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福岡県道路施設維持管理基本計画 道路の効率的な維持管理(アセットマネジメント) 福岡県庁ホームページ

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(1)

福岡県道路施設維持管理基本計画

∼道はみんなの財産、だいじに使い次世代へ∼

『造りかえる時代から長持ちの時代へ』

平成29年3月

(2)

はじめに

現代社会の経済活動や人々の生活の利便さに欠くことの出来ない道路施設。それらを子孫の代 に至るまでの長い期間にわたって安心して安全に使えるよう保つためには、人間の健康管理や予 防医学と同様に、数十年の期間を見据えた管理計画と適切な予算措置ならびにそれらを確実に実 行していく継続的な取組みを行うことが大事です。

福岡県ではその取り組みを行う体制を整えるため、総延長約 3,400km の道路、約 4,300 橋の橋 梁、31 本のトンネルなど県が管理する道路施設全体にわたる長期的な基本計画として、平成 19 年 3 月に「福岡県道路施設維持管理基本計画」を策定しました。この基本計画は、道路施設の長 寿命化を図ることはもとより、長期的な維持管理の視点にたっての予算の平準化と説明責任の明 確化を目標に掲げ、それらを達成するための行動方針をまとめたもので、次の5つの対応方針で 構成されています。

① 調査・設計・工事・点検の各業務における確実な台帳の整備 ② 損傷を早期に発見するための定期的な点検

③ 業務の効率化を図るためのデータベース構築 ④ 効率的、効果的な維持管理計画の策定 ⑤ 県民と協働した維持管理体制の構築

そして、これらの対応方針に基づいて、長い期間にわたって維持管理業務を行うにあたっては、 様々に移り変わる社会の要請や技術の進歩に応じて常に検証しながら改善していくことが肝要で、 たえず PDCA(Plan〈計画〉、Do〈実施〉、Check〈評価〉、Action〈改善〉)サイクルを回し、継続 的な業務改善を行うことが必要なことはいうまでもありません。

そこで今般、PDCA サイクルの次のステップに向けて、10 年間の実績を踏まえてより良き取り組 みにすべく、基本計画の検証と改訂を行うに至りました。

この間、平成24年12月に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を受けて、国 の方針も社会インフラの維持管理に大きく舵が切られ、平成 25 年のメンテナンス元年ならびに平 成 26 年の道路法の一部改正などにより、老朽化対策、修繕、調査、点検など維持管理の重要性に 焦点を当てる公共事業に転換しつつあります。また、平成 23 年の東日本大震災や平成 28 年の熊 本地震などの自然災害時において、命を守りつなぐインフラとして道路の重要性が再認識され、 防災・減災という角度からも道路施設を長く安全に保つことが欠かせない社会ニーズになってき ています。一方、情報化技術の急速な進展により、効率的な点検やデータベース構築などに係わ る周辺技術はわずか 10 年で世代交代する時代に突入しつつあり、それらの最新技術を活用しなが ら維持管理を技術的にも磨き上げていくことも大切になってきています。

(3)

福岡県道路施設維持管理検討委員会委員名簿(H17∼H18)

役職 氏名 所属

委員長 牧角 龍憲 九州共立大学工学部教授

副委員長 園田 佳巨 九州大学大学院工学研究院建設デザイン部門教授 委員 三谷 泰浩 九州大学大学院工学研究院建設デザイン部門助教授

亀野 辰三 大分工業高等専門学校都市システム工学科教授

児玉 敏幸 国土交通省九州地方整備局道路部道路管理課長(H17) 荒瀬 美和 国土交通省九州地方整備局道路部道路管理課長(H18) 中山 昭二 福岡県土木部道路維持課長

萩尾 政男 福岡県土木部道路建設課長

河野 正博 福岡県建築都市部公園街路課長(H17) 櫨川 知彦 福岡県建築都市部公園街路課長(H18) 松藤 泰輔 福岡県柳川土木事務所長

堀切 忠久 福岡県豊前土木事務所長

田村 延行 (財)福岡県建設技術情報センター専務理事(H17) 畑 哲夫 (財)福岡県建設技術情報センター理事長(H18)

事務局 福岡県土木部道路維持課

事務局補助 (株)オリエンタルコンサルタンツ

※ ( )は当該年度の委員会委員

福岡県道路施設維持管理検討WG委員名簿(H17∼H18)

役職 氏名 所属

リーダー 上田 美晴 福岡県土木部道路維持課課長技術補佐 サブリーダー 平嶋 英伸 福岡県飯塚土木事務所道路維持課長 WG委員 野瀬 孝行 福岡県土木部道路建設課橋梁係長

宇都宮 道明 福岡県建築都市部公園街路課街路係長 西山 隆詞 福岡県那珂土木事務所土木主幹 重冨 末夫 福岡県柳川土木事務所道路課維持係長 木原 隆広 福岡県行橋土木事務所道路課維持係長 松岡 晃 福岡県朝倉土木事務所道路課建設係 崎山 貴司 福岡県豊前土木事務所道路課維持係

沼田 英昭 国土交通省九州地方整備局道路部道路管理課維持修繕係長(H17) 内田 均 国土交通省九州地方整備局道路部道路管理課維持修繕係長(H18) 濱口 卓三 (財)福岡県建設技術情報センター試験研究課長(H17)

堀之内 建司 (財)福岡県建設技術情報センター試験研究課長(H18) 猿渡 耕二 (財)福岡県建設技術情報センター試験研究課調査研修係長 溝口 信二 福岡県土木部道路維持課補修係長(H17)

(4)

福岡県道路施設維持管理検討作業部会員名簿(H17∼H18)

氏名 所属

西山 隆詞 福岡県那珂土木事務所 土木主幹

岸川 雄次 福岡県那珂土木事務所 道路課維持係(H18) 野瀬 孝行 福岡県土木部道路建設課 橋梁係長

重冨 末夫 福岡県柳川土木事務所 道路課維持係長 今村 輝幸 福岡県柳川土木事務所 道路課維持係 木原 隆広 福岡県行橋土木事務所 道路課維持係長

堀之内 建司 (財)建設技術情報センター 試験研究課長(H18) 猿渡 耕二 (財)建設技術情報センター 試験研究課調査研修係長 義間 健二 (財)建設技術情報センター 土木技術課道路係長

江藤 展之 (財)建設技術情報センター 試験研究課調査研修係(H18) 山本 英二 福岡県飯塚土木事務所 都市施設整備課街路係長

井上 善孝 福岡県土木部企画課 検査員 田吹 泰孝 福岡県土木部企画課 企画班

外園 寿郎 福岡県五ヶ山ダム建設事務所 工務課 伏原 実 福岡県福岡土木事務所 企画班

梅崎 圭一郎 福岡県直方土木事務所 道路維持課維持係 山崎 淳一郎 福岡県前原土木事務所 河川砂防課

溝口 信二 福岡県土木部道路維持課 補修係長(H17) 右田 隆雄 福岡県土木部道路維持課 補修係長(H18) 宮崎 功一朗 福岡県土木部道路維持課 補修係(H17) 北原 義則 福岡県土木部道路維持課 補修係(H18) 幸後 清二郎 福岡県土木部道路維持課 市町村道係(H18) 事務局 福岡県土木部道路維持課

事務局補助 (株)オリエンタルコンサルタンツ

※ ( )は当該年度の部会員

福岡県道路施設維持管理基本計画見直し検証委員会委員名簿(H27∼H28)

役職 氏名 所属

委員長 牧角 龍憲 九州共立大学総合研究所教授

副委員長 濵田 秀則 九州大学工学研究院社会基盤部門教授

委員 三谷 泰浩 九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター教授 亀野 辰三 大分工業高等専門学校 都市・環境工学科 教授(H27) 甲斐 浩己 国土交通省九州地方整備局道路部道路保全企画官(H27) 山口 隆 国土交通省九州地方整備局道路部道路保全企画官(H28) 加藤 晃一 福岡県県土整備部企画課長(H27)

山田 好広 福岡県県土整備部企画課長(H28) 義経 俊二 福岡県県土整備部道路維持課長(H27) 小路 智 福岡県県土整備部道路維持課長(H28) 森田 欣明 福岡県県土整備部道路建設課長(H27) 野瀬 孝行 福岡県県土整備部道路建設課長(H28) 仁木 将之 福岡県建築都市部公園街路課長

(5)

ページ

... 1

1.1 理念 ... 1

1.2 目標 ... 1

1.3 対応方針 ... 2

1.4 基本計画の位置付け... 4

... 5

2.1 大量更新時代の到来... 5

2.2 予算の減少 ... 7

2.3 職員の減少 ... 8

2.4 定期的な点検および計画的対策の必要性 ... 9

2.5 道路施設台帳の不備... 12

2.6 課題のまとめと対応方針 ... 17

... 18

... 19

4.1 台帳整備の流れ ... 19

4.2 台帳データの種類及び保存方法 ... 19

4.3 今後の取組み ... 20

... 23

5.1 点検方法 ... 23

5.2 対策区分の判定 ... 24

5.3 健全性の診断 ... 25

5.4 点検頻度 ... 26

5.5 記録の保存 ... 28

... 29

6.1 データベースの機能... 29

6.2 データの種類 ... 29

6.3 ネットワークの構築... 30

6.4 データベース改修 ... 31

... 32

7.1 管理シナリオ ... 32

7.2 劣化予測および中長期の対策費用の算出 ... 33

7.3 維持管理計画策定 ... 34

(6)

8.3 福岡県道路施設維持管理基本計画のPDCA ... 43

(7)

1.1 理念

福岡県は、道路施設を維持管理することにおいて、3つの理念を掲げます。

1.2 目標

福岡県は、道路施設維持管理の理念を踏まえて、3つの目標を掲げます。

(1) 道路施設の長寿命化

道路施設の損傷を早期に発見し、必要な対策を効果的に実施することで道路施設の

長寿命化を図ります。

(2) 維持管理予算の平準化

近い将来おとずれる道路施設の大量更新時代に備え、短期、中・長期の視点から効

率的な個別施設計画を策定することで、維持管理予算の平準化を図ります。

(3) 説明責任の向上

道路施設の健全度や目標とするサービス水準に基づいて、道路施設維持管理の必要

○安全・安心で、県民に信頼される道を保ちます

○効率的・効果的な維持管理により、ムダをなくします

○県民と職員がともに考え、協働して維持管理を推進します

(1)

道路施設の長寿命化

(2)

維持管理予算の平準化

(3)

説明責任の向上

(8)

1.3 対応方針

福岡県は、道路施設維持管理の目標を達成するために、5つの対応方針を定めます。

① 台帳整備

調査、設計、工事、点検の各段階において、維持管理に活用するための施設諸元、

設計計算書、図面、点検結果、補修履歴などを蓄積します。

② 定期点検

道路施設を定期的に点検し、損傷程度および対策の必要性などを評価します。

③ データベース構築

「台帳整備」、「定期点検」、「補修補強工事」により作成されるデータをデータベー

ス化します。

④ 個別施設計画策定

データベースの各種データをもとにサービス水準の設定、劣化予測、更新までを考

慮した中長期の対策費用の算出を行うことによって、対策優先順位を評価し、個別施

設計画を策定します。

⑤ 維持管理体制構築

県民によるボランティア活動を支援するなど、県民との協働を推進するとともに、

「台帳整備」、「定期点検」、「データベース構築」、「維持管理計画策定」を確実に機能

させ、効率的・効果的な維持管理を推進するための行政の体制を構築します。

各対応方針相互の関係を図1-1に示します。

調査・設計・工事・点検の各段階における確実な

台帳の整備

法令に基づく

損傷の早期発見および定期的な点検

業務の効率化を図るための

データベースの構築

効率的、効果的な

個別施設計画の策定

県民と協働した

維持管理体制の構築

(9)

図1-1 対応方針相互の関係図

計 画 協 議

対策優先順位評価 維持管理計画策定 維持管理データの

登録・更新、検索・閲覧 施設の定期点検

県 民と

協 働 点

(10)

1.4 基本計画の位置付け

・・・ ・・・ ・・・

平成25年11月に策定されたインフラ長寿命化基本計画に基づき、福岡県では中長期

的な視点による更新・集約化・長寿命化等を計画的に行うことにより、財政負担を軽減・

平準化することを目的とした「福岡県公共施設等総合管理計画」を平成 28 年度に策定し

ました。

この公共施設等総合管理計画は、本県が所有・管理する全ての公共施設等を対象とし

て、個別施設ごとの維持管理・修繕・更新等に係る取り組み方針や具体的な実施内容、

時期などを示す個別施設計画の指針となるものです。

この中で道路施設維持管理基本計画を福岡県が管理する道路施設の最上位計画と位置

付け、本計画に基づき予防的な維持修繕を行い、長寿命化やライフサイクルコストの縮

減等、道路施設の効率的・効果的な維持管理を更に推進していきます。

対象となる道路施設は平成26年の道路法施行規則の改正に伴い、当面『橋梁』、『舗

装』、『トンネル』、『横断歩道橋』、『シェッド・大型カルバート』、『門型標識等(門型の

道路標識および道路情報提供装置)』とします。これらの個別施設計画が未策定のものに

ついては、平成32年度までに策定する予定です。また今後、他の道路施設(道路附属

物等)にも展開していきます。

(11)

2.1 大量更新時代の到来

現在、福岡県は、道路約3,500km、橋梁約5,000橋、トンネル31本、横

断歩道橋80橋、シェッド・大型カルバート51箇所、門型標識等35基など、大量の

道路施設を管理しています。(表 2-1)

表 2-1 福岡県の主な道路施設

(2016 年 3 月現在)

道路施設 現 況

①道路 管理延長 L=3,506.6km

一般国道 L= 512.7km

主要地方道 L=1,377.8km

一般県道 L=1,616.1km

②橋梁 橋梁数 N=5,017 橋

15m未満 3,749 橋

15m以上 1,268 橋

③トンネル トンネル本数 31 本

④横断歩道橋 橋梁数 80 橋

⑤シェッド・大型カルバート 管理箇所数

シェッド: 6 箇所

大型カルバート:45 箇所

⑥門型標識等 管理基数 35 基

福岡県における橋梁は、第2次世界大戦の時期をはさんで2つの建設のピークがあり、

1つは1930年代、もう1つは高度成長期である1960年代から1970年代にか

(12)

福岡県は2016年現在、架設後50年を経過した橋梁を約1200橋(約36%)

管理していますが、20年後の2036年には約2500橋(約75%)にのぼり、更

には40年後には約3300橋(約95%)となり、急速に高齢化が進んでいます。(図

2-2)

近い将来、大量の更新時代が到来することは明らかです。

図 2-2 架設後50年を経過する橋梁の推移(2016年現在) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

現在 20年後 40年後

50年未満 64.0% (2,189橋)

50年以上経過 36.0% (1,231橋) 50年未満

25.6% (877橋)

50年以上経過 74.4% (2,543橋) 50年未満

3.7% (128橋)

(13)

2.2 予算の減少

福岡県における道路施設に係わる予算は年々減少しており、平成26年現在で、平成

10年のピーク時に比べて約60%にまで減少しています。(図 2-3)

老朽化する道路施設に対する適切な補修や更新のための予算の確保が緊急の課題とな

っています。

(14)

2.3 職員の減少

県 土 整 備 事 務 所 技 術 系職 員 数 は 平 成2 8 年 現在 で は 、 平 成1 6 年 の職 員 数 よ り 約1

0%減少しており(図 2-4)、より一層の業務の効率化が求められています。

図 2-4 県土整備事務所技術系職員数の推移

表 2-2 県土整備事務所に寄せられる主な苦情内容

大項目 小項目 内 容

道路修繕、 改善要請

除草・樹木剪定 除草 樹木剪定

舗装損傷 道路部の陥没 補修要求 老朽化による損傷

道路に段差があり危険である

道路改善 危険箇所の拡幅 通学路だから危ない

道路施設修繕、 改善要請

排水溝 側溝の浚渫 側溝の新設 側溝の排水不良 道路排水の民地流入 冠水

流末不良

照明施設 照明灯の玉切れ 照明灯の設置 照明灯の常時点灯

その他施設 自動検知器の故障 防護柵の設置

周辺環境への影響 騒音・振動 大型車による振動・騒音 舗装の凸凹による振動・騒音 舗装の継ぎ目の段差による振動・騒音

その他 汚臭(側溝への生活排水流入) 家中照らされている

道路利用上の苦情 障害物除去 動物の死骸処理 不法投棄対応 障害物除去

路上工事に対する 苦情

工事・通行規制 工事時の渋滞 通行規制の問い合わせ

その他 その他

587 565 552 502 573 546 521 510 440 460 480 500 520 540 560 580 600

H16 H17 H18 ・・・ H24 H25 H26 H27 H28

職 員 数咁

人咂

年 度

技術系職員数

(15)

2.4 定期的な点検および計画的対策の必要性

平成26年の道路法施行規則の改正に伴い、以下に記す見直しが行われました。

○道路法施行規則 第四条の五の五

一 トンネル、橋その他道路を構成する施設若しくは工作物又は道路の附属物のう

ち、損傷、腐食その他の劣化その他の異状が生じた場合に道路の構造又は交通

に大きな支障を及ぼすおそれがあるもの(以下この条において「トンネル等」

という。)の点検は、トンネル等の点検を適正に行うために必要な知識及び技能

を有する者が行うこととし、近接目視により、五年に一回の頻度で行うことを

基本とすること。

二 前号の点検を行つたときは、当該トンネル等について健全性の診断を行い、そ

の結果を国土交通大臣が定めるところにより分類すること。

三 第一号の点検及び前号の診断の結果並びにトンネル等について令第三十五条の

二第一項第三号の措置を講じたときは、その内容を記録し、当該トンネル等が

利用されている期間中は、これを保存すること。

上記より、平成26年度以降は5年に1回の頻度での近接目視点検を基本としていま

す。(図 2-5)平成27年度点検実施橋梁において、早期に措置を講ずべき状態(健全

度:Ⅲ)の橋梁は、全体の約11%あります。(図 2-6)

図 2-5 橋梁点検状況 図 2-6 橋梁損傷状況

※H27 年度点検分(全 1,136 橋)の判定区分内訳を表す

※ H27.3 橋梁点検要領(福岡県県土整備部道路維持課) による判定区分

1,591橋

702橋

644橋 637橋 642橋

1,136橋

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

H22 H23 H24 H25 H26 H27

年度 【省令・告示の施行】

道路法施行規則の 一部を改正す る省 令及び トンネル等の 健全性の診断結果 の分類に関する告示(平成26年3月31 日公布、7月1日施 行)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

Ⅰ 26% (298橋)

Ⅱ 62% (703橋)

Ⅲ 12% (135橋)

定  義

Ⅰ 健全 道路橋の機能に支障が生じて いな い状態。

Ⅱ 予防保全段階

道路橋の機能に支障が生じて いな いが、 予 防保全の観点から措置を講ずることが望まし い状態。

Ⅲ 早期措置段階

道路橋の機能に支障が生じる 可能性があ り、早期に措置を講ずべき 状態。

Ⅳ 緊急措置段階

道路橋の機能に支障が生じて いる 、又は生 じる可能性が著しく 高く、緊急に措置を講ず べき 状態。

(16)

表 2-3 年度別における点検橋梁数と実際に対策を行った橋梁数の推移

平成 22年度

平成 23年度

平成 24年度

平成 25年度

平成 26年度

平成 27年度

1 5 9 1橋 7 0 2 橋 64 4 橋 6 37 橋 6 4 2橋 11 3 6橋

2 2 6橋 4 8 橋 2 5 橋 35 橋 4 2橋 1 1 7 橋

(1 4 .2% ) (6 .8 %) (3.9 %) (5 .5 % ) (6 .5% ) (10 .3 %)

対策計画橋梁数 2 4橋 2 1 橋 1 5 橋 1 57 橋 6橋 3 橋

対策実施橋梁数② 2 4橋 2 8 橋 4 1 橋 71 橋 3 8橋 4 1 橋

対策を必要とする 残りの橋梁数③

2 0 2橋 2 2 2 橋 20 6 橋 1 70 橋 1 7 4橋 2 5 0 橋

点検実橋梁数

点検により新たに対策が 必要となった橋梁数①

(損傷割合)

①−②=③ 前年度

③+①−②

前年度 ③+①−②

前年度 ③+①−②

前年度 ③+①−②

前年度 ③+①−②

H26.7

道路法施行規則の改正

図 2-7 対策実施状況

平成26年7月の道路法施行規則の改正に伴い、橋梁の点検は近接目視で行うことが基本

となりました。これにより、今までは遠望目視による点検では健全であろうと判断されてい

た橋梁を近接目視で確認したところ、実際は対策を要す規模の損傷であったというような事

象が多数報告されるようになりました。その結果、平成25年度までは予防保全が計画的に

進められていたこともあり、対策を必要とする残りの橋梁数は減少傾向にあったものの、平

成26年度以降は点検により新たに対策が必要となった橋梁数が増加したことにより、対策

を必要とする残りの橋梁数は大幅な増加傾向にあることが確認されました。こういった状況

から、近接目視点検の1サイクルが終わるH30を目処に橋梁長寿命化修繕計画の見直しを 226橋

274橋

299橋

334橋

376橋

493橋

(24橋)

(45橋)

(60橋)

(217橋)

(223橋) (226橋)

24橋

52橋

93橋

164橋

202橋

243橋

14.2% 6.8% 3.9% 5.5% 6.5% 10.3% 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0% 14.0% 16.0%

0橋

100橋

200橋

300橋

400橋

500橋

600橋

平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

橋 梁 数

何も対策を施さなかった場合の累計の要対策橋梁数 長寿命化修繕計画策定時(H22)の計画対策数

累計の対策実施橋梁数 損傷割合

H26.7 道路法施行規則改正

残りの要対策橋梁数

202橋

222橋

206橋

170橋

174橋

250橋

平成26年7月の道路法施行規則 の改正に伴い、平成26年度から 平成27年度にかけては要対策 割合は大幅に上昇した。 平成25年度までは、予防保全が計画的に進められていたこともあり、

残りの要対策橋梁数は減少傾向にあったものの、平成26年度以降 は道路法施行規則の改正により、要対策割合が増加した影響で増 加傾向に転じた。

(17)

舗装は、平成24年度に策定した「福岡県 舗装維持管理計画(案)」を基に福岡県が

管理する幹線道路(N5交通以上)の約2400km の舗装状態を5年のサイクルで測定

車を使い、毎年点検しています。(図 2-8)

平 成 2 6 年 度 末 時 点 での 点 検 し て いる 舗 装 のう ち 大 規 模 な修 繕 の 必要 性 が あ る 舗装

(MCI 値5未満)は国道では約30%、主要地方道と一般県道では約30%あります。(図

2-9)

トンネルは平成18年度∼平成22年度までに全31本、横断歩道橋は平成25年度

∼平成26年度までに71橋の定期点検を実施しており、平成26年の道路法施行規則

の改正後は、近接目視による点検を実施しております。また、シェッド・大型カルバー

トと門型標識等については、平成27年度より初回点検を実施しております。

これらの道路施設について、計画的に点検と対策を実施し、損傷が軽微であまりコス

トがかからないうちに対策(予防保全)していくことが必要です。

(H26 年度末時点)

MCI:ひびわれ、わだち掘れ、平坦性より 算出される舗装の維持管理指標値

ランク 水準 [出典1]の判定基準 [出典2]の判定基準 水準Ⅰ 0 .0≦MCI ≦3.0 大規模な 補修が必要 早急に修繕が必要 水準Ⅱ 3 .0<MCI ≦4.0 小規模な 補修が必要 修繕が必要 水準Ⅲ 4 .0<MCI ≦5.0

予防的維持または 局部的な 修繕

修繕が望ましい 水準Ⅳ 5 .0<MCI 日常の維持管理 望ましい管理水準

 出典1:舗装維持計画作成時の参考資料 路面(車道編) 財団法人国土開発技術研究センター  出典2:第34回建設省技術研究会(昭和55年度)pp15∼17

図 2-8 舗装点検状況(計画) 図 2-9 舗装損傷状況

7.4% 9.1% 10.9%

8.7% 8.5%

8.0%

14.6% 13.8% 11.8%

69.3% 68.7% 69.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

一般 県道 主要 地方道 国道

(18)

2.5 道路施設台帳の不備

平成19年度に基本計画が策定される以前では道路施設台帳(諸元、図面、点検結果、

工事履歴など)の統一した整備方針がなく、保存対象施設、保存方法(デジタルデータ、

紙ベース)など、各出先機関で様々でした。

また、道路施設台帳の更新方針も同様に統一されていないために、確実な更新が行わ

れておらず、台帳が活用されていない現状がありました。

そこで平成19年度に基本計画、台帳整備要領、定期点検要領(橋梁、舗装、トンネ

ル)を策定し、その翌々年の平成21年度より橋梁、舗装、トンネルの3施設において

データベースを構築しました。また平成25年度からは新たに横断歩道橋の台帳整備要

領、定期点検要領の策定およびデータベースの構築を行いましたが、必ずしもすべての

点検結果がデータベースに登録されていない等の課題があります。

(1) 各施設におけるこれまでの取組み

1) 橋梁

(点検)

・平成20年度∼平成22年度:全橋梁(約4500橋)の定期点検を実施。

・平成22年度:データベースの登録開始。

・平成26年度∼:「溝橋の取り扱いについて(H26.12.8)国交省発出」により、増

となった約500橋についても点検を実施

(維持管理計画)

・平成22年度:全橋梁の長寿命化修繕計画を策定。※毎年更新(表2−4)

⇒長寿命化修繕計画に基づき、点検や補修等を順次実施。

※点検は現在、概ね2巡目。

表2-4 平成26年度 橋梁長寿命化修繕計画(一部抜粋)

(19)

2) 舗装

(点検)

・平成14年度∼平成25年度:約3500kmの定期点検を実施。

⇒一般国道および主要地方道・県道のN5交通以上:路面性状調査

主要地方道・県道のN4交通以下:目視点検(直営)

・平成22年度:データベースの登録開始。

(維持管理計画)

・平成25年度:N5交通以上の道路について点検計画を策定。※毎年更新

(表2−5)

⇒福岡県舗装維持管理計画(案)に基づき点検や補修等を順次実施。

※点検は現在、概ね2∼3巡目。

表2-5 平成26年度 舗装維持管理計画(一部抜粋)

3) トンネル

(点検)

・平成18年度∼平成22年度:全31本の定期点検を実施。

・平成22年度:データベースの登録開始。

(維持管理計画)

・維持修繕計画に基づき点検や補修等を順次実施。

※点検は現在、概ね2∼3巡目。

4) 横断歩道橋

(点検)

・平成25年度∼平成28年度:全80橋の定期点検を実施。

・平成26年度:データベースの登録開始。

(維持管理計画)

・維持修繕計画に基づき点検や補修等を順次実施。 ・

(20)

(2) データベース構築後の各施設における現状および課題

1) 橋梁

(現状)

① 管理橋梁数:約5000橋

② 点検結果をDBに登録している橋梁:4565橋

③ 長寿命化修繕計画に反映している橋梁:4380橋

④ 補修・補強の計画とDB登録状況(表2−6):

表2-6 補修・補強の計画とDB登録状況

(課題)

・DBへの登録が遅れている(①−②=約435橋)。

・新設橋梁が長寿命化修繕計画に反映されていない

(②−③=185橋)。(図2−10)

・計画通りに補修補強を行っているが登録されていない

(平成24年度∼平成26年度の3年間で合計193橋)。(図2−11)

図2−10 DBに対する長寿命化修繕計画 図2−11 平成24年度∼平成26年度の

への反映 補修補強計画に対するDB登録の割合

H 24 H 2 5 H 2 6

計画 1 0 1 橋 1 6 2 橋 1 5 3 橋

登録 4 6 橋 7 5 橋 1 0 2 橋

(21)

2) 舗装

(現状)

① 管理延長:約3506km

② 点検結果をDBに登録:3126km

③ 一般国道および主要地方道・県道のN5交通以上(路面性状調査:委託点検)

:2444km

④ ③以外(目視点検:直営点検):1062km

⑤ 補修補強履歴をDBに登録:972km

(課題)

・直営点検を行っているがDB登録がされていない(①−②=380km)。

(図2−12)

・直営点検は紙ベースで実施しており、効率が悪いため、登録に不備や手間が生じている。

図2−12 これまでの点検に対するDB登録の割合

3) トンネル

(現状)

① 管理トンネル数:31本

② 点検結果をDBに登録:31本

(図2−13)

③ 補修補強履歴をDBに登録:1本

(課題)

・点検計画はあるものの、データ登録・

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

登録 未登録

3,126km (89%)

380km (11%)

3,506km 委託点検

2,444km

直営点検

(22)

4) 横断歩道橋

(現状)

① 管理橋数:80橋

② 点検結果をDBに登録している

横断歩道橋:43橋

③ 補修補強履歴をDBに登録:0橋

(課題)

・DBへの登録が遅れている

(①−②=37橋)。(図2−14)

・点検計画はあるが、データ登録・更新 図2−14 これまでの点検に対する

ができていないため、補修補強履歴が DB登録の割合

確認できない。

5) シェッド・大型カルバート

(現状)

・平成27年度より初回点検を実施。これから順次データベースの構築を行っていく

予定。

6) 門型標識等

(現状)

・平成27年度より初回点検を実施。これから順次データベースの構築を行っていく

(23)

2.6 課題のまとめと対応方針

これまでに整理した課題を踏まえ、道路施設維持管理の5つの対応方針を定めます。

大量更新時代の到来

予算の減少

職員の減少

定期的な点検および計画的対策の必要性

道路施設台帳の不備

調査・設計・工事・点検の各段階における確実な

台帳の整備

法令に基づく

損傷の早期発見および定期的な点検

業務の効率化を図るための

データベース構築

効率的、効果的な

個別施設計画の策定

県民と協働した

維持管理体制の構築

(24)

福岡県道路施設維持管理基本計画は、平成19年度から2ヶ年試行した後に、平成 21年度から本格実施しております。

表3-1 福岡県道路施設維持管理基本計画の中・長期スケジュール

ス テ ッ プ ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4

期 間 H17∼H18 H19∼H20 H21∼H27 H28∼

道路施設維持管理基本 計画

策 定 試 行 本 格 実 施 改 訂

台帳整備 ・台帳整備要領作成

・台帳整備試行 ・台帳整備要領改訂

・台帳整備本格実施 ・台帳整備要領改訂

定期点検 ・定期点検要領作成

・定期点検試行 ・定期点検要領改訂

・定期点検本格実施 ・定期点検要領改訂

・定期点検要領改訂

データベース構築

・データベースソフト基本 設計

・データ登録、更新試行 ・ネットワーク構築

・データ登録、更新本格 実施

・データベース改修(H26 ∼)

・データベース改修 ・直営点検用タブレット

の導入(舗装)

維持管理計画策定・維持管理計画方針策定

・橋梁長寿命化修繕計画 (15m 以上)

・橋梁長寿命化修繕計画 (全体)

・橋梁長寿命化修繕計画 (更新)

・個別施設計画策定

維持管理体制構築・維持管理体制要領作成

・県民との協働体制の構 築

・維持管理体制の試行 ・各種研修の実施

・維持管理体制の本格実 施

・各種研修の実施

(25)

4.1 台帳整備の流れ

台帳は、出先事務所または委託コンサルタント、工事請負者が作成する台帳データを、 道路維持課が、データベースに登録・更新することとします。

図 4-1 台帳整備の流れ

4.2 台帳データの種類及び保存方法

台帳データには、施設データと点検データがあり、各データは本庁のデータベースサー バーに保存することを原則とします。

なお、容量が大きく、使用する頻度が少ないデータは、CD−Rに保存し、(公財)建 設技術情報センターが管理することとします。

表4-1 データの種類と保存方法

データの種類 保存媒体 保存場所

施設データ 施設諸元 データベースサーバー 本庁

図面

データベースサーバー 本庁

CD−R (財)建設技術情報センター

設計計算書 CD−R (財)建設技術情報センター

写真 データベースサーバー 本庁

補修履歴 データベースサーバー 本庁

(26)

4.3 今後の取組み

(1) チェック体制の強化

新設∼点検∼補修の一連の流れを整理し、今後データベースに登録する際に抜け もれがなくなるよう、チェックリストを作成する等のチェック体制を強化します。

START

工 事 発 注 ( 委 託 ・ 起 工 )

台 帳 デ ー タ

ダ ウ ン ロ ー ド

デ ー タ 確 認

貸 与

工 事 実 施

工 事 結 果 入 力

提 出

工 事 結 果 確 認

ミスはないか?

Y E S

N O

D B 登 録 申 請

申 請 書

申 請 受 付

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 発 行

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )     〃     ( 申 請 者 用 )

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 受 領 完了証明書(発注者用)受領

完 了 検 査 デ ー タ 登 録

発 注 者

( 担 当 職 員 )

業 者

( 現 場 代 理 人 、 管 理 技 術 者 )

建 設 技 術 情 報 セ ン タ ー

( 調 査 研 修 係 職 員 )

対 象 施 設 の 確 認

工 事 発 注 ( 委 託 ・ 起 工 )

台 帳 デ ー タ

ダ ウ ン ロ ー ド

デ ー タ 確 認

貸 与

工 事 実 施

健 全 性 の 診 断 の 更 新

( 例 :Ⅲ→Ⅰ)

工 事 結 果 入 力

提 出

工 事 結 果 確 認

ミスはないか?

Y E S N O

D B 登 録 申 請

申 請 書

申 請 受 付

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 発 行

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )     〃     ( 申 請 者 用 )

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 受 領 完了証明書(発注者用)受領

完 了 検 査 デ ー タ 登 録

点 検 対 象 施 設 の 確 認

業 務 発 注 ( 委 託 ・ 起 工 )

台 帳 デ ー タ

ダ ウ ン ロ ー ド

デ ー タ 確 認

貸 与

点 検 実 施

損 傷 判 定

対 策 判 定

健 全 性 の 診 断

点 検 結 果 入 力

提 出

点 検 結 果 確 認

ミスはないか?

Y E S N O

D B 登 録 申 請

申 請 書

申 請 受 付

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 発 行

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )     〃     ( 申 請 者 用 )

完 了 証 明 書 ( 発 注 者 用 )

    〃     ( 申 請 者 用 ) 受 領 完了証明書(発注者用)受領

完 了 検 査 デ ー タ 登 録

新 設

点 検

補 修

諸元(橋梁名、架設年次、 橋長等)の入力

・点検実施日、判定及び診断結果等 ・損傷部位、点検概算費用

・補修・補強実施年度、工種、数量、施 工業者等

・材料名、メーカー名、補修概算費用

長 寿 命 化 修 繕 計 画 に 反 映

長寿命化修繕計画より 予定の確認

補修工事が 必要か?

Y E S N O

・設計内容

・設計内容

長 寿 命 化 修 繕 計 画 に 反 映

長 寿 命 化 修 繕 計 画 に 反 映

・前回点検の結果、内容 ・業務内容

・長寿命化修繕計画より予定の確認 ・点検結果による損傷箇所の確認

(27)

−チェックリスト案−

(発注時)

□①特記仕様書に「道路施設DBへの登録」の記載があるか?

□②特記仕様書の内容について上司(係長クラス)への確認を行ったか?

(点検結果または新設・補修工事後の確認時)

□③調書に必要事項がもれなく記入されているか?(新設工事、点検業務)

□④点検調書(様式-C)に補修補強工法、概算工事費が記載されているか?(補修工事)

□⑤点検要領と台帳整備要領との不整合はないか? □⑥プログラムチェックはきちんと行っているか?

(完了検査時)

□⑦建設技術情報センター発行の「登録データ受領確認書」が添付されているか? □⑧DBへの登録内容について上司へ(係長クラス)の確認を行ったか?

□⑨台帳システム登録内でチェックツールを実施

□⑩台帳登録を行ったかを完了検査時に検査員がチェック □⑪供用開始の書類に台帳登録のチェックを実施

※建設技術情報センター(調査研修係職員)

□⑫以下の項目が正確に記入されているか? ・損傷図、写真、損傷評価の整合

・損傷評価、対策区分、健全性の診断の整合 ・未記入箇所の確認

※黒:既往のリスト、赤:今回新たに追加するリスト

(注意)

・新設、点検、補修工事の特記仕様書に「道路施設DB」へ登録するためのデータを建設技 術情報センターへ提出する旨の記載が在るか否かを上司が確認します。

(28)

(2) データ項目の追加

中長期計画を策定するうえでの将来コスト算出の精度向上のため、点検費用、概 算補修費用及び実施時の補修費用等についての記入欄を設けます。また、今後補修 効果の検証を行うために補修工事に使用した材料やメーカーについての記入欄を設 け、データを蓄積します。

(図4−3)

(29)

5.1 点検方法

点検は、近接目視により損傷程度を評価することを原則とします。

なお、舗装は延長が長いために、重要路線のみ機械(路面性状測定車)により損傷程 度を測定することとします。

表 5-1 点検方法

施設の種類 点検方法 備考

橋梁 近接目視

トンネル 近接目視

舗装 路面性状測定車

路面性状測定車で点検しない区間 は目視点検

横断歩道橋 近接目視

シェッド・大型カ ルバート

近接目視

門型標識等 近接目視

(30)

5.2 対策区分の判定

利用者への安全性やサービス性能を確保することを目的として、道路施設毎に対策区 分の判定を設定します。

表 5-2 対策区分の判定

施設の種類 対策区分の判定 備考

橋梁

主構造はA、B、C、Eの4段階評価 附属物はA、M、Eの3段階評価

左記の判定を基に健全性を診断

トンネル − 健全性の診断のみ

舗装 −

舗装はMCI値で判定 →0∼10までの評価

横断歩道橋

主構造はA、B、C、Eの4段階評価 附属物および添加物はA、M、Eの3 段階評価

左記の判定を基に健全性を診断

シェッド・大型カ ルバート

− 健全性の診断のみ

門型標識等 − 健全性の診断のみ

※MCIとはひびわれ、わだち掘れ、平坦性より算出される舗装の維持管理指標値のことで、

数値が小さいほど、損傷程度が悪いことを表します。

表 5-3 対策区分の判定区分

判定区分 判定の内容

A 損傷が認められないか,損傷が軽微で補修を行う必要はない。 B 状況に応じて補修を行う必要がある。

(31)

5.3 健全性の診断

健全性の診断は下表判定を基に行うことを基本とします。なお、橋梁と横断歩道橋に ついては「対策区分の判定」と「健全性の診断」はあくまでそれぞれの定義に基づいて 独立して行うことが原則ですが、一般には次のような対応となります。

「Ⅰ」:A、「Ⅱ」:B,M、「Ⅲ」:C、「Ⅳ」:E

表 5-4 健全性の診断

施設の種類 健全性の診断 備考

橋梁 Ⅰ∼Ⅳの4段階評価

まず、部材単位の診断を行い、その後、診断 した主要な部材の中で最も厳しい評価を構造 物単位での健全度として診断する。

トンネル Ⅰ∼Ⅳの4段階評価

まず、変状等の診断を行い、その後、診断し た中で最も厳しい評価をトンネル毎での診断 とする。

舗装 −

舗装はMCI値で判定 →0∼10までの評価

横断歩道橋 Ⅰ∼Ⅳの4段階評価

まず、部材単位の診断を行い、その後、診断 した主要な部材の中で最も厳しい評価を構造 物単位での健全度として診断する。

シェッド・大型カ ルバート

Ⅰ∼Ⅳの4段階評価

まず、部材単位の診断を行い、その後、診断 した主要な部材の中で最も厳しい評価を構造 物単位での健全度として診断する。

門型標識等 Ⅰ∼Ⅳの4段階評価

まず、部材単位の診断を行い、その後、診断 した主要な部材の中で最も厳しい評価を構造 物単位での健全度として診断する。

表 5-5 健全性の診断区分

区 分 状 態

Ⅰ 健全 構造物の機能に支障が生じていない状態。

Ⅱ 予防保全段階

構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ず

ることが望ましい状態。

(32)

5.4 点検頻度

道路施設の種類毎に、健全性の診断(対策区分の判定)や重要度を考慮して点検頻度 を設定します。

表 5-6 点検頻度

施設名 頻 度 備 考

橋梁 1回/5年 損傷程度、重要度により1回/3年に短縮

トンネル 1回/5年 損傷程度により1回/2年に短縮

舗装 1回/5年

横断歩道橋 1回/5年 損傷程度、対策区分により1回/3年に短縮

シェッド・大型カル バート

1回/5年

門型標識等 1回/5年

表 5-7 橋梁の重要度区分

グループ 要 件

1 ◇交差条件(跨道橋,路線橋)

◇緊急輸送道路(1次,2次ネットワーク)

◇迂回路がない路線の橋梁

3 ◇交通量(10,000台以上)

4 ◇橋長15m以上

(33)

表 5-8 橋梁における重要度と対策区分による点検頻度

(単位:年)

対 策 区 分

※1

E C B A

詳細調査を

実施する。 ※2

3 5

2 3 5

3 3 5

4 5[3] 5

5 5[3] 5

※1 福岡県要領の対策区分(A、B、C、E)は部材毎に判定を行いますが、ここでの対策

区分は、橋梁の最も悪い対策区分とします。

※2 詳細調査実施後、補修・補強の必要性がない場合は、対策区分をBまたはAに修正し、

次回点検を行います。

※3 第三者被害が想定される橋梁については、[ ]:カッコ書き内の数字にて点検すること

とします。

※対策区分C、Eの横断歩道橋は、詳細調査を実施した後、補修・補強の必要性について判

定し、補修・補強が必要な場合、出来る限り速やかに対策を実施する必要があります。但

対 象 点 検 頻 度

・健全度Ⅰ、Ⅱのトンネル

(補修 対策後の定 期点検でS 判定 された

トンネルを含む)

1回/5年

・健全度Ⅲ、Ⅳの部位を含むトンネル

・補修履歴のあるトンネル

(対策実施後の初回のみ)

1回/2年

( 定 期 点 検 お よ び 詳 細 調 査 で 点 検 間 隔 が

延ばせると判断された場合 1回/5年)

対 象 点 検 頻 度

・対策区分A判定 5年以内

・対策区分B判定 3年以内

表 5-9 トンネルにおける健全度による点検頻度

(34)

5.5 記録の保存

(35)

6.1 データベースの機能

データベースには、登録・更新機能と、検索・閲覧機能があります。

データの登録・更新は道路維持課による一元管理とします。

また、データの検索・閲覧機能を設けることで、県民からの問い合わせに対して迅速

に対応できるようにします。

6.2 データの種類

データの種類には、下記の2つがあります。

①施設データ

②点検データ

③補修補強データ

図 6-1 データベースの構成

今後、劣化予測を可能とするために、上記のデータを蓄積・分析することで維持管理

(36)

6.3 ネットワークの構築

本庁と出先事務所の間にネットワークを構築することで、県民からの問い合わせに対

して、迅速に対応できるよう情報の共有化を行うとともに、業務の効率化を図ります。

(37)

6.4 データベース改修

データベースの本稼働から約5年が経過しましたが、実業務を行うに当たり、正確

に台帳作成・登録が行われにくい状況があることが度々確認されており、最近の運用

においては、台帳記載データの正確性を維持するための作業負担(問い合わせ対応、

台帳記載内容修正指導または修正、システムエラー原因調査、台帳修復、データ修復

等)といった状態にありました。

そこで、過去∼将来にわたる道路施設データの正確性を維持するため、また、道路

施設データベースに係わる関係者(管理、利用、運用)の作業負担を軽減することを

目的とし、平成26年度よりシステムの改修を実施しています。(図6−3)

また、平成27年度には道路施設データの機能追加(シェッド・大型カルバート等、

門型標識等、国指定様式台帳出力機能追加)を行うことを目的としたシステム改修を

行いました。

(38)

7.1 管理シナリオ

管理シナリオには、予防保全、事後保全、更新の3つのシナリオがありますが、損傷

がひどくなる前に補修を行う予防保全シナリオを原則とします。

なお、予防保全が不可能な場合や損傷状況がひどく補修では対応できない場合などに

は、事後保全や更新シナリオを採用します。

表7-1 維持管理計画策定の管理シナリオ

管理シナリオ 概 要

予防保全シナリオ 損傷がひどくなる前に補修を行うシナリオ

※予防保全によりライフサイクルコストの最小化を目指すシナリオ

事後保全シナリオ ある程度損傷がひどくなってから補修を行うシナリオ

※ 予 防 保 全 に よ る ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト と の 差 が 大 き く な い 場 合 、

予防保全が不可能な場合などにこのシナリオを採用

更新シナリオ 補 修 で は 対 応 で き な い 場 合 に 、 橋 を 架 け 替 え る な ど の 更 新 を 行 う

シナリオ

※ 何 度 も 補 修 を 行 い 、 補 修 に よ る 延 命 化 が 不 可 能 な 場 合 な ど に こ の

(39)

7.2 劣化予測および中長期の対策費用の算出

劣化予測が可能となるまでの間、点検結果及び維持・更新履歴をもとに、経過年数に

よる健全度の劣化程度を把握し、その結果をもとに、道路施設における中長期の対策費

用を算出します。

(40)

7.3 維持管理計画策定

道路施設の劣化予測・中長期の対策費用算出結果および関係機関との連携・協議を踏

まえ、対策優先順位を評価した上で、短期・中長期の維持管理計画を策定します。

短期計画により対象となった施設は、現地を確認し、補修の必要性があると判断され

た施設に対しては対策を実施します。

(41)

7.4 今後の取組み ∼データの活用∼

これまでにデータベースに蓄積されたデータを基に施設毎での劣化傾向の検討を行

いました。ここでは一例として橋梁についてのデータの活用を紹介します。

(橋梁)

データベースに登録されている4565橋において、過去の点検結果から最新

の点検結果までの全てのデータを対象とし、要対策と判定された橋梁に限定して

地域別や架設年代別、更には橋種別や部材別等、様々な条件毎で分析し、劣化の

傾向が確認できないか分析を行いました。

以下に示す表は様々な条件のもと組み合わせ た中で劣化傾向が確認できたも

のです。(表7−2)

表7−2 橋梁の劣化傾向

■橋種(部材)−地 域(架設年代 )

地 域

架設 年 次 ∼ 1 9 5 4 年

特大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

特大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (剥離・鉄筋

露出) 小

1 9 5 5 ∼1 9 7 3 年

特大 (腐食)

小 小 小

特大 (剥離・鉄筋

露出)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

大 (うき)

特大 (支承の機

能障害)

小 小

大 (PC定着部

の異常)

小 特大 特大 特大 小

1 9 7 4 年 ∼

特大 (腐食)

小 小

特大 (支承の機

能障害) 大 (剥離・鉄筋

露出)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

(剥離・ 鉄筋露 出)

小 中

( ひびわれ・ 漏 水・遊離石灰)

小 中

(ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

小 特大 (剥離・鉄筋

露出)

特大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

特大 (剥離・鉄筋

露出) 小

∼ 1 9 5 4 年

特大 (腐食)

特大 (剥離・鉄筋

露出)

小 小

特大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (沈下・移 動・傾斜)

(支承の機能障 害) 1 9 5 5 ∼1 9 7 3

特大 (腐食)

大 (剥離・鉄筋

露出) 小

特大 (支承の機

能障害) 特大 (剥離・鉄筋

露出) 中

( 剥離・ 鉄筋露 出)

大 (沈下・移 動・傾斜)

小 中

( ひびわれ・ 漏 水・遊離石灰)

(ひびわれ・ 漏 水・ 遊離石灰)

(剥離・ 鉄筋露 出)

特大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

特大 (剥離・鉄筋

露出)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

1 9 7 4 年 ∼

特大 (腐食)

小 大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (支承の機

能障害) 大 (剥離・鉄筋

露出) 中

( 床版ひびわれ) 大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

小 中 (うき)

中 (うき)

(ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

( 床版ひびわれ) 大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

∼ 1 9 5 4 年

特大 (腐食)

小 小 小

特大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (剥離・鉄筋

露出) 中

(沈下・移動・傾 斜)

1 9 5 5 ∼1 9 7 3 年

特大 (腐食)

大 (抜け落ち)

(ひびわれ・ 漏 水・ 遊離石灰)

小 大 (剥離・鉄筋

露出) 大 (剥離・鉄筋

露出) 中

(沈下・移動・傾 斜)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

(ひびわれ・ 漏 水・ 遊離石灰)

(沈下・移動・傾 斜)

小 特大 (PC 定着部

の異常) 中

( ひびわれ・ 漏 水・ 遊離石灰)

特大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

1 9 7 4 年 ∼

特大 (腐食)

小 中

(ひびわれ・ 漏 水・ 遊離石灰)

小 中

( 剥離・鉄筋露 出)

( 剥離・ 鉄筋露 出)

(沈下・移動・傾 斜)

小 中

( ひびわれ・ 漏 水・遊離石灰)

( 床版ひびわれ)

(ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

大 (ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

( 剥離・ 鉄筋露 出)

(ひびわれ・漏 水・遊離石灰)

:損傷割合割合⇒小 ※ (   ) 内 は 各 条 件 に お い て 最 も 多 か っ た 損 傷 の 種 類 を 示 す 。

:損傷割合割合⇒中 :損傷割合割合⇒大 :損傷割合割合⇒特大

凍 結 防 止 剤 散 布

そ の 他

床版 下部工 支承

床版

沿 岸 部

主桁 床版 下部工 支承 主桁 下部工 支承 主桁 主桁 床版 下部工 支承

鋼 RC PC(プレテン) PC(ポ ステン)

【橋種】

⇒同条件で橋種別に比較すると鋼橋やRC橋が他の橋種に比べ、損傷割合が高い傾向に

あった。

【部材】

⇒同条件で部材別に比較すると主桁が他の部材に比べ、損傷割合が高い傾向にあった。

【地域】

表 2-3  年度別における点検橋梁数と実際に対策を行った橋梁数の推移 平成 22年度 平成 23年度 平成 24年度 平成 25年度 平成 26年度 平成 27年度 1 5 9 1橋 7 0 2 橋 64 4 橋 6 37 橋 6 4 2橋 11 3 6橋 2 2 6橋 4 8 橋 2 5 橋 35 橋 4 2橋 1 1 7 橋 (1 4 .2% ) (6 .8 %) (3.9 %) (5 .5 % ) (6 .5% ) (10 .3 %) 対策計画橋梁数 2 4橋 2 1 橋 1 5 橋 1 57 橋
表 5-8  橋梁における重要度と対策区分による点検頻度  (単位:年)  対  策  区  分 ※1 E  C  B  A  重 要 度 1  詳細調査を  実施する。 ※2 3  5 2 3 5 3 3 5  4  5[3]  5  5  5[3]  5  ※1  福岡県要領の対策区分(A、B、C、E)は部材毎に判定を行いますが、ここでの対策 区分は、橋梁の最も悪い対策区分とします。  ※2  詳細調査実施後、補修・補強の必要性がない場合は、対策区分をBまたはAに修正し、 次回点検を行います。  ※3
図 6-2  ネットワーク構築図
図 7-1  劣化予測および中長期の対策費用算出の例
+2

参照

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