言語処理モデル
分 析 処 理 方 略 感 覚 記 憶 認 知 シ ス テ ム 言 語 情 報 処 理 意 味 情 報 処 理 短 期 記 憶 全 体 処 理 方 略 長 期 記 憶 エ ピ ソ ー ド 記 憶 意 味 記 憶 言 語 情 報 意 味 情 報 言 語 情 報 処 理 意 味 情 報 処 理 動 作 感 性
言語処理に関わる部位
( ピネル , 2005)
脳機能イメージングと言語処理
読みの神経機構
ゲシュヴィンドによる読みの神経
機構 二重神経回路仮説に基づく読みの神経機
構
( 岩田誠 , 1996)
言語間の気づき
認 知 システム 言語運用 日 本 語 の 意 味 世 界日本語の形式世界
英 語 の 意 味 世
界 英語の形式世界
同時バイリンガルと継時バイリンガルの脳内言語
処理
Kim et al.(1997)
神経言語学からみた言語処理
(Wolf, 2007) (Wolf, 2007)
言語の形式と意味の関係
認 知 シ ス テ ム (媒 介 系 )言 語 運 用 形 式 意 味
言語の形式と意味に関する神経心理学的考
察
脳における言語の処理には、 3 つの機構がかか
わっている。単語が表す概念を蓄える概念系、
単語・文章生成系、この 2 つの間をつなぐ媒介
系の 3 つである。言語障害のある人や失語症患
者の病態と、脳の損傷部位を調べることにより
、これらの系が脳のどの部位に存在するかがわ
かってきた。
( ダマジオ & ダマジオ , 1992)
言語の意味( 1 )
((ダマジオダマジオ&&ダマジオダマジオ, 1992), 1992)
言語の意味( 2 )
概念はそれぞれ「休眠状態の記録」として脳内に記録さ
れている。その記録が活性化されると、特定の事物ある
いは特定のカテゴリーに属する事物に関する様々な感覚
や運動が再生される。例えば、コーヒーカップからは、
その形、色、手触り、温かさといった視覚的・触覚的表
象が、コーヒーの香りや味、またカップをテーブルから
口に持ってくるときの手や腕の軌跡などとともに想起さ
れる。これらのすべての表象は、脳の個々の領域で想起
されるが、かなり同時的に再編成される。
((ダマジオダマジオ&&ダマジオダマジオ, 1992), 1992)
脳機能と言語処理
ウ ェ ル ニ ッ ケ 領 野
ブ ロ ー カ 領 野 / f i /
/ f i / [ f i ]
高 次 連 合 野
視 覚 連 合 野 聴 覚
連 合 野
運 動 連 合 野 [ f i ]
意味記憶
言語記憶
記憶に関するモデル
入 力 感 覚 登 録 器 短 期 貯 蔵 庫 長 期 貯 蔵 庫
記憶の二重貯蔵モデル ( アトキンソンとシフリン , 1968)
中 央 実 行 系 視 空 間 的 ス ケ ッ チ バ ッ ド エ ピ ソ ー ド
・ バ ッ フ ァ 音 韻 ル ー プ 視 覚 的 知 識 エ ピ ソ ー ド 長 期 記 憶 言 語
新ワーキングメモリモデル (Baddeley, 2000)
刺激に伴うシナプス構造変化の仮想図
長期記憶は、短期記憶と質的に異なったもので、神
長期記憶は、短期記憶と質的に異なったもので、神
経細胞の構造的変化を伴うものであると推察される
経細胞の構造的変化を伴うものであると推察される
。 。
( 市川 , 2001)
言語に対する処理方法
全体的処理
分析的処理
大脳機能の片側優位性からみた能力
分析的 包括的
デジタル アナログ
( ピネル , 2005)
パターン認識
言語情報 粗い特徴抽出 仮定生成大分類 仮定検証小分類 パターン認識
( 乾 , 1993)
乳児のパターン認識
( 山口 , 2003)
乳児の音声知覚実験
( Kuhl, 1986 )
乳児の連続音声の音声知覚
tibudopabikudaropigolatupabikutibudogola
tudaropidaropitibudopabikugolatu のよう
な長く単調で切れ目のない音の連なりを、
生後8カ月の乳児に聞かせる音声知覚実験
を行い、その結果、 pabiku や pigola のよ
うな単語に近い音声パターンを抽出する能
力を備えていることがわかった。
( マーカス , 2005, p.33)
光トポグラフィーを使った実験
( 日立メディコ , 2003)
言語発達に関わる因子
認
知
シ
ス
テ
ム
言
語
の
意
味
言
語
の
形
式
発
達
言
語
の
機
能
ことばのやり取りを通じた言語の発
達
形 式 情 報
発 話 意 味
意 味 情 報 言 語 機 能
場 面
発達に伴う言語の諸要素の関係
発 話 場 面
分析
言 語 の 意 味
+
+
言 語 機 能 の 範 疇 化 意 味 情 報 の 範 疇 化 形 式 情 報 の 範 疇 化 言 語 の 形 式
言語発達における全体処理と分析処理
(Wray, 2002)
英語不規則動詞の処理過程
分 析 的 処 理 包 括 的 処 理 音 声 入 力 holdholdedheldgow entgoed
言語規則に対する気づき
(Berko, 1958)
文法の定着度
(O'Grady, 2005)
英語を母語とする幼児の言語使用例 (1)
She said, My teacher holded the baby
rabbits and we patted them.
I asked, Did you say your teacher held the
baby rabbits?
She answered, Yes.
I then asked, What did you say she did?
She answered, again. She holded the baby
rabbits and we patted them.
Did you say she held them tightly? I asked.
No, she answered, she holded them loosely.
(Gleason, 1967)
英語を母語とする幼児の言語使用例 (2)
Adult: Where's Mommy?
Child: Mommy goed to the store.
Adult: Mommy goed to the store?
Child: NO! (annoyed) Daddy, I say it that way, not
you.
Adult: Mommy wented to the store?
Child: NO!
Adult: Mommy went to the store.
Child: That's right. Mommy wennn ... Mommy goed
to the store.
(O'Grady, 2005)
言語獲得と言語学習
インプット仮説で有名なクラッシェンは、 獲得 (acquisition) と 学習 (learning) を区別し、言語習得は学習から獲得へ移行し ないと考えました。しかし、小脳における言語処理の可能性を 踏まえると、異なった見方ができます。つまり、学習にも意識的 な処理にとどまる場合と、無意識的な処理に移行する場合が
あり、言語習得の質的差異は、獲得と学習という対比ではなく、 意識的処理と無意識的処理の対比の中で、捉え直す必要の
あることがわかります。
脳と意識
意識下で働いているときの脳の状態と、自分の行動を意
識的に行っているときの脳の状態を比較すれば、意識に
ついて何か発見できるだろうか。簡単な例として、ちょ
っと込み入った指のタップダンスを習っている人の脳を
調べる実験を見てみよう。すると、その人の意識がタッ
プを習うことに集中しているときには、脳の広い範囲、
とりわけ前頭前野の活動が高くなることがわかる。とこ
ろが、いったんその技術を第二の天性として習得してし
まうと、今まで見られた多くの領域で活動が認められな
くなる。そのプロセスは自動的になり、無意識的な自動
操縦(これは小脳と関係があるようだ)がとってかわる。
( グリーンフィールド , 2001)
言語処理を支える脳
小脳の役割
よく練習した指の動き 新たに学習した指の動き
( ピネル , 2005)
外国語学習における言語処理
意 識 的 な 規 則 操 作 意 識 的 な 記 憶 操 作 直 列 処 理 特 定 言 語 の 音 声
・ 書 記 表 示 特 定 言 語 の の 特 性 表 示 特 定 言 語 の 目 標 例 特 性 表 示 特 定 言 語 の 目 標 例 表 示 パ タ ー ン 連 想 器 並 列 分 散 処
インプットアウトプット 理
ミラーニューロンの不思議
「ミラーニューロ
ン」とは,他人の動作
(ジェスチャー)に
対して鏡のように反
応する神経細胞のこと
である。
人間が言語を理解
する過程にも、この
ミラーニューロンが
重要な役割を果たして
いる可能性がある。
Scientific American ( Nov., 2006)
模倣について
模倣という行為は、一見容易なように思われます
が、かなり複雑なプロセスであることが認知科学
研究からわかってきています。誕生直後に 0.001
ほどの視力しかなく、全体がぼんやりとわかる程
度の新生児が、なぜこのような反応を示すのか。
その理由を山口 (2003) は、赤ちゃんには、動い
ているものに注目しやすい性質があり、このこと
をメルツォフたちの実験は利用していると述べて
います。
新生児の模倣能力
( Meltzoff & Moore, 1977 )
言語の処理方略
包括的処理分析的処理言語データ処理データ関係づけ言語体系
統 合 同 期 調 整 パ タ ー ン 知 覚 運 動 理 論 規 則 化
言語獲得を支える原理
同
期
統
合
秩
序
調
整
エントロピーと言語獲得
このように見てくると、生命体という不思議なエントロピー
を減少させる装置が、エントロピー増大傾向という巨大な嵐の中
で、必死にエネルギーを蓄えようとしてがんばっている姿が見え
てきます。その力の根源は嵐の中を吹き飛んでいるものの中から
、必要なものを選び出す、という情報処理装置にあることが理解
出来ます。その姿は、分子だとかたんぱく質だとかいう物理的実
体に対処している身体系についても、光波だとか音波だとかいう
物理的変化に対処している神経系についても、基本的には同じで
す。前者はある程度モノとして見え、片方は変化としてしか見え
ませんが、いずれも混沌の中から必要なモノだけを選び出そう、
混沌を整理しようという明確な目的を持って活動しているわけで
す。神経系の最終産物である心像についても原理は同じです。心
は多様な心像から、意味というより高い秩序 ( 別の水準の心像 )
を形成するために絶えず活動しているのです。
ですから、意味がわからないと、わかりたいと思うのは心の
根本的な傾向です。生きるということ自体が情報収集なのです。
それが意識化された水準にまで高められたのが心理現象です。意
識は情報収集のための装置です。情報収集とは、結局のところ秩
序を生み出すための働きです。
( 山鳥 重 , 2002)