 点 が あ っ た 。 ま た 。 宮 良 湾 中 央 部 の 汀 線 付 近 や 宮 良 湾 北 東 隅 に 当 た る 地 点 で も 局 地 的 に 低 く な っ て い て 、 こ れ ら は 汀 線 付 近 の 波 の 影 響 が 考 え ら れ る 。
有 機 物 の 含 有 率 は 河 □付 近 に 多 く 含 ま れ る か と 予 想 し た が 、 む し ろ こ れ ら 細 粒 物 質 の 多 く は 河 □正 面 に は 堆 積 し に く く 、 よ り 沖 方 へ そ し て 側 方 へ と 拡 散 し て か ら 沈 積 す る よ う に 思 わ れ る 。 官 良 川 河 □か ら は 東 側 に も 拡 が っ て お り 、 ま た 西 側 の 約 200m付 近 に も 多 く 、 こ こ か ら さ ら に 西 方 へ も 拡 が っ て い る 。 他 方 、 磯 辺 川 付 近 で は 河 口 か ら 続 く 含 有 率 の 高 い 地 帯 と は 別 に 、 沖 側 か ら 宮 良 湾 の 北 西 隅 に 向 か う 含 有 率 の 高 い 地 区 が
幻
濯T’
● ● a ` % 心
J S
図19 堆積物の酸化・還元
図 20 有 機 物 の 含 有 率
々 S
φ
NII︲よー
帥 V 4 卯 4 i μ9 2 卯 − 1− 2卯 丿 遍
Φ!酬I`
y
認められるが、ここは赤色土の堆積の目立つ地 区にほぼ一致しており、湾の地形と波や流れと の開係から複雑な分布が生じているものと思わ れる。
⑥ 堆 積 物 中 の 石 灰 分
つ ぎ に 、 900℃ で の 減 少 率 は 石 灰 質 に よ る も め と み な し 含 有 率 の 分 布 を み る と こ れ に つ い て も 地 点 間 の 差 が 大 き く 、 多 い と こ ろ で は 30% 以 上 、 少 な い と こ ろ で 5 % 以 下 と な っ て い た ( 図 2D。 概 し て 、 宮 良 川 と 磯 辺 川 の 間 の 地 域 に 高 く 、 20
∼ 30% を 占 め る 地 点 が 多 い 。 こ れ ら の 地 域 で は 礁 池 に あ た る 海 底 に は ほ と ん ど 死 滅 し た サ ン ゴ が 存 在 し て お り 、 そ れ ら に 由 来 す る も の が 多 く 含 ま れ る 結 果 と み る こ と が で き る 。 こ れ に 対 し て 、 宮 良 川 河 口 お よ び 磯 辺 川 河 ロ の 沖 寄 り で は 10% 以 下 と 少 な い と こ ろ が 目 立 っ て い る が 、 こ れ ら の 地 点 は い ず れ も 有 機 物 の 多 か っ た 地 点 に 相 当 し て お り 、 や は り 河 川 か ら の 流 入 物 質 が 湾 の 地 形 や 波 お よ び 流 れ に 関 迪 し て こ の よ う な 分
布 パ タ ー ン を 現 し て い る も の と 考 え ら れ る 。
⑦ 堆 積 物 中 の 造 岩 鉱 物
900℃ の 燃 焼 で の 残 留 物 は 、 有 檎 物 と 石 灰 質 を 除 い た お も に 造 岩 鉱 物 な ど 岩 石 質 の も の か ら 成 る と 推 定 さ れ る 。 そ の 分 布 を み る と 、 極 め て 明 瞭 な こ と は 宮 良 湾 の 中 央 部 す な わ ち 両 河 川 の 河 口 間 の 地 域 が 70% 以 下 と 相 対 的 に み て 少 な い こ と で 、 逆 に 東 の 宮 良 川 河 口 付 近 と 西 の 磯 辺 川 の 河 口 付 近 で は 70∼ 90% 以 上 と 多 い こ と が 分 か る ( 図 22) 。 こ の こ と は 河 川 か ら の 供 給 物 質 の 卓 越 分 布 域 が や は り 河 口 前 面 を 中 心 に 現 わ れ て い る こ と を 示 す も の と い え よ う 。
5 . 名 蔵 ア ン パ ル 干 潟 付 近 の 水 に つ い て の 調 査 図 23比 水 質 圓 査 を 行 な っ た 地 点 の 位 置 を 示 す 。 こ れ ら の 地 点 で 、 横 河 電 機 パ ー ソ ナ ル pBメ ー タ ( pH82) ・ 東 亜 電 波 工 業 C M − I K 携 帯 用 電 導 度 計 ・ ア タ ゴ 海 水 濃 度 屈 析 計 ・ 東 邦 計 測 T K
− 1 0 5 DH 電 気 流 速 計 な ど を 使 用 し 、 水 温 と
図21 石灰分の含有率
図22‥ 残留物の含有率
pD 電 導 度 ・ 塩 分 濃 度 お よ び 流 速 な ど を 測 定 し た 。
海 水 が 完 全 に 遡 上 し て こ な い 名 蔵 川 頭 首 工 の 上 流 側 ( 図 23・ M地 点 ) で も 、 塩 分 濃 度 が 5 ‰ と な っ て い る の で 、 5 ‰以 下 は 淡 水 と み る こ と が で き よ う 。 こ れ に た い し て 海 水 は 35‰程 度 が 一 般 的 で あ る の で 、 35‰以 上 は 海 水 と み な し 得 る 。 従 っ て 、 両 者 の 問 の 値 は 、 感 潮 河 川 の 影 響 で 鍼 水 あ る い は 半 鍼 水 と な っ て い る も の と 考 え ら れ る 。
電 導 度 に つ ・ い て は 、 今 回 得 ら れ た 値 は 、 ス ケ ー ル ア ウ ト の 場 合 ・ 4 桁 の 値 の 場 合 ・ 3 桁 の 場 合 に 分 け ら れ る 。 海 水 そ の も の に 近 け れ ば ま ず ス ケ ー ル ア ウ ト す る と 考 え ら れ よ う 。 今 回 は 4 日 間 に わ た っ て 、 第 1 表 に 示 し た よ う な 結 果 が 得 ら れ た が 、 こ れ か ら 分 か っ た こ と は 次 の よ う な こ と で あ っ た 。
( 1 ) ア ン パ ル 内 に は 、 干 潮 時 に は 流 入 河 川 か ら の 水 が 主 に 流 れ て い る が 、 そ れ で も 満 潮 時
に 浸 水 し た 海 水 に よ る 影 響 は 極 め て 大 き い 。
( 2 ) ア ン パ ル 内 で も と く に 砂 州 に 近 い と こ ろ で は 塩 分 が 高 い よ う で あ る 。
O ) ア ン パ ル 周 辺 の 観 測 地 点 ま で も 感 潮 域 が 及 ん で い る と 思 わ れ る 。
( 4 ) 名 蔵 川 本 流 の 電 導 度 は 200∼ 300μS/ c mと 低 く 、 ア ン パ ル ヘ の 流 入 小 河 川 で も 400∼ 6卯 μS/ ㎝ 程 度 の 値 が 多 い が 、 浦 田 原 排 水 路 の み は 6000μS/ c m前 後 の 高 い 値 を 示 し た こ と も あ り 、 そ の 原 因 に つ い て は 、 名 蔵 に あ る 製 糖 工 場 か ら の 排 水 や 、 付 近 の 農 地 へ の 薬 品 散 布 な ど の 可 能 性 が 考 え ら れ る が 確 認 す る に は 至 っ て い な い 。
6.保全の問題
①名蔵アンパル干潟について
調査結果から総合的に判断すると、名董湾干 潟の堆積物は元来存在すると思われる黒灰色の
図 23 名 蔵 湾 ア ン パ ル 干 潟 と 周 辺 の 水 観 渕 地 点
表L石垣島名蔵アンパル干潟付近の水についての調査結果(L 994年6月)
地 点 日時
水温
℃
p H 電 導 度 25℃ μ
塩分
濃度‰
川幅 m
水深 Cm
流 速
m/ s
潮 位
A 名蔵小橋 22 14: 12 3 1 1卯 00以 上 18 ( □2 士 げ は じ め
23 10: I S 30. 3 フ , 17 10000以 上 22 0. 08 下げなか
● 24 15: 20
33j 7、 7り 100{ ) 0以 上 │フ 0. 02 上 げ は じ め
B アンパル奥 22 14: 47 10000以 上 35 上 げ は じ め C
浦閲京排水路先
22 14: 53 3S7 8, 15 6804 12( 目 6
」 1げ は じ め D 分流出介ロ 22 15: 07 36. 3 8. H 5040 H 0 2 上 げ は じ め E アンパル中央合流 21 16・ 00 ニ U 4 8 2 % 10 フ 上 げ お わ り
22 15j 7 92( ) 0 12 20 5 0, 21 上 げ は じ め
F 名蔵川・流人「│ 22 15・ 22 307 785 24加 10 35 0 5 七 げ は じ め
G 名蔵大橋 22 16・ 07 33 1 832 6177 12 卜 げ は じ め
23 10: 37 303 792 │卯 00以 上 20 005 下げなか
24 15: 25 34. 0 8. 25 │叩 卯 以 上 日 0, 02 ト げ は じ め
H 名蔵川・かんだ橋 22 16' 20 2り , 9 7 91 31り 9 30
0 1 5
11げ は じ め
23 10: 40 32. 2 フ . 37 3 1 7 り 0, 16 下げなか
24 15: 47 知 . 8 8. 05 630 4 0, 15 士 げ は じ め
I
名蔵西・小水路
22 16: 27 2り 、 9 712 473 8 1 5 10 . 1こ げ は じ め23 9: 55 26. 4 7』 0 451 10 0 , ( 日 下げなか
24 14: 55 節 , 9 7. 23 459 2 上 げ は じ め
J 浦田原・排水路 22 16‘ 2り 322 809 475 8 土 げ は じ め
23 10j 7 28. 0 7. 86 5890 12 0. 10 下げなか
24 15: 05 33. 4 8. 17 6192 6 0. 05 上 げ は じ め
K 浦 111原 一 無 名 搦 22 16: 34 3 1 2 7 6 「 630 り フ 60 11げ は じ め
23 10: H 27. 6 7. 56 599 9 11j げ な か
24 15: 10 3 L 5 7. 71 605 2 士 . げ は じ め
L 南姻・死に水 22 16: 42 31, 2 7. 34 38フ 9 上 げ は じ め
23 10: 15 29, 1 フ , 1今 405 8 下げなか
24 15: 15 33. 4 フ . 22 444 4 上 げ は じ め
M名 蔵 J I ド ト ウ レ 地 区 2415・ 57 28. 8 8、 02 221 5 上 げ は じ め
宮良川 24 14・ 加 如 , 4 772
-
0 0 1 4 干潮磯辺川
24 14: 43 36. 5 8, 94 384 00. 01
干潮
泥炭質細砂層を含む褐色砂層が主体を占め、と くに表層は茶褐色の砂層に覆われているところ が多い。これら表層堆積物はおそらく名蔵川を 主とした河川からの最近の流入によるもので、
このような状況は近年名蔵川流域からの土砂流 人が活発に生じていることを示唆している。マ ングローブ林域の年次変化を空中写真などから 判断すると、やや林域の拡大傾向も確認された。
このことは一見土砂の流入はマングローブの発 達に貢献しているようにも見えるが、将来の影 響については決して楽観できないと考える。過 大な土砂の流人が従来バランスを保っていたア ンパルの土地条件を根本的に変えて、千潟が水 はけの良い土砂の堆積によってマングローブの 衰退へと進む可能性もあり、今後注意深く見守 っていく必要があろう。
②宮良湾について
宮良湾については一言でいえば、瀕死のサン ゴ礁地区である。年々排出される宮良川や磯辺 川などからの流入土砂は紬粒分の多い赤土が多 く含まれ、湾内でも流れの滞留しやすい地点を 中心に沈積をくりかえし、大雨直後の干潮時に は泥田のようである。これらが通常の潮流と波 浪とによって次第に拡散し、浅海底に薄く覆い 礁原および礁油に相当する地域は、このような 細流物質によって生物相も非常に貧弱で、生き 残ったごく僅かなサンゴが見られるに過ぎない。 石垣島の沿岸でおそらく最もサンゴの棲みにく い地区であろう。いまさら手遅れの感も免れな いが、これ以上赤土の流入が増え続けないよう な対策を練り一日も早く実施しない限り、現状 から美しい海岸への回復は期待できそうにない。
参 考 文 献
藤 本 潔 ・ 大 貫 靖 池 ・ 盲 城 豊 彦 ( 1993) : 西 表 島 に お け る マ ン グ ロ ー ブ 林 の 立 地 形 成 過 程 と 相 対 的 海 水 準 変 動 . 国 府 田 佳 弘 編 『 マ ン グ ロ ー ブ 林 を 中 心 と し た 生 態 系 の 解 明 に 関 す る 研 究 平 成 4 年 度 調 査 研 究 報 告 j l ∼ 9
加 藤 祐 三 ・ 木 村 正 昭 ( 1983) : 沖 繩 県 石 垣 島 の い わ ゆ る 「 津 波 石 」 の 年 代 と 起 源 . 地 質 学 雑 誌 、 89、 485∼ 488.