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ホルモン補充療法に抵抗性の鬱患者に対する漢方薬の有用性を確認する 漢方専門医認定機関、日本東洋医学会 | 構造化抄録・論文リスト

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Academic year: 2018

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漢方治療エビデンスレポート

日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

14. 泌尿器、生殖器の疾患 (更年期障害を含む)

文献

松尾亜伊, 小池浩司, 保科有希, ほか. ホルモン療法に抵抗を示す,更年期の鬱・不安症状

に対する温経湯の有効性の検討. 産婦人科漢方研究のあゆみ 2005; 22: 70-4. 医中誌 Web ID: 2005235338

小池浩司. 女性漢方医療における私のひと工夫 4. 更年期のうつ症状と温経湯. 産婦人科 治療 2006; 92: 784-6. MOL, MOL-Lib

1. 目的

ホルモン補充療法に抵抗性の鬱患者に対する漢方薬の有用性を確認する

2. 研究デザイン

ランダム化比較試験 (cross over) (RCT- cross over) 3. セッティング

実施施設の記載なし (著者は金沢大学医学部産婦人科教室) 4. 参加者

更年期外来受診患者で6ヶ月のHRTにて改善しない鬱症状患者24名 5. 介入

Arm 1: 6ヶ月間 HRTとツムラ温経湯エキス顆粒 7.5gを 1日 3回の併用。1ヶ月の

Wash-out後、HRTとツムラ当帰芍薬散7.5gを1日 3回、6ヶ月併用投与。12

名。

Arm 2: 6ヶ月間HRTとツムラ当帰芍薬散エキス顆粒7.5gを1日3回の併用。1ヶ月の Wash-out後、HRTとツムラ温経湯7.5gを1日3回、6ヶ月併用投与。12名。 ホルモン補充療法(HRT) は、経皮エストラジオール製剤1枚/2日を連続使用【用量

記載無し】とメドロキシプロゲステロン1日5mg 10日間投与。 6. 主なアウトカム評価項目

6ヶ月間の温経湯および当帰芍薬散の併用によるSDS、STAIスコア変化

7. 主な結果

温経湯併用群において有意にSDS鬱スコアが低下した (P<0.01: 検定方法記載無し) 。 STAI の状態不安および特性不安のスコアが有意に改善した (P<0.01: 検定方法記載無

し) 。

8. 結論

HRTと温経湯の併用療法はHRT治療抵抗性の鬱に有効である。 9. 漢方的考察

なし

10. 論文中の安全性評価

記載なし

11. Abstractorのコメント

この文献は、Koike K, Ohno S, Takahashi N, et al. Clinical Neuropharmacology 2004; 27: 157-62. Efficacy of the herbal medicine Unkei-to as an adjunctive treatment to hormone replacement therapy for postmenopausal women with depressive symptoms.として発表された

論文が元になっている。更年期障害治療としてのホルモン補充療法抵抗性の鬱、不安 症状に温経湯が有効である事を示したことは有意義である。ただ、ホルモン補充療法 抵抗性の鬱・不安症状という定義にはやや違和感があり、鬱・不安症状に対する治療 として評価するならば、抗鬱薬、抗不安薬との比較検討があれば、より漢方薬の特性 がはっきりするのではないかと考える。また、3ヶ月内服によって効果は6ヶ月持続し

たという記載 (本文中) があり、クロスオーバー比較の1ヶ月休薬で十分であったかど うか気になるところもあり、今後の研究を期待したい。

12. Abstractor and date

中田英之 2008.4.1, 2009.4.8, 2010.6.1, 2013.12.31

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