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k shisan public comment 1

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Academic year: 2018

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(1)

1.池 田市に は、「 共 同利用 施設」 と呼ば れる会 館施設 が、市 内に 34 館あり、地域住民の日々の交流に用いられています。みなさ んの身近にある施設なのですが、建てられてから、すでに40年 以上経っているものも多く、今後もこれまでのままで良いのか考 えてみる時期にきています。

(※参考資料(a):共同利用施設配置図)

(1)共同利用施設設置の背景

まず、それらの施設がどのような経緯で設けられたのか、振 り返ってみましょう。

高度経済成長期に、大阪国際空港の拡張(滑走路の増設)、航 空機の大型化、国際線の運航等により、騒音被害が深刻化した ことを受けて、空港周辺各地で住民運動が展開されました。そ れに対し、国は空港周辺の住民の負担を鑑み、昭和 42 年に、「公 共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関す る法律」を制定、周辺住民に騒音に対する補償を行うこととし、 民家や公共施設の防音工事が行われました。それら騒音補償の 一環として、地域住民の集会等に供する「共同利用施設」の設 置が、国や府の補助のもと行われ、池田市においても昭和 44 年 から 62 年までの間に 34 施設が設置されることとなったのです。 (※参考資料(b):年表)

(2)主な利用目的

では、それらの施設はこれまでは主にどのように地域の住民 により利用されてきたのでしょうか。

それらの施設は、設置当初は、地域住民の学習、集会、休養、 保育等に主に利用されておりましたが、池田市においては、平 成 10 年に「共同利用施設の目的外使用に関する使用料条例」が 施行されたことから、サークル活動、文化活動等においても使 用料の負担を条件により広い利用が、可能となって今日に至っ ています。

「共同利用施設」:今後もこれまでのままでよいのか。

見直すべきものとすれば、どう見直すべきなのか。

(2)

(3)共同利用施設の現状と課題

さて、このように地域住民の交流に利用されてきた共同利用 施設ですが、時代が進むにつれ、いろいろと問題が生じてきま した。

今、これらの施設の多くは老朽化が進んできていることに加 え、多くの施設では耐震性やバリアフリー面等も求められる水 準に合わなくなってきました。

(3)

2.このような問題は池田市だけが抱えているものではありません。 なぜならば、共同利用施設も含めた、いわゆる「社会資本」の あり方については、今、全国的に課題として捉えられており、 以下のような国や他の自治体の動向がみられます。

(1)社会資本のあり方についての国の動向

国土交通省は、平成 17 年度の「国土交通白書」にて、所管 する社会資本の維持管理・更新費の試算を行っています。総務 省もまた平成 20 年から「社会資本の維持管理及び更新に関す る行政評価・監視」を実施し、国や自治体が管理する建造物に ついての更新費用の試算や、早期の対策を促しています。

また、主に高度経済成長期に作られた建造物の老朽化対策も 問題視されてきており、例えば、平成 24 年 12 月の笹子トンネ ル 天 井 崩 落 事 故 を 受 け て の ト ン ネ ル 一 斉 点 検 等 が 実 施 さ れ て いるのはよく知られています。

平成 25 年 12 月には、「強くしなやかな国民生活の実現を図 るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」が成立し、 東 日 本 大 震 災 等 の 大 規 模 災 害 に 対 応 す る た め の 国 土 の 整 備 の 重要性が指摘されています。

一方、自治体に対しては、これまでの自治体による公設公営 及びそれに対する国の助成や仕組みから、運営への民間活力の 導入や解体等をも含んだ補助や制度変更等へと国の施策のウェ イトが移りつつあるように見受けられます。

(例:指定管理者制度、PFI、PPP、用途転用、施設解体時におけ る地方債発行認可(予定)、等)

(2)社会資本のあり方についての自治体の動向

昨今、「資産白書」を作成し、将来必要なコストを見積り、 必要に応じて資産保有量の縮減等の提言がなされたり、社会資 本の有効な管理を実施し、維持費の縮減を達成した自治体も見 受けられます。

主な先行事例としては

○ 青森県:「行政改革大綱」にファシリティマネジメント(※ 1)を位置づけ、平成 17 年度と 18 年度の2年間で3億円に 近い経費縮減を達成したとされています。

○ 佐倉市:ファシリティマネジメントの導入により、全庁が 横断的に全体最適を図る体制を固め、5年間で5億円以上の 経費縮減を達成したと伝えられています。

※1 ファシリティマネジメント

とは

施 設 の 質 及 び 量 の 改 善 を 図 る

計画的・戦略的保全手法。

従来の「壊れたら修理する、取

り替える」管理手法よりも、事前

予防として、施設における全ての

段 階 に 掛 か る コ ス ト を 把 握 し た

上で計画的に保全を行うことが、

安全面・財政面からも効果的であ

ると指摘され、全庁的立場から、

総 合 的 か つ 戦 略 的 に 施 設 全 体 を

企画・活用・整理していく方法や

(4)

○ 浜松市:(12市町村の大合併後、)ファシリティマネジメン トによって、700 余りの施設を見直し、「廃止」、「存続」、「転 用」、「長寿命化」等に着手したと報道されています。(坂本 春生『朝日新聞』2013 年 3 月 7 日及び 7 月 12 日版)

(3)池田市の動向:「池田市市有施設再編委員会」の設置

このような動きを受けて池田市も庁内で共同利用施設に関す る現状調査を始め、その再編の必要性について、主に以下のよ うな見解を得ました。

○ 施設の稼動率が、全般的に低いこと。

・利用されている時間の割合を、「稼働率」と定義する。 ・稼働率が高い施設は3分の1(約 33%)を超える一方で、

低い施設は1%に満たない。

・34 館の平均稼働率は 13%程度。(公民館は 30%程度) ○ 他市と 比較して、会館施設相互間が 距離的に近接していること。

(※参考資料(c):他市比較表)

○ 今後 30 年間、仮に現状のまま 34 館を維持していくと、40∼ 45 億程度のコストを要すること。

(うち、改修・建替え等にかかる費用 19∼24 億)

これらの分析結果と、将来における人口・税収減、施設の老 朽化の進行等を考慮すると、「縮減も含め見直しを行うこと」が 適当とされています。

すなわち、池田市は、「地域分権制度(※2)」に代表される 「市民協働」の拠点として、会館機能を有する施設の重要性は 十分認識しつつも、現状の稼働率、将来コスト、人口減少等の 要素を考慮すると、施設保有量の見直しは不可避ではないかと 考えたのです。

そこで、より客観的・専門的立場からの意見を求め、学識経 験者と市民代表、公募委員にて構成された、「池田市市有施設再 編委員会」(以下、「本委員会」という。)を設けることとし、共 同利用施設のあり方について、第三者の目で、かつ、より理論 的に審議することとされたのです。

※2 池田市の「地域分権制度」 とは

(5)

3.本委員会はこの問題をどのように取り扱い、どう取り組んだの でしょうか。

以上のような経緯及び問題意識のもと、本委員会で、池田市か らの現状説明や現地視察を行った上で議論を重ね、評価基準と目 指すべき方向性を考えるに際し、理論的な分析用具(メス)が不 可欠と考えました。そして、有用な分析用具として、次の二つを 採用することにしました。

この考え方は、ファシリティマネジメントとして、すでに確立 されている分析手法でありますが、加えて、先行事例として、神 戸市の事例(平成 23 年3月『ファシリティマネジメントの推進に ついて基本的な考え方』)、さらに、松尾貴巳「自治体における行 財政改革型ファシリティ・マネジメントの意識と課題」をも参照 しました。

(1)評価基準の定義

共同利用施設についての評価基準を大まかに分類し、定義づ けました。

共同利用施設についての課題を整理すると、大まかに「ハー ド面」と「ソフト面」に集約されます。

ハード面について例示すると、「老朽化箇所の修繕」、「建替え 時期の判断」、「耐震性」、「バリアフリー化」等が挙げられ、ソ フト面については「現状」や「非常時」における活用状況等が 挙げられます。

そこで、本委員会では、主にハード面の評価を「施設性能評 価」、ソフト面の評価を「有効活用度評価」として定義し、2つ の軸による平面座標(下記図1)を用いて各施設を評価する手 法をとることにしました。

図1

評価イメージ 高い(新しい)

低い(古い)

<

>

横軸<有効活用度評価>

低い(あまり使わない) 高い(よく使う)

・イ会館

・ハ会館

・ニ会館

(6)

(2)「施設性能評価」

まず、「施設性能評価」分析とはどのようなものか説明します。 施設が老朽化していると、日常使用している場合でも事故の おそれもある上に、改修や、将来的には建替え等に、多額のコ ストを要することになります。近年ではさらに、耐震化や、バ リアフリー化等も時代の要請により、進めることが重要であり、 改修・保全費用を長期的に見通し、「ライフサイクルコスト」と して考えていく必要があります。

そこで、施設の老朽化度合や、耐震、バリアフリー等を「表 1」のようにさまざまな指標で各施設のもつ性能を総合的に評 価する必要があります。

①建物に関しての項目

○ 建物(外装及び内装)性能 ○ 電気設備性能

○ その他(空調や消防設備等)性能

以上3項目の老朽化の度合を評価します。

②耐災害性能

○ 耐震性能:新耐震基準(昭和 56 年6月以降に設けられた建 築物)に該当するか。旧耐震基準の建物については、耐震化 の有無及び耐震診断の実施の有無を考えていきます。 ○ 耐水害性能として、浸水性の有無や大小も考えながら評価し

ます。

③環境安全性能

地域住民の交流の場であることを考慮し、環境に配慮されて いるかについて、評価を行います。

④バリアフリー性能

高齢者や障がい者等の利便性を考慮し、施設のバリアフリー 設備について、評価を行います。

⑤総合的な施設性能評価

(7)

ます。

表1

記載イメージ

会館名 建物性 能

電気設 備性能

その他 設備性 能

耐災害 性能

環境安 全性能

バリア フリー 性能

合計

イ会館 B B A A B B ・

ロ会館 C B B C A B ・

ハ会館 A A B A A B ・

ニ会館 B A A B B A ・

ホ会館 B C C C A B ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

(8)

(3)「有効活用度評価」

次に、もう一つの分析用具である「有効活用度評価」分析に ついて説明しましょう。

これに関しては、それぞれの施設の利用の実態がさまざまな 角度から分析されることになります。

たとえば、

①地理的な分布を中心にいわゆる「校区別」や「選挙時の投票 区割」別分析。

②利用者の数、用途、曜日や時間帯にムラがあるか否か、なる べく多くの人にサービスが行き届いているか。

③共同利用施設と公民館等、他の施設の利用の比較。

④共同利用施設全体の歳出(コスト)、各館ごとの経費の算出と 比較、各館利用者一人あたりのコスト(※3)単位面積あた りのコストなど。

⑤加えて、公の施設においては、本来の用途においての有効活 用だけではなく、災害時における拠点としても活用されるこ とが求められるため、共同利用施設における有効活用の度合 においては、現在利用されている頻度や、コストに見合った 活用度合に加え、有事の際の活用をも考慮する必要もありま す。

有 事 に お け る 評価 とは い わ ば 避 難施 設 とし て の 活 用 で あ り、今後の南海トラフ地震や、猪名川・箕面川の水害等の懸 念に対して、共同利用施設についても、有事の際の活用を考 慮し、震災時及び水害時における、避難施設としての活用可 能性について評価を行うことにしました。

以上の多様な指標を一つに集約することは難しいことなので、 「一人あたりのコスト」を中心におきながら、他の要素をも必 要に応じ斟酌しつつ、「総合的」に評価していくのが適切だと考 えます。

以上、二つの分析用具を縦軸と横軸に描くと、前述「図1」 のようになり、四つの象限(領域)を作ることができます。

※3 一人当たりコストとは 施設1館にかかる費用を、利 用者数で割って出した値。

値は小さいほど効率的で、利 用者数が多くなると値は小さく なり、費用が多くなると値は大 きい。

単位は「円/人」。

例 え ば 、 年 間 の 利 用 者 数 が 10,000 人で、かかる費用が150 万円とすると、一人当たりコス トは、「150 円/人」。

(9)

4.前項までの分析手法を用いて、共同利用施設の今後のあり方に ついて、どのように考えるべきでしょうか。

「施設性能評価」の高低と「有効活用度評価」の高低によりで きる四つの領域に 34 の共同利用施設を位置づけることを試みる と、それぞれの領域ごとに目指すべき問題解決の方向性が見えて くるように思えます。それを示したものが「図2」です。

図2

問題解決の方向性のイメージ

ただし、以上の評価を用いたとき、「維持」「再生」とする施 設数の地域間の分布に偏りが出る等の問題が生じるおそれも考 えられます。

共同利用施設が地域住民の集会所としても用いられることを 考えると、各地域に一定数は必要であることから、校区をはじ めとした地域間でのバランスについても、別個に十分配慮して いくことも必要でしょう。

転用

維持

要検討資産

・貸付

・民間活力導入

・解体

・売却 等

(高い/新しい)

(低い/古い)

性能は低く

あまり利用されない施設

横軸<有効活用度評価>

<

>

性能は高いが

あまり利用されない施設

性能は高く

よく利用されている施設

性能は低いが

よく利用されている施設

再生

・改修

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5.共同利用施設を見直すに際し、とるべき評価基準や目指すべき 方向性は以上の通りですが、会議を進める中で、今後さらに検 討されるべきいくつかの課題に気付きました。それを次に指摘 しておきます。

(1)運営委員会について

地元住民で構成される共同利用施設の運営委員会について、 その構成のより良きあり方、運営委員会が施設の利用活性化に どのような具体的取り組みをしているのか、という議論があり ました。

将来にわたって、施設を活用し、地域を活性化するために、 運営委員会のあり方は極めて重要でしょう。

また、市においても、より良き運営委員会のあり方に関して 今後さらに検討すべきと考えられます。

(2)管理人について

現在、34 館のうち 28 館について、管理人が夜間も含め常駐し ており、その意義について議論がありました。

今後は、先に述べた運営委員会のあり方と並行して、管理人 を含め、施設の管理体制の見直しも検討すべきです。

(3)土地の所有について

共同利用施設が立地している土地について、一部借地が存在 しています。

今後、施設のあり方を「見直す」場合が生じた際、土地の所 有や整備関係について、地権者との調整が必要です。

(4)施設の機能強化について

「引き続き存続」する施設については、耐震化やバリアフリ ー化等の面で、これまで以上の良質で美観を伴うことが望まれ ます。

(5)会館施設としての用途見直しについて

「転用」、「要検討資産」の扱いとされる施設についても、今 後のあり方を検討する際に、市民の満足度や利便性を損なうこ とのないよう、十分な説明をすると共に、今後の方向性につい て共に議論を尽くすべきです。

(6)他施設との兼ね合いについて

(11)

野からの検討の余地も認められますし、施設の柔軟な運用も一 層検討されてよいと考えられます。

最後に全ての対応策を検討するにあたっては、市民理解を得 ることが重要で、かつ、持てる資源の「選択と集中」、市として の「独自性」をどう活かすか等の工夫が求められるに違いあり ません。

参照

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