音声学概論 第24回(1/19)
宇都木 昭 E-mail: [email protected] URL: http://sites.google.com/site/utsakr/Home/
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復習
東京方言のNモーラ語には,ピッチパターンに 関して何通りの型があるか答えなさい。
「アクセント核」とは何か説明しなさい。
「豆」における第一モーラから第二モーラにお ける上昇は,常に現れるわけではない。上昇 が現れない例を挙げなさい。
今日の授業内容
韻律(つづき)
日本語東京方言のピッチアクセントとイントネーシ ョン(2)
句頭上昇(つづき) 自然下降(declination) ダウンステップ(downstep) 境界音調(boundary tone)
上昇は語頭に常に現れるのではなく,韻律的なまとまりの初頭に現れる。 月 日の授業のスライドから再掲
句頭上昇(1)
第一モーラから第二モーラにかけての上昇に より特徴づけられる韻律的なまとまりを「句」( 川上 1961)や「アクセント句」(accentual phrase; Pierrehumbert & Beckman 1988)と呼 ぶことがある。
このような上昇を「句頭上昇」と呼ぶ。
句頭上昇(2)
問題
「昨日もらったお金をつかってしまった。」 もらったのが昨日の場合と使ってしまったの が昨日の場合では,ピッチにはどのような違 いがある?
句頭上昇(3)
句頭上昇によって特徴づけられる「句」/「ア クセント句」は,統語構造や文の意味と相関 を持つ。
自然下降(1)
問題
以下を発音してみなさい。
「ナナコとナオコとマイコとマユコ」
下線部の基本周波数(F0)はどう違う?
自然下降(2)
発話において,基本周波数(F0)は時間軸に したがって少しずつ下降する傾向がある。こ れを自然下降自然下降自然下降自然下降(declination)という。
このような現象は,日本語に限らず様々な言 語に普遍的に観察される。
ダウンステップ(1)
問題
以下の二つの文はピッチに関してどのような 違いがある?
「甘い豆をたくさん食べた。」
「うまい豆をたくさん食べた。」
※ただし,「甘い」は無核,「うまい」は有核で発音す ること。
ダウンステップ(2)
問題2
同じ文を「豆を」にフォーカスをおいて発音す るとどうなる?
ダウンステップ
有核語に後続する単語のピッチのピークは著 しく低く現れる。これをダウンステップダウンステップダウンステップダウンステップ ( downstep)という。
ある種の統語的ないし意味的環境(たとえば フォーカス)では,ダウンステップは阻止され る。
境界音調(1)
問題
「見える。」を平叙文で発音したときと疑問文 で発音したときでは,ピッチはどう違う?
境界音調(2)
文末や句末に現れるピッチの変化を境界音 調(boundary tone)という。
(「句末音調」,「句末イントネーション」と呼ば れることもある。また,文末に現れるものを特 に,「文末イントネーション」と呼ぶことがある
。)