[編集・発行]伊達市放射能対策課 〒960-0692 伊達市保原町字舟橋180 本庁舎3階 ☎024-575-1003
vol.29
平成28年11月10日発行
NEWS
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風評被害を乗り越えて
風評被害とは、根拠のない噂などで、本来は無関係なのに損害を受ける場合などのことです。放射能の風 評被害で言えば「福島県産の食品を買わないとか、福島県に関するあらゆるものを遠ざけたりする」という ことです。つまり、科学的には問題が無いのに、放射能の害があるがのごとく感じたり、思いこんだりして しまうことが、風評被害を生み出しているのです。
あの 3.11 の事故直後は、福島ナンバーの車が高速道路のサービスエリアに駐車したところ、混雑している にもかかわらず周りに 1 台も車が居なくなった、福島で作った花火は打ち上げられない、郡山の鉄工場で造っ た橋梁は受け取らないなどがありました。当時は非常に憤慨したものですが、さすがに最近はそういった極 端なことはなくなりました。当時、全国民的に見れば放射能に対する知識がほとんど皆無と言った状況でし たから、そうした異常な対応があったものと思われます。
あれから 5 年、人々の放射能に関する知識は相当高くなったはずですが、依然として風評被害には根強い ものがあります。きちんと検査して安全なものを出荷しているにもかかわらず、今でも福島県産というだけ で買わない人がいるという現実がまだあるとのことです。
これらは放射能に対する知識が不正確であるからだと思われます。初期のように闇雲に恐れるということ はなくなったにしても、不正確な知識が反って恐れを拡大している例もあるのです。
さらには、果物などはかなり前から問題が無いとして市場に流通しているのですが、価格が災害以前より 安い傾向にあります。これも風評被害でありますが、流通の過程で風評を理由に買い叩きもあるのとも言わ れており、現実の問題は複雑です。これらは現在のところは補償対象になっておりますが、風評被害という あいまいなものであることから補償がいつまで続くのかといった心配も生産者にはあるのです。
風評被害対策の根本は、放射能に対する正しい知識を全国民に等しく持ってもらうことがまず必要であり、 そのための努力を行政も個人も続けることが風評被害をなくす事に繋がるものと考えます。また、放射能対 策は長期にわたることから、将来の社会を担う子ども達への教育も大事であると考えています。
ちなみに、放射能に対する正しい知識を一言で言えば、「放射能を正しく恐れること」に尽きると言われて おります。つまり、放射能を侮ることは危険ですが、正しく対処すれば問題はないのですから、「恐れず、恐 れる」の姿勢で放射能に立ち向って行きましょう。
伊達市長 仁志田 昇司
復興再生へ 相馬福島道路月舘高架橋の連結式
復興道路として早期開通を目指している国道 115 号 バイパス「相馬福島道路」の月舘高架橋(仮称 462㍍) がつながり、10 月 27 日に月舘町御代田の現地で連結式 が行われました。
式では、工事関係者や地権者などが出席。神事を行い、 仁志田昇司市長、月舘小学校の代表の児童らが路面の穴 にコンクリートを流し込み、連結させました。また、月 舘小学校の児童 68 人が、高架橋にチョークで自由にイ ラストや似顔絵、完成を祝うメッセージなどを思い思い に描き、連結を祝いました。
2
ガラスバッジ測定による年間個人追加被ばく線量の集計結果について、お知らせします。
外部被ばく線量測定の集計結果(年間集計)
被ばく線量の平均で低減を確認
●対象者及び実施期間
【今回】平成27年7月~平成28年6月測定 11,243人(1年間継続測定者) 対象者(0~15歳・妊婦・Aエリア・モニタリング抽出者・希望者)
【第3回】平成26年7月~平成27年6月測定 12,912人
(0~15歳・妊婦・Aエリア・モニタリング抽出者・希望者)
【第2回】平成25年7月~平成26年6月測定 21,080人
(0~15歳・妊婦・ABエリア・モニタリング抽出者・希望者)
【第1回】平成24年7月~平成25年6月測定 52,783人(全市民対象)
●平均値の推移
(市全体・除染エリア別)
今回の対象者全員の年間個人追加被ばく線量の平均は、全体で0.45mSvとなり、前回(0.59mSv)と 比較すると0.14mSv減少しています。また、どの除染エリアでも、低減していることが確認できます。
0.0 全体 0.89
1.59
1.00 0.82
0.65
1.17
0.79 0.54
0.42
0.71 0.50
0.370.26 0.76
0.59 0.45
A エリア B エリア C エリア 0.5
1.0 1.5
(mSv) 第 1 回 第 2 回 第 3 回 今回
年間個人追加被ばく線量
●線量別人数分布(市全体)
1mSv未満の方は、91.5%となり、前回(84.3%)から、7.2ポイント増加しました。
第 1 回 第 2 回 第 3 回 今回
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
66.373.9 84.391.5
28.123.3 13.97.8
4.4 2.2 1.4 0.6 0.9 0.4 0.2 0.1 0.20.1 0.1 0 0.1 0.1 0.10
1 未満 1∼2 2∼3 3∼4 4∼5 5 以上
(mSv /年)
人数分布(%)
3
(除染エリア別)
1mSv未満の割合をみると、Aエリアで83.4%、Bエリアで95.9%、Cエリアで98.8%となり、どのエリア でも前回から低減していることが確認できます。
問 健康福祉部 健康推進課 ☎ 575-1153 70.3%
25.9%
3.1%0.4% 0.2%0.1% Aエリア(前回)
91.4% 8.3%0.2% 0.0% 0.0%0.1%
Bエリア(前回)
96.7%
3.2%0.1% 0.0% 0.0% 0.0% Cエリア(前回)
83.4% 15.1%
1.2% 0.3% 0.0%0.0% Aエリア(今回)
95.9% 4.0%0.0% 0.0% 0.0%0.1%
Bエリア(今回)
98.8%
1.2%0.0% 0.0% 0.0% 0.0% Cエリア(今回)
今年度のホールボディカウンタ検査の受検状況をお知らせします。
9月末までの半年で、3,688人受検し、受検者全員が預託実効線量1mSv未満でした。
ホールボディカウンタ(WBC)検査
受検状況 (平成28年9月末現在)
受検者数 うち小中学生 結果
3,688人 2,422人 受検者全員:1m S v未満
(小中学生は、学校から検査機関までのバス送迎により受検しています。)
まだ受けていない人や一度受検された方でも、年間4回まで受検できます。(学校で受検された小中学生 も、再度ご家族と一緒に受けられます。)受検に関するお問い合わせは、直接検査機関へお願いします。 【検査機関】 なかのクリニック ℡573-0561 梁川病院 ℡527-0015
福島県労働保健センター ℡554-5195
問 健康福祉部 健康推進課 ☎ 575-1153 1 未満 1 〜 2 2 〜 3 3 〜 4 4 〜 5 5 以上 (mSv /年)
4
ガラスバッジやホールボディカウンタでの確認と併せて、もう一歩、健康管理に努めてみませんか。 図1にあるように、「肥満」は1.22倍と放射線の線量200~500mSvと同等のがんのリスクがあるとされ ており、また、他の疾患に関係しますので、ぜひ予防していただきたいことです。
肥満は万病のもと
肥満とは、過剰なカロリー摂取と運動不足によ り脂肪が過剰に蓄積した状態をいい、ボディーマ スインデックス(BMI=kg/m2=体重を身長の 2乗で除した値)が25以上の場合をいいます。肥 満は様々な病気を合併することが多く、健康障害 を合併、あるいは予測されるため減量を必要とす る場合肥満症といい、治療の対象となり病気と診 断されます。
皮下脂肪型と内臓脂肪型があります
~肥満の種類と合併症~
肥満は、脂肪が皮下に蓄積する「皮下脂肪型」 と胃や腸など内臓の周囲に蓄積する「内臓脂肪 型」に大別できます。皮下脂肪型に比べて内臓脂
肪型肥満は、糖尿病・耐糖能障害、脂質代謝障害、高血圧、高尿酸血症などを同時に合併することが多く、 健康に大きく影響します。男性ではヘソ周りが85㎝以上、女性では90㎝以上になると内臓脂肪肥満が強く 疑われます。
内臓脂肪細胞に脂肪がたまりすぎると、この細胞が作るホルモン類似の物質の分泌が変化し、直接、ある いはインスリンの働きを妨げて間接的に糖・脂質代謝障害を起こし、血圧が上昇しやすくなります。した がって、腹部内臓肥満では動脈硬化を来し、脳や心臓の病気が起こりやすくなります。最近では認知機能障 害発症と関連することがわかってきました。
食事と運動が大切 ~予防と治療~
肥満、特に内臓脂肪型はカロリー制限と運動を組み合わせると予防・治療が可能です。適正な食習慣(身 長に応じた適正なカロリー摂取、バランスの良い食事(野菜の摂取、動物性脂肪摂取制限)、朝食の摂取、 就寝前過食の制限、毎日30分以上の運動かそ
れに相当する家事を続けると効果的です。 毎年健診を受けて自分のヘソ回り、体重、 血圧、血糖、脂質、尿酸値を確認し、健康の 維持・病気の予防、あるいは治療に役立てま しょう。
福島県立医科大学
放射線医学県民健康管理センター 健康診査 健康増進室
室 長 橋本 重厚 氏
放射線と生活習慣
問 健康福祉部 健康推進課 ☎ 575-1153
[図1] がんのリスク(放射線と生活習慣)
肥満によって引き起こされる疾病
放射線の線量
(ミリシーベルト) がんの相対リスク※ 生活習慣因子
1,000 〜 2,000
1.8
1.6 喫煙者
1.6 大量飲酒(毎日3合以上)
500 〜 1,000 1.4
1.4 大量飲酒(毎日 2 合以上)
200 〜 500
1.22 肥満(BMI ≧ 30) 1.29 やせ(BMI<19) 1.19
1.15 〜 1.19 運動不足 1.11 〜 1.15 高塩分食品
100 〜 200
1.08
1.06 野菜不足
1.02 〜 1.03 受動喫煙(非喫煙女性)
100 未満 検出困難
出典 : 国立がん研究センターウェブサイト
※放射線の発がんリスクは広島・長崎の原爆による瞬間的な被ばくを分析したデータ(固形 がんのみ)であり、長期にわたる被ばくの影響を観察したものではありません。
※相対リスクとは、被ばくしていない人を1としたとき、被ばくした人のがんリスクが何倍 になるかを表す値です。
環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成 27 年度版)」 第 3 章 放射線による健康影響
月経異常 脂肪肝
睡眠時無呼吸症候群 Pickwick 症候群
(脳血栓・一過性脳虚血発作)脳梗塞
冠動脈疾患
(心筋梗塞・狭心症) 高尿酸血症・痛風
脂質代謝異常 整形外科的疾患
(変形性関節症・腰椎症)
高血圧 2型糖尿病・
耐糖能障害