2017/10/5 入門物理学 B
入門物理学 B
第 3 回 (10/5)
・光の屈折 (フェルマーの最小時間の原理・全反射・レンズ)
第 4 回 (10/12)光の散乱・波
・光の分散
・光の散乱
・波とは (波の用語、波の基本式、横波と縦波)
法政大学 市ヶ谷リベラルアーツセンター兼任講師 福川 賢治
2016/9/28 入門物理学 B
幾つかの物質の屈折率
2
物質 屈折率
真空 1 (定義から) 空気 1.00292
氷 1.309
水 1.3334
ダイヤモンド 2.417
Willebrord Snell (1580-1626)
数学者、蘭 ライデン大学教授 三角測量法による子午線の長さの 最初の実測
画像はWikipedia より引用
なぜ屈折が起こるか? (フェルマーによる最小時間の原理)
Pierre de Fermat (1607? 8? - 1665)
フランスの数学者「数論の父」 フェルマーの最終定理で有名
「光は最小時間で通過できる 経路を進む」
(速いところを沢山走る方が有利) ヘロンの最小距離の原理の拡張
※画像は Wikipedia より引用
2016/9/28 入門物理学 B 3
なぜ屈折が起こるか?(続き)
フェルマーによる最小時間の原理からスネルの屈折の法則を導く。
② 時間が最小になるところでは、少し経路がずれても時間が変わらない。
① 光の物質中での速さは
(約30万km)/ (物質の屈折率) = c/n物質
(真空や空気中では光の速度が速く、ダイヤモンドでは遅い)
※導出には大学の電磁気学の知識が必要
A A
A
通過に必要な時間
A A A 通過点
(真の経路)
2016/9/28 入門物理学 B
なぜ屈折が起こるか?(続き)
4
i i
r
A r
B
C D
前ページの A 点(真の経路) 付近の拡大図
真の入射光線と点線 CD は光が十分遠くから 来ている場合、殆ど平行である。
ここで、AB = AC (sin r), CD = AC (sin i) AB/CD = [AC (sin r)]/[AC (sin i)]
= sin r/sin i …… (※)
一方、前のページの ② からABを進む時間と CD を進む時間は同じであるべき。
①から AB では光速が CD の n1/n2 倍になるので、 AB /(n1/n2 )= CD AB/CD= n1/n2 …… (※※)
(※)と(※※) から sin r/ sin i = n1/n2
(7ページ目の式)
屈折率 n1
屈折率 n2
直感的には車が砂利道へ進むと、 曲がるイメージ (左図)
舗装道路
砂利道
2017/10/5 入門物理学 B 5
全反射
屈折率が大きい物体から、小さい物体に光を入射させた時、
入射角が 臨界角 ic に達すると、屈折角が 90 になる。
空気 (屈折率 1)
物質 r
i
境界面
法線
ic
これ以上入射角を大きくすると、 光は屈折することができなくなり、 入射した光は全て反射する。
この現象を全反射と呼ぶ。
スネルの法則 によると、sin r/sin i= n物質/1 臨界角 ic で入射する時 r が 90 になる。 sin 90 = 1 なので、1/sin ic= n物質
ic は sin ic = 1/n物質 を満たす角度である。 様々な物質の臨界角 ic 水: 約 49 , ガラス 約 42 , ダイヤモンド 24.4
2017/10/5 入門物理学 B
全反射の利用 1. 光ファイバー
6
コア(屈折率大) クアッド(屈折率小)
※ 画像はWikipedia より
Photo by Timewether (2005), CC-BY-SA 3.0 ライセンス
2. ダイヤモンド
ダイヤモンドに入射した光は、
多数の面で全反射を繰り返し輝きを放つ。
※画像は Wikipedia より
photo by Mario Sarto (4 Feb. 2004), CC-BY-SA 3.0 license
3. 魚の視野
魚には鏡のように
水面が見える (全反射) 屈折
2017/10/5 入門物理学 B
レンズ
光の屈折が起きる時、境界面が平行でないと、光の方向が変わる (左図) その原理を利用して一点に光を集めるのがレンズ境界面としては製造が簡単な球面の一部を考えることが多い。 レンズの中心を通る軸を光軸 (optical axis)と呼ぶ。
平行光線が入ってきた時、光線が一点に集まる点を焦点 (focus)、 中心と焦点の距離を焦点距離 (focal length)と呼ぶ (右図)。
7
焦点F 焦点距離 f
光軸
焦点距離 f は レンズの屈折率を n、 周りの物質の屈折率を n物質
曲率半径 (レンズを球の一部だと した時の球の半径)を R とすると、 1/f = 2(n/n物質-1)/R
で表される。
※ 曲率半径 R は面が凸の時に正、凹の時に負とする
※ f がレンズの厚さより大きい時には十分正しい
R が小さいほど (レンズが厚くなれば)、
屈折作用が大きくなるので、f も小さくなる。
2017/10/5 入門物理学 B
凸レンズによる実像 (屈折式望遠鏡の原理)
E
焦点F1 焦点距離 f
焦点F2 G
焦点距離 f C
D
Hi Si
So A
B Ho O
倒立実像
① レンズの軸に平行な光は焦点 F1を通る
② レンズの焦点F2を通った光は、軸に平行に進む
③ 光軸を通る光はそのまま直進
※ レンズを薄いとした時は、 レンズは円盤とみなして、 中心で一回だけ屈折すると 近似して良い。
像の位置と倍率
△ ABF2 と △ GOF2 は相似なので、Hi/Ho = f/So (像の倍率)
△ CDF1 と △ EOF1 は相似なので、Hi/Ho = Si/f
従って、f/So = Si/f なので、So Si=f2
※ この式で、BO = a = So+f, OD = b = Si+f として変形すると、 レンズの公式 1/a + 1/b = 1/f が導ける。