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仁上幸治 2014c 帝京大学情報処理センター年報, 2013 情報メディアの活用

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(1)

情報メディアは作ってみればわかる

-メディアリテラシー指導のプロ教師を育てる授業の工夫-

Students Can Learn Media through Making Media; Methods and

Tactics for Media-Literacy Class in School Librarian Course

仁上幸治

NIKAMI Koji

Abstract: Among 5 classes of school librarian course, “Utilizing information media”

class has an important role of teaching students media literacy. I pointed 4 problems of

the students, such as (1) lack of real recognition of school librarians, (2) shortage of

motivation to become an ideal school librarian, (3) low level knowledge and skill as a

media specialist, (4) less opportunity to master presentation software.

Then I introduced 4 improvements such as (1) awareness of intention of designing and

creating media, (2) feeling of reality in the near future of 5 years later by assigning mock

presentation on extracurricular media class in front of school key persons, (3)

understanding media literacy though making actual library media, (4) each time

feedback questionnaire to improve class management for the next class. As a result of

improvements, students became more motivated and satisfied, and, in the final course

evaluation by students, they rated the class at 4.71 for 5.00 full score.

Keywords: school librarian, information literacy, media literacy, class management

はじめに

司書教諭課程科目 科目のうち全体の総論に相当する「学校経営と学校図書館」の授業報告

に続いて、本稿では各論 科目のひとつ「情報メディアの活用」について、過去 年(本学で

年)の授業担当の経験を集約し、学生による授業評価の数値と記述から授業改善の工夫と成果

をまとめた。

当科目受講学生の問題点として、 教職の実務イメージの不足、 理想の教師像を目指す意

欲の不足、 司書教諭というメディア専門職としての知識・技能の不足、 プレゼンテーションソフ

トの活用力不足、の 点を挙げ、授業改善の方法として、 メディアが意図的に設計・制作されて

いることを強く意識させる、 年後の自分を想定した模擬プレゼンテーションに向けて準備して

いくというタテ糸を通すことによって目的意識と緊張感を持たせる、 毎回一話完結式で各種の

メディアを作ってみることによって作られ方を理解させる、 授業ふりかえりアンケートの活用によ

って共に授業を作る意識を強める、の 点に取り組んだ。成果として授業評価アンケートの満足

度は と司書課程・司書教諭課程科目全般の中で特に高い評価が得られた。

(2)

現状と問題点

受講学生は、目的意識、学習意欲、知識・技能のどの面においても、司書教諭を担当するか

どうか以前に、教科担当教員として学校教育におけるメディア教育あるいはより広く情報リテラシ

ー教育を担えるレベルにはほど遠いと言わざるをえない。授業設計の前提となる問題点として、

「学校経営と学校図書館」報告論文で挙げた、 科目群の履修順序の崩れ、 学生の情報リテラ

シー(広義の情報活用力)の低さ、 レポート作成経験の乏しさ、の 点に加えて、当科目に関連

してさらに以下の 点を挙げる。

教職の実務イメージの不足

社会人基礎力の応用としての対教職員・管理者関連の組織内コミュニケーションの日常の実

務については想像力が及んでいない。

理想の教師像を目指す意欲の不足

教員採用試験の突破を目指す目的意識はあるが、どんな教師を目指すのかは曖昧である。

特に、情報リテラシー教育を担える教師像の意識は極めて希薄である。

司書教諭というメディア専門職としての知識・技能の不足

教職・司書教諭という専門資格を取得しようとする学生のほとんどが、メディアの生産・流通・保

存・利用に関する常識レベルの知識を基礎教養科目で教えられていない。

プレゼンテーションソフトの学習機会の不足

教職課程履修学生でさえ、 について効果的効率的な作成法を習得し応用する機

会がない。授業での指導だけでなく、会議や研究発表の場でも力不足である。

.授業改善の方法

授業設計上の工夫点として、「学校経営と学校図書館」報告論文で挙げた、 マルチメディア

教室の通年使用、 テキストより事例紹介、 冒頭のショート映像、 実践的な映像教材の採用、

基礎リテラシー向上のための反復応用、 授業参加度を加味した成績評価、 授業参加の雰

囲気づくり、 図書館利用の促進、 協働性の導入、の 点に加えて、当科目に関連したより実

践的な教材を用意し、さらに以下の 点を試みた。

メディアが意図的に設計・制作されていることを強く意識させる

初回の授業オリエンテーションでは、スタジオジブリ制作『耳をすませば』 のビデオ教材と絵コ

仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

(3)

ンテ とを対比させながら、カメラアングルによる人物同士の上下関係の表現など映像の文法を

解説することによって、映像が緻密な設計に基づいて制作されていることを理解させた。暮らし

や趣味の中で自分を表現するために必要な情報活用能力を、映画やドラマを観ながら演習形式

で楽しく学ばせるよう身近な実例を多数提供した 。

年後の自分を想定した模擬プレゼンテーションで緊張感を作る

近未来の自分自身に直結した知識・技能の習得への動機づけを強化するため課題発表の模

擬プレゼンテーションの状況設定として、5年後の自分が情報リテラシー教育の専門家として園

内・校内で児童・生徒・教職員から頼りにされる若手司書教諭となっている姿を想像し、情報リテ

ラシー教育カリキュラム委員会の委員として課外授業(自由参加)の企画をカリキュラム委員会の

会議で提案するという架空だがリアリティのある設定にした。模擬プレゼンテーション 分、質疑

応答 分、相互評価シート記入 分の合計 分の発表時間で 名の自発的立候補を促した。

メディアを作ってみることによって作られ方を理解させる

課外授業の企画書、宣伝ポスター、教員向けメルマガ、学内向け広報紙を作る中で、見出し

づけとレイアウトのコツを学ばせた。 教室で 応用編の即席講座とリハーサルを実

施し、終盤に模擬プレゼンテーションと相互評価、最終回に学習成果の自己評価 授業評価で

締めた。

授業ふりかえりアンケートの活用によって共に授業を作る意識を強める

学期内に一度だけ実施され学期末に集計結果が担当教員に配布される「授業評価アンケート」

ではその学期の授業の改善には役立たない。そこで、受講期間内の毎回の授業改善に直接役

立つ仕掛けとして「授業ふりかえりアンケート」を 年度から試行した 。

.成績と授業評価

シラバスに「成績評価方法は、出席( %)、レポート( %)、授業参加度( %)の総合評価」

と明記してある。成績評価と授業評価の内訳は表 と表 のとおりであった。

年度の初回授業では 名もいて教室内ほぼ満員であったが第 回からは激減して

名から 名で安定した。登録だけして一度も出席しなかった学生が 名、初回のみ出席 名、

第 回のみ出席 名であった。初回の授業オリエンテーションを聞いて辞退した学生が 名以

上いた計算である。

(4)

表 成績評価

年度 学期 履修者 合格者 成績平均値

秋学期

秋学期

秋学期

秋学期

秋学期

表 授業評価 ( 点満点)

評価項目/評価点 点 点 点 点 点 無回答 合計 有効 平均

学習成果自己評価

授業満足度評価

自主実施アンケートの結果は、 点満点で学習成果自己評価は 、授業満足度は と

司書課程・司書教諭課程科目全般の中で特に高い評価が得られた。アンケートの記述には、以

下のような記述が目立った(詳細は付録 、 、 参照)。

◎「大学時代の1科目でなくもっと価値ある授業だと感じた」「一番大変だった仁上先生の授業が一番気持ち的に もスキル的にも司書教諭に向けて向上させてくれた」「先生の授業の運営が好きなので、改善してほしいことは実 際ない」「同じ志を持った仲間であるという意識が沸き、意欲が沸くような授業デザインとなっていてとても良かっ た」「ほかの授業より楽しく、そして、私たち生徒が自主的に学ぶことができて、とてもよかった」「教師がいきなり学 生に質問をしたり、ジョークをとったりして笑いがあふれ、教室の中が明るい雰囲気になっていたのは素晴らしい と感じた。学生が発表するように促していて、学生も他の授業と比べて発言がしやすくよかった」

.授業改善の成果

将来の教育現場での実務的な場面を強く意識させ、より実践的な文書・教材・広報手段の実

習形式を取り入れた結果、大多数の受講生が最終発表後には自身の成長点を具体的に実感で

きるようになった。授業設計の方法を習得済の教職志望学生ならではのコメントが多かった。

教職の実務イメージの強化

対児童・生徒、対教職員・管理者関連の組織内コミュニケーションの実務について、課外授業

の宣伝や協力依頼、会議での模擬プレゼンテーションによって、自分自身の近未来に直結する

仕事として強く意識させることができた。

◎「一貫したストーリーのもとで授業全体が構成されていたことが良かった。また数年先の将来を想定した実践的 な授業であることも将来を予想でき良かった」「15回の授業がすべて「企画の承認を得ること」、というように明確 な目標に沿って行われていたため課題を必要な物として捉えることができ意欲的に取り組めた」

仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

(5)

理想の教師像を目指す意欲の向上

児童・生徒に楽しく学習させるには教師自身の情報リテラシーが試されること、職業としての教

師の責任とやりがいを深く理解させることができた。

◎「これを吸収しないで教師にはなれない!という意識で取り組むようにいつの間にかなっていた」

司書教諭というメディア専門職としての知識・技能の向上

図書館管理運営者として、見出しづけ、レイアウト、企画書、宣伝ポスター、メルマガ、広報紙

などの実作と相互評価によって必要な知識・技能を実感させることができた。

◎「何となく日常で見ているもの、読んでいるものは、見せられているのであり、読まされているのであることが分 かった。その点の理解をさまざまな作業活動の経験を積み重ねることによって体得することができた」「アニメや再 現 などを見ていると絵コンテが浮かぶようになり、作成者側に立ってみて改めてメディアとはつくられるもの である、ということを再認識した」

プレゼンテーションソフトの中級技能の獲得

大学生、教職課程履修学生、司書教諭課程履修学生として、 の効果的効率的な

作成法を実習形式で学ぶ機会を設けたことが予想以上の成長と満足を生み出した。

◎「 は今まで授業で作る機会があってもただの資料を合わせただけのものでしたが、見る側や聞く側 の視点に立って作成できるようになりました」「今までの自分だったら、人を魅了するようなプレゼンテーションを 行う自信がなかったが、この授業を受け、今は自信がある」

授業ふりかえりアンケートの毎回実施で信頼関係が強固に

建設的な書き込みを次回授業で取り上げて、さっそく目に見える形で授業運営を改善するよう

にした。学生のホンネの感想や要望を毎回の授業にリアルタイムで反映させることによって、アン

ケートへの回答姿勢だけでなく受講姿勢自体が前向きで積極的なものに見る見る変わっていっ

た 。

◎「授業中に授業の流れはこれでいいのか生徒に問いかけ、新しい意見が出れば過半数の賛成で取り入れて いくといった場面が 回見られ、自分の教えたいことを生徒にふさわしい形で伝えようとする熱意が伝わり、とて も良かった」

.残された課題

当「情報メディアの活用」科目の受講生を対象とする授業改善として、最終回授業での授業評

価討論や、授業ふりかえりアンケート、最終授業評価アンケート の中で出された主な要改善点

(6)

として以下の 点が挙げられる。今後の検討課題としたい。

課外授業企画書や絵コンテなどの参考例として前年度の制作物を紹介する。

レポート書式について初受講学生にもわかるよう詳しく説明する。

グループ討論が延長して本題解説の時間に食い込まないよう時間管理を徹底する。

グループ編成を固定化せず、男女、学年など異なる区分を取り入れる。

レポート講評の時間を確保する。

ポスター、メルマガ、広報紙、絵コンテなどの制作物を共有できるようにする。

のグラフの作り方も取り上げる。

おわりに

年度からの在職 年間を区切りに 年度末で退職することにした。司書課程・司書教

諭課程では、就職後に即戦力として活躍できる人材を送り出すべく授業で微力を尽くしてきたつ

もりである 。また、経済学部 年次配当の基礎演習(旧文章表現)を 年間担当し、ライティン

グ教育の難しさと面白さを経験できた 。しかし、その教育成果を目に見える形で人に伝えること

はなかなか難しいということを痛感している。

年度は春・秋各学期末試験期間後に司書教諭 回、司書 回、計 回の懇親会を設け

た。延 名の学生が参加してくれた。懇親会参加者から以下のお礼の言葉が届いた。

◎「本日の授業総括の会、大変盛り上がりましたね。ひとつの授業で、これだけ盛り上がれたことが、よい授業だ ったんだなと改めて実感する契機になりました」「自分も、この受講メンバーとは、繋がり続けて行けたら良いなと 考えます。四次会まで付き合って頂き、時間泥棒をしていた事を忘れ(反省しています)、ついつい楽しんでしま いました。次回もこういう夜のシンポジウムが出来る事を希望します」

退職に当たり、毎回アンケートのついでに学年末に各クラスで「退職記念アンケート」を実施し

た 。 名から回答があり、学生たちの率直な印象として以下の記述があった(付録 )。

◎「私が3年間受けてきた授業の中で最も洗練された素晴らしい授業」「似たような授業をやろうと努力している先 生は他にもいるものの仁上先生ほど洗練されていない」「ここまで生徒のことを考えて授業をしてくださったのは 仁上先生が初めて」「これほど真剣に学生と向き合う先生もそういない」「先生の授業で身に着けた能力は就職活 動でも役に立っている。学んでいなければグループディスカッションで黙り込んでいたなと想像してぞっとしてい る」「後半にいくにつれて授業が楽しくて仕方なくなって司書になりたい気持ちも強くなる一方でした」「最終授業 でグループ討論の際に全員が「こんな授業他にないね」と言っていたことが印象的」「一緒になって授業をつくっ 仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

(7)

ているということが感じられてすごく嬉しかった」

多少割り引いて受け止めるべきだとしても、思わず涙腺が緩みそうになる。教員側の努力を真

正面で受け止めてくれた学生たちに感謝の気持ちで一杯である。「怖い先生」という第一印象を

与えないよう初回の授業オリエンテーションではもっと優しく入ればよかったという後悔が残る。

在校生には全科目修了までしっかり勉強を続けてほしい。新年度から社会人になる卒業生に

は授業で学んだ情報リテラシーをフル活用して仕事で健闘されることを祈るばかりである。

本学での教育実践報告論文はこれが最後となる 。 年間の授業実践の貴重な機会をいただ

いた大学、そしてご助言ご支援ご協力いただいた教職員のみなさんに深く感謝を捧げたい。本

稿が本学の授業改善に多少とも貢献できれば望外の喜びである。ありがとうございました。

注・参考資料

( 確認: )

仁上幸治「情報リテラシー教育を担う小中学校教員をいかに養成するか-教職志望学生の徹底改造を目指 す司書教諭科目からの提言-」」『帝京大学総合教育センター論集』

『耳をすませば』 宮崎駿プロデュース・脚本・絵コンテ 近藤喜文監督 スタジオジブリ制作 柊あ おい原作 ジブリがいっぱい

宮崎駿脚本・絵コンテ『スタジオジブリ絵コンテ全集 :耳をすませば』徳間書店スタジオジブリ事業本部

映像教材の効用については本稿では紙幅がないので別稿に譲る。授業研究発表会資料「授業導入部におけ る動画の活用 興味を引きテーマへ誘導する工夫 」( ) 未定稿

) 授業ふりかえりアンケート(情報メディアの活用)

) 教務グループ主催の授業評価アンケートは 年度に従来の匿名式から実名式へと変更された。無責任な 暴言記述の抑制策は学生のホンネの吐露をも抑制する方向へ働くことが容易に想像できる。当科目の満足度は 自主アンケート結果の に対して教務グループによる授業評価アンケートでは とやや低い。しかし、昨

年度は実名式の自主アンケート に対して匿名式の教務アンケート と匿名式のほうが若干高い評 価になっていた。要は匿名・実名以前に信頼関係の問題が根底にあることが推測できる。

最終授業評価アンケート(情報メディアの活用)

仁上幸治「マルチメディアのフル活用による双方向授業の試み-スライドショー、映像教材、ファイル配布・提 出、アンケートの各システムを使い切る-」『帝京大学情報処理センター年報』

仁上幸治「情報リテラシー底上げ奮戦記-自習時間ほぼゼロ学生のための論文・プレゼン指導-」『帝京大学 総合教育センター論集』

) 仁上退職記念受講生最終アンケート

筆者の授業評価アンケートの集計結果と総括の報告書は以下で公開している。自著の論文記事の多くは全 文ダウンロードできる。仁上幸治ホームページ/授業評価:

(8)

付録 シラバス

(情報メディアの活用 年度秋学期)

情報メディ情報リテラシーの指導専門家になろう!

―情報メディアのフル活用による教育的サービスのための「超」実践的演習授業―

1.授業の内容( )

情報メディアの多様化は、個人の情報活用のあり方に大 きな変化をもたらした。特にパソコンとインターネットの普 及は、個人の情報活用の方法を大きく変化させた。こうし た情報環境下では、学校図書館にも各種情報メディアを 効果的に取り入れることが求められている。授業では、情 報メディアの全体像を俯瞰しつつ、その中でも特に、視聴 覚メディア、電子メディアに焦点を当て、その特性と利用 法について取り上げる。さらに、パソコンの実践的活用法 を習得するため、オンラインデータベースで検索し、その 結果を整理・加工し、発表用資料を作成するまでの各種 演習を用意する。また、情報の批判的読解や情報倫理な どの話題も取り上げながら、情報活用能力(情報リテラシ ー)、さらにはその教育的指導能力の増進を図る。

司書教諭になるためだけでなく、暮らしや趣味の中で自 分を表現するために必要な情報活用能力を、映画やドラ マを観ながら演習形式で楽しく学べる。本気で学ぶ覚悟 があれば、学期末には「情報の達人」になれる(はず)。

2.授業の到達目標( )

情報メディアに関する知識と技能(情報リテラシー)、およ び学校図書館における指導法の基本を習得することを目 標とする。

3.成績評価方法( )

・出席( %)、レポート( %)、授業参加度( %)の総 合評価。毎回、授業中に小レポートがあり、次回までの復 習レポートがあり、最後に最終課題レポートがある。

・初回・最終回を含む3分の2以上の出席と、課題レポート 全点提出が必須。出席やレポートに不正があった場合は 自動的に不合格とする。

4.テキスト・参考文献( ) 教科書はない。参考文献は随時紹介する。

5.授業時間外の学習《準備学習》( ) 毎回、学習内容の復習のため次回までの復習レポートが 課される。毎週1-2時間の自習時間の確保が履修の必 須条件である。次回授業中に自習成果のミニ発表と討論 を行うので充分な準備をして授業に臨むこと。

6.学生への要望・その他( )

学期開始時点で必ずこのシラバスをオンラインで再 確認すること。

2)第1回目のオリエンテーションは、授業の進め方や成 績評価方法の重要な説明があるので必ず出席すること。 やむをえず欠席する場合は事前に相談すること。事前相 談がなかった場合、第2回目以降の出席は認めない。

3)司書教諭としてだけでなく教科教諭としても役立つ実 践的な知識技能を主体的に習得する意欲ある学生を求め る。「とりあえず取っておく」的な動機で履修しないこと。

4)学習到達目標に掲げた専門的な知識・技能・姿勢を 実質的に身に着けるため、文献調査・レポート作成・発表・ 討論を徹底的に反復練習する。積極的な授業参加が求 められる。

5)相乗り科目での履修者は、司書教諭志望者と同等の 課題をこなす覚悟が必要。配当年次どおりの基礎知識が 前提となるので、安易な気持ちで履修しないこと。

6)パソコン、メール、ウェブ、ワープロソフトについて初 級以上の知識・技能が必須。

7)授業中は私語、読書、ケータイ等の行為は一切禁止。 違反者は即刻履修無効とする。

8)コミュニケーション力向上のためグループ討論と個人 発表を行うので、学期中3回以上の挙手発言が単位取得 の必須条件。発言する意思のない学生は履修しないこと。 9)特別な理由による欠席(就職活動・教育実習)は必ず 事前に欠席届を提出すること。教育実習による長期欠席 には、代替策として「特別レポート」を課する。

7.授業の計画( )

【第1回】 授業オリエンテーション

【第2回】 見出しを付ける

【第3回】 課外授業の企画書を作る

【第4回】 レイアウトする・ポスターを作る

【第5回】 メルマガを作る

【第6回】 広報紙を作る

【第7回】 スライドショー作成演習

【第8回】 プレゼンテーションのリハーサル

【第9回】 リハーサル

【第 回】 ビデオ教材を作る(1):企画書

【第 回】 ビデオ教材を作る(2): 絵コンテ

【第 回】 リハーサル と相互評価

【第 回】 リハーサル

【第 回】 課題発表(模擬プレゼンテーション・相互評 価・質疑応答)

【第 回】 まとめ 学習成果の自己評価 授業評価

*授業計画は学習状況によって変更することがある。 仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

(9)

付録 授業計画

表 授業計画表

(情報メディアの活用 年度秋学期)

テーマ 見出し ビデオ ビデオ 提示物 復習レポート

授業オリエン テーション

情報リテラシーの指導専門家を育てる授業

―生徒・同僚教員・上司に信頼される能力・ 意欲・姿勢を今から身に着けよう!―

宮崎駿絵コン テ『耳をすませ ば』

カメ:よじ登り

『スタジオジブリ 絵コンテ全集』

〈10〉

身の回り の情報メ ディア

見出しを付け る

メディアは見出しで勝負する―自分が作っ てみることでメディアの意図を見抜けるよう になろう―

原恵一「河童 のクゥと夏休 み」

新聞投書「大げ さ見出し、週刊 誌やめて」

使える見 出し探し

課外授業の企 画書を作る

情報リテラシー教育への応用をめざそう―メ ディアについての教え方を考えて伝えること で学習成果の集大成をみせる―

全国 「学び 方の指導体系 表」

課外授業 の企画書 づくり

レイアウトする

目を惹き読ませるビジュアルデザインを!

―メディア上での視線コントロール技術―

レイアウトの型 見本集

授業ポス ター作り

メルマガを作 る

読み捨て自由のお手軽メディアで宣伝を!

―テキストベースで情報を伝えるコツ―

メルマガ見本集 メルマガ 作り

広報紙を作る

紙メディアに結果報告記事を!―広報紙上 の報告は次への宣伝―

早大学院図書室 広報紙

広報紙作

発表準備( 実習

発表準備は計画的に!―模擬プレゼンテ ーション用のスライドショーを作ってみよう―

『情報の達人』

「準備」

伝える技術

スライドと 進行表

プレゼンテー ションに臨む

プレゼンは技能+度胸!―基本に忠実 に、備えあれば憂いなし―

『情報の達人』

「当日心得

早大学院オリ エンビデオ

リハーサ ル準備

発表リハーサ ル ( 実習

話の転換点を聞き手に明確に伝える!― 区切り、メリハリ、強弱、緩急を意識的に―

「サプリ」 フジ テレビ

戸田覚『プレゼ ンの極意を盗 め 』

リハのフィ ードバック

発表リハーサ ル

リハーサル結果から最終改善点を箇条書き に!―指摘された要改善点を本番プレゼン 準備に活かし切るために―

リハのフィ ードバック

ビデオ教材を 作る(1): 企 画書

授業に映像教材を!―講義と実習に動画 を取り入れよう―

『ズッコケ三人 組の図書館活 用大作戦』

法政大学学生 制作ビデオ「図 書館殺人事件」

『情報の達人』

(仮題)企画案

ビデオ教 材企画書

ビデオ教材を 作る(): 絵 コンテ

映像教材の設計図を作る―興味を引く教材 は飽きさせないプレゼンと相似―

押井守「スカ イ・クロラ」

カンファレ ンス「アル・ゴ ア」

押井守『スカイ・ クロラ絵コンテ』

絵コンテ 作り

発表(1)-模 擬プレゼンか ら学ぶ-

準備万端で当日に臨み、要改善点を確認し よう!―発表後の質疑応答と相互評価は貴 重な反省材料―

発表相互評価シ ート

相互評価 アンケート 回答・総括

発表(2)-発 表者総括から 学ぶ-

相互評価結果を次への糧にしよう!―高評 価・低評価の項目を確認することが成長の鍵―

仁上「学校経営 と学校図書館」 論文

相互評価 アンケート 回答・総括

授業評価

情報メディア指導のプロ教師を育てる授業 の条件

佐々木圭一『伝 え方が9割』

授業評価 アンケート

(10)

付録 学習成果自己評価

図1.学習成果自己評価

(満足度平均 点)

学習成果自己評価記述

(原文のママ)

*******************************************

.自分の成長度を 点満点で評価すると何点ですか 点 名、 点 名、平均 点

その理由をひと言で表現すると 点

・社会に出てからの情報リテラシーが身についた。

・仲間と一緒に活動を楽しみながら学ぶことができた。

・自分に必要な能力の向上につながった

・自分に自信を持つことができたから

・発表に対する技能、意欲が向上したから

.自分の成長度を点満点で評価すると何点ですか

.この科目のテーマについての知識と技能は全般に向上しま …

.意欲的かつ積極的に出席し授業参加できましたか

.授業中に集中して学べましたか

.復習の課題レポートに積極的に取り組みましたか

.復習の課題レポートに週 分以上をかけることができまし …

級友に困っている人がいたとき自分から積極的に助けまし …

クラス全体の状況を見て授業進行に積極的に協力できまし …

.授業中の討論を盛り上げる努力を積極的にしましたか

.発言・発表に積極的に取り組みましたか

.自ら主体的に学ぶ意欲が向上しましたか

.知識共有の協働意識が向上しましたか

.専門職のありかたについての認識が得られましたか

.情報リテラシー教育と図書館利用教育の重要性を理解し …

.新しい知識や技術あるいは理論や考え方を習得できまし …

.問題意識や関心が深まりましたか

.授業外の自分の学習・研究に役立てましたか

履修前に司書(司書教諭)になりたいと思っていましたか

履修後に司書(司書教諭)になりたいと思うようになりまし …

この科目を履修して良かったと思いますか 仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

(11)

・自分から手を挙げて発言する頻度が増えた。

・プレゼンの準備から発表まで、はじめて経験することが 多かったから。

・毎回の授業で吸収できたことがたくさんあったから。 点

・積極性に欠けた点

・教壇に立って発表ができなかった。

・パワポの使い方、文書の作成の仕方などを習得できた。

・情報メディアを通じて自信がついた

・人前に出て話す楽しさを実感した。

・今まで自分になかった知識や姿勢、経験がかなり身につ いたから

・プレゼンの能力が上がった。

・授業中の取り組みはよくできたメーリスの投稿などに積極 性が欠けた。

・日々の生活から広い視野を持つ!

この授業を受けて自分が大きく成長した点 点

・この授業を通じて、情報リテラシーを身につけることがで きた。特に、 力と 力については、この授 業を受ける前に比べて格段にあがった。また、プレゼンテ ーション能力についてもかなりついたと考える。今までの 自分だったら、人を魅了するようなプレゼンテーションを行 う自信がなかったが、この授業を受け、今は自信がある。 しかし、改善点は多くある。それは、これから改善していき たい。

・社会に対するものの見方・考え方の視野が広がった。何 となく日常で見ているもの、読んでいるものは、見せられ ているのであり、読まされているのであることが分かった。 情報の見せ方、読ませ方はつくり手の緻密な意図によっ てコントロールされている。その点の理解をさまざまな作 業活動の経験を積み重ねることによって体得することがで きた。

・私は情報メディアというものを活用することがなく日々の 生活をこなしていた。しかしこの授業を受けて情報メディア の活用の仕方を学んだことによって、生活の様々な場面 で情報メディアを活用する機会が増えました。

・自分が大きく成長した点として、自分自身の情報リテラシ ーの習得を挙げたいです。私自身、もともと情報活用能力 が低かったのですが、この授業を受けて、自分から情報を 発信しながら、たくさんの知識や技能を学べました。

・この授業を受け、 のスライドをどのように作っ ていくかという基本的な方法やコツを学び、わかりやすく 他者に自分の考えを伝えていく力や、様々なメディアを活 用していくという知識・技能の点や度胸や発表に対する意 欲というような気持ちの面でも大きく成長することが出来た。

・日常生活において、電車や電柱に貼られてあるポスター、 頻繁に送られてくる新星堂からのメールマガジン、新聞の レイアウトなど、広告媒体にはある程度の意識を働かせる ようになった。例えばポスターのキャッチコピー見出し、 イラスト、レイアウトのそれぞれの配置方法を見つけ出そう としているのである。見出しはインパクトあるか、イラストは 文字と重なって窮屈になってはいないか、詳細事項は底 上げされているか、他にどのような記載方法があるのかな どの様々な要素を総合して結果的に大衆にとって関心を 引き付けていることに成功しているのを判断する。他にも アニメや再現 などを見ていると絵コンテが浮かぶよう になり、作成者側に立ってみて改めてメディアとはつくら れるものである、ということを再認識した。

・課外授業企画をプレゼンするという目標へ向かう過程で、 の使い方やポスター、メルマガなどのアイディアの幅の

拡大など、得られるものが多くありました。

・授業内のグループ活動や発表、討論を通して、自分に は思いつかなかった意見やアイディアを得ることができ、 それをもとにしてさらにレポート内容やスライドの構成が良 くなったと思う。また、グループ討論を重ねるうちに討論の 質が上がってきたように感じた。他の学生の意見を聞くだ けでなく、自分の中にどのように取り入れることができるか ということを考えながら行うことができるようになった。

・この授業を受けて一番ためになったことは、パワーポイ ントの使い方や キー、 キーの活用法を実践的に 学び、身につけることができたという点である。これからも この知識は繰り返し使用していきたい。また、図書館を利 用することが多くなり、特に卒業論文を書くときには、雑誌 や論文などを探しにいくようになりました。論文を多く活用 したので、作成にとても助かりました。

・私が大きく成長した点は、様々ある。パソコン技術、発言 力、プレゼン能力、そして、友と学ぶこと。今回の授業で、 今後役立つことばかり学び、そして成長したと私は考える。 図書館のことを学ぶ時間は少なかったが、逆に、友と助け 合い、司書教諭として、情報リテラシーが向上した。毎回 の授業で、新たな視点を学び、視野が広がった。

・もともとパソコンが得意ではなく課題も一回一回が手さぐ り状態でした。しかし諦めずに試行錯誤することで考える 力や基礎的なパワーポイント・ワードの技術が向上したと 思っている。また、初めて話す人とでも積極的に自分の意 見を発表したり相手の意見を聞くことができるようになった。

・情報メディアについて様々なことが学べた。そのなかで も、ポスターや広報誌などの技術を身につけることができ た。基本に忠実にやること、慣れてきてから応用し自分の 個性を出していくということができるようになった。発表を することは怖いことではなく、自分の成長につながるという こと。少しだけど自信が持てるようになった。

・自分が考えたことを毎回の課題でしっかりと説明すること で自然と他者の発表も積極的に聞くことができるようにな った。今まであまり他人の発表に対して集中して聞く姿勢 ができていなかったので大きく成長できた点だと思う。ま た、挙手をする、発表するといった授業自体にも積極性を 出すことができるようになっていった。

・自分が大きく成長したのは情報メディアに関する知識、 プレゼンとは何か、 リテラシー能力、積極的な姿勢、誰 かに聞かず自分ひとりで判断する等の部分。特に印象的 だったのが”プレゼンはただ相手に説明するための方法 ではなく相手に「 」と言わせるための方法だ”という言 葉だ。この言葉を聞いて以降自分が実行したプレゼンで は比較的良い評価をもらえるようになった。

・最も大きく成長した点はプレゼンテーションソフトの使い 方である。まともに扱ったことが初めてだったので大きく成 長した。また、プレゼンのやり方、時間管理、発表時に注 意するべきことなど多くのことを学ぶことができた。

・この授業を受け、変わった部分は全てと言っても過言で はないが、技術的な面から言えばパワーポイントの制作ス ピードの向上、広報資料の制作スキルが上がった。気持 ちの面では新しい内容が始まるたびに、これを吸収しない で教師にはなれない!という意識で取り組むようにいつの 間にかなっていた。

・ 番はパソコンのスキルの成長です。 は今ま で授業で作る機会があってもただの資料を合わせただけ のものでしたが、見る側や聞く側の視点に立って作成でき るようになりました。プレゼン、ポスター、視覚的な印象を 与えることも重要だと気づきました。

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付録 授業評価

図 .授業評価

(満足度平均 点)

授業評価記述

( 年 月実施)

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.授業の評価を 点満点で採点すると何点ですか 点 名、 点 名、平均 点

その理由をひと言で表現すると 点

・わたしの問題意識を大切にした授業づくり

・緊張と楽しさの均衡の取れた授業

・実習形式でやりながら学べるスタイルが良かったから

・実習方式で つひとつ丁寧に学べたから

・メディアの有用性を常に強調してきたから

・実用的な知識・技術を学べたから。

・知識面だけでなく、技術面も学べた点

・わかりやすく、疑問点が残ってない。

・けじめがあり、学習環境が整っている。

・一つ一つの内容が充実していた。

・最後のビデオの部分が中途半端だと感じた。

・生徒の意見を柔軟に取り入れていて受けやすい授業 点

・内容が充実しており、とても将来に役立つと考える。

・目標が明確でとりくみやすかったから。

・集中できる環境・課題があった。

・学習内容が充実していてよかった。

・実践的な学習が多かったのでパソコンスキルはもちろん、 実際の授業やプレゼンで自分の資料を提示するところを イメージすることができました。毎回違うグループで話し合 いをしてので半年の間にクラスメイトのことを知ることもでき て、友達からアイディアを学ぶこともできました。 仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

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.授業の内容や運営でよかったこと 点

・さまざまな人と仲良く楽しく学習できたことが大きい。15 回を通じて絆を深めることができた。他者なしにこの学び はなかった。私が作ったものと他が作ったものとのはざま から新たな問題意識が生まれた。みんなに感謝したい。ま た、その場をデザインしている仁上先生の授業デザインを まねしていきたい。

・私はこの授業の最初の頃は情報メディアを扱う機会が少 なかったので授業内容が難しく授業内容を理解するのが 難しかったが。毎回の課題レポートでその日の授業を復 讐することができたのでとても分かりやすかったのがよか ったです。

・授業の進み方が、一回一回内容や目的が変わって、と ても分かりやすく、伝わりやすかったです。ただ、ずらずら 続けるのではなく時間や日にちを分けて、計算尽くされて いる授業でした。

・実際にパソコン教室を用いて つひとつ丁寧に教えて下 さったことや、実習形式で様々なメディアの実用方法を作 りながら学んでいったが、その成果を発表や毎回のグル ープワークにおいて他者と共有しながら学び合うことがで き、同じ志を持った仲間であるという意識が沸き、意欲が 沸くような授業デザインとなっていてとても良かったです。

・ この授業は実際的に即した技術の活用を推進し、それ を段階的に計画していたことで分かり易かった。例えば、 最初は見出しについて考察し、次にポスターの構造に移 り、見出しの効果を最大限に発揮できるように工夫させつ つも、実際の本物を意識的に観るように促す。前回の事を 踏まえながら次なる課題へと進むことができるのである。 プレゼンテーションの準備も最低条件は徹底させたため に学生の情報リテラシーのレベルが向上したと思われる。 将来的に絶対使用することになるパワーポイントの使い方 を教えてもらえたことで二回に渡って行われたプレゼンテ ーションにリアリティを与えることができ、発表者の能力の みならず、聴衆の評価の目も養われたと思われる。

・良かったことは、レポートが出すだけで終わらない課題 だったことです。他の授業ではレポートは先生に提出して 終わりですが、この授業ではレポートをもとに次回の授業 が展開されるということで、課題を行う意義を見出すことが できました。

・学校経営と学校図書館の授業も受けていたのですが、ミ ニレポート(今回は少なかったのですが・・)を授業中に書 き、その日に提出できていたので、改善されているなと思 いました。これからもぜひ続けてください。

・討論が多く、教師は受け身の姿勢であったため、ほかの 授業より楽しく、そして、私たち生徒が自主的に学ぶことが できて、とてもよかった。また、疑問点がある場合、すぐに 返答していただき、その場で解決したので、授業がスムー ズに理解できた。課題では、授業の復習ができより一層理 解度が植えて良かった。

・授業は、盛り上がるところは盛り上がっていたし、静かに 話を聞くときはとても静かで聞きやすかった。授業全体に けじめがあり、学習環境が整っていたと思う。

・実習的な授業だったこと。クラスの人たちとの討論の時 間があったり、課題発表し指摘や助言などで自分の弱点 に気付ける。なにか言ってもらえることの嬉しさと、逆に友 達の発表で何かを気付いて指摘すること。そういったクラ スでの討論がとてもよかった。また、スライド作りでみんな で一斉にパソコンで実習できたのがよかった。

・毎回学ぶ分野は違うが、一貫したストーリーのもとで授業 全体が構成されていたことが良かった。また数年先の将 来を想定した実践的な授業であることも将来を予想でき良 かった。

・授業中に授業の流れはこれでいいのか生徒に問いかけ、 新しい意見が出れば過半数の賛成で取り入れていくとい った場面が 回見られ、自分の教えたいことを生徒にふ さわしい形で伝えようとする熱意が伝わり、とても良かった。

・プレゼンテーションの練習がとても充実していて、何度も 繰り返し、練習できたため、自信をもってプレゼンテーショ ンに取り組むことができた。また、ポスター作りやメルマガ 作りなど実践的な学習が多く、ためになることが多かった。 とてもよかった。

・大きな目的のために、小さなスキルを積み重ねるという 全体の授業設定のやりかたも、教員を目指すうえで参考 になりました。

・15回の授業がすべて「企画の承認を得ること」、というよ うに明確な目標に沿って行われていたため課題を必要な 物として捉えることができ意欲的に取り組めた。教員側の 働きかけで講義をただ受けているという風にはならず、履 修者全員で授業を受けることができた。

・課題レポートのグループ討論等で他の人の考え方等が 聞けた部分はよかった。また教師がいきなり学生に質問を したり、ジョークをとったりして笑いがあふれ、教室の中が 明るい雰囲気になっていたのは素晴らしいと感じた。笑い があることで学生は特に自分は記憶に残りやすく、ほか の授業でも本授業で学んだことを思いだし、活用すること ができた。学生が発表するように促していて、学生も他の 授業と比べて発言がしやすくよかった。

・この授業では自分が司書教諭になった時のプレゼンの 仕方を軸に行っていて、最終プレゼンに至るまでに、ポス ターやメルマガ、広報の仕方を学習していて、全てが 本 で繋がっていたので、イメージしやすかったです。クラスメ イトがどんなふうなことをやっているかも共有できた点が学 びに繋がりました。

.授業の内容や運営で改善してほしいことなど 点

・最初の段階で課外授業について見通しが持ちにくかっ た。昨年度の学生の例などに出合えると具体的にイメージ をもつことができた。課外授業の内容に関する問題意識を もっと強く持てるようにしてほしい。

・毎回の課題レポートの内容を小グループで話し合い、お 互いの意見を聞きあいながら自分の学習を深めていくの は大事なのだが、話し合いの授業が長いのでその授業の 本題に入るのが遅くなってしまったのでもう少し長くその 授業の内容を扱いたかったなと思います。

・私はこの授業が仁上先生の初授業だったので、第一回 目のレポートのフォーマットの作り方を解説してほしかった です。友達に2段組みの方法を聞いていなかったら、私も スペースキーを使っていたと思います。次回、改善できた らお願い致します。

・人数の関係上、グループ編成が似たようになってしまうこ とが多く、新鮮味が欠けてしまうことがあったので、男女で 分ける、学年で分けるなどの特別な回があっても良いので はないかと思いました。また、私個人は全員の発表を聞い てみたかったので、プレゼンの時間を半分にし、全員が発 表する方式にするということも面白いのではないかと感じ ました。

・ 「学校経営と学校図書館」に見られたレポート講評が少 なかったように思われる。スケジュールがただでさえいっ ぱいの状態だったので、授業の最後に 、 分程度の時 間を取り、全体として気になった部分を注意するなどとい ったことをしてみれば良いとおもう。他には、発表の機会 を多くして欲しいということ。各自作成したポスターを全員 発表出来た回があったが、メルマガや広報紙、絵コンテな

(14)

仁上幸治「情報メディアは作ってみればわかる」

どの時にも実施できれば、グループメンバーのみならず、 全員と共有できる。しかしそれでは主体性・積極性が問え ない、という問題が出てくるが、あえて順番をきめないこと で、「次こそは自分だ」という意識を芽生えさせることになり、 結果的に自主的になっていると思うのである。

・授業内で同じような意見が出たのですが、絵コンテだけ でなく、学生が作ったメルマガやポスターなども例として 見ることができればもっとよかったと思いました。一般的に 作られているようなものはレベルがとても高いので学生が 作ったものを見せてもらえればと思いました。

・授業では課外授業の模擬授業説明に先立ち、スライドや 進行表の作成の際、パワーポイントの使い方について学 ぶことができ、よかったと感じている。なので、もう少し、実 践的な活動を増やしてもいいのかなと思いました。授業回 数が15回なので、授業進行状況や授業内容にもよります が、15回中4回ぐらい、パワーポイントの使い方を学ぶよう に、他にもエクセルのグラフの作り方などを学ぶような実 践的に学ぶことができる機会があればいいのではないか と思います。

・私は、先生の授業の運営が好きなので、改善してほしい ことは実際ない。人数も、厳しくすることで抑えられ、グル ープ討論がしやすく、また、友のやる気が伝わり、自分自 身が成長できるよい環境であると私は考える。

・今回の情報メディアの活用は「学級経営と学校図書館」 の授業に比べて映像資料が少ないように感じた。私は仁 上先生が準備してくださるビデオを毎週とても楽しみにし ていたので、ビデオを視聴する機会がもっとあるとさらに 授業に引き込まれたと思う。

・毎回の課題の情報がもう少しほしかった。絵コンテやポ スター、広報紙などでは、プロの見本だけではなくて、学 生が描いたものや一般の人が描いたものなどもあったほう がよかったので改善してほしい。

・プリントの頭に次週までにやってくることのまとめがほし い。課題レポートの部分だけを読んでしまい、他の論文を 読んでくるなどは、授業で言われていてもすっかり忘れて しまい、課題レポートの部分以外を読まないので完全に頭 から抜け落ちてしまったことが多かった。

・授業中の発表でもあったが、ラフ画を作成する際に宮崎 駿やプロのラフ画を見せられ、これを真似しようと言われ た時、絵にあまり自信のない私は絶望しました。メールマ ガジンや広告作成の時のように先生、もしくは過去の生徒 の作品を見せてもらえれば自分でもできると前向きに取り 組めていた。

・改善点としては、絵コンテの際にジブリのプロの作品だ けではなく、前回の受講した学生の作品などを取り入れ、 絵の苦手な学生にも取り組みやすいに内容にすることが 重要である。

・発表セットの毎度の提出が少し引っ掛かりました。

・15回の授業ではできなかったが、ビデオの絵コンテまで 作ったのだから映像作品を作ってみたかったと思う。今回 の履修者たちで何かひとつ映像作品を残し、将来の宝物 にしたかった。大学時代の1科目でなくも っと価値ある授 業だと感じたので今思っていることを忘れないためにも映 像として残しておきたかった。

・ときどき教師のいっていることやわからなかったり、配布 資料に記載されている内容と発言している内容が違ったり して学生が混乱したことが複数あったのでその部分は改 善してほしい。また、レポート書式見本等の具体例に記載 されている内容が私にはごちゃごちゃしているように感じ てわかりづらかった。学生が実際に作った課題等を例とし て提示したほうがわかりやすいのではないかと感じる。そ して課題レポートや復習レポート等似た言葉が本講義で

は出てきて、私は本授業が仁上先生を見る初めての授業 で「この配布資料の言葉の意味がわからないので教えて いただきたいのですが」と聞いたが「そんなの自分で考え ろ」と言われかなりショックだった。もう少し質問に答えてい ただきたいと感じた。

・私はパソコンスキルが低く の機能など分からないこ とがたくさんありました。課題レポートの作成の仕方が初め はよく分からなかったので、例を見せたりしてほしいです。 その他、図書館課程全体に関する感想・要望など 自由に書いてください。

・図書館課程の授業は、どれも楽しかった!また、材が魅 力的であったため自分なりの楽しさを創造しながら学習に 取り組むこ とが でき た 。これ からに おお いに活かせ る知 識・技能を活用しながら習得することができた。

・4年生で司書教諭の資格を取ることを決め、春から履修 し始めましたが、司書教諭以外にもたくさんのことを学ぶこ とができました。もう少し早い段階で履修すればよかったと 後悔しています。今回のクラスは、皆協調性があり、1年間 充実し、楽しく学習することができました。学んだことを忘 れず、これから自分の教職生活に活かしていきたい。

・図書館過程を今期で全部取り終えたが五教科すべてで 違う知識が身に付きとてもよかった。司書教諭を希望しな くても、必要な知識が図書館過程全体にあり、大きく成長 することができた。とくに先生の二科目は私の中で、印象 にのこり、また、成長できたと実感できる。

・授業で良かったことは、少人数の楽しいクラスだったの で、最初は緊張しましたが、だんだんみんなや先生と仲良 くなれてとても楽しい時間でした。他の図書館課程の授業 でもお世話になるので、また、よろしくお願い致します。あ りがとうございました。

・一年間お世話になりました!仁上先生をはじめとして、 司書教諭課程の先生方は学生のことをしっかりと考え、受 け止めた上で授業をデザインされているのでレポートや 提出物に追われ大変だと感じることはありましたが、とても 楽しく、そして実感のある学びができたと思います。 年か ら急遽取り始めた司書教諭課程なのですが、今ではこの 課程で学んでよかったと心から思います。

・一年間ありがとうございました。先生の授業を受けられて 本当によかったです。司書教諭に限った能力ではないも のを身につけられました。

・今期で図書館課程の授業は全て取り終えたが、一番大 変だった仁上先生の授業が一番気持ち的にも、スキル的 にも司書教諭に向けて向上させてくれたのではないかな と思った。感謝したい。

・春学期から 年を通して、いい勉強をさせてもらいました。 受講してよかったです。ありがとうございました。

・半年間ありがとうございました。最初はついていけるのか とても不安でしたが、終わってみたら達成感でいっぱいで す。毎回の課題は少し大変なこともあったし、正直投げ出 したくなったときもありました。でも、クラスの人たちの優し さ、授業中の雰囲気などほかの授業ではなかったなーと 思いました。なんだかんだとても楽しかったし、自信もつ いたし先生の授業を受けてよかったです。ありがとうござ いました!!!

・本授業を通して、今後も司書教諭免許を取得したい気持 ちがさらに強まった。さらに本授業を通して学校図書館に 対してのイメージが以前より激変した。今後は本授業で学 んだことをほかの授業でも積極的に活用してきたいと感じ た。ほかの授業でも活用したいと思うほど本授業では様々 な内容を学んだ。

(15)

・司書教諭課程も後 つで終わるので頑張って取得した い。課程全体に関することだが、司書教諭過程は小学校 の先生を目指す方(初等教育)がほとんどで、中高免許取 得者が少ないのはなぜかと感じた。この課程を史学科の 教職を受けている人に話しても全く話が通じず、司書課程 と誤解されるなど中高免許取得者に対する宣伝が足りな いのではないかと感じた。

・司書教諭は図書館の管理をするくらいのイメージだった のですが、授業で司書教諭について学習していくうちに その学校にいるのといないのでは大きく違うと感じました。 仁上先生が以前いた学校の図書館をみると工夫一つで 魅力的な学校図書館になると思いました。図書館と他の 教科で連携することで子どもにとって楽しい、面白い、興 味がわく学習になると感じました。

付録 退職記念アンケート

( 年 月実施。回答数 )

*************************

出会った頃の第一印象を一言でいうと?

・厳しそうな先生(大多数)

・優しそうな先生(少数)

・面白そうな先生(少数)

・悪巧みが上手そう めんどくさそう 元気な人情熱的初 めて見るタイプ 大変な先生に会ってしまった 理路整然 すごいハキハキしている 教育熱心生真面目他

今振り返ると、あなたにとって、どんなセンセでした か?

●司書課程

・これほど真剣に学生と向き合う先生もそういないように思 います。少なくとも僕が今まで受けてきた授業を担当する どの先生よりも、です。

・最初はとても戸惑いました。しかし、慣れていくと、戸惑う だけだった授業が楽しいと思えるようになりました。

・最初に動画を流すのは他の図書の授業でもありましたが、 レパートリーが幅広く、ドラマであったりアニメであったりC Mであったりとさまざまなところに図書館が関係しているの だという事を知ることがでた。今ではCMやドラマを見ると

「おっここに図書館が出てる!」と思うようになった。

・就職活動中にグループディスカッションがあったのです が、図書館課程では毎回取り組んでいたことなので、凄く 役立っています。

・新学期が始まり、図書館課程の授業も始まりました。他の 先生方も素晴らしい方がたくさんいますが、仁上先生の授 業がないと何となく締まらない気がします。毎回レポートを 書く課題、すごく大変でしたがなくなってみるとさびしい!

・後半にいくにつれて授業が楽しくて仕方なくなって、司 書になりたい気持ちも強くなる一方でした。義務教育以来 のしっかりとした授業を受けられて、大変幸福に思います。

・授業、と聞いて浮かぶのは先生の飼っている亀が図鑑を じっと見ている画像が真っ先に浮かびます。

・ここまで生徒のことを考えて授業をしてくださったのは仁 上先生が初めてでした。質問がしやすかったり、意見が言 いやすかったりと、とても助かりました。

・一人一人をきちんとみて、向かい合った授業をしてくださ る先生でした。新しい授業が始まり特に感じたことは、仁 上先生は生徒がわからないというところに必ず気付いてく れると思いました。

・先生の授業のお蔭でゼミの論文も無事に完成することが できました。

・先生の授業は他の図書館学の先生より授業内容が濃く さまざまな知識を得ることができた 。また、図書館学以外 のレポートの書き方・書式等を教わり大学生活を送る上で 必要な知識を得ることができ、とても充実していた授業だ と思った。

・学生の意見を積極的に取り入れて授業をよくしようとして いるのが伝わってきました。

・私が3年間受けてきた授業の中で最も洗練された素晴ら

しい授業。毎回授業振り返りアンケートがあり、意見や感 想を言える場が用意されていました。これは非常に良いと 思いました。また、アンケートで出た意見に次の授業で回 答する場面もあり、毎回意見を読んで下さっていることが 伝わってきましたし、授業がすぐに改善されていく点も良 い。

・とにかく授業を良くするために努力を惜しまない方、とい う印象です。私は大学に入ってまだ 年ですが、先生ほど まめな先生はいらっしゃらないと思います。

・最終授業でグループ討論の際に、グループの全員が「こ んな授業他にないね。」と言っていたことが印象的でした。

・授業にやる気のある先生で、私たちの授業のやる気も上 げてくれた先生だった。

・最初は厳しい先生だと思いましたが、他の先生とは違い とにかく内容が濃くて最後の方はとても楽しかったです。

・「この人は、本当に本気で生徒と向き合おうとしているん だ」と感じるようになりました。

・先生の授業で身に着けた能力は就職活動でも役に立っ ています。司書課程を受講してるときは就職活動を意識し ていたわけではありませんが、学んでいなければグルー プディスカッションで黙り込んでいたなと想像してぞっとし ています。

●司書教諭課程

・本当にいい授業でした。様々な内容を毎週毎週課題とし て提出して、プレゼンテーションすることで自分が司書教 諭になった感覚にされました。また自分はあまり人前では しゃべるタイプではないのですが、最後のプレゼンテーシ ョンを自分から立候補できて、変われた気がしました。

・「学校経営と学校図書館」と「情報メディアの活用」ほど充 実感のある授業はありませんでした。

・「教師は毎日プレゼンテーションだ」という言葉がとても印 象に残っています。先生の授業も毎回学生の反応や進度 によって細かく変化しており、学期末の振り返りをしっかり と受け止めてまとめてくださり、一緒になって授業をつくっ ているということが感じられてすごく嬉しかったです。

・授業の時間や新大久保の食事会などたくさんの時間を ご一緒させていただき、すごく楽しかったです。大学で先 生と出会えて本当によかったです。今私は小学校教諭を 目指していますが、先生からの教えを現場で活かせるよう にこれからも努力していきます。

・私の消極的な姿勢は少しずつ改善され、自発的な発言 ができるようになり、「今日は良かったねー」とお褒めの言 葉をいただいた時はものすごく嬉しかった。

・似たような授業をやろうと努力している先生は、他にもい るものの仁上先生ほど洗練されていない。

●基礎演習

・大学の講義で一番ためになった。

・大学の授業を受けている中で最も尊敬できる。 以上■(入稿日: /増補 )

表 成績評価 年度 学期 履修者 合格者 成績平均値 秋学期 秋学期 秋学期 秋学期 秋学期 表 授業評価 ( 点満点) 評価項目/評価点 点 点 点 点 点 無回答 合計 有効 平均 学習成果自己評価 授業満足度評価 自主実施アンケートの結果は、 点満点で学習成果自己評価は 、授業満足度は と 司書課程・司書教諭課程科目全般の中で特に高い評価が得られた。アンケートの記述には、以 下のような記述が目立った(詳細は付録 、 、 参照)。 ◎「大学時代の1科目でなくもっと価値ある授業だと感じた」「一番大変だった

参照

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