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議事記録[PDF] 総会一覧 国立大学法人情報系センター協議会 (NIPC) nipcmedtuat

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第1回国立大学法人情報系センター協議会総会 議事記録

平成 16 年6月 11 日開催 千葉大学

1. 開 会

前半司会:一橋大学 高橋 一

2. 千葉大学挨拶

千葉大学理事 藤井 俊夫

学長が所用で情報担当理事の私がご挨拶を申し上げます。本日、文部科学省はじめ、国立情報学研究所、そして全国各地の 74大学の情報処理センター等から、総勢173名の皆様が、ここ千葉大学でお集まりいただきましたことは、開催校といたしま して厚く御礼申し上げます。

大学は今、国立大学から国立大学法人となりまして2ヶ月あまりが過ぎたところでございますが、皆様におかれましても非常 にお忙しい時期での協議会の開催にもかかわらず、このような大勢の方々のご参加を得ましたことは、改めて大変光栄に思って いる次第でございます。先ほど申しましたが、今年度から大学法人化となりました今日、大学を取巻く状況はますます過酷さを 増してきております。このような状況の中で、高等教育機関であります大学における情報処理センター等の役割は、大変重要な ものであります。大学内での情報機関、情報関係の拠点として、発信の中枢機関となり、特に広報宣伝、図書館との連携、授業 形態の変革、例えば、遠隔授業の促進並びに遠隔会議等を推進していく必要があります。また、高等教育機関のネットワークは、 社会人教育、産学連携、地域連携など、社会的貢献での活動の基盤となることも期待されています。ぜひ各大学におかれまして は、学内全体はもちろん各大学のセンター間でも、情報交換を密にして、より良いセンターの基盤を作っていただきたいと思い ます。

最後になりますが、この協議会は文部科学省、国立情報学研究所、全国総合情報処理センター等の方々との間で、色々な情報 交換をさせていただく会と聞いております。この後、活発なご討議により、この会議が有意義なものとなりますことを期待いた しまして、私のご挨拶とさせていただきます。

3.国立情報学研究所挨拶

開発・事業部次長 小西 和信

ご紹介いただきました国立情報学研究所の開発・事業部の次長をしております小西でございます。本来ですと、部長の東倉教 授からご挨拶申し上げるところでございますが、外せない所用がございまして参上できませんでしたので、私の方から一言ご挨 拶申し上げます。

今、理事の先生からご挨拶がございましたけれども、情報処理センター、国立大学におかれましては、法人化の中で大変なご 苦労をされているということでございますが、そのような時期だからこそ従前にも増して、このような協議会活動の重要性があ るのではないかと思っております。

私ども国立情報学研究所ですけれども、ご案内のように、情報学に関する総合的な研究を行う研究所ということでやっており ますが、同時に学術情報の流通のための基盤の開発整備を行うという事業もやっております。研究と事業の両方を密接に連携さ せてやっているユニークな研究所ということでございます。私どもの事業は、皆様にもおなじみの SI NET やスーパーSI NET とい うネットワークの運用整備、全国の大学図書館等を結んで、図書や雑誌のデータベースを構築する目録所在情報事業、それから データベースを作り、それを情報検索サービスとして提供する情報提供事業、あるいは教育研修事業、こういうものが私どもの やっている事業でございます。その他に新規プロジェクトとして昨年から始まりました「NAREGI 」、これは今日三浦教授の方か ら講演がありますので、その中で紹介されます。また、学術雑誌の国際発信力を強化するための活動、国際学術情報流通基盤整 備事業もやっております。中でも私どもが今一番力を注いでおりますのは、学術コンテンツ・ポータル構築事業でございまして、 今まで私どもがやっておりましたサービス事業を全部まとめて、一つの入口から学術情報を必要とする利用者の方々にお届けし ようとする事業でございますが、これが情報処理センター(学内の中で情報基盤を整備したり、学内の情報を学外に発信してい くというサービスを行っていると思うのですが)とぜひ連携を強めて進めていきたい事業と考えております。

情報処理センターとの関係では、旧聞でございますけれど、私の記憶では平成4年のときに、当時インターネットが急速に進 展し始めたときで、ネットワークの担当者、職員が非常に不足した時期でございました。その時ちょうど、このような会場で情

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報処理センターの先生方から、ネットワークの担当職員を迅速に養成しなければいけないということで、要望が出されまして、 当時文部省の学術情報課の皆さんもお越しになっていて、その中でその要望を受け止めて、確かその年度から試行的ではござい ましたけど、ネットワークの研修が始まった経緯があります。そういう意味で、情報処理センターの皆様とは非常に密接な関係 を持っている私どもでございます。

ぜひ、今後とも積極的に力を合わせて、そして研究者のあるいは研究コミュニティの学術情報基盤整備のために、邁進したい と考えておりますので、どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。

4.千葉大学総合メディア基盤センター長挨拶

センター長 野口 博

皆様、第 20 回国立大学情報処理センター協議会に文部科学省をはじめ、国立情報学研究所、それから全国の 74 の大学情報処 理センターなどから、実に 173 名という多数の皆様方にこの千葉大学においでいただきまして、まことに嬉しく思います。千葉 大学総合メディア基盤センターを代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。申し遅れましたが私、千葉大学総合メディアセン ター長・評議員の野口と申します。

国立大学は4月に国立大学法人化され、皆様方の大学でも学長や理事を中心とした役員会、経営協議会などの経営サイドと、 教育研究評議会などの教育研究サイドの組織がスタートしていることと思います。この法人化されての1つの特色である、経営 重視ということと、今までの教育研究をどういうふうに充実させるかという、その2つの組織があまり分かれて進むと言うより は、やはりそれは強く連携していく中で、法人化の活性化の意義が発揮されるのではないかと思うわけです。それで大学の情報 基盤をうまく活用していけば、その両組織間の連携も強化していけるのではないかと思います。そういう意味で、大学での情報 処理センターの役割は、法人化の中で一層大切なものになっているというふうに言わざるを得ないと思います。

そういう中で今日、また司会の方からご紹介があるかと思いますが、文部科学省の方からは情報通信関係の政策に関する最近 の動向について、続いて、国立情報学研究所からはグリッドの国家プロジェクトについて、資料を基にご講演いただくことにな っております。更に午前中、島倉先生の司会で行われた分科会の報告、それから各地区からの報告は、配付資料にすでに盛り込 まれておりますので、後でご覧いただきたいと思います。それから午後の後半に、文部科学省と国立情報学研究所への質疑応答 などを総合討論する場を設けてあります。その後、幹事会の報告、それから今後につなげる話と続き、大変盛りだくさんのプロ グラムが用意されています。どうぞ皆様の活発なご討議によりまして、今後各大学において、学内はもちろん各大学のセンター の間でも情報交換を密にして、よりよいセンターの基盤を作っていただくのに、この会議が少しでも役立つことを期待いたしま して、私の挨拶といたします。

それでは、夕方5時30 分からの懇親会でのビールや懇談も含めて、6時間ほどの長時間になりますけれども、皆様にはご協 力のほどよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

5.新( 総合) 情報処理センター紹介

司会:一橋大学 高橋 一

次に議題に入る前に、今年度名称変更いたしましたセンターをご紹介いたします。8校ございます。まず、山形大学総合情報 処理センターから学術情報基盤センター、筑波大学学術情報処理センターから学術情報メディアセンター、上越教育大学情報処 理センターから情報基盤センター、京都工芸繊維大学総合情報処理センターから情報科学センター、鳥取大学総合情報処理セン ターから総合メディア基盤センター、岡山大学総合情報処理センターから総合情報基盤センター、香川大学情報処理センターか ら総合情報処理センター、宮崎大学情報処理センターから総合情報処理センター、以上、我々が捉えているところですが、もし もれている大学がございましたら後で私どもの方にご連絡ください。それでは本日の議事に入りたいと思います。

6.議 事

○ 最近の学術情報行政を取巻く動向について

文部科学省研究振興局情報課学術基盤整備室 室長 當麻 維也

文部科学省研究振興局情報課学術基盤整備室長の當麻と申します。本日は情報処理センター協議会にお招きいただき、ありが とうございます。また今回の幹事校でいらっしゃいます千葉大学の藤井理事、野口先生はじめ、皆様方には大変ご苦労様でした。 ご列席の皆様におかれましては、わが国の大学における研究教育の促進に大きな役割を果たしている情報処理センターの管理運

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営について、日ごろから種々ご尽力いただき厚く御礼申し上げます。

まず、簡単ですが最近のI T に関する政策の動向について説明させていただきたいと思います。1つは総合科学技術会議の動 向、もう1つは I T 戦略本部の動向でございます。

総合科学技術会議は、我が国全体の科学技術を俯瞰し、総合的・基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行う組織で すが、現在第二期科学技術基本計画の終わりに近づいており、これを評価し、次の第三期科学技術基本計画にどのように向けて いくのかという時点にあるので、我々としても、情報という分野がどのような役割を果たしているのか、ということをしっかり と頭の中に入れて、あるいは主張していかなければいけないと思います。このような話をするときに時々出る話なのですが、情 報というのは基盤であるために、あって当たり前のような存在になりがちであります。そのような意味で、我々は空気や水のよ うな役割を果たしつつも、その空気や水がなくなったらどうなるのかということを、機会あるごとに主張していかなければいけ ないのではないでしょうか。

また、I T 戦略本部についてですが、e- J apan 戦略Ⅱにおいて、2005 年に世界最先端の I T 国家になり、いかに I T の利活用を 促進していくかということが重点に置かれております。つまり、いくら立派な施設や設備を整備しても、利活用が伴わなければ 何の意味もないということです。そのことを強く認識しなければいけないと思いますし、利活用されることによってはじめて学 内における認識も高まっていくと思います。

次に、文部科学省における平成 16 年度の情報科学技術関連施策について、簡単ですがご説明させていただきたいと思います。 平成 16 年度の予算額は前年度比 2. 4%増の 471 億円です。新規施策としては、「知的資産の電子的な保存・活用を支援するソフ トウェア技術基盤の構築」、分かりにくいのですが、簡単に言うとデジタルアーカイブに関する取り組みです。文化庁等とも一 緒に、これは皆様方も大学の情報発信という意味では、デジタルアーカイブについては関心のないものではないと思いますが、 これを新規施策として取り組むこととしております。既存施策につきましては、「e- Soc i et y 基盤ソフトウェアプロジェクトの 総合開発」や、超高速コンピュータ網を形成するいわゆるNAREGI プロジェクトについて、引き続き進めさせていただいており ます。また、I T プログラムの中で、様々な端末の開発の支援などをさせていただいております。そのほか、スーパーSI NET や SI NET の整備ということで、およそ 69 億円を措置したところでございます。

次に、運営費交付金の仕組みについて簡単にご説明させていただきたいと思います。運営費交付金は、これは昨年から様々な 議論があり、私どももなかなかよく見えないところでしたが、ようやく枠組みについては見えてきました。あとは、これから枠 組みがどのように運用されていくのか、金額がどのようになっていくのかというところがまだ不明確であり、そのような意味で は道半ばに来たところではないでしょうか。国立大学の運営費交付金は、基礎額の部分につきましては皆様ご存知のとおり、効 率化係数が適用されるわけですが、効率化係数が適用されない増額の仕組みである特別教育研究経費、これは5月の20 日及び 21 日に、国立大学法人等財務管理等に関する協議会で説明をされており、皆様も各大学の財務部の方から説明を受けていると は思いますが、特に深く関係があるところについて、改めてご説明させていただきたいと思います。

研究に関係する区分としては、研究推進経費、拠点形成経費、連携融合事業経費、特別支援事業経費の4つが設定されており ます。これらは原則として、人件費、事業費、設備費を問わず活用することが可能だということで、基本的にはその枠組みに合 いさえすれば適用可能だということでございます。まず、研究推進経費についてですが、大規模基礎研究の推進や新たな研究分 野、領域への挑戦等を各国立大学法人が推進する場合に、支援するスキームだということです。例えば、センターの活動とある 研究プロジェクトを結びつけることによって、この枠組みを活用していただく、ということが考えられるのではないでしょうか。 次に拠点形成経費ですが、これは特定の国立大学法人において他の国立大学法人や国外の研究者等に対して、教育研究環境を 開放して行う大学全体の教育研究水準の向上に向けた事業の支援だということです。一番分かりやすいのは7大学(北海道大学、 東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)の情報基盤センターというイメージになるかと思いますが、 学内だけでなく学外に開放する枠組みを新たに作って拠点を形成するという場合に、この区分が適用されるということです。 それから次の連携融合事業経費。これは国際機関を含む公共団体などと連携して、連携する先とコストシェアをしながら行う 教育研究活動について支援をするということです。

以上の 3 つについては、いずれも複数年度にわたる事業の要求が可能でして、その場合、最初の審査に通れば、その後毎年経 費的な審査を受けるものの、その期間は事業の継続が認められるというものであります。

最後の特別支援事業経費になりますが、大きく2つに分かれています。ひとつは全国の研究者の利用に供するための学術研究 上、特異な価値を有する情報の保存・収集支援で、例えば、古文書等特殊な価値を有するものを保存・収集することを支援する ものです。もうひとつは教育研究経費等では整備が困難な教育研究設備等の整備支援で、これは要するに、研究推進事業から連 携融合事業の枠組みでは入りきらないものについて、枠組みとして用意したということです。例えば、学内 LANの更新等も、こ こで適用し得るということであります。ただ、予算の運用上は必ずしも高いプライオリティが付されるとは限らない、というこ とをよく念頭においていただければと思います。これらの要求については、科学技術・学術審議会の下に設置される委員会等に おいて、透明性、客観性を保ちつつ精査、調整をするという方針であります。これはあわせて年度ごとに、報告をしていただく ことになることが想定されております。

次に学内 LANの整備についてであります。学内 LANについては、今まで補正予算で整備してきたため、通常の予算ではその予 算の枠組みがきちんと担保されていないという状況です。予算の枠組みの中で、先ほど申し上げた特別支援事業経費というもの は一応ありますけれども、予算額的には当然限界があり、かなり厳しいものになると認識しております。そういう意味では、そ のような予算の枠組みだけに期待をされていると、更新時期を迎えたときや老朽化してきたときに、学内 LANが突然機能しなく

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なるということも想定されるわけです。補正予算は不確定要素が多いので、学内調達という観点を含め計画的に検討していただ いて、全学内のコンセンサスをとり、突然のアクシデントに見舞われることがないように対応していただければと思います。 次に情報処理関係施設における設備の有効活用について、昨年、会計検査院からも指摘されましたが、先ほど申し上げたよう に単に設備を導入するだけでなく利活用が重要ということでございます。最近で言えば、VOD サーバについて会計検査院の調査 があったと聞いており、その運用状況については十分留意願いたいと思います。つまり、総論としては、センターの利用者に対 するサービス施設の役割を担うと、センター自身が再認識していただくということはもちろんですが、設備の利用状況も適宜に 把握していただいて、どのようにすることが学内の情報基盤に対するニーズに最も適切に応えることになるのかをよく考えてい ただきたいということです。積極的に利用促進を図るばかりでなく、限られた学内の資源をいかに有効に活用するかということ が非常に重要なわけです。例えば、7大学の情報基盤センターの計算リソースや外部の計算資源を活用するなどの方策も、一つ の可能性としてあると思います。そのような全体のリソース、あるいは外のリソースをうまく利用することを考えながら、学内 の学術情報基盤をどのように向上改善すればいいのかということを考えていただければと思います。

最後になりますが、皆様の仕事はまさしく基盤であり、その役割は非常に重要でございます。その重要性を学内外に主張して いただければと思います。そのためには現状をよく分析し学内のニーズを絶えず把握して、必要な施設・設備の導入、運用の変 更、種々のサポートなどを機動的に実施するとともに、図書館などの関連施設と緊密に連携協力しながら、学術情報及び研究成 果の発信機能の強化に努めていただければと思います。情報化を先導する意欲的な取り組みを進めることを期待しております。 また、このような基盤的なサービス提供以外にも、例えば、人材育成や社会貢献といった大学に課せられている使命を果たすた めに、各センターが独自の機能を最大限に活用していただいて積極的に関与することもできるのではないかと思います。文部科 学省としても、そのような皆様の活動をできる限り支援したいと思っております。どうもありがとうございました。

○ 国立情報学研究所「グリッドの国家プロジェクト(NAREGI )について」

国立情報学研究所リサーチグリッド連携研究センター長・教授 三浦 謙一

ただいまご紹介いただきました国立情報学研究所の三浦です。本日は、先ほど當麻室長のお話しにも出てまいりました、グリ ッドプロジェクト「NAREGI 」について、その概要をご紹介したいと思います。

グリッドという言葉は、最近色々なところで聞かれるようになりましたので、皆さんもご承知かと思いますけれども、元々は 電力供給網(El ec t r i c al Power Gr i d)からの類推というかアナロジーでありまして(電気が発電所から送電線を通って家庭と か工場に来るように、その家庭ではコンセントにプラグを差し込めば電化製品は動くと、そういうアナロジー)、計算リソース というものを全地球的に、これは最大規模の場合ですけれども、分散した計算リソース、データとか実験装置、それから研究者 そのものなどをネットワークでつないで仮想的な組織を作る、というような理念といいますか、コンセプトであるわけです。で すから、単にコンピュータがネットワークでつながっていればグリッドかというとそうではなくて、それなりにバーチャリゼー ション(仮想組織化)といいますか、シームレスというか、ネットワークに特殊なものがつながっているという意識がなしに色々 なものがつながると、その対象は単に計算能力だけじゃなくて、データかもしれない。例えばすばる望遠鏡とか、高エネルギー 研究所の加速器のような実験装置から出てくる生のデータ、そういったものをつないで、遠隔な利用者からもリソースを共有で きるようにするということであります。

グリッドというのは新しい計算機、地球シミュレーターのような大きな計算機を作るということではなくて、ハード的には既 存のもので分散しているリソースを、ネットワークを介して1つに見せる、そのためのソフトウェアのレイヤ、特にミドルウェ アを構築することが中心であります。つまり物理層としての計算機・データストレージ・ネットワークなどがあって、それから 基盤ミドルウェアレイヤと呼ばれる、1つの計算資源として機能させるための、セキュリティの話もあれば、ファイルの管理の 話もあれば、スケジューラみたいな話もあるわけで、さらにその上でアプリケーションが実際にうまく乗っかるために、もう少 しユーザに近いレイヤのソフトウェアというものが考えられるわけであります。このようにソフトウェアのレイヤ化といいます か、階層構造とその間の標準インタフェイスを研究開発するというのがグリッドのプロジェクトなわけです。

世 界 的 に 見 る と グ リ ッ ド の 話 と い う の は 、 ア メ リ カ が 非 常 に 先 行 し て き て お り ま す 。 特 に ア メ リ カ の 場 合 に は 、 NSF( The Nat i onal Sc i enc e Foundat on) 傘下のスパコンセンターが、今、サンディエゴ、イリノイ、ピッツバーグと3箇所ありますけれ ど、こういうものをグリッドでつなごうという、俗に言うテラグリット(Ter aGr i d)計画、その発展形としての Ext ended Ter af l ops Fac i l i t y という計画があり、多分すでに第1フェーズの運用に入っていると思いますけど、センターが3つに加えてカリフォ ルニア工科大学とかアルゴンヌ国立研究所、最近はインディアナ大学、パデュー大学、オークリッジの国立研究所、あるいはテ キサスオースティンにありますコンピューターセンターというのも、メンバーとして接続されるようになりました。実際には、 40GbpsのTer aGr i d 専用の幹線ネットワークがロサンゼルスとシカゴの間にありまして、そこから更に各センターに30Gbpsの ネ ッ ト ワ ー ク が 張 ら れ て い る 、 と い う よ う な グ リ ッ ド が あ る わ け で す 。 更 に 米 国 政 府 、 NSF の 目 論 み と し て は い わ ゆ る Cyber I nf r as t r uc t ur e という呼称で、アメリカ全土の教育機関、研究機関のネットワークによる接続化、というようなところま で将来構想としてはあるわけです。

一方ヨーロッパでも、最近は非常にグリッド関係にお金を出すようになってきました。これはフランス、イギリス、ドイツと

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いった各国ごとのプロジェクト、それに加えてEU のイニシアティブ、FP6と言われている新しいフレームワークがスタートし まして、e- I nf r as t r uc t ur e というのが彼らの標榜するキーワードな訳ですけれども、その中にいくつもプロジェクトがありま す。その中で例えば1つの例として、EGEEというのがありまして、ヨーロッパの高エネルギー加速器研究所(CERN)が中心に なりましていくつもの研究機関をつなぐプロジェクトです。元々ヨーロッパの場合は国ごとにネットワークがあるわけですけど、 更につなぐためのネットワークとして GEANT というプロジェクトが今までも EU のプロジェクトとして進行していたわけですけ れども、そういうのを使ってグリッドのインフラを作ろうということでこの4月にスタートしたばかりです。

というわけで、世の中の動向を見ていると、アメリカとかヨーロッパの方が日本より先行しているわけですけれども、一方日 本でもここ数年来、文部科学省、あるいは経済産業省のグリッドのプロジェクトというのがいくつかスタートしてきております。 日本でも予算措置がだいぶグリッドに対してもなされるようになった、というふうに思っていいのではないかと思います。一方 産業界の方も、今まで自動車の設計とか、LSIのチップ設計というレベルでは、スーパーコンピュータを使ったシミュレーショ ンによって開発サイクルを短くするようなことがありましたけれども、更に材料の分野、タンパクとか薬、そういう話になって くると、まだまだ計算ニーズといいますか、役に立つ計算をするためには計算資源が足りない、一方では一企業で計算資源を所 有するのは非常に困難であるということから、産業界の方でもグリッドみたいなものを使っていろんなものづくりのための計算 をしたいというような声が聞かれるようになってきました。

そういう状況を踏まえて、NAREGI プロジェクトと呼ばれるものが昨年からスタートしたわけであります。これは文部科学省 の経済活性化のためのリーディングプロジェクトの一環でありまして、正式名称は、「超高速コンピュータ網形成プロジェクト」、 英文名が“ Nat i onal Res ear c h Gr i d I ni t i at i ve” 、この頭文字をいくつかとって「NAREGI 」という名前で呼んでいるわけであ ります。体制図については、また出てきますけど基本的には、国立情報学研究所、それから岡崎にあります分子科学研究所を2 拠点としまして、その他の共同研究機関、大学、産業界を含むような体制ということであります。というわけで、プロジェクト の目的と致しましては、3年ないし5年先、多分、サイエンス系の計算リソースというのは 100TFl ops クラスになっているだろ うと、そういう計算環境をグリッド化するために必要なスケーラブルな基盤ソフトウェアの研究開発ということであります。そ ういうようなソフトウェア、我々はグリッド基盤ミドルウェアと呼んでおりますが、これが実際に役立つということを実証する ために、分子科学研究所の方にお願いして、ナノサイエンス、ナノテクノロジーの大規模シミュレーションという新しい計算手 法を含んだ大規模計算というものを、グリッドの上で実証しようではないか、となっております。

最初に言いましたように産・官・学連携ということで、産業界へのグリッド技術の普及ということが非常に大事だとされてお ります。実際にヨーロッパの、例えばイギリスの e- Sc i enc e とか、EU の Eur oGr i d とか、ナノテク、バイオ、CAE(Comput er Ai ded Engi neer i ng)といったアプリケーションを標榜したようなプロジェクトがあったのですけど、ヨーロッパの人達も産業界への グリッド技術の普及ということをかなり重視しているということが言えますので、日本としても国際競争力を強化するというの が1つの大きな目的ということになっています。そのためには、グリッドのソフトウェアそのものは国際的に流通性がある、つ まりインターオペラブルであるということが大事だと考えまして、海外のプロジェクトとの協調、標準化への寄与、ということ を重要視しております。

最後にグリッド技術者、これはI T 分野とアプリケーション両方を含めて、こういうプロジェクトの中で人材教育に役立てる ということでございます。

研究開発体制は、先ほど申し上げましたけれど、拠点が情報学研究所、それから分子科学研究所と2箇所ありまして、各々に 色々な共同研究機関というのが関係しているということになります。ネットワークそのものは、このプロジェクトのカバーする 範囲ではないので、スーパーSI NET をネットワークインフラとして使うという位置付けになっておりまして、その上でグリッド に必要なソフトウェアを研究開発するということであります。したがって、ネットワークそのものが研究対象ではありません。 あくまでも NAREGIプロジェクトは、スーパーSI NET のユーザというような感じだと思います。

グリッドのミドルウェアにつきましても、7センターの中のいくつかの、例えば九州とか大阪大学のセンター、それから他の 大学という意味でも東工大、九工大、宇都宮大、筑波大の先生にも色々やっていただいていることがありますし、他のプロジェ クトの関連という意味では、先ほど當麻室長の資料にございましたけど、I TBL(I nf or mat i on Tec hnol ogy Bas ed Labor at or y) という我々のプロジェクトよりは先行してスタートしたグリッドのプロジェクトがあるわけですが、そことの協力関係というの もあります。

アプリケーションの方でも、分子研を中心に物性研とか、東北大の金属材料研究所、あるいは KEK の物構研、その他色々関係 した機関がございます。NAREGI での開発対象は大きく分けるとグリッド基盤ミドルウェア、ネットワーク、及びグリッド実証 のためのナノサイエンスのアプリケーションということになりますけど、最初の絵でお見せしたように階層構造になっておりま す。計算リソースとしては情報学研究所、あるいは分子科学研究所、研究協力機関、その他スーパーSI NET というネットワーク インフラを介してつながっていると、そういう状況でソフトウェアを構築するということであります。実際には、ネットワーク の通信基盤、セキュリティ、認証といったもの、いわゆる基盤の部分を全くゼロからすべて開発するということではございませ んで、国際協調といいますか、インターオペラビリティということで、すでに海外で流布しております Gl obus 、Condor 、UNI CORE といったようなグリッド基盤ミドルウェアを、適材適所使う方針です。一方グリッド基盤ソフトウェア技術の国際的な動きを見 ると OGSA(Open Gr i d Ser vi c e Ar c hi t ec t ur e)ととよばれる標準の仕様に集約する方向にありますので、そういう流れもちゃ んと踏まえて、その上の方のソフトウェアを作る計画になっております。

というわけで、既存の基盤ソフトウェアの上にスケジューラとか、分散情報サービス、すなわち課金情報とか、計算リソース のステータスを吸い上げるような部分、またプログラミングモデルとしては、ふたつ行っておりまして、RPC(Remot e Pr oc edur e

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Cal l )、いわゆるサブルーチンコード的に他のサイトの計算リソースを適宜使うようなモデル、MPI というのは Mes s age- Pas s i ng I nt er f ac e の略なのですが、分散並列環境で計算をしていて、プロセス同士が直接通信をしながら計算を進めるというモデルが あります。そういう計算処理を可能とするようなライブラリ群の開発、これは産総研の方にお願いしているわけです。 さらに上位レイヤにいきますと、グリッド上でプログラムの流れを記述するいわゆるワークフローツール、及びワークフロー エンジンといったものがありまして、更に可視化用のツールとか、アプリケーションに近いところでは、最近のはやり言葉です が、Pr obl em- Sol vi ng Envi r onment s (問題解決環境)の略、PSE といったものです。それから1番上に、ナノ分野のシュミレー ションソフトウェアをグリッドへ対応させるためのツール類、というような構造を考えているわけです。具体的には、今申し上 げたようなソフトウェアの構造に合わせてグリッド環境における資源管理、これは東工大の松岡先生が中心になりまして電通大 の河野先生、それから東工大の合田先生といった方々にお願いしています。それから、資源管理関連ソフトウェアの開発という ことで富士通、日立、日本電気といったメンバーが関係しています。プログラミング環境につきましては、先ほど言いましたよ うにグリッド RPC、グリッド MPIという2テーマを産総研の関口さんのところとか、東大で石川さんが産総研の方にもポジショ ンを持っておられるので、そちらの方へお願いしております。それからもう1つ上のユーザに近いほうのアプリケーション関係 につきましては、私が主査ということになっており、実際には筑波大の佐藤三久先生とか、宇都宮大の川田先生に色々お手伝い をいただいております。

統合運用技術、これは出来上がったソフトウェアの成果をつないで検証するという話なので割と運用に近い話ですが、これは もちろん拠点としての情報学研究所としての役割であります。ネットワーク関連でグリッドに対応するための部分については、 大阪大学の下條先生にお願いしていまして、九工大の尾家先生とか、大阪大学の今瀬先生に色々やっていただいております。 最後になりましたけれど、1番上のレイヤ、分子研のナノテクのアプリとのつなぎの部分では、九州大学の青柳先生の方にグ リッド化ということをお願いすることになっています。

一方アプリケーションの方は、ここにありますように、色々なスケールの現象をシミュレートするわけなので、量子力学的電 子状態の話、固体電子論古典論的分子動力学(MD)、統計力学といった理論に基づいた新規のソフトウェアが色々ありまして、 こういうものを色々開発してグリッドの実証に寄与するということで、実際にはアプリケーション開発拠点としてはここに書き ましたような、9項目というか研究テーマの中で色々な方が関わっているということであります。ナノサイエンスによる実証研 究テーマの例としましては、機能性ナノ分子の話、タンパクの折り畳みの話、電子状態、スピン関係、半導体デバイスの材料と なるような、例えば酸化膜の話とか、そういうテーマも入っています。実際にデモンストレーションも兼ねて、九大の青柳先生 の方にお願いして、連成計算といわれる、これは1つのグリッドの利用形態として非常に有望といいますか期待が持たれていま すが、2つの拠点で違うプログラムを走らせてそれをつなぐことによって初めて意味のあるシミュレーションができるという手 法で、例えば、タンパク質そのものの電子構造を計算するプログラム FMO(Fr agment Mol ec ul ar Or bi t al met hod)、産総研の 北浦先生という方が提案された方法論に基づくものですが、その周りの溶媒の分布を求めるプログラム、こちらは分子研の平田 先生が考えたRI SM理論に基づくものなのですが、そうした2つのプログラムをグリッドを使って連携して動かしてみるという ことを先行的にやっております。もちろんこれだけではなくて、これからも色々なナノ関係のソフトウェアを動かしていくわけ ですけれど、一応今のところ連成計算が先行されて行われている例としてこざいます。

開発工程ですけれど、NAREGI は5年プロジェクトということで今年は2年目に入っておりまして、来年は中間評価の年、来 年度末までにはNAREGI ミドルウェア第1版というのを作る計画です。我々はいわゆるα 版と認定版という2種類のバージョン を考えておりますが、α 版は内部でいじくりまわすので協力関係機関のみということなのですが、認定版ついては、フリーソフ トウェアといいますかオープンソースの考えに則りましてダウンロードできるようにいたします。ということで、興味がおあり のセンターがございましたらダウンロードいただければと思います。更にそれをきちんとコード化して、5年目にはNAREGI の ミドルウェアというものを最終的にお配りする、更に同時に実証試験ということで、実際に計算リソースをつないで大規模な実 証を行うという計画です。

スーパーSI NET は、先ほど言いましたように我々もユーザとして利用させていただく立場であるわけですけれど、実際にテス トベッドといたしましてこの3月にマシンが入りました。ここに黄色で書いてあるのが、NAREGI の補正予算で調達した計算リ ソースであります。分子研が 10TFl ops 、情報学研究所は5TFl ops 、あとナノサイエンスの研究機関に小さなクラスタが入って いる。更には大阪大学、東工大学、産総研と、研究機関にもクラスタとか色々ありますので、適宜使わせていただくというよう な考えでおります。

ちなみにこれが、情報学研究所の方のグリッド研究開発推進拠点にあります計算機です。この拠点のミッションというのは、 大規模シミュレーションをやるというよりはむしろ、グリッドのミドルウェアを作ってそれをお互いにつないだり、違うアーキ テクチャーの上で実証する、つまりインターオペラビリティをちゃんとチェックするということなので、中程度のマシンを数多 く入れるという方針をとりました。具体的にはクラスタが6セットと共有メモリ型のUNI X サーバが3セットです。後者は全部 アーキテクチャーが異なります。具体的には SPARC/ Sol ar i s 系、I A- 64/ Li nux 系、I BMの POWER4/ AI X 系といったものがあります。 お手元の資料にはファイルサイズが大きくなってしまうので含めていないのですけれど、このような感じで割りと狭いところに 計算機が入っております。

一方分子研の方は実際に、シミュレーション用のソフトウェアの開発のために、大きなシステムを入れたいということで、そ れは日立のSR11000 で5TFl ops相当、クラスタの方も5TFl opsとかなり大規模なものが入っております。もちろんこのシステ ムと、我々のところのスーパーSI NET とつながっておりまして、つい先立っても、接続デモを行ったばかりであります。

このプロジェクトの目指すところというのは、これまでに申し上げましたように、グリッド研究開発推進拠点のグリッドミド

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ルウェア及びネットワークソフトウェアの研究開発、それから分子科学研究所での巨大計算の実現、ハイスループットの実現と いう新しい方法論の開発を目指したソフトウェアの開発、それを実証研究によってきちんとフィードバックをかけながら、サイ エンスグリッドを構築できるような環境を作り上げていくということです。このプロジェクトで非常にユニークなのは、産業界 にお願いして研究グリッド産業応用協議会、一種のコンソーシアムを作っていただいたことです。材料系とか、バイオ系の企業 が中心で現在39 社ほど入っていただいております。そこの役割というのは、産業界からはサイエンスグリッドに対する要求事 項というものを教えていただく、一方では、分子研のマシンを使って研究を行う、グリッドを使って行うテーマを公募しまして、 実際に今年の4月からそういうフェーズに入っておりますけれど、色々試してもらう。結局このプロジェクトの成果と致しまし ては、サイエンス系の e- インフラグリッド環境に役立つこのようなプロトタイプを作る、その過程で人材育成とか国際貢献と かいうことを考えます。一方、元々の経済活性化という観点からは、産業活性化ということで、ナノ、バイオ関係の開発、研究 開発の推進とか、産業界での利用と設計の期間を短縮するとか、そういうことも成果として我々として目指しているわけありま す。

まとめといたしまして、グリッドというのは21 世紀の研究開発基盤であり、産業の基盤でもあるというふうに我々が認識し ていると。当プロジェクトにおきましては、異機種混合型計算資源をシームレスにつなぐ、単にPC、クラスタ同士がf eder at e されるというだけではなく、共有メモリ型とか、色々なアーキテクチャのシステムがちゃんとシームレスに使えるようなものを 目指そうと。それは単に2つのセンターがつながったというだけはなく、ユーザの数に対しても、スケーラブル、計算資源に対 してもスケーラブルな、実用に耐えられるようなグリッドミドルウェアを作るということでありまして、そういう環境を用いて ナノサイエンスに適用して実用性を評価する、さらにその成果を広く産業界に普及させていくというような考えであります。

以上でございます。

( 休 憩)

後半司会:千葉大学総合メディア基盤センター長 野口 博

7.報告

○ 分科会報告

○ センター設備の有効利用について

千葉大学教授 島倉 信 助教授 今泉 貴史

ただいまご紹介いただきました島倉です。私は今年の3月までは総合メディア基盤センター長をやっておりました。4月から はセンターから離れているのですが、宿題をずっと持っていたものですから、その点について分科会の座長を務めることになり ました。

多分、皆様の資料には、分科会の報告とセンター設備の有効利用についてとなっていると思いますが、今年度は、センター施 設の有効利用について議論するという分科会は一つしかなかったということであります。10 時から 12 時まで熱心に討論いただ きました。(私は 10 時から 30 分ほど幹事会の方に陪席していたものですから、その間少し抜けていたのですが、)センター設 備の有効利用についてどのようにまとめるかということもあって、皆様の大学から色々ご意見をお伺いしたいということで、ア ンケート調査をさせていただきました。そのアンケート調査の中に色々ご意見をいただいたのですが、その中で特に有効利用と いう観点、センターの役割という観点からの意見が沢山ありましたので、そのことについて30 分ほど討論いただいたというこ とであります。特にe- l ear ni ng のことに関して熱心な討論があったと聞いております。ただし、何か結論めいた話があったと いうわけではなく、どこの大学もどのように取り組むかということについて熱心に議論されているということのようであります。

その後、アンケート結果で各大学がどのように考えておられるかという分布等を示しまして、議論させていただきました。こ の絵は私が描いたのではなくて文部科学省の方でお描きになった絵で、昨年のセンター長会議の席に示されたものです。昨年度 は会計検査院の実地検査で計算機の CPU の稼働率ということで色々あったものですから、それを機会にセンターの有効利用とい うことについてもきちんと考えなければいけないのではないかという話があり、16 年度、というのは今日の話ですが、ここで 1つ合意案をまとめたらどうかという提案がセンター長会議のときにありました。それではということでお引き受けしたのです が、色々機会あるごとにセンター関係の先生方とお話をしても、大学の規模ですとか、設置の目的ですとか、必ずしもインフラ が同じとは限らないとか、またその運用についても大学によって色々違うものですから、果たしてどうやってまとめたらいいか ということはよく分からなくて、それで今日はそのことについても議論いただきたいということで、1 時間半ほど熱心に議論し ていただきました。

とにかくまとめて簡単にしますとこの3点だと思います。一番目のこれは今申しましたように、大学の設置目的とか、大学の

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規模とか、そういうものに非常に強く依存する話で、センター協議会の参加校全体の何かを一つにまとめるということは非常に 難しい、という今日のご意見もそうでありました。それでは、どのように考えたらよいか。今日、本省の方から予算のお話もあ りましたが、計算機借料というものを今後どのように扱っていくのかということもよく分からない、そうすると大学によっても 非常に高速の計算サーバを持っているところもあればそうでないところもありますし、一通り一様に今何かを決めるということ は非常に難しいことです。それで色々熱心に議論していただいた結果、分野別に作業部会を設置して有効利用に関する評価項目 の整理、どういうものを考えなければいけないのか、あるいは評価に対する指針というものを策定していただこう、それを各大 学に提示していただこうということが一つであります。

そしてその提示していただいたものについて、これは先ほど言いましたように一様な評価基準の設定は非常に困難なので、提 示された項目を基礎に、あるいは評価に対する指針というものを参考にして、各大学で実状に合わせて評価基準といいますか、 評価の指針というものを策定していただこうということであります。この協議会としても全体としては、こういう項目について はきちんと評価しましょうというような指針は出したいということであります。

そして、分野としては4つあるのではないかということで、高速演算サーバといいますと計算サーバ系の方は、千葉大学が取 りまとめをさせていただく。そして教育システム系については、横浜国立大学の方でお願いすると。それからネットワーク・シ ステム系については、北陸3県で何とかネットワークというのを運用されているということなので、今年は、福井大学は幹事校 だそうで、まずは口頭、福井大学とさせていただきました。金沢大学、富山大学を含めてどこが取りまとめをするかということ は、後で検討するということであります。いずれにしてもこの3大学で、ネットワーク・システム系についての有効利用に関す る評価項目についてですとか、評価指針というものをまとめていただくということになりました。それからもう1つは、情報サ ービス系と書きましたが、大学の基本的なデータベースでありますとか、電子図書館等の問題について情報発信ということも含 んでいるわけですが、このことについてきちんとまとめておく必要があるだろうというご意見がありました。これについては佐 賀大学の方で取りまとめをしていただくということになりました。

実際には、この取りまとめをいただく大学だけを決めたということにとどまっております。この取りまとめをしていただく大 学が、今後どういう大学に参加していただいて議論するかという、4つの作業部会を作っていただくということになりました。 できれば、特に私の方からこの秋ぐらいにはきちんとした仕様を出した方がいいのではないかと思っていましたが、そこまで時 期的なものを詰めることはできませんでしたので、それぞれ事情に応じて時期的なものを含めて詰めていただければ、と思って おります。私の方から報告するのはこれだけなのですが、15 分まで時間をいただいているのですが・・・

司会:野口

それでは私の方からご報告を。遅くなったのですが、今日のお話のメモを取られている方もいらっしゃるようでしたけど、今 日の総会の模様はすべてテープに録っていまして、それを記録という形とするために、発言された方には直していただいて、最 後まとめる形でおります。それから紹介されたものは、千葉大学の総合メディア基盤センターのホームページの Web にアップロ ードして、それを皆様にメーリングリストでお知らせして、ダウンロードできるようにしたいと思いますので、簡単なメモで今 日は結構です。よろしくお願いします。

それから今、島倉先生に分科会報告を非常にコンパクトにご紹介いただきましたが、それについて文部科学省側、国立情報学 研究所側、それから皆様から質問などを受けたいのですが、いかがでしょうか。何かございますか。

文部科学省:當麻

最後にスケジュール的な話をされましたが、私どもとしてもなるべく早目に検討していただければと思います。いつまでとい うことは申し上げてないのですけれど、センター長会議も秋にはあると思いますが、その頃には少し見えているといいのかと思 いますので、よろしくお願いいたします。

千葉大学:島倉

どうもありがとうございました。

司会:野口

島倉先生、センター長会議の時には少なくとも経過報告などは・・・

千葉大学:島倉

多分、今日で私の手を離れたのだろうと思うのですが、野口センター長の方で後は取り仕切っていただければ・・・すみませ ん。

司会:野口

やぶへびでした。心して・・・

千葉大学:島倉

各大学がこの分科会のような議論をする契機になったのは、会計検査院の話であります。運営費交付金という形で予算は配分

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されるわけですが、その中で大学が計算機資源、あるいはネットワークや色々な情報基盤の資源としてどれだけのお金を投入し ていくかということは、ある意味で大学の裁量の中に入っているわけです。特に今年度から先がよく分からないということがあ ります。けれども、やはりセンターとしてはきちんと自分たちが大学でどういう位置を持っているのか、ということを改めて認 識する上でも、きちんとした評価というのは自分たちなりにする必要はあると思います。しかも、全国的に我々がこういうこと をきちんと踏まえていますよ、というバックボーンがあって、その上に各大学の考え方がのっているのだと。色々なことをやる のにも、割合と力強い発言がある意味ではできるのではないかと思っております。ぜひそういう観点で話を進めていただきたい と、私の方からも今日、分科会の席でお願いしました。

司会:野口

特になければ分科会の報告を終わらせていただきますが、よろしいでしょうか。それでは島倉先生、どうもありがとうござい ました。

○ 各地区報告

司会:野口

次に、お手元の資料の中に 20 ページほどで綴じられていますが、「第 20 回 国立大学情報処理協議会 地区報告」、1枚目 には「北海道地区報告」などと書かれている資料がありますが、これは地区幹事から事前にご報告いただいたものを資料として 皆様に配付してありますので、昨年度と同様にその資料をもって報告に代えさせていただきたいと思います。後でご覧いただき たいと思いますが、ざっと見ますと、センターの現状と問題点、その他について、例えば北海道地区は大学別に3枚ほど書かれ ていまして、それから東北地区は項目別に、例えば講演会及び NOC での活動などが書かれています。関東地区の報告は設問ごと に大学別にまとめられています。法人化に向けてのセンターとして行った行動とか、その他報告すべき活動色々、多岐に渡って います。それから北陸・信越地区も設問ごとに整備されています。それから中部地区はまだスタートしたばかりでしたので、ア ンケートができなかったと書かれています。今後、協力体制を構築して進めると。近畿地区もセンターごとに書かれています。 中国・四国地区はセンターの役割についてとか、大学別、そういうふうに各地区それぞれの個性を持って報告されている様子が 分かります。最後に九州地区も、最後の方に情報処理センターの役割など、項目別にかなり整理して書いていただいていますの で、皆さん後でご覧いただいて、今後の法人化の中でのセンターの進め方の参考にしていただければ大変幸いだと思います。

それでは、これから総合討論の時間になりますので、ちょっと壇上を整備しますのでお時間いただければと思います。

8.総合討論

○ 文部科学省、国立情報学研究所への質疑・応答

(文部科学省研究振興局情報課学術基盤整備室室長當麻維也、同学術基盤整備室室長補佐大山卓也、同学術基盤整備室学術情報 第二係長土井大輔、国立情報学研究所開発・事業部次長小西和信、国立情報学研究所開発・事業部ネットワーク課長鈴木新一は 壇上へ)

司会:野口

それではこれから総合討論ということで、今までのご報告も含んで、壇上に文部科学省から3名の方、国立情報学研究所から 2名の方にお座りいただいておりますので、フロアからの活発なご質問、ご意見などもいただきながら討論を活発に進めていき ますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。終了時刻は 16 時 40 分を予定しておりまして、その後、幹事会報告など ありますので、17 時閉会を目指して 85 分、中身の濃いものにしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。それから 発言の際には恐れ入りますが、大学名、氏名を必ずおっしゃってから発言していただきたいと思います。

まず、はじめに文部科学省への要望などですが、お手元の資料の中にこういうふうに綴じられて「文部科学省への要望等」と ありまして、これは順不同で箇条書きにたくさんの項目があがっております。これを少し前に文部科学省の方へお送りして読ん でいただいて、それの回答を今日まとめてお話いただくことになっております。

それで、今日の午前中の幹事会でその要望についてグルーピングされた資料がありますので、少し私からはじめにどういうも のが多かったかをご紹介いたします。要望事項として一番多かったのは、法人化後の運営費交付金、例えばセンターの運営経費 等に関すること、それが11 件と一番多かったということです。次に、買い取り機器の保守料、キャンパスネットの維持費、8 件。レンタル料に関することも8件。それから、法人化後の情報処理センターの役割、情報基盤の評価、管理運営、2件。情報 基盤の拡充及び情報インフラの構築、2件。遠隔教育、2件。職員の大学間の連携、旅費、2件。建物の予算化、調達、これは 政府調達のことです。アクセス制限に関すること1件などとなっています。こういうふうにかなりの多数の項目についてたくさ

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んの要望がありましたが、文部科学省として整理していただいて、まとめてご報告を土井様の方からお願したいと思います。よ ろしくお願いいたします。

文部科学省:土井

それでは、事前に私どもの方にいただきました要望を、こちらの方で勝手ながらある程度分類させていただきました。心苦し い回答が多々あるかと思うのですが、ご容赦いただいて現状を踏まえつつご回答をさせていただきたいと思います。

まず、予算要求の仕組みについてご説明いただきたいという要望がありました。これについては先ほど當麻室長から説明があ りましたが、5月 20 日、21 日に開催された国立大学法人等財務管理等に関する協議会で説明が行われておりますので、恐らく 皆様方も予算要求の仕組みについては、すでにお聞き及びかと思っております。特別教育研究経費に関する枠組みについても説 明いただいておりますので、本日の配付資料を参照していただきたいと思っております。

次に、運営費交付金の増額や定員増の要望がかなりあったのですが、昨年度までの附属施設経費については、今の運営費交付 金の基礎額として各大学の方に配分されており、毎年、効率化係数ということで1%ずつ削減されていくという形になっており ます。また、定員という概念もなくなりまして、基本的に経費の配分、定員の配置、どちらも大学の裁量となっております。で すので、すでに取り組まれている大学もあるとお聞きしていますが、限られた資源を有効に活用し、学内ニーズに応じた資源配 分を期待しているところです。特に情報処理センターに対する予算の増加、人員の増強のためには、各大学の中で学術情報基盤 の重要性をアピールしていただいて、学内でのコンセンサスをとっていただく、そのための体制作りというのが非常に重要にな るかと思っております。

次に、文部科学省からの指針や指導の要望がありました。つまり、学内における情報処理センターの位置付けが非常に弱いの で、学内での発言力を増すための後押しとなるような指針等を出してくれないか、ということです。学術情報基盤はまさに大学 の中の研究教育活動を支える基盤ということで、その重要性は疑う余地もありません。ただ、各大学における情報処理センター の目的などは様々であり、また、国立大学の自主性を尊重するという国立大学法人法の趣旨もありますので、基本的には学内の 議論の中で、情報処理センターのあり方というものを確立していく必要があるのではないか、と思っております。

次に、中期目標・中期計画の終了時の評価と次期中期目標・中期計画の交付金積算基準の関係について質問がありました。官 房会計課に確認したところ、国立大学法人評価委員会での評価が次期中期目標・中期計画の運営費交付金の算定に反映される仕 組みになるという予定ではあるのですが、具体的な基準やルールは、今のところ決まってないということでした。

次に、キャンパスネットワークの更新等について質問がいくつかあったのですが、特別教育研究経費の区分の中に、特別支援 事業経費というものがあります。この区分で要求が想定されるものとして、老朽化に伴う設備の更新がありますので、キャンパ スネットワークの更新に関する経費を要求する場合には、この区分で要求することになるかと思います。ただ、基本的に、特別 教育研究経費は、研究プロジェクトを対象の中心として考えられておりますので、老朽化した設備の更新に対して十分な予算が 配分されるかというと、必ずしもその可能性は高くないと思われます。ネットワークの更新にかかる経費については、学内調達 ということも含めて計画的に検討していただいて、かつ学内でコンセンサスをとっていただいて、支障のない対応をしていただ きたいと考えております。

次に、電子計算機のレンタル料確保について質問をいただいております。これも先ほどの説明と重なりますが、電子計算機借 料も含めて、今までの附属施設経費が運営費交付金の基礎額と位置付けられているので、電子計算機借料についても毎年1%減 の効率化係数がかかる仕組みになっております。ただ、必ずしも学内で電子計算機借料を1%減額しなければいけないというの ではなく、そこは大学の裁量によるということになっていますので、その必要性について、学内の共通認識を調整するような体 制作りをご努力いただきたいと思っております。

また、電子計算機借料の期間の柔軟な対応という要望があったのですが、従来スーパーコンピュータについては6年、汎用コ ンピュータについては5年という借料期間が基本的には設けられていたのですが、法人化後は各大学が自主的に借料期間を設定 するものと考えております。

次に、情報ネットワーク基盤整備の計画について要望がありましたが、今まで通常の予算だけでなくて、補正予算を活用して 国立大学における学術情報基盤の整備に努めてきたところですし、今後もそのような機会があれば、引き続き努力する所存です。 ただ繰り返しになりますが、法人化後における学内での人員配置や予算配分については大学の判断に委ねられますので、学内学 術情報基盤の重要性を学内で共通認識されるような体制作りをご努力いただきたいと思います。

次に、情報セキュリティに関することについて、国策として不正アクセスを防御し情報セキュリティを確保するような仕組み が必要ではないか、という質問があったのですが、情報セキュリティ問題は、日本全体として取り組むべき課題と思っています し、実際にI T戦略本部の、e- J apan 重点計画2004にも取り組むべき課題として記されていまして、その中で文部科学省の 役割は大学、大学院における情報セキュリティ人材の育成ということになっております。また、文部科学省の中でも、安全安心 な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会が設置されており、報告書を出しております。その中で不正アクセスなどの コンピュータ犯罪が、安全安心を脅かす要因の一つとして位置付けられています。ただ、ネットワーク全体における不正アクセ スを防ぐ仕組みを構築するというのは、非常に困難であり、国全体として実施するとしても相当の時間がかかりますので、各大 学における情報セキュリティの対応は、基本的には情報処理センターの努力をお願いしているというところです。情報セキュリ ティの重要性についても、大学内において認識の浸透を図っていただきたいと思っております。

次に、遠隔教育に関することとして2件ほどいただいております。まず1つ目が、東京の田町にあるキャンパスイノベーショ ンセンターのネットワーク整備について要望をいただいたのですが、この東京キャンパスイノベーションセンターの一部を管理

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