Provision 1 Lesson 7 “A Madison-Dixon Memory”
Part 1
最近私は悲しい話を聞きました。ある黒人の生徒が,彼の肌の色のせいで,あるゴルフ場でゴルフを することができませんでした。これがきっかけとなって 32 年前の私自身の子供の頃の記憶が蘇ってき ました。
私は,ニューヨークの黒人街に両親と暮らす 13 歳の貧しい少年でした。
ある日,私の教師がワシントン DC への旅を発表しました。私は旅の案内状をもって家に慌てて帰り, お母さんに見せました。けれども費用を見て彼女は首を横に振りました。私達には十分にお金がありま せんでした。
数秒間,悲しく感じたものの私は旅費を自分で工面しようと決意しました。その後 8 週間の間,私は お菓子を売ったり,新聞を配達したりしました。締め切りの 3 日前に,満額支払いました。『旅行に行 けるぞ!』
Part 2
その旅にウキウキして,私は列車に乗り込みました。私は一行の中の唯一人の黒人でした。
私達のホテルはリンカーン記念堂から程遠からぬ場所にありました。私と相部屋になったのはフラン クでした。窓から身を乗り出して,観光客に水風船を落としたりしているうちに,私達は互いにすぐに 友達になりました。
リンカーン記念堂では,私達はリンカーンのゲティスバーグ演説からとった有名な言葉を読みました 。
『この国は神の下自由を再生させます。』
翌朝,ある教師が『クリフトン,あなたにちょっと話があるのだけれど。』と言いました。フランク の顔が真っ青になりました。
『クリフトン,あなたマディソン・ディクシー線って知ってる?』と彼女は話を始めました。 『いいえ。』と私はこれが水風船を落とすことと関係があるのかと思いながら,答えました。
『南北戦争前,マディソン・ディクシー線はペンシルベニアとメリーランドの州境だったの。つまり ね,自由州と奴隷州の境界線だったの。今では,マディソン・ディクシー線は一種の眼には見えない南 と北の境界線になっているの。この眼に見えない境界線を越えてメリーランド側に行くと,事態が一変 するの。私達はグレン・エコー公園に行くのだけれど….それはメリーランド側なの。だからその中に黒 人が入ることはできないの。
『ということは,僕は黒人だという理由でその公園に行けないということなの?』と私は尋ねました。 彼女はゆっくりとうなずきました。
『ごめんなさい,クリフトン。』と彼女は言って,私の手を取りました。
Part 3
部屋に戻ると私は泣き始めました。私はとても悲しく感じました。それは,ただ単に私が公園に行け なかったという理由だけではありませんでした。私は人生で初めて,黒人であるということでどのよう な気がするのかを識りかけていました。
『どうしたの?』とフランクが尋ねました。
『僕は今夜グレン・エコー公園に行かせてもらえないんだ。』 1
Provision 1 Lesson 7 “A Madison-Dixon Memory”
『水風船のせいで?』と彼は尋ねました。
『そうではなくて,僕が黒人だから。』と私は答えました。
『それを聞いてホッとした。』とフランクは言い,それから笑いました。彼は罰を免れたことに安堵 していたのでした。『俺は深刻なことかと思った。』
私は彼を睨めつけました。『重大な問題だよ。連中は黒人の立ち入りを禁止しているんだぜ。僕は君 と一緒に行けないよ。』と私は叫びました。
『だったら,俺も行かないよ。』とフランクはにっこり笑いました。 私はその瞬間を決して忘れないでしょう。
後に,部屋はフランクの主張に耳を傾ける少年たちで一杯になりました。
『連中は公園に黒人の立ち入りを許可しないんだ。だから俺はクリフトンと一緒に留まるつもり だ。』
『僕もそうする。』と二人目の少年が言いました。『僕は君を支えるよ,クリフトン。』と 3 人目の 少年が言いました。
終に,11 人の少年が行かないことを決意しました。彼らは私同様にその公園に行きたかったのです が,それよりももっと重要なことがあると分かっていたのです。
Part 4
その晩,別の教師が封筒を手にして私達の部屋にやって来ました。『皆さん,セナターズ対タイガー ズ戦のチケットを 13 枚買ったよ。誰かいきたい人?』嬉しそうな叫び声が上がりました。
球場に向かう途中,私達はリンカーン記念堂に少し立ち寄りました。暫くの間,私達は温かい黄味が かった照明に照らされたリンカーン像を見つめました。
『…この国は,神の下,自由を再生させる。…』
リンカーンは生前,自由は只ではない(自由には代償が伴う)と言っていました。人々の肌の色のせい で,公園やゴルフ場に入ることができなかったりするたびに,自由をかけた戦いが再び始まります。時 には人々は拳や銃で闘いますが,多くの場合,最も効果的な『武器』は,愛と勇気の素朴な行為です。
私がリンカーンの演説の抜粋の言葉を聞くと,私はいつも 11 人の白人の友人を思い出します。彼ら が私に示してくれたような愛は,毎回毎回憎悪に対して勝利することでしょう。
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